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水汲みの辛さ
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一つの籠を背負い、両手にも籠を持つ。
「くっ………お、重い。」
少しふらふらしながらもなんとか歩き出す。
私は何も持たずに歩いているからナダが遅れてしまう。
「おい!こんなに重いのだから手伝え!せめて一つでも持て!!」
「何言ってるの!もっと力のない女の人達や子どもが毎日毎日お腹が空いた状態で、重たい水を運んでいたんだよ!たった一回の往復で弱音なんか吐いてたら叩かれて酷い目に合ってたんだから!!1人で頑張りなさい!!」
それからは文句も言わなくなり、なんとかオアシスに到着した。もぅ夕方だった。
ナダ1人で芋を調理する。フルーツの食べ方も教えて、私はオアシス村に帰る。
「何?お前は帰るのか??」
「もちろん!明日の朝に、また来て畑作りの続きをしてそれで私の役目は終わり。じゃあ、また明日ね!」
トラックでブーンと帰る。
オアシスでは、タイカさんとナルダさんが監視カメラを見ていた。
私もお風呂に入ってから映像を見に行くと、慣れない仕事で疲れ果てて爆睡しているナダが映っていた。
朝になり、約束通りにオアシスに行き、朝ご飯の作り方を教えて、畑作りの続きをする。食料がそれなりに残っていたからわざと数日経たないと収穫出来ないような野菜の苗にしてある。
今日は5畝耕して、さつま芋や人参など育つのに時間がかかる野菜を植えた。
穴を掘って果物の苗木も植え、釣り竿で魚を釣る事も教える。全ての野菜の食べ方も教えておく。
昼もナダが芋を茹でていたので、少し調味料を増やしておいた。
苗も少し多めに出して、肥料なども出して、薪運びが大変だろうから一輪車も出しておいた。
「じゃあ、私はこれで。畑の水やりを忘れないようにね!」
「………あぁ。」
軽トラで夕方にはオアシス村に着く。これでしばらく様子を見よう。ナダはしばらく自分の生活に精一杯でこっちにちょっかいをかける暇はないはずだ。
監視カメラ映像チェックは、ナルダさんに任せて私は、この大陸に他の人達がいないか探しに行く事にした。
ナダでかなり時間を使ってしまった………。こんなに植物が育ちにくい所だから、食べる物も少なくて困っている人達がいる可能性が高い。急ごう!!
朝にいつものメンバーで出発する。道路を出しながら進んで行くが、また何もない荒れた土地が続く。
ゆきちゃんもいるから、ゆっくりペースで途中休憩も増やしながら2日経った。
少し高い山が見えてきて、山の手前には人間達の暮らす村が見えてきた。
「こんにちは!私は人間の陽菜と言います。ここの代表の方と話しがしたいのですが。」
「俺が村長をしている。」
「そうですか。あの、突然すみません。食料は足りてますか?」
「は??……足りているはずがないだろう。ここは何も育たない。」
「そうですよね。じゃあ私達と一緒に畑作りをしませんか?」
「………どういう事だ?もしかして、お前は鬼達の仲間か?俺達を騙すつもりか?」
「いえ、そんなつもりはないです。鬼がいるんですか?」
「あぁ、俺達を食おうと狙っているに違いない!あの山にいるんだ。」
「へぇ。誰か食べられたんですか?」
「いや、まだだ!だが、食べ物をあげるから家に遊びに来いと言って、近づくと急いで飛び出してくるんだ。絶対に俺達を捕まえようとしている!」
「そうですか………。」
「あぁ、だからお前も気をつけろよ!!」
「ありがとうございます!その鬼は1人だけなんですか?」
「そうだ!他にも鬼は沢山いるが、ここからは見えない山の反対側に住んでいると聞いている。食べ物が無くなって、俺達を食いに1匹だけここに来ているんだ!」
「へ、へぇ~。あの、畑作りしますか?」
「ん?そうだった!畑を作っても何も育たないぞ!」
「じゃあやって見せますね!」
耕運機を出して肥料を撒き、ルイ君を呼んで耕してもらった。
なんとなくだけど、鬼はオーガな気がするからワーガ達には遠くに待っていてもらってる。
実のついたトマトの苗などを植えて、水道も出す。
「ほら、これで大丈夫ですよ。」
「……………すごい!!」
「こんな畑を増やしませんか?」
「是非、お願いしたい!!」
ルイ君に耕運機の使い方を教えてもらい、村人を集めて肥料を撒いたり、苗を植えたりをする。
その間に、おにぎりを大量に出したりと食事の準備をした。
外に大きなテーブルを出して、おにぎりやお茶、卵焼き、漬け物などを並べていく。
皆んな美味しいと沢山食べてくれた。全員ガリガリでふらふらしている。
子どもも2人いたが、弱って動ける状態じゃなかった。母親が無理矢理おにぎりを食べさせようとしていたので止めて、お粥やスープを出して少しずつ食べてもらった。
少しだけど、唇の渇きや目の窪みがマシになったような気がする。
ジュースも出して、飲めるだけ飲んでもらう。
今日一日、少しずつ食べ物と水分を摂ったら、かなり楽になるはずだ。
公民館や家を出して、ゆっくりできる涼しい場所も用意した。
ルイ君にここを任せて、私は山の鬼の所に行く事にして、ワーガ達と合流する。
少し遠回りをして、さっきの村から見えないようにして、車を停めてワーガに背負ってもらう。ゆきちゃんはナナガが背負ってくれ、アルは走ってついてくるようだ。
なんだかワーガに背負ってもらうのも久しぶりだなぁ~と考えているうちに鬼の家に到着した。
「くっ………お、重い。」
少しふらふらしながらもなんとか歩き出す。
私は何も持たずに歩いているからナダが遅れてしまう。
「おい!こんなに重いのだから手伝え!せめて一つでも持て!!」
「何言ってるの!もっと力のない女の人達や子どもが毎日毎日お腹が空いた状態で、重たい水を運んでいたんだよ!たった一回の往復で弱音なんか吐いてたら叩かれて酷い目に合ってたんだから!!1人で頑張りなさい!!」
それからは文句も言わなくなり、なんとかオアシスに到着した。もぅ夕方だった。
ナダ1人で芋を調理する。フルーツの食べ方も教えて、私はオアシス村に帰る。
「何?お前は帰るのか??」
「もちろん!明日の朝に、また来て畑作りの続きをしてそれで私の役目は終わり。じゃあ、また明日ね!」
トラックでブーンと帰る。
オアシスでは、タイカさんとナルダさんが監視カメラを見ていた。
私もお風呂に入ってから映像を見に行くと、慣れない仕事で疲れ果てて爆睡しているナダが映っていた。
朝になり、約束通りにオアシスに行き、朝ご飯の作り方を教えて、畑作りの続きをする。食料がそれなりに残っていたからわざと数日経たないと収穫出来ないような野菜の苗にしてある。
今日は5畝耕して、さつま芋や人参など育つのに時間がかかる野菜を植えた。
穴を掘って果物の苗木も植え、釣り竿で魚を釣る事も教える。全ての野菜の食べ方も教えておく。
昼もナダが芋を茹でていたので、少し調味料を増やしておいた。
苗も少し多めに出して、肥料なども出して、薪運びが大変だろうから一輪車も出しておいた。
「じゃあ、私はこれで。畑の水やりを忘れないようにね!」
「………あぁ。」
軽トラで夕方にはオアシス村に着く。これでしばらく様子を見よう。ナダはしばらく自分の生活に精一杯でこっちにちょっかいをかける暇はないはずだ。
監視カメラ映像チェックは、ナルダさんに任せて私は、この大陸に他の人達がいないか探しに行く事にした。
ナダでかなり時間を使ってしまった………。こんなに植物が育ちにくい所だから、食べる物も少なくて困っている人達がいる可能性が高い。急ごう!!
朝にいつものメンバーで出発する。道路を出しながら進んで行くが、また何もない荒れた土地が続く。
ゆきちゃんもいるから、ゆっくりペースで途中休憩も増やしながら2日経った。
少し高い山が見えてきて、山の手前には人間達の暮らす村が見えてきた。
「こんにちは!私は人間の陽菜と言います。ここの代表の方と話しがしたいのですが。」
「俺が村長をしている。」
「そうですか。あの、突然すみません。食料は足りてますか?」
「は??……足りているはずがないだろう。ここは何も育たない。」
「そうですよね。じゃあ私達と一緒に畑作りをしませんか?」
「………どういう事だ?もしかして、お前は鬼達の仲間か?俺達を騙すつもりか?」
「いえ、そんなつもりはないです。鬼がいるんですか?」
「あぁ、俺達を食おうと狙っているに違いない!あの山にいるんだ。」
「へぇ。誰か食べられたんですか?」
「いや、まだだ!だが、食べ物をあげるから家に遊びに来いと言って、近づくと急いで飛び出してくるんだ。絶対に俺達を捕まえようとしている!」
「そうですか………。」
「あぁ、だからお前も気をつけろよ!!」
「ありがとうございます!その鬼は1人だけなんですか?」
「そうだ!他にも鬼は沢山いるが、ここからは見えない山の反対側に住んでいると聞いている。食べ物が無くなって、俺達を食いに1匹だけここに来ているんだ!」
「へ、へぇ~。あの、畑作りしますか?」
「ん?そうだった!畑を作っても何も育たないぞ!」
「じゃあやって見せますね!」
耕運機を出して肥料を撒き、ルイ君を呼んで耕してもらった。
なんとなくだけど、鬼はオーガな気がするからワーガ達には遠くに待っていてもらってる。
実のついたトマトの苗などを植えて、水道も出す。
「ほら、これで大丈夫ですよ。」
「……………すごい!!」
「こんな畑を増やしませんか?」
「是非、お願いしたい!!」
ルイ君に耕運機の使い方を教えてもらい、村人を集めて肥料を撒いたり、苗を植えたりをする。
その間に、おにぎりを大量に出したりと食事の準備をした。
外に大きなテーブルを出して、おにぎりやお茶、卵焼き、漬け物などを並べていく。
皆んな美味しいと沢山食べてくれた。全員ガリガリでふらふらしている。
子どもも2人いたが、弱って動ける状態じゃなかった。母親が無理矢理おにぎりを食べさせようとしていたので止めて、お粥やスープを出して少しずつ食べてもらった。
少しだけど、唇の渇きや目の窪みがマシになったような気がする。
ジュースも出して、飲めるだけ飲んでもらう。
今日一日、少しずつ食べ物と水分を摂ったら、かなり楽になるはずだ。
公民館や家を出して、ゆっくりできる涼しい場所も用意した。
ルイ君にここを任せて、私は山の鬼の所に行く事にして、ワーガ達と合流する。
少し遠回りをして、さっきの村から見えないようにして、車を停めてワーガに背負ってもらう。ゆきちゃんはナナガが背負ってくれ、アルは走ってついてくるようだ。
なんだかワーガに背負ってもらうのも久しぶりだなぁ~と考えているうちに鬼の家に到着した。
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