125 / 185
神様じゃない!
しおりを挟む
アルと奥さんのラルがギャーギャー言ってる間、息子はひたすら食べていた。
早送りで見ていると、ずっと食べて無くなったら取りに行き、また食べて……。さらにアルもラルも怒ってお腹が空くのか、やけ食いのように食べていた。
そりゃ食べ物も無くなるわ!1日半で食料空にするって………。
朝も起きたらすぐに食べていた。夕方になり息子が食料が無いと言うから今、探しに行っている。
食料庫代わりの穴から声が聞こえてくる。ここはカメラを付けてないけど、入り口辺りのカメラから音声だけは聞けた。
「えっ、もぅほとんど残ってないじゃない!!」
「他の所に隠してるんじゃないか??」
「そーね!これだけなんて事はないはずよ!探しましょう!」
3人で出てきて、次々に色んな部屋に入ってガサゴソとしている。
服なんかは、新しいのがあるから持って来なくてもいいし、食料もいらないと言ってあった。大切な物だけ持って引っ越して来てと伝えたけどほとんどが手ぶら。
服というより、ボロ布を抱えて出て来たが、食べ物はなかったらしい。
着れるだけ着て暖かくしている。でも、息子のお腹はグーグーと鳴りっぱなしだ。
「だいたいバルが食べすぎたのが悪いんだ!」
「だって、好きなだけ食べていいって言うから……。」
「まさか本当にあれだけしか食料が無いとは………。」
「そっ、そーよ!バルは悪くないわ。きっと里のヤツが皆んな持って行って意地悪したのよ!」
「そーだな。アイツら、許さん!!」
激怒しているが、どうする事も出来ず、鍋に水と少しの芋を入れて「不味い、不味い!」と言いながら3人で食べていた。
もぅ少し放置しよう。全く反省してない。食べ物だって全部置いてきてもらったのに、好き放題するから無くなるんだ!
自分達で畑でもすれば食べていけるだろうけど、それもしようとせずに全部を里の人達の所為にして怒ってる間は、無視しよう。
はぁー、無駄な時間だった。ファーナさんに電話してアル達の様子を見る限り助ける必要はないから、もうしばらく放置しようと伝えた。ファーナさんも同じ意見で、苦労しないとわからない事もあると自分勝手なアル達に怒っていた。
とりあえずノーモ達と出会った公民館まで車で行き、公民館で一泊する事にした。
花火の失敗を教訓にして、東京タワーを出してライトアップしてみた。さらに、花火を数発打ち上げておく。
公民館から少し離れた場所にログハウスを幾つか出してドアを半分開けたまま暖炉で部屋を暖めて、薪ストーブの上に、ポトフを鍋に入れて置いておく。
外には露天風呂や暖かい脱衣所に着替えやタオルなども置いてある。
本当なら、好きに使ってくださいとか書いておきたいけど、字がない世界だから誰も読めない。
露天風呂の入り方や、ポトフが食べ物だと分かるように写真や絵を描いて貼ってある。
私達は、公民館でお風呂に入ってご飯を食べて、ぐっすり寝る事にした。
朝起きて、外を見たらエルフやドワーフ、人間たちが沢山いて玄関の前に並んでいる。
急いでワーガを起こして一緒に外に出ると用意した着替えを着込んだ人達が皆んな立膝をついて礼をする。
「あっ、あの~……。」
声をかけると、ハッと顔を上げて怯えるような目で私を見る。
えぇーー、何かした??怖いんですけど……。
「わ、われわれは、ここここらにすすすす住んで………いる……。ああああああなた様は…………かかかかかかかか神さささささま……ででですね?」
「えっ?違いますけど。」
ざわざわと騒がしくなる。
「えっと、私は陽菜と言う人間です。船に乗って遠くから来ました。ここの人達が困ってたら助けようと思って来たんです。だから神じゃないですよ。」
「や、やはり!!神様だー!!」
「えっ?いや、だから神様じゃないって……」
「あのような素晴らしい食べ物は神様の食べ物に違いない!!皆の者、神様に貢ぎ物を!!」
「はっ!!神様、どうかこれをお納めください。」
「いや、だーかーらー、神様じゃないって!!」
ツッコミながら差し出された物を見ると、人間の赤ちゃんだった。
大慌てで受け取り、戸惑っているとさっきのエルフのお爺さんが頭を下げたまま話す。
「大昔からの伝説なのです。食べ物を持った神様が現れて、私達を助けてくれると。神様には、貢ぎ物が必要で、人間の赤子がいいと言い伝えでありました。」
「いや、だから私は神様じゃないし、貢ぎ物もいらないから!!この子の親は?」
「受け取ってもらえませんのか??………あぁ、何が間違ってしまったんじゃ!!」
オロオロするお爺さん。もっとオロオロする私………。話しが通じない!!
「いや、聞いて!!受け取るとかの話しじゃなくて、私は神様じゃありません!!」
「おぉ、何という事だ!!神様がお怒りだ!このままではわしらは住む所も食べる物もなく死んでしまうだろう……。」
もっとざわざわし始めた。全く話しを聞いてくれない。ワーガをみるが、ワーガもどうしたらいいのかわからないようだ。
ワーガに赤ちゃんを抱っこしてもらって、スピーカーを出して話す。
『私は神様じゃない!怒ってもいない!!あなた達に住む場所と食べ物を用意します。だから話しを聞いてください!!』
「ははーー!!神様、ありがとうございます!!」
ダメだこりゃ。
早送りで見ていると、ずっと食べて無くなったら取りに行き、また食べて……。さらにアルもラルも怒ってお腹が空くのか、やけ食いのように食べていた。
そりゃ食べ物も無くなるわ!1日半で食料空にするって………。
朝も起きたらすぐに食べていた。夕方になり息子が食料が無いと言うから今、探しに行っている。
食料庫代わりの穴から声が聞こえてくる。ここはカメラを付けてないけど、入り口辺りのカメラから音声だけは聞けた。
「えっ、もぅほとんど残ってないじゃない!!」
「他の所に隠してるんじゃないか??」
「そーね!これだけなんて事はないはずよ!探しましょう!」
3人で出てきて、次々に色んな部屋に入ってガサゴソとしている。
服なんかは、新しいのがあるから持って来なくてもいいし、食料もいらないと言ってあった。大切な物だけ持って引っ越して来てと伝えたけどほとんどが手ぶら。
服というより、ボロ布を抱えて出て来たが、食べ物はなかったらしい。
着れるだけ着て暖かくしている。でも、息子のお腹はグーグーと鳴りっぱなしだ。
「だいたいバルが食べすぎたのが悪いんだ!」
「だって、好きなだけ食べていいって言うから……。」
「まさか本当にあれだけしか食料が無いとは………。」
「そっ、そーよ!バルは悪くないわ。きっと里のヤツが皆んな持って行って意地悪したのよ!」
「そーだな。アイツら、許さん!!」
激怒しているが、どうする事も出来ず、鍋に水と少しの芋を入れて「不味い、不味い!」と言いながら3人で食べていた。
もぅ少し放置しよう。全く反省してない。食べ物だって全部置いてきてもらったのに、好き放題するから無くなるんだ!
自分達で畑でもすれば食べていけるだろうけど、それもしようとせずに全部を里の人達の所為にして怒ってる間は、無視しよう。
はぁー、無駄な時間だった。ファーナさんに電話してアル達の様子を見る限り助ける必要はないから、もうしばらく放置しようと伝えた。ファーナさんも同じ意見で、苦労しないとわからない事もあると自分勝手なアル達に怒っていた。
とりあえずノーモ達と出会った公民館まで車で行き、公民館で一泊する事にした。
花火の失敗を教訓にして、東京タワーを出してライトアップしてみた。さらに、花火を数発打ち上げておく。
公民館から少し離れた場所にログハウスを幾つか出してドアを半分開けたまま暖炉で部屋を暖めて、薪ストーブの上に、ポトフを鍋に入れて置いておく。
外には露天風呂や暖かい脱衣所に着替えやタオルなども置いてある。
本当なら、好きに使ってくださいとか書いておきたいけど、字がない世界だから誰も読めない。
露天風呂の入り方や、ポトフが食べ物だと分かるように写真や絵を描いて貼ってある。
私達は、公民館でお風呂に入ってご飯を食べて、ぐっすり寝る事にした。
朝起きて、外を見たらエルフやドワーフ、人間たちが沢山いて玄関の前に並んでいる。
急いでワーガを起こして一緒に外に出ると用意した着替えを着込んだ人達が皆んな立膝をついて礼をする。
「あっ、あの~……。」
声をかけると、ハッと顔を上げて怯えるような目で私を見る。
えぇーー、何かした??怖いんですけど……。
「わ、われわれは、ここここらにすすすす住んで………いる……。ああああああなた様は…………かかかかかかかか神さささささま……ででですね?」
「えっ?違いますけど。」
ざわざわと騒がしくなる。
「えっと、私は陽菜と言う人間です。船に乗って遠くから来ました。ここの人達が困ってたら助けようと思って来たんです。だから神じゃないですよ。」
「や、やはり!!神様だー!!」
「えっ?いや、だから神様じゃないって……」
「あのような素晴らしい食べ物は神様の食べ物に違いない!!皆の者、神様に貢ぎ物を!!」
「はっ!!神様、どうかこれをお納めください。」
「いや、だーかーらー、神様じゃないって!!」
ツッコミながら差し出された物を見ると、人間の赤ちゃんだった。
大慌てで受け取り、戸惑っているとさっきのエルフのお爺さんが頭を下げたまま話す。
「大昔からの伝説なのです。食べ物を持った神様が現れて、私達を助けてくれると。神様には、貢ぎ物が必要で、人間の赤子がいいと言い伝えでありました。」
「いや、だから私は神様じゃないし、貢ぎ物もいらないから!!この子の親は?」
「受け取ってもらえませんのか??………あぁ、何が間違ってしまったんじゃ!!」
オロオロするお爺さん。もっとオロオロする私………。話しが通じない!!
「いや、聞いて!!受け取るとかの話しじゃなくて、私は神様じゃありません!!」
「おぉ、何という事だ!!神様がお怒りだ!このままではわしらは住む所も食べる物もなく死んでしまうだろう……。」
もっとざわざわし始めた。全く話しを聞いてくれない。ワーガをみるが、ワーガもどうしたらいいのかわからないようだ。
ワーガに赤ちゃんを抱っこしてもらって、スピーカーを出して話す。
『私は神様じゃない!怒ってもいない!!あなた達に住む場所と食べ物を用意します。だから話しを聞いてください!!』
「ははーー!!神様、ありがとうございます!!」
ダメだこりゃ。
23
お気に入りに追加
242
あなたにおすすめの小説
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
召喚アラサー女~ 自由に生きています!
マツユキ
ファンタジー
異世界に召喚された海藤美奈子32才。召喚されたものの、牢屋行きとなってしまう。
牢から出た美奈子は、冒険者となる。助け、助けられながら信頼できる仲間を得て行く美奈子。地球で大好きだった事もしつつ、異世界でも自由に生きる美奈子
信頼できる仲間と共に、異世界で奮闘する。
初めは一人だった美奈子のの周りには、いつの間にか仲間が集まって行き、家が村に、村が街にとどんどんと大きくなっていくのだった
***
異世界でも元の世界で出来ていた事をやっています。苦手、または気に入らないと言うかたは読まれない方が良いかと思います
かなりの無茶振りと、作者の妄想で出来たあり得ない魔法や設定が出てきます。こちらも抵抗のある方は読まれない方が良いかと思います
【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。
異世界で農業をやろうとしたら雪山に放り出されました。
マーチ・メイ
ファンタジー
異世界召喚に巻き込まれたサラリーマンが異世界でスローライフ。
女神からアイテム貰って意気揚々と行った先はまさかの雪山でした。
※当分主人公以外人は出てきません。3か月は確実に出てきません。
修行パートや縛りゲーが好きな方向けです。湿度や温度管理、土のphや連作、肥料までは加味しません。
雪山設定なので害虫も病気もありません。遺伝子組み換えなんかも出てきません。完璧にご都合主義です。魔法チート有りで本格的な農業ではありません。
更新も不定期になります。
※小説家になろうと同じ内容を公開してます。
週末にまとめて更新致します。
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
~クラス召喚~ 経験豊富な俺は1人で歩みます
無味無臭
ファンタジー
久しぶりに異世界転生を体験した。だけど周りはビギナーばかり。これでは俺が巻き込まれて死んでしまう。自称プロフェッショナルな俺はそれがイヤで他の奴と離れて生活を送る事にした。天使には魔王を討伐しろ言われたけど、それは面倒なので止めておきます。私はゆっくりのんびり異世界生活を送りたいのです。たまには自分の好きな人生をお願いします。
加護とスキルでチートな異世界生活
どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!?
目を覚ますと真っ白い世界にいた!
そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する!
そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる
初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです
ノベルバ様にも公開しております。
※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません
転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる