いきなり異世界って理不尽だ!

みーか

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寒い

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 トイレに入って、トイレットペーパーがホルダーにあるだけしかない事に気づいた。タオルも替えがない!
 大急ぎでお店になっている場所に行き、お菓子やインスタント珈琲など並べただけのガラ空きの棚にトイレットペーパーやタオル、電気ポット、ティーセットなどを出しておいた。
 ランドリーもあるし洗濯も出来るけど、1枚だけじゃ足りない。応接セットがあってもカップもコップもお皿もなければ困る……。食堂にだけ食器を出してもダメだった。
 あっ、食堂の布巾なども予備がない!!シーツや枕カバーも替えがない!!
 リネン室に行って、シーツなどを出しまくり、食堂に行って足りない物を聞いて出してと走り回っていたら夜になった。
 晩ご飯を食べて、放送でショップにカップやインスタント珈琲、ジュース、トイレットペーパーもあるので必要な時に取りに行ってください、シーツやタオルなどもリネン室にあるから自分で取り替えて洗濯してくださいと伝える。
 放送の帰りにファーナさんに出会って、タオルやシーツなども自分達の分を持ってきたと言っていた。さすが!!

 服もいるけど数枚はあるから明日出す事にして、今日は早く寝よう。全くゆっくり出来なかった……。

 次の日、服や下着なども出して、各部屋にTVと DVDプレイヤーを出して回る。お好みのDVDをショップから取って来て見てもいいよと言うと大喜びでショップに行っていた。
 それぞれが、洗濯や掃除など出来る事をしてくれ、男の人達もショップの品出しや畑の仕事などをしてくれている。
 食堂も交代で休憩しながら頑張ってくれていて、布巾やタオルを洗ったり、食器洗いなどを手伝ってくれる人もいる。
 豪華客船だけど、自分達の事は自分達でしなければいけないから、船だけ豪華なだけで、普段の生活とあまり変わらなかった。
 最初の2日ほどは、船での生活に慣れるので精一杯で、皆んな緊張していたが、3日目辺りからする事がわかってきて手分けしてできるようになり、慣れてきた。
 
 ルイ君に会いに操縦室に行き、何か見えないかと聞いてみたけど、何も見えないようだ。時々小さな島があるが人がいるようには見えないらしい。

 ファーナさんの部屋に行って、ハルハちゃんに癒されながら困った事はないか聞くと特にないし快適だと言ってくれた。
 良かったぁ~!!

 船旅を楽しみながら5日程過ぎた。甲板に出て寒さを感じる。温度計を確認すると10℃しかない。
 大急ぎで畑に行き、温室を出した。
 2日前からなんとなく涼しいなぁと思っていたが、まさか急に寒くなるとは思わなかった。

 急いで部屋を回って、長袖のトレーナーなどを出して回った。暑さには慣れているが、寒さに慣れていない人達なので、半纏なども出しておいた。着物みたいで可愛いと大喜びだ!
 
 次の日には、さらに寒くなっている。冬服を出しておく。

 その次の日には雪がチラチラ舞うようになり、船の中は暖かいけど外には誰も出なくなった。ハゼドンに頼んで鍋料理を作ってもらった。
 ハルー村は暑いから鍋は初めてで、大喜びしていた。子ども達は絵本で雪合戦やかまくら作りなどを見ていたから、雪に大興奮。

 次の日の昼頃、ルイ君から陸が見えると報告があった。
 近づいて船着場を出して、私とワーガとルイ君で降りてみる事にした。
 まず、ルイ君にドローンを飛ばしてもらって空から確認。周りに何も無さそうなので、車を出して進む。
 スノータイヤの車を出しておいた。
 
 道路を出しながら1時間ほど進む。時々山があるが広い平らな土地が続く。そして、雪が結構積もっていた。
 ここを拠点にする事にして、家を出していく。とりあえずマンションを出して電話で、車で道路を辿って来てほしいと伝える。
 数人は船に残ってくれるらしい。

 その間に冬用の服や、子ども達の為に雪遊び用の服や手袋長靴、マフラー、雪掻き用のスコップや除雪車などを出して、各部屋にこたつも出しておいた。
 私達の部屋は、5世帯で過ごせるようにしてある。マンションの中にシェアハウスがあるような感じだ。
 5階建ての、かなり大きなマンションになってしまった。
 同じような部屋もあるから、それぞれ好きに選んでもらえるようにした。1人用のワンルームにロフトがあるような部屋もある。

 続々と到着して、部屋を選び荷物を片付けてもらう。船にほとんど荷物は置いてくるように言ってあるから、すぐに終わる。
 こたつの使い方や、冬服の着方などを教えてそれぞれ過ごしてもらった。
 ルイ君のお父さんに頼んで、温室の中に畑や果樹園を作ってもらう。
 雪が結構積もるから、かなり頑丈な物を出した。
 作業しながら外を見ると、ファーファちゃん達が雪だるま作りをして大盛り上がりだ!
 外に出て、バケツを出して帽子にして、人参を鼻にしてと絵本通りの顔にするのを手伝う。キャーキャー言いながらはしゃいでいた。
 あまりにも可愛かったから、写真を撮りまくった!

 マンション一階に作った食堂では、シチューやおでん、鍋などの温かい料理が並んでいて、寒いからこそのご馳走を楽しんでいた。
 ドワーフやエルフ達は、おでんに日本酒の熱燗にハマって、演歌を流してどっぷりと昭和のサラリーマンになりきっていた。
 そんな気分が味わいたいらしい。上司がどうの、中間管理職で……などとぶつぶつ言いながら呑むのがいいらしい……。いったい、何のDVDを見たんだ??
 ノリノリのリリガが、着物を着て小料理屋の女将さんになりきりお酌をしたりしていた。

 それも写真に撮っておいた。

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