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宴会の余興
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見つからないように、そーっと近づいてみる。
部屋の照明の灯りでなんとなく見えるのは、オーガのようだ。
まだ中学生くらいかな。男の子と女の子だった。
しばらく息を殺して、耳を澄ませて会話を聞いてみる。
「腹減った~!もぅ限界だ。人間だけならビビらせて食べ物を奪えるけど……オーガもいるし……。」
「だよねぇ~。やっぱり諦めようよ。勝手に里を抜け出した事がバレたら怒られるよ~!」
「でもさ、あんな綺麗な光を作るんだぜ!絶対悪い奴じゃないと思うんだ。」
「うーん、そうだよね。それは私も思った。……なら、お願いして食べ物もらおうよ!」
「でも、親父達は絶対行くなって言ってたぞ。ドワーフとかエルフとかが最近おかしくなってるから、ヤバイ事になるかもしれないって!」
「それ、お母さんも言ってた。ドワーフやエルフもいるけど、人間や獣人族と楽しそうにしてるよ?」
「だよなぁー!やっぱり悪い奴らじゃないよな!!」
「うん!絶対そーだよ!だから一口でいいから食べ物ちょーだいって頼んでみようよ~!!」
あーだこーだとヤイヤイ言い合っている。時々、ぐーーーきゅるるるるーー!!!と声より大きなお腹の音が響いてくる。
ワーガと目配せして、出て行くことにした。
「こんばんは。こんな所でどうしたの?」
「ひぃっ!!!…………あ………う……。」
「お、俺達…………。くそっ!!俺はオーガだぞ!!に、人間なんか……くっ、食ってやる!!!」
「へぇー、オーガって人間食べるんだ?」
「お、おぅ!!こ、怖いんだぞ!!頭からガリガリって!!」
「そっ、そんなこと言って……やばいよぉ~!!」
そこに、ワーガが出て来る。
「俺もオーガだが、人間を食べるなんて初めて聞くぞ!」
「ぅうわぁーーー!!!」
「何しに来たんだ?」
「ごごごごめんなさいっ!!!!」
「すすすすみませんでした!!」
逃げ出そうとする2人をワーガが捕まえて、公民館の中に連れて行く。
もぅ脂汗びっしょりで震えあがっている。
「はっ放せーー!!」
「お、お願いだから食べないでーー!!!」
「た、食べるなら俺だけに………俺だけにしろーー!ぅわーーーん!!」
可哀想なんだけど……なんとも微笑ましくて笑えてくる。
他の皆んなも同じようで、ニヤニヤしている。
そのままナナガとワーガがシャワー室に連れて行って洗ってくれる。シャワー室の中から、ぎゃーーー!!!とか、ひぃーーー!!!とか悲鳴が聞こえてきた。
しばらくして、ピカピカになった2人が甚平を来て出てきた。
「き、綺麗にして食べても、お、美味しくないぞ!!」
「……もぅ……終わりだよ……。お母さん、言う事聞かなくてごめんなさい。うっ……うっ……。」
皆んな大爆笑だった。……ごめんね2人とも。お酒も入ってて、余興みたいになってしまってる……。
さすがに気の毒だったから、説明をする。
「だから食べたりしないし、怒ったりしないから。安心して!ねっ!!」
「ほ、本当か?」
「もちろん。よく見て!オーガも人間も皆んな仲良くしてるでしょ?いじめたり食べようとしてるように見える?」
「み、見えません……。」
「でしょ?あんまり2人が怖がってるから、からかったんだよ。」
「おぅ、そーだ!!何もしねーよ!」
「こっちに来て座って。一緒に食べよう!」
ニコニコと声をかけられて、恐々と席についた。
お皿にポテトサラダや唐揚げ、おにぎりなどを取り分けてもらって、食べなさいと促される。
少し悩んでいたけど、一口食べ、それからはすごい勢いで食べていった。
「うううんめーーーーー!!!」
「な、なにこれ!!止まらない!!」
次々と皿に乗せてもらうが、あっという間に消えていく。
気持ちのいい食べっぷりだ。ハゼドンが嬉しそうに見ている。
30分ほど夢中で食べていた。
「はぁーー、もぅ食えない!!」
「美味しかったぁー、お腹苦しい~!!」
話しを聞こうと近づくと、ハッとした顔をして、
「も、もしかして、太らせて食べる気か??」
「えぇ、やっぱりたべられちゃうんだぁーーー!!ぅわーーん。」
いやいや、最初人間を食べるとか言ってたの、そっちだから……。心の中でつっこんでから、優しく話しかける。周りの人達は、クスクスと笑って楽しんでる……。
「そんな事しないよ。私は人間だし、オーガと仲良しだよ。名前は、陽菜。あなた達は?」
「……ご、ごめん。俺はキガ。」
「わ、私はラナガ。」
「キガにラナガね!よろしく!!私達は、この辺りの山に住んでる人達がいないか探しに来たんだ。もし、食べ物が少ないようなら、一緒に村を作って暮らそうと思ってるんだ。」
「本当に?また、こんなご馳走食べる事ができるの??」
「もちろん!そのかわり、自分達で畑を作ったりして働いてもらう。私達が用意するのは、住む家と服、働く場所。頑張れば沢山食べ物は作れるし、他の村からも運んでくるよ。」
「す、すげーーー!!!こんな所に住めるのか?」
「うん。約束する。」
その日は公民館に泊まってもらった。ふかふかの布団に感動して大騒ぎしていた。
朝ご飯をお腹いっぱい食べて、ニコニコしていたが、内緒で出てきて親に叱られるとガタガタと震え始めた……。
ドーガや数人のオーガにキガとラナガを連れて里まで話しをしに行ってもらった。
部屋の照明の灯りでなんとなく見えるのは、オーガのようだ。
まだ中学生くらいかな。男の子と女の子だった。
しばらく息を殺して、耳を澄ませて会話を聞いてみる。
「腹減った~!もぅ限界だ。人間だけならビビらせて食べ物を奪えるけど……オーガもいるし……。」
「だよねぇ~。やっぱり諦めようよ。勝手に里を抜け出した事がバレたら怒られるよ~!」
「でもさ、あんな綺麗な光を作るんだぜ!絶対悪い奴じゃないと思うんだ。」
「うーん、そうだよね。それは私も思った。……なら、お願いして食べ物もらおうよ!」
「でも、親父達は絶対行くなって言ってたぞ。ドワーフとかエルフとかが最近おかしくなってるから、ヤバイ事になるかもしれないって!」
「それ、お母さんも言ってた。ドワーフやエルフもいるけど、人間や獣人族と楽しそうにしてるよ?」
「だよなぁー!やっぱり悪い奴らじゃないよな!!」
「うん!絶対そーだよ!だから一口でいいから食べ物ちょーだいって頼んでみようよ~!!」
あーだこーだとヤイヤイ言い合っている。時々、ぐーーーきゅるるるるーー!!!と声より大きなお腹の音が響いてくる。
ワーガと目配せして、出て行くことにした。
「こんばんは。こんな所でどうしたの?」
「ひぃっ!!!…………あ………う……。」
「お、俺達…………。くそっ!!俺はオーガだぞ!!に、人間なんか……くっ、食ってやる!!!」
「へぇー、オーガって人間食べるんだ?」
「お、おぅ!!こ、怖いんだぞ!!頭からガリガリって!!」
「そっ、そんなこと言って……やばいよぉ~!!」
そこに、ワーガが出て来る。
「俺もオーガだが、人間を食べるなんて初めて聞くぞ!」
「ぅうわぁーーー!!!」
「何しに来たんだ?」
「ごごごごめんなさいっ!!!!」
「すすすすみませんでした!!」
逃げ出そうとする2人をワーガが捕まえて、公民館の中に連れて行く。
もぅ脂汗びっしょりで震えあがっている。
「はっ放せーー!!」
「お、お願いだから食べないでーー!!!」
「た、食べるなら俺だけに………俺だけにしろーー!ぅわーーーん!!」
可哀想なんだけど……なんとも微笑ましくて笑えてくる。
他の皆んなも同じようで、ニヤニヤしている。
そのままナナガとワーガがシャワー室に連れて行って洗ってくれる。シャワー室の中から、ぎゃーーー!!!とか、ひぃーーー!!!とか悲鳴が聞こえてきた。
しばらくして、ピカピカになった2人が甚平を来て出てきた。
「き、綺麗にして食べても、お、美味しくないぞ!!」
「……もぅ……終わりだよ……。お母さん、言う事聞かなくてごめんなさい。うっ……うっ……。」
皆んな大爆笑だった。……ごめんね2人とも。お酒も入ってて、余興みたいになってしまってる……。
さすがに気の毒だったから、説明をする。
「だから食べたりしないし、怒ったりしないから。安心して!ねっ!!」
「ほ、本当か?」
「もちろん。よく見て!オーガも人間も皆んな仲良くしてるでしょ?いじめたり食べようとしてるように見える?」
「み、見えません……。」
「でしょ?あんまり2人が怖がってるから、からかったんだよ。」
「おぅ、そーだ!!何もしねーよ!」
「こっちに来て座って。一緒に食べよう!」
ニコニコと声をかけられて、恐々と席についた。
お皿にポテトサラダや唐揚げ、おにぎりなどを取り分けてもらって、食べなさいと促される。
少し悩んでいたけど、一口食べ、それからはすごい勢いで食べていった。
「うううんめーーーーー!!!」
「な、なにこれ!!止まらない!!」
次々と皿に乗せてもらうが、あっという間に消えていく。
気持ちのいい食べっぷりだ。ハゼドンが嬉しそうに見ている。
30分ほど夢中で食べていた。
「はぁーー、もぅ食えない!!」
「美味しかったぁー、お腹苦しい~!!」
話しを聞こうと近づくと、ハッとした顔をして、
「も、もしかして、太らせて食べる気か??」
「えぇ、やっぱりたべられちゃうんだぁーーー!!ぅわーーん。」
いやいや、最初人間を食べるとか言ってたの、そっちだから……。心の中でつっこんでから、優しく話しかける。周りの人達は、クスクスと笑って楽しんでる……。
「そんな事しないよ。私は人間だし、オーガと仲良しだよ。名前は、陽菜。あなた達は?」
「……ご、ごめん。俺はキガ。」
「わ、私はラナガ。」
「キガにラナガね!よろしく!!私達は、この辺りの山に住んでる人達がいないか探しに来たんだ。もし、食べ物が少ないようなら、一緒に村を作って暮らそうと思ってるんだ。」
「本当に?また、こんなご馳走食べる事ができるの??」
「もちろん!そのかわり、自分達で畑を作ったりして働いてもらう。私達が用意するのは、住む家と服、働く場所。頑張れば沢山食べ物は作れるし、他の村からも運んでくるよ。」
「す、すげーーー!!!こんな所に住めるのか?」
「うん。約束する。」
その日は公民館に泊まってもらった。ふかふかの布団に感動して大騒ぎしていた。
朝ご飯をお腹いっぱい食べて、ニコニコしていたが、内緒で出てきて親に叱られるとガタガタと震え始めた……。
ドーガや数人のオーガにキガとラナガを連れて里まで話しをしに行ってもらった。
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