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ホットケーキ
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シェアハウスに向かいながら、ナナガに電話する。ワーガの携帯が渡してある。
子ども達を連れて帰るから用意してくれるように頼んだ。
バスに一緒に乗って、女の子の話しを聞く。
「私は、ユウっていうの。こっちは幼馴染のダイ。私達が子どもの中で大きかったから大人が隠してくれてたんだ。後は小さいから連れて行かれなかった。だから連れて行った人達の顔は見てないんだ。海で貝を拾ったり、時々魚を捕まえる事が出来たりして生きてきた。後は、お母さん達が作ってた芋が残ってたから、なんとか食べてこられたんだけど、もぅ芋も残ってなくて……。」
「あの子達は、兄弟じゃないの?」
「違う。兄弟の子もいるけど私もダイも兄弟はいないよ。」
「そっかぁ。頑張ったんだね。ありがとう。」
「……でも、やっぱり小さい子はダメだった。オッパイが飲めないからどんどん弱って………うぅっ……ぐすっ……。」
「……辛かったね。」
隣でダイも思い出したようで泣いていた。
産まれてすぐの子もいたようだ。
少し落ち着いた頃シェアハウスに着いた。
温泉を出して一緒に入って、体を洗う。男の子達は、ルイ君やワーガに任せた。
小さな子は、ナナガと2人で順番に洗っていく。
上がって体を拭いたり服を着せたりは、ルールやミイナも手伝ってくれた。
公民館を出して、皆んなで泊まる事にした。
服は獣人族用の服をハルー村で沢山用意してもらっていて、それを持ってきていたから助かった!
ご飯や布団を敷いたりをお願いして、ルイ君とワーガでドローンを飛ばす。
トンネル一つだけでブルー村の方へ繋がる場所があり、ワーガと越えてトンネルを出しておく。もぅ夕方だから見えなくなる直前だ。ギリギリセーフ。
ブルー村に電話して、子ども達の受け入れをお願いした。
明日、迎えに来てもらえるように行ける所まで車で道路を出しながら進む。
次の日の朝、バスが迎えに来てくれた。
お父さんやお母さんを必ず見つけるからねと約束してユウ達と別れた。
ブルー村では、シェアハウスを用意して待ってくれているそうだ。
他のメンバーと話し合い、海の近くの山を探してみる事にした。
ユウ達の家がある場所から1番近い山まで行きドローンを飛ばす。
パソコンで確認していると、それらしい場所を発見した。
その場で作戦会議だ。
山を二つ越えた辺りに里がある。ここからだと遠いけど、ほかに道は無さそうだし、初めて行く場所だから行くだけで半日ほどはかかるだろう。今からでは無理なので、ドローンで周りの撮影をしてシェアハウスに帰る事にした。
公民館の会議室に集まって、プロジェクターで壁に映し出したドローン映像を見る。
「ここに家のような物と畑なのか木がない開けた場所があるから里があるんじゃないかなぁ?」
「あっ、陽菜!ここ!!ほら、谷になってる所。何かある。ここも誰か住んでるのかも。」
ルイ君が指差す所に確かに何か見える。
「ご主人様、花火を上げるのは?」
「うーん、誰も来ないかもしれないけど、マサドンみたいに一人でも逃げてきてくれたら情報は入るかも。……でも、警戒されるかもしれない。」
「確かに、夢で花火の事を知っていたら、余所者が来ただけで怪しまれるかもしれません。」
「それに人間だけで住んでいるなら山から自力で降りて来れないんじゃないか?」
「何か良いアイデアない?」
「ドローンを使って食べ物を落とすのはどうだ?」
「食べ方が分からないだろう。」
「あぁそうか。」
「匂いで誘き寄せるのは?」
「近くで料理しないといけないから大変だと思う。」
「匂いかぁ~。…………あっ!!!良い事思い付いた!!」
芳香剤を出した。蓋を開けると桃の甘い香りがファーっと広がる。
オレンジ、ミントなども出してみる。バニラの芳香剤も出した。
バニラエッセンスも出してみた。
「これを少しずつこっちに向けて移動させて行ったら釣られて来るかも!」
「なるほど!」
「一度やってみるか?」
「うん、やってみよう!」
まだ昼過ぎだから、試してみる事にした。
バニラエッセンスをスポンジに滴るほど染み込ませて、ドローンにつける。
あま~い香りが辺りに漂う。
「よし、実験開始!」
ルイ君が里に向けてドローンを飛ばす。
里に近づくと少し低くして匂いを感じやすくしてくれている。
パソコンで確認していると、中から数人のドワーフがフラーっと出てきた。
そのままドローンをこっちに移動してもらう。
おぉ、ついて来てる!!
でも途中で帰ろうとするドワーフがいる。
そこでハゼドン特製のホットケーキ!!バニラエッセンスもたっぷり、ハルー産小麦100%、ハルー産バターも使って、たっぷりのハルー産メープルシロップもかかっている。
これをドローン数台に紙皿を吊って乗せて飛ばす。
急に目の前に、良い匂いの物が降りて来てビックリはしていたが、もぅ我慢の限界のようだった。
一人のドワーフが、匂いを確認してメープルシロップをペロっと舐めてみる。
次の瞬間、ガシッと手で掴んで口に放り込む。
泣きながら膝から崩れ落ちて、空に向かって何か喚いてる。
それを見てた周りドワーフも我先にとホットケーキに群がっている。
残り一皿のホットケーキは、ドローンでこっちに帰ってくるようにしてもらう。
少し高い位置で飛び続けるホットケーキを血眼で追いかけるドワーフ……怖い……。なんとも不気味な映像がパソコンに映し出されている。
微妙な距離を保ちつつドローンが飛んでいる。
ドローンを使いこなすルイ君やワーガ達はすごい。
私はドローン2台ほど木に引っ掛けて戻ってきてない……。犠牲を出さない為にも大人しくしておく事にした。
子ども達を連れて帰るから用意してくれるように頼んだ。
バスに一緒に乗って、女の子の話しを聞く。
「私は、ユウっていうの。こっちは幼馴染のダイ。私達が子どもの中で大きかったから大人が隠してくれてたんだ。後は小さいから連れて行かれなかった。だから連れて行った人達の顔は見てないんだ。海で貝を拾ったり、時々魚を捕まえる事が出来たりして生きてきた。後は、お母さん達が作ってた芋が残ってたから、なんとか食べてこられたんだけど、もぅ芋も残ってなくて……。」
「あの子達は、兄弟じゃないの?」
「違う。兄弟の子もいるけど私もダイも兄弟はいないよ。」
「そっかぁ。頑張ったんだね。ありがとう。」
「……でも、やっぱり小さい子はダメだった。オッパイが飲めないからどんどん弱って………うぅっ……ぐすっ……。」
「……辛かったね。」
隣でダイも思い出したようで泣いていた。
産まれてすぐの子もいたようだ。
少し落ち着いた頃シェアハウスに着いた。
温泉を出して一緒に入って、体を洗う。男の子達は、ルイ君やワーガに任せた。
小さな子は、ナナガと2人で順番に洗っていく。
上がって体を拭いたり服を着せたりは、ルールやミイナも手伝ってくれた。
公民館を出して、皆んなで泊まる事にした。
服は獣人族用の服をハルー村で沢山用意してもらっていて、それを持ってきていたから助かった!
ご飯や布団を敷いたりをお願いして、ルイ君とワーガでドローンを飛ばす。
トンネル一つだけでブルー村の方へ繋がる場所があり、ワーガと越えてトンネルを出しておく。もぅ夕方だから見えなくなる直前だ。ギリギリセーフ。
ブルー村に電話して、子ども達の受け入れをお願いした。
明日、迎えに来てもらえるように行ける所まで車で道路を出しながら進む。
次の日の朝、バスが迎えに来てくれた。
お父さんやお母さんを必ず見つけるからねと約束してユウ達と別れた。
ブルー村では、シェアハウスを用意して待ってくれているそうだ。
他のメンバーと話し合い、海の近くの山を探してみる事にした。
ユウ達の家がある場所から1番近い山まで行きドローンを飛ばす。
パソコンで確認していると、それらしい場所を発見した。
その場で作戦会議だ。
山を二つ越えた辺りに里がある。ここからだと遠いけど、ほかに道は無さそうだし、初めて行く場所だから行くだけで半日ほどはかかるだろう。今からでは無理なので、ドローンで周りの撮影をしてシェアハウスに帰る事にした。
公民館の会議室に集まって、プロジェクターで壁に映し出したドローン映像を見る。
「ここに家のような物と畑なのか木がない開けた場所があるから里があるんじゃないかなぁ?」
「あっ、陽菜!ここ!!ほら、谷になってる所。何かある。ここも誰か住んでるのかも。」
ルイ君が指差す所に確かに何か見える。
「ご主人様、花火を上げるのは?」
「うーん、誰も来ないかもしれないけど、マサドンみたいに一人でも逃げてきてくれたら情報は入るかも。……でも、警戒されるかもしれない。」
「確かに、夢で花火の事を知っていたら、余所者が来ただけで怪しまれるかもしれません。」
「それに人間だけで住んでいるなら山から自力で降りて来れないんじゃないか?」
「何か良いアイデアない?」
「ドローンを使って食べ物を落とすのはどうだ?」
「食べ方が分からないだろう。」
「あぁそうか。」
「匂いで誘き寄せるのは?」
「近くで料理しないといけないから大変だと思う。」
「匂いかぁ~。…………あっ!!!良い事思い付いた!!」
芳香剤を出した。蓋を開けると桃の甘い香りがファーっと広がる。
オレンジ、ミントなども出してみる。バニラの芳香剤も出した。
バニラエッセンスも出してみた。
「これを少しずつこっちに向けて移動させて行ったら釣られて来るかも!」
「なるほど!」
「一度やってみるか?」
「うん、やってみよう!」
まだ昼過ぎだから、試してみる事にした。
バニラエッセンスをスポンジに滴るほど染み込ませて、ドローンにつける。
あま~い香りが辺りに漂う。
「よし、実験開始!」
ルイ君が里に向けてドローンを飛ばす。
里に近づくと少し低くして匂いを感じやすくしてくれている。
パソコンで確認していると、中から数人のドワーフがフラーっと出てきた。
そのままドローンをこっちに移動してもらう。
おぉ、ついて来てる!!
でも途中で帰ろうとするドワーフがいる。
そこでハゼドン特製のホットケーキ!!バニラエッセンスもたっぷり、ハルー産小麦100%、ハルー産バターも使って、たっぷりのハルー産メープルシロップもかかっている。
これをドローン数台に紙皿を吊って乗せて飛ばす。
急に目の前に、良い匂いの物が降りて来てビックリはしていたが、もぅ我慢の限界のようだった。
一人のドワーフが、匂いを確認してメープルシロップをペロっと舐めてみる。
次の瞬間、ガシッと手で掴んで口に放り込む。
泣きながら膝から崩れ落ちて、空に向かって何か喚いてる。
それを見てた周りドワーフも我先にとホットケーキに群がっている。
残り一皿のホットケーキは、ドローンでこっちに帰ってくるようにしてもらう。
少し高い位置で飛び続けるホットケーキを血眼で追いかけるドワーフ……怖い……。なんとも不気味な映像がパソコンに映し出されている。
微妙な距離を保ちつつドローンが飛んでいる。
ドローンを使いこなすルイ君やワーガ達はすごい。
私はドローン2台ほど木に引っ掛けて戻ってきてない……。犠牲を出さない為にも大人しくしておく事にした。
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