いきなり異世界って理不尽だ!

みーか

文字の大きさ
上 下
94 / 185

作戦2

しおりを挟む
「もちろん、そのつもりです。今まで奴隷にしてきた人達とも仲良く出来ますか?ドワーフと家族だった人達があなた達の帰りを待ってますよ。」
「………あ、ありがとう!!あんなに酷いことしたのに……待ってくれてるんだな………うっ……ぐすっ。」
「ドドンさんにも家族がいるんですか?」
「お、俺の妻はドワーフだったが子どもができなくて、人間とドワーフの子を育ててたんだ。その子の親は崖から落ちてしまって……。だから、その子を自分達の子どもとして育ててた。……なのに………奴隷にして……」
「そうだったんですか。里の人達に山を降りる前に必ずこの果物を一つ食べさせてください。全ての人に食べさせてくださいね!」
「わかった。必ず!!」

 また山に入って行く。オーガ達がまた降りて来て車に乗せてくれる。
 オーガ達に果物運びとドワーフ達の迎えに行ってもらった。
 
 昼頃、ドワーフ達も全員降りて来た。赤ちゃんを抱っこしている人もいるが、やはり女性が少ない。
 りんご村まで車で行く。トラックや自衛隊の車が大活躍だ。バスも5台ほど汚れたのがあるからそれも活用する。
 
 りんご村に着いて、シャワーやお風呂に入ってもらい、着替えてもらった。ドドンさんには着ていた服を集めてもらい、外に置いた作業着用の洗濯機で洗って乾かす。
 次の里や村を助けるために働いてもらう予定だ。

 家を選んでもらったり、再会した家族とシェアハウスに行ってもらう。
 食堂でご飯を食べて、公民館に集合してもらった。
 
 アナナンさんを見て、ワータンさんやマサドンに泣きながら土下座で謝っているドワーフが何人かいた。
 アナナンさんは仕方なかった、もぅ気にしてないって許してくれていた。ワータンさんも複雑な顔をしていたが、事情を知っているから許すと言ってくれた。

 集会室に集まってもらい、これからについて説明する。
「ここでは、自分達で働いてもらいます。もぅ洗脳はほとんど解けているから大丈夫だと思いますが、奴隷は存在しません!人間、獣人族関係なく同じ立場です。もし、奴隷扱いするようなら出て行ってもらいます。」
 見回すと、皆んな頷き納得しているように見えた。
「仕事は、畑仕事、果樹園、スーパー、食堂などがあります。今は、あちこちの村から助けに来てくれてますが、仕事を覚えたら皆さんだけで生活していってもらいます。それと、他の里や村の人達も助けるつもりなので、ここに来た人達はどんな人種であろうと仲良くしてください。」
「「「「「「はいっ!!」」」」」」
「これから案内しますので、してみたい仕事場まで行きましょう。もちろん、合わない仕事の事もあるでしょうし、仕事を変える事は問題ないです。でも病気や怪我でもないのに仕事をしないのは許しません!子ども達は、出来る仕事を少しするだけでいいですよ。その代わり勉強してもらいます。」
 それぞれバスで移動してもらう。

 ドドンさんとヤマドン、ワーガ、一緒に来たオーガ達と会議室に場所を移して話し合いをする。
「まずドドンさん、あの里以外の里や村の場所やどんな人達が住んでいるか知ってますか?」
「あぁ、知っている。それとドドンと呼び捨てにしてくれ!体がモゾモゾする。」
「あははは、わかりました。ドドン。」
「うん、それでいい。里の話しだが、全部を知ってるわけじゃない。両隣と奥の山の里しか知らない。他にも幾つかあると聞いた事がある。」
「まずは、隣の里について教えてもらえますか?」
「隣は同じくドワーフ達が住んでいる。人間の奴隷を沢山使っていた。その里も、もともとドワーフも人間も一緒に働いて生活していたが、俺達と同じように夢を見るようになって、それから奴隷として人間を使うようになった。女達は、あの方に差し出すよう夢で指示され、一緒にあの高い山の下の洞窟に閉じ込めた。俺の妻も……。今思うと信じられない事だが、あの時はすごく良い事をしていると思っていたし、女達も進んで洞窟に行った。」
「なるほど。悪魔があなた達を操っているんです。魔力を吸い取って何かを復活させようとしているんです。魔力を吸い取る為に女性は、あちこちの里や村から連れて行かれてます。悪魔は人間や獣人族が苦しむ事が力になっていて、皆さんを操って奴隷にしているんです。」
「そうだったのか……。俺達は、あいつらに都合の良いようにされていたんだな!!」
「そうです。洗脳を解くためには、ここで作っている野菜や果物を食べる必要があります。なのでヤマドンがドドン達にしたように、隣の里に行き、食べ物を渡してほしいんです。」
「わかった。やってみる。」
「反対側の里の事、奥の里の事も教えてください。」
 
 それから夕方になるまでドドンから情報を聞き、細かい設定も詳しく伝えた。ヤマドンとドドンで明日、ドワーフの里に行ってもらう事になった。
 他の里は、反対側はエルフが住んでいて人間の奴隷、奥の里もエルフが住んでいて、獣人族が奴隷だと話してくれた。
 人間や獣人族を拐う場所があり、まだそこに残っている人達がいるようだ。
 そこには明日、オーガ達に行ってもらおう。1日でも早い方がいいだろう。
  明日の予定と今後の事を話し合い解散した。

 夕食をワーガと一緒に食堂で食べる。新しく働いている人達も、楽しそうだし、教えてくれる人間にも素直に従っている。
 畑仕事をしていたドワーフに声をかけると、久しぶりに汗を流して働いて気持ち良い、自分で収穫した物を食べるのが楽しみだとニコニコしながら話してくれている。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

【前編完結】50のおっさん 精霊の使い魔になったけど 死んで自分の子供に生まれ変わる!?

眼鏡の似合う女性の眼鏡が好きなんです
ファンタジー
リストラされ、再就職先を見つけた帰りに、迷子の子供たちを見つけたので声をかけた。  これが全ての始まりだった。 声をかけた子供たち。実は、覚醒する前の精霊の王と女王。  なぜか真名を教えられ、知らない内に精霊王と精霊女王の加護を受けてしまう。 加護を受けたせいで、精霊の使い魔《エレメンタルファミリア》と為った50のおっさんこと芳乃《よしの》。  平凡な表の人間社会から、国から最重要危険人物に認定されてしまう。 果たして、芳乃の運命は如何に?

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜

シュガーコクーン
ファンタジー
 女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。  その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!  「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。  素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯ 旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」  現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

処理中です...