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作戦
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その日の夜に花火を上げる事になった。一度夕方上げて、暗くなってきた頃にもう一度上げる事にした。
今回は、1箇所だけで上げる事にした。また違う日に他の所でも上げる事になっている。
花火が上がり中間の村に電話して、花火が見えたか聞いたが見えなかったようだ。音も聞こえなかったらしい。オーガの里でも、トンネル村でも花火は見えず音も聞こえないようだ。
2回目の花火が終わり、公民館で待機。
かなり待ったけど、誰も来ない。ここには住んでいないのかな?
もぅそろそろ夜中の12時だ。待つのをやめようかと話している時に、公民館の外で音がした。
外に出てみると、ドワーフと人間のハーフだろうと思われる男の子が倒れていた。
その横に布でぐるぐる巻きになっている物が転がっている。
その中から小さな泣き声が微かに聞こえてきた。
急いで布を抱き上げ、そっと布を外していくと産まれてすぐだろう赤ちゃんが出てきた。
男の子の方はワーガに任せ、公民館の中でミルクや哺乳瓶、オムツに服を出す。ベビーバスも出して沐浴をしてもらう。
たまたま中間の村から来てくれた人で最近お姉ちゃんに赤ちゃんが産まれてお世話を手伝っていた人が居てくれて助かった!ハルハちゃんの沐浴を見たけど、した事はなかった。
その間にミルクを作っておく。
産まれて多分3日くらいだと思うと沐浴してくれたエルフが言っていた。布で拭いただけのような状態で、初めて湯で洗ってもらったんだろうと思える状態だった。
なんとかミルクを飲んでくれて、少し元気になったように見える。
泣き声も力強くなってきた。
そのままエルフにお世話を任せて、男の子の方に行く。
中学生くらいだろうかガリガリで泥だらけ、あちこちに擦り傷がある。
体を拭いていると目を覚ます。
「………ここは?俺、逃げれたのか?」
「大丈夫?起きれる?」
体支えてもらいゼリー飲料を飲ませる。お粥も用意してもらって食べてもらう。
少し落ち着いた所で、話し始めた。
「俺の里はドワーフの里で、人間の奴隷が昔からいた。俺の母さんが人間の奴隷と結婚して俺が産まれたんだ。最初は奴隷じゃなくなった父さんと母さんと一緒に暮らしてたんだけど、急にドワーフ達が奴隷に酷い事をし始めたんだ。そのうち、奴隷とドワーフの子は奴隷の血が流れてるから奴隷にするって言い出して、俺も連れて行かれそうになったけど、母さんに赤ちゃんが産まれそうだったから世話に残されたんだ。」
「もしかして、その赤ちゃんはあなたと一緒に連れて来た赤ちゃん?」
「そうだ。俺の妹なんだ……。」
「妹は、大丈夫だよ。今、お世話をしてもらってるから。少し元気になってきたよ!」
「良かった………。もぅダメかと思った。妹が産まれた事を知ったら俺は奴隷になるし、妹も何をされるかわからないから、母さんがこっそり逃がしてくれたんだ。俺1人逃げても、そんなに騒ぎにならないだろうし妹も産まれてすぐ死んだ事にするからって。綺麗な光が空に見えたから、あそこまで行ったら俺だけでも助けてくれるかもしれないし、妹も里にいるよりは良いだろうって。女の子だったから母さんは心配してたんだ。」
「よく、頑張ったね!もぅ大丈夫だよ。あなたも妹も絶対助けるから。」
「…うん……あ、ありがとう……ぅわーーーん!!」
ホッとしたのか大泣きし始めた。
落ち着くのを待って、お粥をもう少し食べてもらい、お風呂に入って着替えてもらう。
今夜はもぅ遅いし、疲れ果てている様子だから公民館で寝てもらう事にした。
寝る前に妹の様子が見たいと言うので、可愛いベビー服に着替えて綺麗になった妹に会ってもらった。
「え…………、これ俺の妹なの?あ……ホクロの場所が一緒だ……。こんなに可愛かったんだ!!」
またウルウルしながらも疲れに負けて、すぐに寝てしまった。
私も、今夜は公民館に泊まる事にした。
寝るのが遅かったので9時まで寝てしまっていたようだ。
男の子はまだ寝ているし、妹の方はミルクを飲んでいた。
しばらくして目を覚ましたので、朝ご飯を一緒に食べる事にした。
食べながら話しを聞く。
どうやら花火が上がっても、そこに行くと災いが起こるとお告げがあったそうだ。
私達に助けられて洗脳を解かれないように悪魔が先手を打ったのだろう……。
悪魔も力を得るのに必死なようだ。
電話も使って作戦会議を開く事にした。
ハンズフリーにして、ゴーガとワーガで繋ぎ、私とライルさん、余りの携帯3台でダンドンさん、リリガ、ドーガと繋いで机に置く。
ここの状況を説明すると、とりあえず助けに行った方がいいとの意見が多かった。もう一つの意見として、花火では無い何かで知らせる方法はどうだ?と言われて、皆んなで考え込む。
私は日本の事を思い出して、ここの人達は絵本やドラマなどを思い出して考える。
うーーん、遠くの人に合図を送る方法……。狼煙くらいしか思いつかない。
『洗脳を解くのは、神様が出してくれた食べ物だろう?食べ物を送ればいいんじゃないか?』
ライルさんが言ってくれる。横で赤ちゃんの泣き声もしている。
「でも、よく分からない物が届けられても簡単には食べてくれないんじゃないかなぁ?」
『それならドワーフなら同じ俺達ドワーフが届けたらどうだ?』
ダンドンさんも賛成のようだ。
なるほど、たしかに怪しまれず食べ方も教えられるし、一度食べたら今までのご飯なんか食べられないと言っているから成功するかも。
よーし、しっかりと作戦を練って洗脳を解いてやる!!
今回は、1箇所だけで上げる事にした。また違う日に他の所でも上げる事になっている。
花火が上がり中間の村に電話して、花火が見えたか聞いたが見えなかったようだ。音も聞こえなかったらしい。オーガの里でも、トンネル村でも花火は見えず音も聞こえないようだ。
2回目の花火が終わり、公民館で待機。
かなり待ったけど、誰も来ない。ここには住んでいないのかな?
もぅそろそろ夜中の12時だ。待つのをやめようかと話している時に、公民館の外で音がした。
外に出てみると、ドワーフと人間のハーフだろうと思われる男の子が倒れていた。
その横に布でぐるぐる巻きになっている物が転がっている。
その中から小さな泣き声が微かに聞こえてきた。
急いで布を抱き上げ、そっと布を外していくと産まれてすぐだろう赤ちゃんが出てきた。
男の子の方はワーガに任せ、公民館の中でミルクや哺乳瓶、オムツに服を出す。ベビーバスも出して沐浴をしてもらう。
たまたま中間の村から来てくれた人で最近お姉ちゃんに赤ちゃんが産まれてお世話を手伝っていた人が居てくれて助かった!ハルハちゃんの沐浴を見たけど、した事はなかった。
その間にミルクを作っておく。
産まれて多分3日くらいだと思うと沐浴してくれたエルフが言っていた。布で拭いただけのような状態で、初めて湯で洗ってもらったんだろうと思える状態だった。
なんとかミルクを飲んでくれて、少し元気になったように見える。
泣き声も力強くなってきた。
そのままエルフにお世話を任せて、男の子の方に行く。
中学生くらいだろうかガリガリで泥だらけ、あちこちに擦り傷がある。
体を拭いていると目を覚ます。
「………ここは?俺、逃げれたのか?」
「大丈夫?起きれる?」
体支えてもらいゼリー飲料を飲ませる。お粥も用意してもらって食べてもらう。
少し落ち着いた所で、話し始めた。
「俺の里はドワーフの里で、人間の奴隷が昔からいた。俺の母さんが人間の奴隷と結婚して俺が産まれたんだ。最初は奴隷じゃなくなった父さんと母さんと一緒に暮らしてたんだけど、急にドワーフ達が奴隷に酷い事をし始めたんだ。そのうち、奴隷とドワーフの子は奴隷の血が流れてるから奴隷にするって言い出して、俺も連れて行かれそうになったけど、母さんに赤ちゃんが産まれそうだったから世話に残されたんだ。」
「もしかして、その赤ちゃんはあなたと一緒に連れて来た赤ちゃん?」
「そうだ。俺の妹なんだ……。」
「妹は、大丈夫だよ。今、お世話をしてもらってるから。少し元気になってきたよ!」
「良かった………。もぅダメかと思った。妹が産まれた事を知ったら俺は奴隷になるし、妹も何をされるかわからないから、母さんがこっそり逃がしてくれたんだ。俺1人逃げても、そんなに騒ぎにならないだろうし妹も産まれてすぐ死んだ事にするからって。綺麗な光が空に見えたから、あそこまで行ったら俺だけでも助けてくれるかもしれないし、妹も里にいるよりは良いだろうって。女の子だったから母さんは心配してたんだ。」
「よく、頑張ったね!もぅ大丈夫だよ。あなたも妹も絶対助けるから。」
「…うん……あ、ありがとう……ぅわーーーん!!」
ホッとしたのか大泣きし始めた。
落ち着くのを待って、お粥をもう少し食べてもらい、お風呂に入って着替えてもらう。
今夜はもぅ遅いし、疲れ果てている様子だから公民館で寝てもらう事にした。
寝る前に妹の様子が見たいと言うので、可愛いベビー服に着替えて綺麗になった妹に会ってもらった。
「え…………、これ俺の妹なの?あ……ホクロの場所が一緒だ……。こんなに可愛かったんだ!!」
またウルウルしながらも疲れに負けて、すぐに寝てしまった。
私も、今夜は公民館に泊まる事にした。
寝るのが遅かったので9時まで寝てしまっていたようだ。
男の子はまだ寝ているし、妹の方はミルクを飲んでいた。
しばらくして目を覚ましたので、朝ご飯を一緒に食べる事にした。
食べながら話しを聞く。
どうやら花火が上がっても、そこに行くと災いが起こるとお告げがあったそうだ。
私達に助けられて洗脳を解かれないように悪魔が先手を打ったのだろう……。
悪魔も力を得るのに必死なようだ。
電話も使って作戦会議を開く事にした。
ハンズフリーにして、ゴーガとワーガで繋ぎ、私とライルさん、余りの携帯3台でダンドンさん、リリガ、ドーガと繋いで机に置く。
ここの状況を説明すると、とりあえず助けに行った方がいいとの意見が多かった。もう一つの意見として、花火では無い何かで知らせる方法はどうだ?と言われて、皆んなで考え込む。
私は日本の事を思い出して、ここの人達は絵本やドラマなどを思い出して考える。
うーーん、遠くの人に合図を送る方法……。狼煙くらいしか思いつかない。
『洗脳を解くのは、神様が出してくれた食べ物だろう?食べ物を送ればいいんじゃないか?』
ライルさんが言ってくれる。横で赤ちゃんの泣き声もしている。
「でも、よく分からない物が届けられても簡単には食べてくれないんじゃないかなぁ?」
『それならドワーフなら同じ俺達ドワーフが届けたらどうだ?』
ダンドンさんも賛成のようだ。
なるほど、たしかに怪しまれず食べ方も教えられるし、一度食べたら今までのご飯なんか食べられないと言っているから成功するかも。
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