いきなり異世界って理不尽だ!

みーか

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新しい仲間

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 オーガの歓声が響き渡っている。
 ワーガを呼んで話をする。
「ワーガ、ありがとう。一緒に来てくれて本当に助かった。ワーガがいてくれたからいい方向に進む事ができたよ。」
「ご主人様の役にたったのなら良かったです。」
「うん。すごく役に立った。見直したよ!」
「でへへへへ、俺、やっぱりご主人様と一緒がいいです!」
「…………。ほどほどにね。はははっ!」

 食べ終わり、公民館や家にオーガ達は走っていった。家の使い方の説明もあるので、ハルー村の人達を背負って走って行く……。
 説明が終わったらまた背負って家まで送るらしい。女子が恥ずかしそうなのは分かるけど、なんで数人おっさんがオーガの男性に背負われて頬を染めているんだ?確かに皆んな整った顔だけど……。

 ワーガは、私を送ると聞かないので、背負って家まで送ってもらう。車くらいのスピードで走るから、オープンカーならこんな感じなのかな?なんて考えてたら到着した。
「ワーガ、ありがとう。おやすみ!」
「はい!おやすみなさい!」
「家に帰って寝るんだよ!」
「……はい!!約束です!」
 名残惜しそうに走っていった。

 朝になり、改めて避難所の1階に集合してもらう。
 仕事の説明と、ワーガ達の里へ行くオーガ達を決める。
 五つの里が集まっていたから、3つの里がワーガ達の方へ行く事になった。
 ドーガはハルー村に残るそうだ。
 急いでバスの運転練習をルイ君にお願いして、ワーガにもバスの運転を頼む。その間、ひたすら食料を食堂に出しておく。今回は、こっちからのお土産を準備する余裕がないから、オーガ達を運ぶだけにした。
 バスを8台用意して、出発する。ルイ君には今回は、残ってもらう。
 
 昼前に出発して、午後3時ごろには到着する。だいたい4時間ちょっと。

 ゴーガに説明したら、とても喜ばれた。人手は多い方が良い。
 家を出しまくり、食料もかなり出しておいた。

 今日は、仕事は無しにして、家の片付けや足りない物の確認をしてもらう。

 魚は大漁続きで、生け簀にも少し魚が増えてきたそうだ。
 ハルー村からの応援は、とても助かっているようで、畑仕事もかなり捗っている。
 牧場も、まだ数は少ないけど、持ってきた鶏の卵が孵ってヒヨコがピーピー鳴いている。そのうち、増えていくだろう。
 もう少し頑張れば大丈夫そうだ。
 さらに、ハルー村から来た人で、ここでの生活が気に入ってこっちに住みたいという人もいた。
 ここと、ハルー村との間に町を作ってもいいかもしれない。
 
 この日は、ひたすら食料を食堂や避難所1階のスーパーに出していく。
 苗や肥料なども出しておいた。まだまだ畑を広げるらしい。

 食堂の中にケーキやパンを置くコーナーも作ってあり、パン作りやケーキ作りを教えてもらっているオーガもいたり、薬草に興味があるオーガもいる。
 それぞれ、自分の好きな仕事を探して、うまく回っているようだ。

 朝一で、ワーガとハルー村に帰る。
 多分大丈夫だろうけど、揉めたりしてないか心配だ。

 昼頃に着いて、食堂に行くと、大賑わいだった。
「気持ち良いほど食べてくれるから作りがいがあるよ。」
 食堂の人達は嬉しそうに言ってくれる。本当に、良い人ばかりだ!

 ご飯を食べながら話しを聞くと、オーガ達は本当によく働いてくれるようだ。力があるからドワーフでも2袋の肥料を運ぶのが精一杯なのに、両肩に3袋づつ担いで運んでくれるし、車より早いからと採れた野菜や果物も走ってスーパーや食堂まで運んでくれる。
 スーパーでも、商品を軽々持ち上げて運んでくれるから助かるとアヤナンさんも嬉しそうだった。
 牧場でも、広いから動物達を小屋に戻すのが大変らしいが、走って追い込んでくれるから助かっていると話してくれる。

 良かった~。動いた分、食べるけど、それだけの仕事をしてくれてるから誰も嫌な顔せず、仲良くしてくれている。
 女性のオーガは、器用な人が多くて編み物が得意だったり、裁縫が上手だったりと、これまた役に立ってくれている。
 

 ドーガ達が来て3ヶ月が経った。私はオーガの里に行ったり来たりしながら過ごしていた。

 びっくりするほどカップル成立。そして妊娠……。動物達も順調に増えている。
 なんとファーファちゃんもお姉ちゃんになるらしい。まだお腹は目立ってないけど楽しみだ!
 ライルさんの奥さんは、かなりお腹が大きくなってきている。
 食料不足で、妊娠どころじゃなかったのが、落ち着いた事で妊婦さんが増えた。
 産婦人科では、ひたすらDVDで勉強を続けてくれている。
 オーガの里も落ち着いてきて、最近妊婦さんが増えてきた。産婦人科を出して、ここでも勉強をしてもらっている。
 ハルー村も、オーガの里も今までには無かった人間とオーガとの結婚が多くあり、初めての事に産婦人科の皆さんは頭を抱えている。

 人間とオーガは基本的に同じで、角と肌や髪の色が違うくらいの違いだ。寿命も、オーガの方が20年ほど長いくらいのようだ。
 エルフとオーガ、ドワーフとオーガのカップルもあり、こちらも初めての事で、様子を見るしかない。
 せっかくの新しい命、無事に生まれてきてほしい。
 ハルー村第1号ベビーちゃんは、もう少し先のようだ。



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