上 下
47 / 185

村人到着

しおりを挟む
 次の日、早速避難所を出すことにした。十分に山からは離れているからどこに建てても大丈夫だけど、私の家のある所から車で20分、果樹園の端から川を挟んだ辺りにした。

 同じように10階建ての建物を出して、中も同じようにしていく。
 1階を体育館の代わりに使う事にした。この広さなら全員が入っても余裕だ!

 避難所の横に、色々なタイプの家を出してみた。使うかどうか分からないけど、スマホで検索して色々なハウスメーカーのモデルハウスを片っ端から出していく。壁の色も形もバラバラな家がポツポツと沢山並んでる。調子に乗って出しすぎた……。

 ハーブの苗を出して薬草畑に植えているとお昼になる。シェアハウスで昼ごはんを食べて、色んな家を出した事を話したり、サーフ君や、ダンドンさんが果樹園を頑張って耕してくれている事を聞いたりして、食後のお茶を飲んでいると、クラクションの音が聞こえてきた。

 外に出ると、車の行列が続いている。思ったより早かった。
 ルイ君が言うように、斜めに走って来たら早かったらしい。
 昨日のうちに準備して、朝1番に動物達をトラックに乗せ、出発。ゆっくり走って5時間ほどだったようだ。
 
 私が車で先導して、牧場に。ダンドンさんは畑、ライルさんは果樹園に先導してもらいそれぞれ苗や植木鉢を降ろしてもらう。
 牧場では、久しぶりの広い場所で動物達が駆け回って喜んでいる。鶏なんか飛べるんじゃないの?と言うくらい羽根をバタバタさせていた。新鮮な草を食べたり、伸び伸びしている。
 
 動物の次は住人の番だ!家を選んでもらう。豪邸は、ドワーフの18人家族の一家が住む事になった。良かった、無駄にならなくて…。

 その日は、それぞれ家を決めて荷物を片付けたり、それぞれの仕事場に行き片付けや、足りない物をチェックしたりしてもらう。
 アパートも好評で住みたい人が多かった。住宅も2階建てになっていて喜ばれたし、階段が辛い人は、モデルハウスの中に平屋建てのものがいくつもあったのでそこに住むそうだ。やはり家は余っているが、これから人数が増えるかもしれない。ラブラブなカップルが増えているように見える。

 公民館にいて、仕事場がない人や、したい仕事がある人は、言いに来てもらった。
 その人の希望の場所に職場を用意した。
 蕎麦屋は、食堂の一角を使いたいと言うので用意する。
 かなり広くなったので、食堂に食べに来るのに時間がかかるんじゃないか?とハゼドンが言いに来て、弁当を運ぶ事はできないか?と相談された。ワゴン車をキッチンカーにして、食事をだすのはどうだろう?と言うと、ぜひやってみたい!と言うのでキッチンカーを数台出す。色々な物を日替わりで作って食べてもらうと張り切っている。
 夜は食堂を利用しやすいけど、昼に食堂まで来てたら確かに時間がかかる。食べる所も外では暑いだろうし、休憩出来ないだろうから、だいたい500メートル毎に小さな家を出した。中はトイレ3つと洗面所、シャワールームがあり、後は10畳の和室がある。エアコンもつけて、冷蔵庫も出しておく。テーブルに、湯沸かしポット、割り箸やフォークやスプーンを置いておく。後は、自分達で飲み物を冷蔵庫に入れておいたり、大人気カップ麺を持って来て食べてもいいし、インスタント珈琲を飲んだりも出来る。小さな食器棚にマグカップを数個用意する。流しだけのキッチンも付けておこう。
 陶芸の工場を作ったり、オリーブオイル工場を作ったりしながら休憩所になる小さな家もポツポツと出していく。ガソリンスタンドも必要だ!
 出しても出しても終わらない……。車で移動しているが、なかなか大変だ!今日は、ここまでにして放送で食堂に集まってもらう事にした。

 全員食堂に入れるか心配したが、なんとか入る事ができた。マイクで、私の家の場所を伝え、休憩所を作った事とキッチンカーが明日から行くので、食堂まで来なくてもご飯が食べられる事や、休憩所にトイレとシャワールームがあり、冷蔵庫とポットがあるので、自由に使ってもいいと伝えた。カップ麺やインスタント珈琲も作れると言うと、おぉー!やった~!などの声があがる。
 スーパーにカップ麺やインスタント珈琲やティーパックなども置くのでほしい人は取りに行くように言う。スーパーも明日から開店だ!

 1番盛り上がった話題は、この食堂で夜だけお酒を出すと言うと、ぅおおおおおおおーーー!と地響きがするような歓声が上がっていた。
 食堂も余裕があるので、夜も交代で仕事してくれると言ってくれたのだ。
 昼ごはんも食べずに皆んな頑張ってくれていたので、魔力でご馳走を出そうと思っていたら、気を利かせた食堂の人達が夜ご飯用にと色々と作ってくれていた。

 さらに公民館から嵐の前に持って来たと梅酒と梅シロップもここに運ばれていた。まだ少し早いから、これはもう少し寝かせておこう。

 その代わり梅酒を出した。市販の梅酒だ。酎ハイや、ワイン、ビール、シャンパン、カクテル、日本酒、ノンアルコール、ジュースなどを出して今夜は新しいハルー村誕生を祝う!

 運転手はお酒は飲んではいけません!と言ってある。アルコールを飲まなかった人には、家での晩酌用に、好きなお酒を一本プレゼントする事にした。

 隣の家の人に送ってくれるよう頼んだり、お酒目当てで飲まずに我慢する人など様々だ。やはりノンアルコール飲料は必要だな!

 スーパーにもお酒を置くけど、昼間に飲むのは禁止にしよう。そして、仕事に来ない人が出るようなら全てのお酒を禁止しよう!

 そう伝えると、とても真面目な顔で、分かった。昼は絶対飲まない。夜も飲み過ぎない。と決意している。お酒が毎日飲める事が幸せなようだ。
 今夜は疲れもあるだろうから、乾杯だけしてお腹いっぱいになったら解散だ。
 ノンアルコールで我慢した運転手の皆んなが列になって、お酒を貰って帰って行った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

転生貴族のスローライフ

マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である *基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします

精霊の森に捨てられた少女が、精霊さんと一緒に人の街へ帰ってきた

アイイロモンペ
ファンタジー
 2020.9.6.完結いたしました。  2020.9.28. 追補を入れました。  2021.4. 2. 追補を追加しました。  人が精霊と袂を分かった世界。  魔力なしの忌子として瘴気の森に捨てられた幼子は、精霊が好む姿かたちをしていた。  幼子は、ターニャという名を精霊から貰い、精霊の森で精霊に愛されて育った。  ある日、ターニャは人間ある以上は、人間の世界を知るべきだと、育ての親である大精霊に言われる。  人の世の常識を知らないターニャの行動は、周囲の人々を困惑させる。  そして、魔力の強い者が人々を支配すると言う世界で、ターニャは既存の価値観を意識せずにぶち壊していく。  オーソドックスなファンタジーを心がけようと思います。読んでいただけたら嬉しいです。

転生先ではゆっくりと生きたい

ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。 事故で死んだ明彦が出会ったのは…… 転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた 小説家になろうでも連載中です。 なろうの方が話数が多いです。 https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

外れスキル【削除&復元】が実は最強でした~色んなものを消して相手に押し付けたり自分のものにしたりする能力を得た少年の成り上がり~

名無し
ファンタジー
 突如パーティーから追放されてしまった主人公のカイン。彼のスキルは【削除&復元】といって、荷物係しかできない無能だと思われていたのだ。独りぼっちとなったカインは、ギルドで仲間を募るも意地悪な男にバカにされてしまうが、それがきっかけで頭痛や相手のスキルさえも削除できる力があると知る。カインは一流冒険者として名を馳せるという夢をかなえるべく、色んなものを削除、復元して自分ものにしていき、またたく間に最強の冒険者へと駆け上がっていくのだった……。

聖女の紋章 転生?少女は女神の加護と前世の知識で無双する わたしは聖女ではありません。公爵令嬢です!

幸之丞
ファンタジー
2023/11/22~11/23  女性向けホットランキング1位 2023/11/24 10:00 ファンタジーランキング1位  ありがとうございます。 「うわ~ 私を捨てないでー!」 声を出して私を捨てようとする父さんに叫ぼうとしました・・・ でも私は意識がはっきりしているけれど、体はまだ、生れて1週間くらいしか経っていないので 「ばぶ ばぶうう ばぶ だああ」 くらいにしか聞こえていないのね? と思っていたけど ササッと 捨てられてしまいました~ 誰か拾って~ 私は、陽菜。数ヶ月前まで、日本で女子高生をしていました。 将来の為に良い大学に入学しようと塾にいっています。 塾の帰り道、車の事故に巻き込まれて、気づいてみたら何故か新しいお母さんのお腹の中。隣には姉妹もいる。そう双子なの。 私達が生まれたその後、私は魔力が少ないから、伯爵の娘として恥ずかしいとかで、捨てられた・・・  ↑ここ冒頭 けれども、公爵家に拾われた。ああ 良かった・・・ そしてこれから私は捨てられないように、前世の記憶を使って知識チートで家族のため、公爵領にする人のために領地を豊かにします。 「この子ちょっとおかしいこと言ってるぞ」 と言われても、必殺 「女神様のお告げです。昨夜夢にでてきました」で大丈夫。 だって私には、愛と豊穣の女神様に愛されている証、聖女の紋章があるのです。 この物語は、魔法と剣の世界で主人公のエルーシアは魔法チートと知識チートで領地を豊かにするためにスライムや古竜と仲良くなって、お力をちょっと借りたりもします。 果たして、エルーシアは捨てられた本当の理由を知ることが出来るのか? さあ! 物語が始まります。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...