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今までの事

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 昨日は、片付けもせず寝てしまった。ちょっと寝不足だ。
 朝ご飯を食べながら今日、皆んなにどう話したらいいのか考えた。神様に電話しようかなと思ったけど、後9回しかかけられないし、ドワーフやエルフの事で相談したい事が今から出てくる可能性が高い。でもなぁ~、お告げをした神様の事も気になる。なんでこんな事したんだろう……。忘れないうちに今度電話した時に聞く事を書いておこう!

 洗濯、掃除機かけをして住宅まで下りて行き、公民館に集合してもらえるように外にいた人達に頼んで、先に公民館に行った。
 鍵を開けて、今日は少し暑いから冷房をつけてみる。人が多く集まると暑くなるしね。動くかどーかの確認も兼ねてスイッチを入れると、サーーーと涼しい空気になる。
 少しずつ人が集まり出し、公民館の涼しさにビックリしている。
 全員集まった所で、昨夜の事を素直に全部話す事にした。
 「皆さん、朝早くからごめんなさい。皆さんに話さなければならない事があります。ビックリすると思いますが最後まで静かに聞いてください。」
 見回しながら言うと、不安そうになりながらも頷いてくれる。
「ありがとう。実は、昨日の夜、私の家にドワーフのダンドンさんが来ました。ダンドンさんは、雨がしばらく降ってないから皆さんの様子を見に来たと言ってました。」
 何人かの顔色が真っ青になり、ガタガタ震えている。他の人も、心配そうな顔で私を見ていた。

 昨日ダンドンさんから聞いた話しを、全部話した。
「これが昨日聞いた話しの全てです。」
 シーーーンと静まり返った。色々とショックが大きかったようだ。
「あの……、私、ドワーフの所で育てられました。確かに鎖に繋がれて逃げ出そうとした人は食事を抜かれたり叩かれたりと罰がありました。……辛い事もありましたが、1日2食食事がもらえ、病気になるとエルフから薬をもらってきて飲ませてくれました。ここらの家より、良い場所で寝る事もできました。」
 他の奴隷だった人も、うんうんと頷きあっている。
「でも、俺の息子は拐われて帰って来ない!本当に、ドワーフの言う事が信じられるのか?」
 1人の男の人がそう言い出し、他にも、信じられない、都合良く言ってるだけじゃないか?などと声が上がる。
 そんな中、新しく来た人で、孫を連れてバスにすぐに乗ってくれたおじいさんが立ち上がった。
「これは、わしのじいさんから聞いた話しだ。ドワーフやエルフに人間を助けてもらうように話しに行った男がいた。その男がドワーフを連れて来て家を建てたり、芋の苗をくれたからここらで生活ができるようになったと子ども頃聞かされた。だが……ある時からドワーフもエルフも人間が弱いから奴隷にして使い捨てにするようになったとも聞いた。」
「ダンドンさん達ドワーフもエルフも神様の夢のお告げで奴隷にしたと言ってました。……人間にも、お告げがあったんでしょうか?」
「これもじいさんの話しだが、ドワーフやエルフに大人しく従わないと人間は滅び、永遠にこの場所が呪われる事になる。と夢のお告げがあったそうだ。さっきの話しも寝る時に話してくれる物語だと思っていた。」
 そんな昔話があったのなら、ダンドンさんの話しも本当の可能性が高い。……それにしても、お告げの神様が気になる。よほど人間に恨みでもあるんだろうか?

「明日には奴隷の皆さんが帰ってくる予定です。本当にダンドンさんが連れて来てくれたら信じる事にしませんか?」
「……そうだな。本当に無事に帰ってくるなら、信じよう。」
「ドワーフの言う事が本当なら、私達人間にも悪い所があったみたいだし……。帰ってきたら信じてみよう。」
「そうだな、今は立派な家に住んで拐われる事もないし、食料もある。奴隷になる必要もないしな!」
 良かった。落ち着いて話し合いができた。
「では、とりあえず明日、判断しましょう。皆さん、お仕事に戻ってください。今から、明日帰ってくる人達の家を沢山出そうと思います。もし、もう少し広い家が良いとか、部屋を多くしてほしいなどの要望があれば聞きますよ。新しく出す所に引っ越してもらえばいいですし!」
「じゃあ、私は他の家族と一緒に住めるような家が欲しいです。私とこの子だけだと寂しいし、不安です。」
 赤ちゃんと2人きりだと、確かに寂しいだろうし、手助けも必要だろう。シェアハウスみたいなのを出そうかなぁ。
「わ、私も、皆んなで住める家がいいです。」
「わしも、一人暮らしは寂しい…。」
 なるほど、2人暮らしが多いし、家族が揃ってない人達は、助け合いながら今も暮らしてるから、同じ家の中で暮す方が便利なんだろうな。
「分かりました。他にないですか?」
 無いようなので解散~。
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