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7.出会い
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これなら、他の物も食べれそうだ。バナナなんかどうだろう!ナイスアイデア~。さすが私!皮を剥いて差し出す。
「この白い所を食べてください。甘くて美味しいですよ。」
渡すと食べ始め、すぐに無くなる。これでとりあえずお腹は落ち着いたかな?良かったぁ~。ホッとしていたら急に、慌てだし、泣き出した。
「ど、どうしたんですか?どこか痛いですか?」
「………ちがっ違うんです。わっ私には子どもがいるんです。………なのに私は1人で全部食べてしまって……あぁどーしよう……」
「落ち着いて!大丈夫です。とりあえず落ち着いてください。子どもさんはどこにいるんですか?」
「いっ家に。……動けなくて私が何か食べる物を探そうと丘を上がってきたんです。……なのに、なのに、私だけが食べて、なんて酷いことを……うっうっ……」
また泣き出してしまった。せっかく水分補給したのが涙で出ていっちゃうよ。よし、その子も助けよう!
「泣かないでください。あなたのお家に行きましょう!食べ物を持って、ねっ!だから落ち着いて。私を案内してください。」
そう声をかけるとビックリした顔をして、ありがとうと繰り返しながら立ち上がった。よし、とりあえず行こう!それから考えよう。うん。魔力だけはチェックしてと、…うん、かなり沢山貯まってるから大丈夫。
家に向かいながら、色々と話した。この人の名前は、ファーナさん。娘さんが居てまだ小さく名前はファーファちゃんと言うらしい。旦那さんは少し前に病気で亡くなったらしく、ファーナさんが1人で畑で芋を作っていたけど、なかなかうまくいかず、ついに食べる物が無くなったらしい。
ここしばらく水しか飲んでないらしく、ついにファーファちゃんは動けなくなったと聞いた。そんな事を聞くと神様がこの世界を助けたいと思った気持ちが理解出来る。説明書にも、できれば少しでもこの世界の助けになってほしいと書かれていたもんなぁ。話しを聞くだけでも悲しい気持ちになるよ。今まで食べる事で不自由な思いした事ないもん。
ゆっくり歩きながら話していると、家と呼んでいいのか、木の柱が4つあり、屋根に草や葉っぱがかぶせてあるだけの建物が見えてきた。しかも人が3人寝てギリギリくらいの広さ。床は無く土の上に干し草がうっすらとあるだけ。雨が降って少しでも風が吹いたら中に居てもびしょ濡れになる事間違い無し!!そこにガリガリの小さな子がうずくまるように寝ていた。
「ファーファ、帰ったよ。お母さんを助けてくれた人が、ファーファに食べ物持って来てくれたよ、起き上がれる?」
「……お母さん……お帰り。」
なんとか話せるようだけど、起き上がれないようだ。大急ぎでお粥と経口補水液を出して口までスプーンで運ぶ。お粥もスプーンで潰して出来るだけ胃に負担が無いようにしてみた。
「大丈夫?ファーファちゃん、少しづつゆっくりと食べてね。」
声をかけ、時間をかけてゆっくりとお粥を食べさせると、少しだけ元気が出てきたようだ。体を起こす事が出来るようになった。経口補水液もゆっくりと飲むように言い、ファーナさんも食べたバナナも用意する。ファーファちゃんは5・6歳かな?この世界にカレンダーや暦なんて物は無く、誕生日も無ければ何歳かも分からないらしい。
「お姉ちゃん、ありがとう。お腹いっぱい食べたの初めて。美味しかったぁ~!」
と、ニッコリ笑う。
「良かったね。お姉ちゃんもファーファちゃんの笑顔見れて嬉しいよ!」
「この白い所を食べてください。甘くて美味しいですよ。」
渡すと食べ始め、すぐに無くなる。これでとりあえずお腹は落ち着いたかな?良かったぁ~。ホッとしていたら急に、慌てだし、泣き出した。
「ど、どうしたんですか?どこか痛いですか?」
「………ちがっ違うんです。わっ私には子どもがいるんです。………なのに私は1人で全部食べてしまって……あぁどーしよう……」
「落ち着いて!大丈夫です。とりあえず落ち着いてください。子どもさんはどこにいるんですか?」
「いっ家に。……動けなくて私が何か食べる物を探そうと丘を上がってきたんです。……なのに、なのに、私だけが食べて、なんて酷いことを……うっうっ……」
また泣き出してしまった。せっかく水分補給したのが涙で出ていっちゃうよ。よし、その子も助けよう!
「泣かないでください。あなたのお家に行きましょう!食べ物を持って、ねっ!だから落ち着いて。私を案内してください。」
そう声をかけるとビックリした顔をして、ありがとうと繰り返しながら立ち上がった。よし、とりあえず行こう!それから考えよう。うん。魔力だけはチェックしてと、…うん、かなり沢山貯まってるから大丈夫。
家に向かいながら、色々と話した。この人の名前は、ファーナさん。娘さんが居てまだ小さく名前はファーファちゃんと言うらしい。旦那さんは少し前に病気で亡くなったらしく、ファーナさんが1人で畑で芋を作っていたけど、なかなかうまくいかず、ついに食べる物が無くなったらしい。
ここしばらく水しか飲んでないらしく、ついにファーファちゃんは動けなくなったと聞いた。そんな事を聞くと神様がこの世界を助けたいと思った気持ちが理解出来る。説明書にも、できれば少しでもこの世界の助けになってほしいと書かれていたもんなぁ。話しを聞くだけでも悲しい気持ちになるよ。今まで食べる事で不自由な思いした事ないもん。
ゆっくり歩きながら話していると、家と呼んでいいのか、木の柱が4つあり、屋根に草や葉っぱがかぶせてあるだけの建物が見えてきた。しかも人が3人寝てギリギリくらいの広さ。床は無く土の上に干し草がうっすらとあるだけ。雨が降って少しでも風が吹いたら中に居てもびしょ濡れになる事間違い無し!!そこにガリガリの小さな子がうずくまるように寝ていた。
「ファーファ、帰ったよ。お母さんを助けてくれた人が、ファーファに食べ物持って来てくれたよ、起き上がれる?」
「……お母さん……お帰り。」
なんとか話せるようだけど、起き上がれないようだ。大急ぎでお粥と経口補水液を出して口までスプーンで運ぶ。お粥もスプーンで潰して出来るだけ胃に負担が無いようにしてみた。
「大丈夫?ファーファちゃん、少しづつゆっくりと食べてね。」
声をかけ、時間をかけてゆっくりとお粥を食べさせると、少しだけ元気が出てきたようだ。体を起こす事が出来るようになった。経口補水液もゆっくりと飲むように言い、ファーナさんも食べたバナナも用意する。ファーファちゃんは5・6歳かな?この世界にカレンダーや暦なんて物は無く、誕生日も無ければ何歳かも分からないらしい。
「お姉ちゃん、ありがとう。お腹いっぱい食べたの初めて。美味しかったぁ~!」
と、ニッコリ笑う。
「良かったね。お姉ちゃんもファーファちゃんの笑顔見れて嬉しいよ!」
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