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60 秘密
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急いで城から離れた。ここまで来たら会話を聞かれる事もないだろう。
「シオン、あれ何だったんだ?」
「絶対良くない事だよな!!」
「よし、もう少し離れてから連絡をしよう。」
コインさんがトーマスさんから預かった機械で孤児院と連絡を取ってくれた。
「ニーン国の国王が使用人達の頭を触ってた。」
「コインさんと明日も様子を見に行ってみる。」
次の日もこっそり城に忍び込んで、国王の部屋に入り込んだ。今日は、トーマスさんが作ったニーン国語を日本語に訳す機会に魔力を流してコインさんが付けている。
『ふぅ、やはり使用人が少ないと不便な事が多いな。多ければ良いというものでもないが…。』
ぶつぶつ文句を言いながら、今日も食材を出している。
トーマスさんが、俺の時みたいな魔力を取る機械じゃなくて、その機械一つで直接食材を出す物らしい。だから余分に魔力を使ってしまうし、あまり質の良い食材にならないと言っていた。
『はぁ……最近の食事は不味い。シオンの魔力で出した食材は美味しかった……。あの役立たずのベイカーに早くシオンを連れ戻して来るように言わねばならんな!……それにしても、あいつらの洗脳は上手くいっているが、もっと優秀な奴を洗脳するべきだったか……。優秀な奴は洗脳の前に壊れる事があるが……難しいもんだ。』
えっ??洗脳?
コインさんと目を合わせて次の扉が開く時に外に出る事にした。
『まぁ壊れても問題ない。また新しい奴で試せばいいだけだからな。この力は本当に役にたつ。それに比べてあいつらは、本当に役に立たないクズばかりだ。』
他にも、虫ケラどもに作らせていた野菜は味が良かった、とか、貴族のバカ達も今思えば使える奴もいたな、ベイカーに連れて帰って来させるか、とにかく女が必要だ、若い女を攫わせよう、などぶつぶつと独り言を言い続けていた。
侍女がちょうど部屋に来たから、その隙にそっと抜け出した。
そのまましばらく進んで、城の地下にある牢屋までやってきた。
ここなら誰もいないはずだ。
「洗脳って言ってたな。」
「うん。」
「しかもあいつの力らしい。なぁシオン、シオンもあいつの血が入ってるんだよな?」
「……うん。嫌だけど、事実だと思う。」
「悪いな…嫌な事を。だが、それならシオンになら洗脳、解けるんじゃないか?」
「あっ、なるほど!」
「しかも、今のシオンなら見られる事なく触れる事ができるだろ?」
「確かに!!」
「チャレンジしてみたらいいんじゃないか?」
「やってみるよ!」
「よし、早速行ってみよう。」
城の中に戻ろうとコインさんと歩き出そうとした時、何か聞こえた気がした。
「なぁ、コインさん……。」
「あぁ、俺も何か聞こえた気がする。」
牢の奥へとコインさんと歩いて行く。一応、通り過ぎる時に牢の中を確認しながら進んで行く。
1番奥まで進んで誰も居ない事を確認した。
「行き止まりだ。」
「気のせいだったのか??俺の耳はかなり良いはずだが……。」
コインさんの耳は俺達人間より良く聞こえるそうだ。
ん?やっぱり声がする。
「シオン、この奥からだ。」
「でも、壁だよな??」
壁をペタペタ触ってたコインさんが何かに気付いた。
一つだけ壁の石が窪んでいる。コインさんがその石をグッと押した。
ガガガガガガガガと凄い音を響かせながら、石の壁がスライドして開いた。
『誰かいるのか?私はここだー!頼む助けてくれ!!』
奥の方から声が聞こえてきた。
「助けてって言ってる。」
「とりあえず行ってみよう。」
「うん。」
コインさんと声が聞こえる奥の方に進んで行く。真っ暗でほとんど何も見えないから、壁に手をつけながら進んで行く。
かなり進むと、大きな檻があり、その中は辺りが分かる程度の明かりがあった。
その中に、両足を壁に固定されている鎖に繋がれ、両手も鎖で繋がれていた。
さらに凄い悪臭だ。トーマスさんが作った物だろう裸電球のようなものが上から一つぶら下がっている。髪の毛も伸びボサボサで髭も伸びて顔はよく見えない。
「シオン、あれ何だったんだ?」
「絶対良くない事だよな!!」
「よし、もう少し離れてから連絡をしよう。」
コインさんがトーマスさんから預かった機械で孤児院と連絡を取ってくれた。
「ニーン国の国王が使用人達の頭を触ってた。」
「コインさんと明日も様子を見に行ってみる。」
次の日もこっそり城に忍び込んで、国王の部屋に入り込んだ。今日は、トーマスさんが作ったニーン国語を日本語に訳す機会に魔力を流してコインさんが付けている。
『ふぅ、やはり使用人が少ないと不便な事が多いな。多ければ良いというものでもないが…。』
ぶつぶつ文句を言いながら、今日も食材を出している。
トーマスさんが、俺の時みたいな魔力を取る機械じゃなくて、その機械一つで直接食材を出す物らしい。だから余分に魔力を使ってしまうし、あまり質の良い食材にならないと言っていた。
『はぁ……最近の食事は不味い。シオンの魔力で出した食材は美味しかった……。あの役立たずのベイカーに早くシオンを連れ戻して来るように言わねばならんな!……それにしても、あいつらの洗脳は上手くいっているが、もっと優秀な奴を洗脳するべきだったか……。優秀な奴は洗脳の前に壊れる事があるが……難しいもんだ。』
えっ??洗脳?
コインさんと目を合わせて次の扉が開く時に外に出る事にした。
『まぁ壊れても問題ない。また新しい奴で試せばいいだけだからな。この力は本当に役にたつ。それに比べてあいつらは、本当に役に立たないクズばかりだ。』
他にも、虫ケラどもに作らせていた野菜は味が良かった、とか、貴族のバカ達も今思えば使える奴もいたな、ベイカーに連れて帰って来させるか、とにかく女が必要だ、若い女を攫わせよう、などぶつぶつと独り言を言い続けていた。
侍女がちょうど部屋に来たから、その隙にそっと抜け出した。
そのまましばらく進んで、城の地下にある牢屋までやってきた。
ここなら誰もいないはずだ。
「洗脳って言ってたな。」
「うん。」
「しかもあいつの力らしい。なぁシオン、シオンもあいつの血が入ってるんだよな?」
「……うん。嫌だけど、事実だと思う。」
「悪いな…嫌な事を。だが、それならシオンになら洗脳、解けるんじゃないか?」
「あっ、なるほど!」
「しかも、今のシオンなら見られる事なく触れる事ができるだろ?」
「確かに!!」
「チャレンジしてみたらいいんじゃないか?」
「やってみるよ!」
「よし、早速行ってみよう。」
城の中に戻ろうとコインさんと歩き出そうとした時、何か聞こえた気がした。
「なぁ、コインさん……。」
「あぁ、俺も何か聞こえた気がする。」
牢の奥へとコインさんと歩いて行く。一応、通り過ぎる時に牢の中を確認しながら進んで行く。
1番奥まで進んで誰も居ない事を確認した。
「行き止まりだ。」
「気のせいだったのか??俺の耳はかなり良いはずだが……。」
コインさんの耳は俺達人間より良く聞こえるそうだ。
ん?やっぱり声がする。
「シオン、この奥からだ。」
「でも、壁だよな??」
壁をペタペタ触ってたコインさんが何かに気付いた。
一つだけ壁の石が窪んでいる。コインさんがその石をグッと押した。
ガガガガガガガガと凄い音を響かせながら、石の壁がスライドして開いた。
『誰かいるのか?私はここだー!頼む助けてくれ!!』
奥の方から声が聞こえてきた。
「助けてって言ってる。」
「とりあえず行ってみよう。」
「うん。」
コインさんと声が聞こえる奥の方に進んで行く。真っ暗でほとんど何も見えないから、壁に手をつけながら進んで行く。
かなり進むと、大きな檻があり、その中は辺りが分かる程度の明かりがあった。
その中に、両足を壁に固定されている鎖に繋がれ、両手も鎖で繋がれていた。
さらに凄い悪臭だ。トーマスさんが作った物だろう裸電球のようなものが上から一つぶら下がっている。髪の毛も伸びボサボサで髭も伸びて顔はよく見えない。
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