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56 料理
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夜になり、晩御飯の材料を繋がっている所から次々と入れていく。
『今からの分は貴族の人達用です。同じ材料ですが量が違うので、あなた達が思うようにしてください。これまで取られた分を貰ってもいいですよ。』
『ありがとうございます。相談します。』
しばらく相談しているのが聞こえてきた。
『ここで減らしたらあいつらと一緒になるんじゃないか?』
『そうだな。』
最終的にそんな言葉が聞こえてきて、全員で膜の外に全ての食材を押し出していた。
今まで横取りしたり、やりたい放題だったのに、全ての食材を渡したのにもかかわらず怒鳴り声が響く。
『おい!!さっさと料理してこい!!』
『そうよ!早くしなさい!』
『我々が料理できないのを知っているのに、ふざけた奴らだ!!』
やってみようともしないで言いたい放題だ。
貴族達が料理をさせようと食材を戻そうとするが、膜があるから戻せない。中から外には可能だが外から中に何かが入る事はない。
トーマスさんの作った機械で入る事はできるけど、そうしようとは全く思わないし、これからどうするのか観察することにした。
『なっ!!なぜ戻せないんだ!!』
『おい!開けろ!!』
『いや、これは俺達がしたんじゃないから、開ける事はできない。』
『そうです。それに、ここには私たちの分しかありません。あなた達で頑張ってください。』
『わ、私達に料理を作れと言うのか?!』
『できるわけない!』
『じゃあ、そのまま食べたらいい。』
『………っ!!』
『ゆっくりやるから、見ながら真似したらいい。』
『うん。それに、もしアニマ国に入れても、もう貴族とか平民とか関係ない。自分達の事くらい自分達でできるようになった方がいいと思う。』
『なんだ!!偉そうに!!』
『ふざけるな!!』
『お前達が出てこい!我々の世話をさせてやる!給料も払ってやるぞ!』
『私なら、こいつの倍は払ってやる。』
『お断りします。』
『俺も嫌だ。』
『私も嫌!!』
ハッキリと断られ、顔を真っ赤にして怒った貴族達は食材を持って離れて行く。
ため息をつきながらも、わざわざ見える場所で野菜の下準備をしたり、調味料の量もわかりやすくスプーンで計って入れる。
本当に、優しい人達だな。
貴族達は、全く見ようともせず、そのまま食べられる物に齧り付いたり、取り合いをしたり、かぼちゃに齧り付いて歯が痛いと大騒ぎだ。
膜の中は男性と女性と寝る場所も少し離して、1人づつ毛布を掛けて寝るように準備し、火を消さないように順番を決めていた。
この人達は、アニマ国に入れてもいいんじゃないかとトーマスさん達と話していると、貴族の方は、この場所は俺様のだ!とか金を払うからあっちに行けとか揉めていた。
朝になり、すんなりと朝の準備をする人達と、火も消えてしまい、他人のせいにして怒鳴り出し朝から喧嘩する貴族達。
昼になり、材料を取りに来た貴族達は、夜もあまり眠れず、朝ご飯もほとんど食べられず、怒鳴りすぎて疲れ果てていた。
『もう一回、見えるように料理するから、真似してみれば?』
と、言われ何人かが、調理道具を持って近くにやってきた。
『玉ねぎは、皮をこうやって剥いて………。白い所を食べるんだ。』
『まず、油をスプーンに2杯ほど入れて火にかけて。』
『あっ、火が消えて……。』
火のついた薪を1本外に出し、こんな風に薪を置いたら良く燃えるとアドバイスする。
『本当だ!できた!!』
『私にも、お料理が作れたわ!!形はちょっと………だけど、楽しいわね!』
『いただきましょう!』
『…………っん、美味しい!!』
『本当だ。野菜がこんなに美味いとは!!』
10人ほどで作った、見た目はあまり綺麗じゃないけど、出来立てのポトフと、パンを食べていると、やっぱり他の貴族がやってきて横取りしてきた。
あっという間に食べて、戻った貴族達。せっかく苦労して作ったのに横取りされた人達は悔しそうにその場所で、他の貴族を睨みつけていた。
トーマスさんと相談して、そこにも別の膜を張る事にした。
『今からの分は貴族の人達用です。同じ材料ですが量が違うので、あなた達が思うようにしてください。これまで取られた分を貰ってもいいですよ。』
『ありがとうございます。相談します。』
しばらく相談しているのが聞こえてきた。
『ここで減らしたらあいつらと一緒になるんじゃないか?』
『そうだな。』
最終的にそんな言葉が聞こえてきて、全員で膜の外に全ての食材を押し出していた。
今まで横取りしたり、やりたい放題だったのに、全ての食材を渡したのにもかかわらず怒鳴り声が響く。
『おい!!さっさと料理してこい!!』
『そうよ!早くしなさい!』
『我々が料理できないのを知っているのに、ふざけた奴らだ!!』
やってみようともしないで言いたい放題だ。
貴族達が料理をさせようと食材を戻そうとするが、膜があるから戻せない。中から外には可能だが外から中に何かが入る事はない。
トーマスさんの作った機械で入る事はできるけど、そうしようとは全く思わないし、これからどうするのか観察することにした。
『なっ!!なぜ戻せないんだ!!』
『おい!開けろ!!』
『いや、これは俺達がしたんじゃないから、開ける事はできない。』
『そうです。それに、ここには私たちの分しかありません。あなた達で頑張ってください。』
『わ、私達に料理を作れと言うのか?!』
『できるわけない!』
『じゃあ、そのまま食べたらいい。』
『………っ!!』
『ゆっくりやるから、見ながら真似したらいい。』
『うん。それに、もしアニマ国に入れても、もう貴族とか平民とか関係ない。自分達の事くらい自分達でできるようになった方がいいと思う。』
『なんだ!!偉そうに!!』
『ふざけるな!!』
『お前達が出てこい!我々の世話をさせてやる!給料も払ってやるぞ!』
『私なら、こいつの倍は払ってやる。』
『お断りします。』
『俺も嫌だ。』
『私も嫌!!』
ハッキリと断られ、顔を真っ赤にして怒った貴族達は食材を持って離れて行く。
ため息をつきながらも、わざわざ見える場所で野菜の下準備をしたり、調味料の量もわかりやすくスプーンで計って入れる。
本当に、優しい人達だな。
貴族達は、全く見ようともせず、そのまま食べられる物に齧り付いたり、取り合いをしたり、かぼちゃに齧り付いて歯が痛いと大騒ぎだ。
膜の中は男性と女性と寝る場所も少し離して、1人づつ毛布を掛けて寝るように準備し、火を消さないように順番を決めていた。
この人達は、アニマ国に入れてもいいんじゃないかとトーマスさん達と話していると、貴族の方は、この場所は俺様のだ!とか金を払うからあっちに行けとか揉めていた。
朝になり、すんなりと朝の準備をする人達と、火も消えてしまい、他人のせいにして怒鳴り出し朝から喧嘩する貴族達。
昼になり、材料を取りに来た貴族達は、夜もあまり眠れず、朝ご飯もほとんど食べられず、怒鳴りすぎて疲れ果てていた。
『もう一回、見えるように料理するから、真似してみれば?』
と、言われ何人かが、調理道具を持って近くにやってきた。
『玉ねぎは、皮をこうやって剥いて………。白い所を食べるんだ。』
『まず、油をスプーンに2杯ほど入れて火にかけて。』
『あっ、火が消えて……。』
火のついた薪を1本外に出し、こんな風に薪を置いたら良く燃えるとアドバイスする。
『本当だ!できた!!』
『私にも、お料理が作れたわ!!形はちょっと………だけど、楽しいわね!』
『いただきましょう!』
『…………っん、美味しい!!』
『本当だ。野菜がこんなに美味いとは!!』
10人ほどで作った、見た目はあまり綺麗じゃないけど、出来立てのポトフと、パンを食べていると、やっぱり他の貴族がやってきて横取りしてきた。
あっという間に食べて、戻った貴族達。せっかく苦労して作ったのに横取りされた人達は悔しそうにその場所で、他の貴族を睨みつけていた。
トーマスさんと相談して、そこにも別の膜を張る事にした。
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