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37 涙の再会
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孤児院に着くと、皆んなが駆け寄って来てくれた。
「おかえり。」
「無事で良かったわ。」
「もう何処にも行かないで!!」
クーンとケーンは俺に抱きついて離れないし、ニーナもわんわん泣きながらしがみついている。
メイトさんは、目と鼻が赤くなってるし、メリーさんメイリーさんも泣きながら俺達を抱きしめてくれた。リーナさんはエプロンで涙を拭きながら、何度も何度も「良かった。」と繰り返してメイトさんにしがみついて泣いていた。
俺も一緒に泣いてしまい、それを見た皆んなが、また泣き出して収拾がつかない状況になってしまい、泣き笑いのツキノさん達にとりあえず中に入ろうと言われて孤児院の食堂に行った。
そこには、ご馳走様が並んでいて、トーマスさんの家族も待っていてくれた。
またまた涙の再会で、俺ももらい泣きをしてしまった。
沢山のご馳走様を食べているとポンタさんも無事に帰ってきて、もう大丈夫だと言ってくれた。
その日は孤児院でぐっすりと寝て、翌朝畑を見に行った。
「わぁー!凄いな!!こんなに広がってるし、野菜も立派に育ってる。」
「どうだ?俺達だけで、なんとか頑張ってみたんだ。」
「凄いよ!立派な畑だ!」
「良かった!シオンにガッカリされないように頑張ったんだ。」
「俺、新しい苗を出してくる。」
「そうだな。」
次は何の野菜にしようかと考えていたら、メリーさんがお客さんだと呼びに来てくれた。
食堂に行くと、ニーナのお母さんかもしれない人だった。
「シオンさん。助けていただいてありがとうございます。私の娘、ニーナに会わせてほしくて来ました。」
「あの、俺じゃ判断できないから、メイトさんとリーナさんに聞いてみないと。」
「そう…ですか。」
「呼んでくるから待ってて。」
それから簡単に事情を話してメイトさんとリーナさんに来てもらった。
「お願いします。ニーナに会わせてください。」
「わかりました。でも、ニーナには何も知らせてないし、ここに来た時はまだ小さかったから覚えてないと思います。持っていた荷物に名前が書いてあったからニーナなのかと思い、そう呼ぶようにしました。」
「ここに来た時は、かなり怯えた様子だった。」
「そうですか。いきなり夜中に家の中に人間が入って来たんです。物音に気づいて、咄嗟にニーナをベットの下に隠しました。夫も縛られて連れて行かれ、私も抵抗はしましたが数人に押さえ込まれて連れて行かれました。その時、ニーナはぐっすり寝ていたのか全く声を出さず、じっとしていたようでした。……できるだけニーナの方を見ないように気付かれないように……とにかく必死で。」
「それは……辛かったですね。」
「おい、ニーナが持っていた荷物を保管していただろう?」
「そうでした。今、持ってきます。」
すぐにリーナさんが小さな袋を一つ持ってきた。
「これです。見覚えは?」
「……あ゙……、ううっ…こ、これは、私が……ニーナの着替えを入れる為に作った物です。」
「そうですか……。シオン、悪いけど簡単に説明をしてニーナを連れて来てくれないかい?」
「わかった。」
「おーい、ニーナ!」
「何?」
「あのな、落ち着いて聞いてほしいんだ。俺がニーン国の牢屋にいた時に、ニーナのお母さんかもしれない人に出会ったんだ。」
「えっ…………。」
「それで、今その人がニーナに会いに来ている。俺も一緒に行くから、お母さんに会おう。」
「…………。本当に私のお母さんなの?」
「多分。ニーナがここに来た時に持っていた荷物を見て、自分が作ったと言ってた。」
「……急にそんな事言われても……。」
「……そうか。どうする?もう少し待ってもらうか?」
「……うん。少し考えたいし、信じられない。」
「わかった。」
「ごめん。ニーナに話したけど、急だからビックリして、少し時間がほしいって。」
「そうか。悪いが、2日ほどニーナに考える時間をやってくれ。」
「……わかりました。私はニーナが元気なら、それだけで……。」
「大丈夫、ニーナは優しい子だから、きっと落ち着いたら話し合えるよ。」
「……はい。朝早くにすみませんでした。」
「あなたの気持ちは、母親としてとても良くわかるわ。2日後にもう一度来て。」
「……はい。」
「あっ、その、ニーナのお父さんは見つかった?」
「……まだです。」
「じゃあ、コインさん達に聞いてみるよ。」
「おかえり。」
「無事で良かったわ。」
「もう何処にも行かないで!!」
クーンとケーンは俺に抱きついて離れないし、ニーナもわんわん泣きながらしがみついている。
メイトさんは、目と鼻が赤くなってるし、メリーさんメイリーさんも泣きながら俺達を抱きしめてくれた。リーナさんはエプロンで涙を拭きながら、何度も何度も「良かった。」と繰り返してメイトさんにしがみついて泣いていた。
俺も一緒に泣いてしまい、それを見た皆んなが、また泣き出して収拾がつかない状況になってしまい、泣き笑いのツキノさん達にとりあえず中に入ろうと言われて孤児院の食堂に行った。
そこには、ご馳走様が並んでいて、トーマスさんの家族も待っていてくれた。
またまた涙の再会で、俺ももらい泣きをしてしまった。
沢山のご馳走様を食べているとポンタさんも無事に帰ってきて、もう大丈夫だと言ってくれた。
その日は孤児院でぐっすりと寝て、翌朝畑を見に行った。
「わぁー!凄いな!!こんなに広がってるし、野菜も立派に育ってる。」
「どうだ?俺達だけで、なんとか頑張ってみたんだ。」
「凄いよ!立派な畑だ!」
「良かった!シオンにガッカリされないように頑張ったんだ。」
「俺、新しい苗を出してくる。」
「そうだな。」
次は何の野菜にしようかと考えていたら、メリーさんがお客さんだと呼びに来てくれた。
食堂に行くと、ニーナのお母さんかもしれない人だった。
「シオンさん。助けていただいてありがとうございます。私の娘、ニーナに会わせてほしくて来ました。」
「あの、俺じゃ判断できないから、メイトさんとリーナさんに聞いてみないと。」
「そう…ですか。」
「呼んでくるから待ってて。」
それから簡単に事情を話してメイトさんとリーナさんに来てもらった。
「お願いします。ニーナに会わせてください。」
「わかりました。でも、ニーナには何も知らせてないし、ここに来た時はまだ小さかったから覚えてないと思います。持っていた荷物に名前が書いてあったからニーナなのかと思い、そう呼ぶようにしました。」
「ここに来た時は、かなり怯えた様子だった。」
「そうですか。いきなり夜中に家の中に人間が入って来たんです。物音に気づいて、咄嗟にニーナをベットの下に隠しました。夫も縛られて連れて行かれ、私も抵抗はしましたが数人に押さえ込まれて連れて行かれました。その時、ニーナはぐっすり寝ていたのか全く声を出さず、じっとしていたようでした。……できるだけニーナの方を見ないように気付かれないように……とにかく必死で。」
「それは……辛かったですね。」
「おい、ニーナが持っていた荷物を保管していただろう?」
「そうでした。今、持ってきます。」
すぐにリーナさんが小さな袋を一つ持ってきた。
「これです。見覚えは?」
「……あ゙……、ううっ…こ、これは、私が……ニーナの着替えを入れる為に作った物です。」
「そうですか……。シオン、悪いけど簡単に説明をしてニーナを連れて来てくれないかい?」
「わかった。」
「おーい、ニーナ!」
「何?」
「あのな、落ち着いて聞いてほしいんだ。俺がニーン国の牢屋にいた時に、ニーナのお母さんかもしれない人に出会ったんだ。」
「えっ…………。」
「それで、今その人がニーナに会いに来ている。俺も一緒に行くから、お母さんに会おう。」
「…………。本当に私のお母さんなの?」
「多分。ニーナがここに来た時に持っていた荷物を見て、自分が作ったと言ってた。」
「……急にそんな事言われても……。」
「……そうか。どうする?もう少し待ってもらうか?」
「……うん。少し考えたいし、信じられない。」
「わかった。」
「ごめん。ニーナに話したけど、急だからビックリして、少し時間がほしいって。」
「そうか。悪いが、2日ほどニーナに考える時間をやってくれ。」
「……わかりました。私はニーナが元気なら、それだけで……。」
「大丈夫、ニーナは優しい子だから、きっと落ち着いたら話し合えるよ。」
「……はい。朝早くにすみませんでした。」
「あなたの気持ちは、母親としてとても良くわかるわ。2日後にもう一度来て。」
「……はい。」
「あっ、その、ニーナのお父さんは見つかった?」
「……まだです。」
「じゃあ、コインさん達に聞いてみるよ。」
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