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32 映像チェック
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コインさんとポンタさんが透明になっていられるギリギリの時間まで城中にカメラを隠してくれた。
俺達は、筋トレとカメラの映像チェックが日課になった。
あまり兵士もウロウロしていないし、侍女達も洗濯や掃除で忙しいようだ。
ここに来る兵士や侍女達は、かなり上の立場なのか豪華な食事を食べ、偉そうにしている姿がよく映ってるな。
王は、贅沢三昧。あんなに絶対いらないだろう!料理長も味見と言いながらずっと食べてるし!
他の料理人は、王が残した冷めた料理を食べてるみたいだ。
「あぁ、俺達のシチュー!!具を掬わないように上の方ばっかりだ!!」
「あっ、サラダも1人分を半分に分けてるね。ああー、さらにそこから減らして自分達のサラダを増やしてる!」
「パンも、わざわざ小さくしてやがる!!くそー!!」
「まぁ下っ端の料理人達は、私達とほとんど同じ食事だからね。まだ若い育ち盛りだ。足りないんだろう。」
「ゔーー、わかるけど、納得できない!!」
「確かにね。」
「ここに来る兵士も、かなり贅沢してる!」
「わざわざ多く作らせて、残りは家族にでも持って帰っているんだろうね。必ず残りを入れ物に入れてるし。」
「侍女達も同じように持って帰ってるみたいだな。」
「家族が待ってるんだろう。」
「気持ちはわかるけど、下っ端にも分けてやればいいのに!」
「あっ、シオン君、魔力を保管しておく部屋も映ってる。あまり残りがないようだね。」
「本当だ。俺の魔力から使ってるみたいだな。」
「ちょうど料理人が食材を出しに来た。ステーキにするのかなぁ?野菜もあんなに!魚や卵も!!」
「あー!今あいつ、ポケットにオレンジ隠した!!」
「出してるのは、皆んな高級食材だ。魔力の質が良いから美味しい食材が手に入るんだろうね。」
あっ、俺が入れられてた牢屋だ。まだ沢山のアニマ国の人が囚われてる。
あっ、リナだ。
「酷いね。」
「俺もあそこに入れられてたんだ。その時に1番に声をかけてくれたのがリナ。最低の貴族にペットって言われて連れて行かれてた。」
「そうか。何も私達と変わらないのに……。」
「リナ……傷だらけだ。俺、助けるって言ったのに……。」
「シオン君、大丈夫。必ず助かる。その為にポンタさんもコインさんもシオン君も頑張ってるんだ。」
「うん。リナ待ってて!!」
聞こえてないのはわかってるけど、画面に向かって大声で言ってしまった。
あんなに明るかったリナの表情がすごく暗いし、泣いてる。
絶対に助ける!
それから毎日確認してるけど、どうやら王が美味しいご馳走に夢中で、悪い事を考える暇がないようだ。貴族達も上の人は王に金を払って高級食材を買うのに忙しいのか、アニマ国の人達を買ったり、連れて行ったりする事がほとんど無くなった。
俺の魔力で、少しでも時間稼ぎできるなら、少し多めに魔力を渡すのもアリだ!
「なぁ、トーマスさん。俺の魔力の質が良いから食材の味もいいんだろ?なら、偉そうにしてる奴らが夢中になるように、もう少し多く魔力を渡そう。」
「シオン君は大丈夫かい?」
「うん、俺はまだまだ平気!トーマスさんの実験に一日中付き合っても全く問題ないよ!」
「じゃあ、シオン君の体調が良くなったから少し多めに魔力が取れるようになった事にするよ。」
「うん。よろしく!今から魔力取るか?」
「いや、まだまだストックがあるから大丈夫だよ。今まで1%くらいしか渡してなかったから、2%くらいにしようか。」
「えっ?そんなに少ししか渡してないのか?」
「そうだよ。それでも今まで搾り取った子達より、ずっと多くて質も良いんだ。」
「なんでだろう?」
「さぁ??それは、私にもわからないんだ。」
「そうか。」
それからトーマスさんは多めに魔力を渡してくれるようになった。
俺の予想通り、美味しい食事に貴族達は夢中だ。
魔力で出すより、畑で作った方が美味しいのにな!
城の下っ端の人達も、少しづつだけどマシな量が食べられるようになったし、俺達のご飯も少し量も質も良くなった。
俺達は、筋トレとカメラの映像チェックが日課になった。
あまり兵士もウロウロしていないし、侍女達も洗濯や掃除で忙しいようだ。
ここに来る兵士や侍女達は、かなり上の立場なのか豪華な食事を食べ、偉そうにしている姿がよく映ってるな。
王は、贅沢三昧。あんなに絶対いらないだろう!料理長も味見と言いながらずっと食べてるし!
他の料理人は、王が残した冷めた料理を食べてるみたいだ。
「あぁ、俺達のシチュー!!具を掬わないように上の方ばっかりだ!!」
「あっ、サラダも1人分を半分に分けてるね。ああー、さらにそこから減らして自分達のサラダを増やしてる!」
「パンも、わざわざ小さくしてやがる!!くそー!!」
「まぁ下っ端の料理人達は、私達とほとんど同じ食事だからね。まだ若い育ち盛りだ。足りないんだろう。」
「ゔーー、わかるけど、納得できない!!」
「確かにね。」
「ここに来る兵士も、かなり贅沢してる!」
「わざわざ多く作らせて、残りは家族にでも持って帰っているんだろうね。必ず残りを入れ物に入れてるし。」
「侍女達も同じように持って帰ってるみたいだな。」
「家族が待ってるんだろう。」
「気持ちはわかるけど、下っ端にも分けてやればいいのに!」
「あっ、シオン君、魔力を保管しておく部屋も映ってる。あまり残りがないようだね。」
「本当だ。俺の魔力から使ってるみたいだな。」
「ちょうど料理人が食材を出しに来た。ステーキにするのかなぁ?野菜もあんなに!魚や卵も!!」
「あー!今あいつ、ポケットにオレンジ隠した!!」
「出してるのは、皆んな高級食材だ。魔力の質が良いから美味しい食材が手に入るんだろうね。」
あっ、俺が入れられてた牢屋だ。まだ沢山のアニマ国の人が囚われてる。
あっ、リナだ。
「酷いね。」
「俺もあそこに入れられてたんだ。その時に1番に声をかけてくれたのがリナ。最低の貴族にペットって言われて連れて行かれてた。」
「そうか。何も私達と変わらないのに……。」
「リナ……傷だらけだ。俺、助けるって言ったのに……。」
「シオン君、大丈夫。必ず助かる。その為にポンタさんもコインさんもシオン君も頑張ってるんだ。」
「うん。リナ待ってて!!」
聞こえてないのはわかってるけど、画面に向かって大声で言ってしまった。
あんなに明るかったリナの表情がすごく暗いし、泣いてる。
絶対に助ける!
それから毎日確認してるけど、どうやら王が美味しいご馳走に夢中で、悪い事を考える暇がないようだ。貴族達も上の人は王に金を払って高級食材を買うのに忙しいのか、アニマ国の人達を買ったり、連れて行ったりする事がほとんど無くなった。
俺の魔力で、少しでも時間稼ぎできるなら、少し多めに魔力を渡すのもアリだ!
「なぁ、トーマスさん。俺の魔力の質が良いから食材の味もいいんだろ?なら、偉そうにしてる奴らが夢中になるように、もう少し多く魔力を渡そう。」
「シオン君は大丈夫かい?」
「うん、俺はまだまだ平気!トーマスさんの実験に一日中付き合っても全く問題ないよ!」
「じゃあ、シオン君の体調が良くなったから少し多めに魔力が取れるようになった事にするよ。」
「うん。よろしく!今から魔力取るか?」
「いや、まだまだストックがあるから大丈夫だよ。今まで1%くらいしか渡してなかったから、2%くらいにしようか。」
「えっ?そんなに少ししか渡してないのか?」
「そうだよ。それでも今まで搾り取った子達より、ずっと多くて質も良いんだ。」
「なんでだろう?」
「さぁ??それは、私にもわからないんだ。」
「そうか。」
それからトーマスさんは多めに魔力を渡してくれるようになった。
俺の予想通り、美味しい食事に貴族達は夢中だ。
魔力で出すより、畑で作った方が美味しいのにな!
城の下っ端の人達も、少しづつだけどマシな量が食べられるようになったし、俺達のご飯も少し量も質も良くなった。
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