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29 作戦会議
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次の日からは、少しづつ元気になったように演技して、残さず食べるようにした。
全部食べてもお腹いっぱいになるような量じゃないけど、味がマシになった分、少し食事が楽しみになった。トーマスさんと一緒に食べるのも楽しいし、こっそり果物などのデザートを食べながらのお喋りもすごく楽しかった。
食後は、トーマスさんの希望で日本語の勉強会をすると、さすがトーマスさん、すごいスピードで覚えてくれて、3日目には日本語での会話ができるようになった。
ポンタさんとコインさんが出て行って4日が経った朝、侍女がご飯を届けに来て部屋から出て行くと、2人が姿を現した。
「ふぅ~、シオン待たせたな!」
「今回は、すんなりと入れた。」
「ビックリしたぁー、全く気づかなかった。」
「コインさん、ポンタさん、ご飯……美味しい、ありがと。」
「おぉ!トーマスさんがアニマ国の言葉話してる!」
「覚えるの早いな!」
「だろ?俺が教えて、アニマ国の言葉で会話するようにしてたら、話せるようになったんだ。」
「はぁー、俺ら全くニーン国の言葉わからないのに、すごい!」
「シオン君、教える、上手い。」
「いゃ~、やっぱりトーマスさんがすげーよ。」
しばらく、トーマスさんの凄さを話してたら、そろそろ食器を下げに侍女が来る時間が近づいてきた。
ポンタさんとコインさんは風呂場に隠れてもらい、急いで食べて俺はベットに寝て、トーマスさんは研究をしているように本を広げて何かを書いている。
しばらくして侍女と兵士が来て、魔力と食器を持って出て行った。
「もぅ出てきても大丈夫だ。」
昼までの間に、外の事を確認しておく事になった。
「まず、アニマ国の人達が牢の中に居るのは確認できた。他にも、行方不明になっていた人達が、強制労働させられていたり、子どもも数人確認できた。……ニーン国には人身売買のような仕事があるようだ。」
「くそっ!最低だ!!」
「確認するのも辛かった。」
「それとトーマスさん。あなたの家族に会ってきました。トーマスさんの家の外は1人見張りがついてました。透明になって裏口から入り、トーマスさんの手紙を見せると信用してくれて、少し話してこれを預かってきました。今の状況などを詳しく書いてあると言ってました。」
「ありがとう。2人、元気でしたか?」
「……まぁ……、その……。」
「手紙を読んでみてください。」
分厚い手紙を凄いスピードで読みながら、トーマスさんは泣き始めた。
「どうしたんだ?」
『ああああぁー、私は何て馬鹿なんだ!!』
『トーマスさん??』
『ごめん、もう少しゆっくり手紙を読んできてもいいかい?』
『……うん。どうぞ。』
「シオン、しばらくそっとしておこう。」
「わかった。トーマスさんの家、どうだったんだ?」
「トーマスさんの給料は、渡されていない状態で、現物支給だった。それも、ギリギリ生きていける量だけ。」
「奥さんも娘さんも、痩せてて服もボロボロで念の為に持って行った食料を凄く喜んでくれた。」
「そうか……。だからトーマスさんと連絡が取れないようにしてたのか。」
「だろうな。あんな事になってたらトーマスさんが出ていくのがわかってるから連絡を絶っていたんだろう。最初から騙すつもりだったんだろう。」
「奥さん達、俺達が持って行った果物や野菜を隠してたから、時々チェックに来てるんだろう。」
「トーマスさんは、城での研究が忙しくて家に帰れない。今も飲まず食わずで仕事をしているから、お前達もトーマスさんの為に我慢しろって言ってたらしい。トーマスさんに迷惑かけるから連絡をとるなとも言われたって。」
「トーマスさん、家族の為だからって嫌な仕事をしてたのに。」
「だよな。」
それからしばらくしてトーマスさんから、家族に会いたいから脱走しようと相談された。
それから夜まで、侍女達が来る時間以外は、4人で逃げる計画を話し合い、コインさんとポンタさんは準備の為に帰って行った。
トーマスさんが最近開発に成功した、わずかな魔力で使える前世のトランシーバーのような物をコインさんに渡し、もう一つはトーマスさんの家族に俺の魔力を貯めた物と一緒に渡してもらえるように頼んでいた。
全部食べてもお腹いっぱいになるような量じゃないけど、味がマシになった分、少し食事が楽しみになった。トーマスさんと一緒に食べるのも楽しいし、こっそり果物などのデザートを食べながらのお喋りもすごく楽しかった。
食後は、トーマスさんの希望で日本語の勉強会をすると、さすがトーマスさん、すごいスピードで覚えてくれて、3日目には日本語での会話ができるようになった。
ポンタさんとコインさんが出て行って4日が経った朝、侍女がご飯を届けに来て部屋から出て行くと、2人が姿を現した。
「ふぅ~、シオン待たせたな!」
「今回は、すんなりと入れた。」
「ビックリしたぁー、全く気づかなかった。」
「コインさん、ポンタさん、ご飯……美味しい、ありがと。」
「おぉ!トーマスさんがアニマ国の言葉話してる!」
「覚えるの早いな!」
「だろ?俺が教えて、アニマ国の言葉で会話するようにしてたら、話せるようになったんだ。」
「はぁー、俺ら全くニーン国の言葉わからないのに、すごい!」
「シオン君、教える、上手い。」
「いゃ~、やっぱりトーマスさんがすげーよ。」
しばらく、トーマスさんの凄さを話してたら、そろそろ食器を下げに侍女が来る時間が近づいてきた。
ポンタさんとコインさんは風呂場に隠れてもらい、急いで食べて俺はベットに寝て、トーマスさんは研究をしているように本を広げて何かを書いている。
しばらくして侍女と兵士が来て、魔力と食器を持って出て行った。
「もぅ出てきても大丈夫だ。」
昼までの間に、外の事を確認しておく事になった。
「まず、アニマ国の人達が牢の中に居るのは確認できた。他にも、行方不明になっていた人達が、強制労働させられていたり、子どもも数人確認できた。……ニーン国には人身売買のような仕事があるようだ。」
「くそっ!最低だ!!」
「確認するのも辛かった。」
「それとトーマスさん。あなたの家族に会ってきました。トーマスさんの家の外は1人見張りがついてました。透明になって裏口から入り、トーマスさんの手紙を見せると信用してくれて、少し話してこれを預かってきました。今の状況などを詳しく書いてあると言ってました。」
「ありがとう。2人、元気でしたか?」
「……まぁ……、その……。」
「手紙を読んでみてください。」
分厚い手紙を凄いスピードで読みながら、トーマスさんは泣き始めた。
「どうしたんだ?」
『ああああぁー、私は何て馬鹿なんだ!!』
『トーマスさん??』
『ごめん、もう少しゆっくり手紙を読んできてもいいかい?』
『……うん。どうぞ。』
「シオン、しばらくそっとしておこう。」
「わかった。トーマスさんの家、どうだったんだ?」
「トーマスさんの給料は、渡されていない状態で、現物支給だった。それも、ギリギリ生きていける量だけ。」
「奥さんも娘さんも、痩せてて服もボロボロで念の為に持って行った食料を凄く喜んでくれた。」
「そうか……。だからトーマスさんと連絡が取れないようにしてたのか。」
「だろうな。あんな事になってたらトーマスさんが出ていくのがわかってるから連絡を絶っていたんだろう。最初から騙すつもりだったんだろう。」
「奥さん達、俺達が持って行った果物や野菜を隠してたから、時々チェックに来てるんだろう。」
「トーマスさんは、城での研究が忙しくて家に帰れない。今も飲まず食わずで仕事をしているから、お前達もトーマスさんの為に我慢しろって言ってたらしい。トーマスさんに迷惑かけるから連絡をとるなとも言われたって。」
「トーマスさん、家族の為だからって嫌な仕事をしてたのに。」
「だよな。」
それからしばらくしてトーマスさんから、家族に会いたいから脱走しようと相談された。
それから夜まで、侍女達が来る時間以外は、4人で逃げる計画を話し合い、コインさんとポンタさんは準備の為に帰って行った。
トーマスさんが最近開発に成功した、わずかな魔力で使える前世のトランシーバーのような物をコインさんに渡し、もう一つはトーマスさんの家族に俺の魔力を貯めた物と一緒に渡してもらえるように頼んでいた。
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