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27 不味い食事
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『シオン君、もぅ大丈夫だよ。』
「『ありがとう。』出てきていいよ!」
「ふぅ~、やっと少し落ち着ける。シオン、俺達と逃げよう。」
「その為に来たんだ。」
「ごめん、俺も逃げたいけどトーマスさんが罰を受ける事になるんだ。」
「………やっぱり。」
「それに俺が最初に入れられた牢屋の中にアニマ国の女の人が沢山捕まってたんだ。ニーナのお母さんも捕まってた。」
「なんだって!!本当か?」
「うん。少しだけど話しをしたんだ。酷い目に合ってると思う。」
「…そうか……。」
『シオン君、逃げようと言われてるんじゃないか?』
『うん。でも、できないって言った。』
『なぜ?私の事なら大丈夫だよ。うまく誤魔化すよ。』
『ありがとう。でも、トーマスさんだけじゃなくて牢屋にいた時にアニマ国の人が沢山捕まってたんだ。それを無視して俺だけ帰れないよ。』
『そうか………。』
「おい、シオン、何だって?」
「トーマスさんが逃げろって。」
「……そんな言葉聞いたらシオンだけ連れて行くなんてできないな。」
「うん。俺もトーマスさんが酷い事されるって知ってて知らん顔できない。」
「そうだな。それに、捕まってる人達も気になる。」
「俺達は、一度戻って色々と準備したり、情報を集めてくる。数日かかると思うけど、必ず戻ってくるからな!」
「わかった。じゃあ、俺が元気だって伝えて。それと、トーマスさんの家族に手紙を届けてほしい。給料がちゃんと払われているかも確認してきてほしいんだ。」
「わかった。」
「『トーマスさん。コインさん達が一度戻って準備してきてくれるって。だから、今家族に手紙を書いて届けてくれるよう頼んだんだ。後、お金がちゃんと渡されてるかと元気かを確認してくれるって。』トーマスさんに説明したから、よろしく!」
『ほ、本当かい?……あ、ありがとう。急いで手紙を書くよ。』
「なんだって?」
「急いで手紙書くって。」
それから、急いでトーマスさんは手紙を書き、家の地図も書いて渡していた。
透明になれるのは、30分くらいが限界だから、トーマスさんの家には尻尾と耳を隠して行くらしい。今回は、城の中がどうなってるかわからなくて、ウロウロしている間に30分経ってヤバかったと言ってた。
トーマスさんに聞いて、この部屋に兵士や侍女が来る時間を日本語で書いて渡したし、次は大丈夫だろう。
朝まで兵士達は来ないから、今晩は色々と打ち合わせをして、少し仮眠を取って、早めの朝食を食べて待っていると、約束通り兵士がベットを運んできた。
ついでに朝食も運ばれてきたけど、見ただけで食欲が失せる……。
コインさんとポンタさんは上手く外に出て行けたようだ。俺は具合の悪いフリをしながらヨロヨロと運ばれてきたベットに横になった。
『少しでも魔力が搾り取れそうなら、やっておけ!まだ1か月はいけるが高級食材を出すのは魔力を沢山使うからな!多ければ多いほど国王様は贅沢ができる。俺達にもおこぼれが回ってくる。できるだけ魔力が沢山必要だ!わかったか?』
『わ、わかりました。しかし、この食事では魔力も減ってしまうのではないかと心配なのですが……。』
『ふざけるな!!お前達など食わしてもらえるだけありがたいと思え!!!』
『……は、はい。』
『ふんっ!調子に乗りやがって!!』
不味そうな食事を残して出て行った。
『……あまり、食べたいと思わないな。』
『あんなに美味しい食事を食べてからは喉を通らないな。ははははっ。』
『俺のは、食欲がない事にして残すよ。少しパンを齧ったように見せて、窓から外に捨てよう。』
『私の分は、トイレに流してパンは外に捨てよう。』
『トーマスさん、見て。鳥もパンを食べようとしないよ。どんだけ不味いんだ!』
『本当だね。でも、このパンだって食べられない人は沢山いるんだ。』
『そうだよな。俺もそうだったし。そう思うと勿体無いか。』
『でも、急に残しても怪しまれるから……そうだ。いつ何があるか分からないし、食事が運ばれない事もある。隠しておこうか。シオン君がいた部屋に隠して鍵をかけておこう。数日は持つだろう。』
『そうだな。』
「『ありがとう。』出てきていいよ!」
「ふぅ~、やっと少し落ち着ける。シオン、俺達と逃げよう。」
「その為に来たんだ。」
「ごめん、俺も逃げたいけどトーマスさんが罰を受ける事になるんだ。」
「………やっぱり。」
「それに俺が最初に入れられた牢屋の中にアニマ国の女の人が沢山捕まってたんだ。ニーナのお母さんも捕まってた。」
「なんだって!!本当か?」
「うん。少しだけど話しをしたんだ。酷い目に合ってると思う。」
「…そうか……。」
『シオン君、逃げようと言われてるんじゃないか?』
『うん。でも、できないって言った。』
『なぜ?私の事なら大丈夫だよ。うまく誤魔化すよ。』
『ありがとう。でも、トーマスさんだけじゃなくて牢屋にいた時にアニマ国の人が沢山捕まってたんだ。それを無視して俺だけ帰れないよ。』
『そうか………。』
「おい、シオン、何だって?」
「トーマスさんが逃げろって。」
「……そんな言葉聞いたらシオンだけ連れて行くなんてできないな。」
「うん。俺もトーマスさんが酷い事されるって知ってて知らん顔できない。」
「そうだな。それに、捕まってる人達も気になる。」
「俺達は、一度戻って色々と準備したり、情報を集めてくる。数日かかると思うけど、必ず戻ってくるからな!」
「わかった。じゃあ、俺が元気だって伝えて。それと、トーマスさんの家族に手紙を届けてほしい。給料がちゃんと払われているかも確認してきてほしいんだ。」
「わかった。」
「『トーマスさん。コインさん達が一度戻って準備してきてくれるって。だから、今家族に手紙を書いて届けてくれるよう頼んだんだ。後、お金がちゃんと渡されてるかと元気かを確認してくれるって。』トーマスさんに説明したから、よろしく!」
『ほ、本当かい?……あ、ありがとう。急いで手紙を書くよ。』
「なんだって?」
「急いで手紙書くって。」
それから、急いでトーマスさんは手紙を書き、家の地図も書いて渡していた。
透明になれるのは、30分くらいが限界だから、トーマスさんの家には尻尾と耳を隠して行くらしい。今回は、城の中がどうなってるかわからなくて、ウロウロしている間に30分経ってヤバかったと言ってた。
トーマスさんに聞いて、この部屋に兵士や侍女が来る時間を日本語で書いて渡したし、次は大丈夫だろう。
朝まで兵士達は来ないから、今晩は色々と打ち合わせをして、少し仮眠を取って、早めの朝食を食べて待っていると、約束通り兵士がベットを運んできた。
ついでに朝食も運ばれてきたけど、見ただけで食欲が失せる……。
コインさんとポンタさんは上手く外に出て行けたようだ。俺は具合の悪いフリをしながらヨロヨロと運ばれてきたベットに横になった。
『少しでも魔力が搾り取れそうなら、やっておけ!まだ1か月はいけるが高級食材を出すのは魔力を沢山使うからな!多ければ多いほど国王様は贅沢ができる。俺達にもおこぼれが回ってくる。できるだけ魔力が沢山必要だ!わかったか?』
『わ、わかりました。しかし、この食事では魔力も減ってしまうのではないかと心配なのですが……。』
『ふざけるな!!お前達など食わしてもらえるだけありがたいと思え!!!』
『……は、はい。』
『ふんっ!調子に乗りやがって!!』
不味そうな食事を残して出て行った。
『……あまり、食べたいと思わないな。』
『あんなに美味しい食事を食べてからは喉を通らないな。ははははっ。』
『俺のは、食欲がない事にして残すよ。少しパンを齧ったように見せて、窓から外に捨てよう。』
『私の分は、トイレに流してパンは外に捨てよう。』
『トーマスさん、見て。鳥もパンを食べようとしないよ。どんだけ不味いんだ!』
『本当だね。でも、このパンだって食べられない人は沢山いるんだ。』
『そうだよな。俺もそうだったし。そう思うと勿体無いか。』
『でも、急に残しても怪しまれるから……そうだ。いつ何があるか分からないし、食事が運ばれない事もある。隠しておこうか。シオン君がいた部屋に隠して鍵をかけておこう。数日は持つだろう。』
『そうだな。』
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