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17 王様
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王様によれば、米も小麦も鶏や豚や牛なども普通に育てて、食料にしていたらしい。
「さらに興味深い事に、シオンのように私の遠い先祖が、地球の日本という所で生きてきた記憶があると書いてあった。そこでの経験からこのアニマ国の言葉やお金などを決めていったそうだ。」
「えっ、本当ですか?俺だけじゃなかったんだ!」
「そうなのだ。ご先祖様は絵が上手だったようで、色々な日本の絵を描いて残してある。よくわからない絵も多くあるが、シオンならわかるか?」
見せてもらった絵は、大阪の俺の前世とあまり変わらない時代の絵だった。グリコの看板が描いてある。
後は……俺でも知ってるネコ型ロボットやご長寿アニメの家族など落書きのように描かれている。前世の俺は知らなかったが、何かのアニメのセーラー服を着た女の子や、竹を咥えた着物の女の子なども描いてあった。同じ時代に日本にいたけど、この世界に来る時期はバラバラだったのだろう。
この人、アニメが好きだったんだろうな。
「これは、確かに日本の絵です。」
「やはりそうか。他にも何人かご先祖様に日本で生きた記憶があるものがいたと書かれていた。」
「そうだったんだ。探せば今も日本を知ってる人がいるのかもしれない!」
「残念ながら、その辺りも調べたが、この国にはいないようだ。」
「そうか。」
「あぁ、そうだ。そろそろお腹が空く頃だろう。シオンの野菜を使った料理を用意した。一緒に食べよう。マナーなど気にしなくていい。楽しく美味しく食べることが何よりのマナーだからな!」
移動して、豪華な食事を美味しくいただいた。フランス料理のフルコースのように見た目も綺麗な料理が次々と運ばれてくる。
メイトさんは、少しだけお酒も飲んで、絶好調だ。王様もお酒が入って2人で肩を組んで大笑いしていた。
酔いが覚めてからメイトさんが卒倒しそうだ。
「おぉ、そうだ。肝心な事を忘れていた。シオン、何か欲しいものはないか?そんなにお金持ちではないから、宝石などは無理だが、言ってみてくれ。叶えられるものは叶えたいと思っている。」
「……うーん、じゃあ土地をください。孤児院の裏側の広い土地に果物を植えたりしたいです。」
「それなら可能だ。他にも何かないか?」
「えーっと、あっ、俺、孤児院で働きたいです。」
「孤児院で働く?孤児院にずっといたいということか?」
「はい。俺、ニーン国では食べる物もなくて誰も助けてくれなくて辛かった。でも、ここにきて皆んな親切にしてくれて、特にメイトさん家族は本当の家族のように良くしてくれて、俺、恩返しっていうか、孤児院の為になる事をしていきたいなって思ったんです。」
「シオン………シオンー!!!なんて良い子なんだ!!わしは、わしは嬉しいぞ!!ぅわーーーん!!」
「いや、ちょっとメイトさん、泣かなくても……。お酒臭いから離れて……。」
「私も感動した!!シオンよ、今も孤児院の為に頑張っているではないか!!」
「く…苦しい……は、離して……。」
臣下の人達が王様とメイトさんを俺から引き剥がしてくれた。
窒息しそうだったから助かった~!
「私ができる限りシオンの望みを叶えよう。」
「ありがとうございます!」
「それから、実は頼みもあるのだ。土地は別に用意するので、この本を参考に米や麦なども作りたいと思っていてな。その手伝いをしてほしい。」
「わかりました。」
「城からも、人を送る。兵士にも協力するように伝えておくから、頼んだぞ。」
「はい。」
「王様、わしも……手伝うぞー!」
「おぉ、メイト!頼んだぞ!」
結局、美味しい料理にデザートまで食べてヘロヘロのメイトさんをコインさん達と抱えて馬車に放り込んで孤児院まで帰った。
孤児院の前では皆んなが心配そうに待ってくれていて、ヨダレを垂らして寝ているメイトさんを見たリーナさんが馬車から引きずり降ろして、メリーさん達にガミガミと怒られていた。
その後、俺の説明を聞いて安心して、お土産に王様からもらったケーキを皆んなで食べた。
もちろんメイトさんは、爆睡していてしばらく家族から冷たい目で見られていた。
「さらに興味深い事に、シオンのように私の遠い先祖が、地球の日本という所で生きてきた記憶があると書いてあった。そこでの経験からこのアニマ国の言葉やお金などを決めていったそうだ。」
「えっ、本当ですか?俺だけじゃなかったんだ!」
「そうなのだ。ご先祖様は絵が上手だったようで、色々な日本の絵を描いて残してある。よくわからない絵も多くあるが、シオンならわかるか?」
見せてもらった絵は、大阪の俺の前世とあまり変わらない時代の絵だった。グリコの看板が描いてある。
後は……俺でも知ってるネコ型ロボットやご長寿アニメの家族など落書きのように描かれている。前世の俺は知らなかったが、何かのアニメのセーラー服を着た女の子や、竹を咥えた着物の女の子なども描いてあった。同じ時代に日本にいたけど、この世界に来る時期はバラバラだったのだろう。
この人、アニメが好きだったんだろうな。
「これは、確かに日本の絵です。」
「やはりそうか。他にも何人かご先祖様に日本で生きた記憶があるものがいたと書かれていた。」
「そうだったんだ。探せば今も日本を知ってる人がいるのかもしれない!」
「残念ながら、その辺りも調べたが、この国にはいないようだ。」
「そうか。」
「あぁ、そうだ。そろそろお腹が空く頃だろう。シオンの野菜を使った料理を用意した。一緒に食べよう。マナーなど気にしなくていい。楽しく美味しく食べることが何よりのマナーだからな!」
移動して、豪華な食事を美味しくいただいた。フランス料理のフルコースのように見た目も綺麗な料理が次々と運ばれてくる。
メイトさんは、少しだけお酒も飲んで、絶好調だ。王様もお酒が入って2人で肩を組んで大笑いしていた。
酔いが覚めてからメイトさんが卒倒しそうだ。
「おぉ、そうだ。肝心な事を忘れていた。シオン、何か欲しいものはないか?そんなにお金持ちではないから、宝石などは無理だが、言ってみてくれ。叶えられるものは叶えたいと思っている。」
「……うーん、じゃあ土地をください。孤児院の裏側の広い土地に果物を植えたりしたいです。」
「それなら可能だ。他にも何かないか?」
「えーっと、あっ、俺、孤児院で働きたいです。」
「孤児院で働く?孤児院にずっといたいということか?」
「はい。俺、ニーン国では食べる物もなくて誰も助けてくれなくて辛かった。でも、ここにきて皆んな親切にしてくれて、特にメイトさん家族は本当の家族のように良くしてくれて、俺、恩返しっていうか、孤児院の為になる事をしていきたいなって思ったんです。」
「シオン………シオンー!!!なんて良い子なんだ!!わしは、わしは嬉しいぞ!!ぅわーーーん!!」
「いや、ちょっとメイトさん、泣かなくても……。お酒臭いから離れて……。」
「私も感動した!!シオンよ、今も孤児院の為に頑張っているではないか!!」
「く…苦しい……は、離して……。」
臣下の人達が王様とメイトさんを俺から引き剥がしてくれた。
窒息しそうだったから助かった~!
「私ができる限りシオンの望みを叶えよう。」
「ありがとうございます!」
「それから、実は頼みもあるのだ。土地は別に用意するので、この本を参考に米や麦なども作りたいと思っていてな。その手伝いをしてほしい。」
「わかりました。」
「城からも、人を送る。兵士にも協力するように伝えておくから、頼んだぞ。」
「はい。」
「王様、わしも……手伝うぞー!」
「おぉ、メイト!頼んだぞ!」
結局、美味しい料理にデザートまで食べてヘロヘロのメイトさんをコインさん達と抱えて馬車に放り込んで孤児院まで帰った。
孤児院の前では皆んなが心配そうに待ってくれていて、ヨダレを垂らして寝ているメイトさんを見たリーナさんが馬車から引きずり降ろして、メリーさん達にガミガミと怒られていた。
その後、俺の説明を聞いて安心して、お土産に王様からもらったケーキを皆んなで食べた。
もちろんメイトさんは、爆睡していてしばらく家族から冷たい目で見られていた。
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