13 / 65
13 屯所
しおりを挟む
屯所の中の食堂に案内されて、そこでベアルさん一家用に2籠分の栗ご飯を渡し、持ってきたおにぎりを並べていると、ベアルさんが呼んできた兵士の皆さんが続々と集まってきた。
「やったー!俺、この前買って食べたんだ!美味かった~!」
「俺が行った時には無かったからな。でも食べられて嬉しい。」
「こんなに沢山、ありがとう!」
「皆んな腹一杯食えるな!」
「いただきまーす!」
「あっ、おい!ズルいぞ!!」
「…………んんん、美味ーーい!!」
「絶妙な塩加減だな。美味すぎる!」
「母ちゃんのより美味いぞ!」
「なんだこれ、こんな美味いの初めてだ!」
兵士の人達が大喜びで食べてくれた。簡単な調理道具があるので、大鍋を借りてリーナさんが松茸のお吸物を作って配る。
デザートに栗のパウンドケーキも焼いてきてあり、皆んな大喜びしてくれた。
ベアルさんは、栗のパウンドケーキを食べて放心したように立ち尽くし
「栗……ケーキ……最高~。」
と、ぶつぶつ言いながらニヤけていた。
やっぱり熊だから栗が好きなのかなぁ?とこっそり思ったが、やっぱり聞けない。栗を沢山食べたら冬眠しそう……。
片付けをして孤児院に帰った。
帰りに、次栗拾いに行く時は空いてる兵士全員で手伝いに行くから連絡するように何度も言われた。
山の栗が全て無くなってしまいそうだ。それに、そろそろ栗の季節も終わる。
「シオン、明日山に行かない?」
「えっ?明日?」
「うん。だってそろそろ栗も終わりって言ってたじゃない?兵士の皆さんも楽しみにしてたみたいだし、最後にみんなで楽しく行こうよ!」
「そうだな。最後の栗拾いに行こう。」
「わかった。行こうか。」
「じゃあ、私、連絡しに行ってくる!」
みんな、なんとなく気付いているようで、ゆっくりしておいで、帰りは送ってもらうんだよ、などと口々にメリーさんに言っていた。
俺やニーナでも気付くのだから、家族なら気付いて当たり前だ。
次の日は、馬車の列が出来ていた。みんな、凄く張り切っていて、仕事が回る人数をギリギリ置いて、家や屯所にある籠などを掻き集めて乗せていた。
山に着いて、シオンが今までと同じように、知らない植物や松茸以外のキノコを触ってはいけないと知らせてから、5チームに分かれて探しに行く。
昼までに、籠がいっぱいになり、屯所まで帰った。
今回は、それぞれに兵士の皆んなが家に持って帰って奥さんやお母さんに料理してもらう事になった。今日仕事で行けなかった人達にも分けて持って帰ってもらう。
ちゃっかり孤児院の分も馬車に積んで運んでもらった。
孤児院の分は、近所に配ったり、ジャムなどの保存のできる物に加工したり、残った分を必要な物と交換してもらったりした。
次の日の朝、ラディッシュが収穫できそうだったので、自分が育てたラディッシュを収穫した。一つは、その場で綺麗に洗って味見をした。
皆んな目を丸くして、こんなに美味しいラディッシュを食べた事ないと大喜びだ。
昼に、サラダを作ってもらい、皆んなで食べた。
「な、何これ!!こんな美味しいの食べた事ない!」
「それに、味が濃いのかな?畑で作るのと、魔力を使って作るのと、こんなに違うなんて、ビックリ!」
「これなら、売れるんじゃない?」
ちょーど、近所の奥さんが昨日の栗を使って、ケーキを作って持ってきてくれ、奥さんにもラディッシュを味見してもらった。
目をカッ!!と見開いて、ビックリしている。
「これは、何?はじめての味だわ!!美味しい。みずみずしくて味も食感も全く違う………。」
「本当??」
「えぇ、美味しい!誰が出したの?」
「違うんだよ、俺達が畑で育てたんだ。」
「俺も、ちゅくったぞ!」
「ケーンの作ったのが1番大きかったもんな!」
「うん!!」
メイトさんに褒められてケーンはご機嫌だ。
「やったー!俺、この前買って食べたんだ!美味かった~!」
「俺が行った時には無かったからな。でも食べられて嬉しい。」
「こんなに沢山、ありがとう!」
「皆んな腹一杯食えるな!」
「いただきまーす!」
「あっ、おい!ズルいぞ!!」
「…………んんん、美味ーーい!!」
「絶妙な塩加減だな。美味すぎる!」
「母ちゃんのより美味いぞ!」
「なんだこれ、こんな美味いの初めてだ!」
兵士の人達が大喜びで食べてくれた。簡単な調理道具があるので、大鍋を借りてリーナさんが松茸のお吸物を作って配る。
デザートに栗のパウンドケーキも焼いてきてあり、皆んな大喜びしてくれた。
ベアルさんは、栗のパウンドケーキを食べて放心したように立ち尽くし
「栗……ケーキ……最高~。」
と、ぶつぶつ言いながらニヤけていた。
やっぱり熊だから栗が好きなのかなぁ?とこっそり思ったが、やっぱり聞けない。栗を沢山食べたら冬眠しそう……。
片付けをして孤児院に帰った。
帰りに、次栗拾いに行く時は空いてる兵士全員で手伝いに行くから連絡するように何度も言われた。
山の栗が全て無くなってしまいそうだ。それに、そろそろ栗の季節も終わる。
「シオン、明日山に行かない?」
「えっ?明日?」
「うん。だってそろそろ栗も終わりって言ってたじゃない?兵士の皆さんも楽しみにしてたみたいだし、最後にみんなで楽しく行こうよ!」
「そうだな。最後の栗拾いに行こう。」
「わかった。行こうか。」
「じゃあ、私、連絡しに行ってくる!」
みんな、なんとなく気付いているようで、ゆっくりしておいで、帰りは送ってもらうんだよ、などと口々にメリーさんに言っていた。
俺やニーナでも気付くのだから、家族なら気付いて当たり前だ。
次の日は、馬車の列が出来ていた。みんな、凄く張り切っていて、仕事が回る人数をギリギリ置いて、家や屯所にある籠などを掻き集めて乗せていた。
山に着いて、シオンが今までと同じように、知らない植物や松茸以外のキノコを触ってはいけないと知らせてから、5チームに分かれて探しに行く。
昼までに、籠がいっぱいになり、屯所まで帰った。
今回は、それぞれに兵士の皆んなが家に持って帰って奥さんやお母さんに料理してもらう事になった。今日仕事で行けなかった人達にも分けて持って帰ってもらう。
ちゃっかり孤児院の分も馬車に積んで運んでもらった。
孤児院の分は、近所に配ったり、ジャムなどの保存のできる物に加工したり、残った分を必要な物と交換してもらったりした。
次の日の朝、ラディッシュが収穫できそうだったので、自分が育てたラディッシュを収穫した。一つは、その場で綺麗に洗って味見をした。
皆んな目を丸くして、こんなに美味しいラディッシュを食べた事ないと大喜びだ。
昼に、サラダを作ってもらい、皆んなで食べた。
「な、何これ!!こんな美味しいの食べた事ない!」
「それに、味が濃いのかな?畑で作るのと、魔力を使って作るのと、こんなに違うなんて、ビックリ!」
「これなら、売れるんじゃない?」
ちょーど、近所の奥さんが昨日の栗を使って、ケーキを作って持ってきてくれ、奥さんにもラディッシュを味見してもらった。
目をカッ!!と見開いて、ビックリしている。
「これは、何?はじめての味だわ!!美味しい。みずみずしくて味も食感も全く違う………。」
「本当??」
「えぇ、美味しい!誰が出したの?」
「違うんだよ、俺達が畑で育てたんだ。」
「俺も、ちゅくったぞ!」
「ケーンの作ったのが1番大きかったもんな!」
「うん!!」
メイトさんに褒められてケーンはご機嫌だ。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
【北の果てのキトゥルセン】 ~辺境の王子に転生したので、まったり暮らそうと思ったのに、どんどん国が大きくなっていく件について~
次元謄一
ファンタジー
タイトル変更しました→旧タイトル 「デッドエンドキングダム ~十五歳の魔剣使いは辺境から異世界統一を目指します~」
前世の記憶を持って生まれたオスカーは国王の落とし子だった。父の死によって十五歳で北の辺境王国の統治者になったオスカーは、炎を操る魔剣、現代日本の記憶、そしてなぜか生まれながらに持っていた【千里眼】の能力を駆使し、魔物の森や有翼人の国などを攻略していく。国内では水車を利用した温泉システム、再現可能な前世の料理、温室による農業、畜産業の発展、透視能力で地下鉱脈を探したりして文明改革を進めていく。
軍を使って周辺国を併合して、大臣たちと国内を豊かにし、夜はメイド達とムフフな毎日。
しかし、大陸中央では至る所で戦争が起こり、戦火は北までゆっくりと、確実に伸びてきていた。加えて感染するとグールになってしまう魔物も至る所で発生し……!?
雷を操るツンデレ娘魔人、氷を操るクール系女魔人、古代文明の殺戮機械人(女)など、可愛いけど危険な仲間と共に、戦乱の世を駆け抜ける!
登場人物が多いので結構サクサク進みます。気軽に読んで頂ければ幸いです。
異世界道中ゆめうつつ! 転生したら虚弱令嬢でした。チート能力なしでたのしい健康スローライフ!
マーニー
ファンタジー
※ほのぼの日常系です
病弱で閉鎖的な生活を送る、伯爵令嬢の美少女ニコル(10歳)。対して、亡くなった両親が残した借金地獄から抜け出すため、忙殺状態の限界社会人サラ(22歳)。
ある日、同日同時刻に、体力の限界で息を引き取った2人だったが、なんとサラはニコルの体に転生していたのだった。
「こういうときって、神様のチート能力とかあるんじゃないのぉ?涙」
異世界転生お約束の神様登場も特別スキルもなく、ただただ、不健康でひ弱な美少女に転生してしまったサラ。
「せっかく忙殺の日々から解放されたんだから…楽しむしかない。ぜっっったいにスローライフを満喫する!」
―――異世界と健康への不安が募りつつ
憧れのスローライフ実現のためまずは健康体になることを決意したが、果たしてどうなるのか?
魔法に魔物、お貴族様。
夢と現実の狭間のような日々の中で、
転生者サラが自身の夢を叶えるために
新ニコルとして我が道をつきすすむ!
『目指せ健康体!美味しいご飯と楽しい仲間たちと夢のスローライフを叶えていくお話』
※はじめは健康生活。そのうちお料理したり、旅に出たりもします。日常ほのぼの系です。
※非現実色強めな内容です。
※溺愛親バカと、あたおか要素があるのでご注意です。
孤児院で育った俺、ある日目覚めたスキル、万物を見通す目と共に最強へと成りあがる
シア07
ファンタジー
主人公、ファクトは親の顔も知らない孤児だった。
そんな彼は孤児院で育って10年が経った頃、突如として能力が目覚める。
なんでも見通せるという万物を見通す目だった。
目で見れば材料や相手の能力がわかるというものだった。
これは、この――能力は一体……なんなんだぁぁぁぁぁぁぁ!?
その能力に振り回されながらも孤児院が魔獣の到来によってなくなり、同じ孤児院育ちで幼馴染であるミクと共に旅に出ることにした。
魔法、スキルなんでもあるこの世界で今、孤児院で育った彼が個性豊かな仲間と共に最強へと成りあがる物語が今、幕を開ける。
※他サイトでも連載しています。
大体21:30分ごろに更新してます。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
鑑定能力で恩を返す
KBT
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。
彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。
そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。
この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。
帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。
そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。
そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。
おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ
Crosis
ファンタジー
新たな世界で新たな人生を_(:3 」∠)_
【残酷な描写タグ等は一応保険の為です】
後悔ばかりの人生だった高柳美里(40歳)は、ある日突然唯一の趣味と言って良いVRMMOのゲームデータを引き継いだ状態で異世界へと転移する。
目の前には心血とお金と時間を捧げて作り育てたCPUキャラクター達。
そして若返った自分の身体。
美男美女、様々な種族の|子供達《CPUキャラクター》とアイテムに天空城。
これでワクワクしない方が嘘である。
そして転移した世界が異世界であると気付いた高柳美里は今度こそ後悔しない人生を謳歌すると決意するのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる