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9 山
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コインさん達に、畑の事と畑仕事に必要な道具を家に取りに行きたい事を説明した。
「シオンの家まで行くのは無理だ。ついて行ってやりたいが、人間に見つかったら俺達がヤバいからな。」
「悪いなシオン。確か前に人間が落とした物を保管してあるから、そこに鍬?もあるかもしれない。今から見に来るか?馬車で来てるし、乗っていけばいいし。」
「うん、行きたい!もし、違ったら作ってもらう事も出来るか?」
「そりゃ、スコップなんかもあるから、こんな物だとわかったら作ってもらえると思うぞ。」
「メイトさん、行って来てもいい?」
「あぁ、いいぞ。」
馬車に乗せてもらって、最初に連れて行ってもらった建物の裏側に倉庫があり、人間が持ってた物を見せてもらう。
「あっ、これ!これが鍬だ。鎌もある。もらってもいいか?」
「あぁ、いいぞ。許可は取ったし、誰も使い方がわからんから、置きっぱなしだった。」
「やったー!」
「よし、必要な物を馬車に乗せろ。送ってってやるよ。」
「ありがとう!!」
孤児院まで送ってもらい、山行きの時間も決めてコインさん達は帰って行った。
山行きの日、朝からラディッシュの芽が出たと大喜びしながら皆んなで出かける。
「よし、ここから歩くぞ!」
「うん。」
「お弁当も作ってきたから、張り切って沢山採るわよ!!」
「メリーさん、めっちゃ張り切ってる。」
「だって、松茸ご飯も栗も野いちごもすんごく美味しかったんですもの!!」
「確かに、あれは美味かったなぁー!」
「俺らの分も残しといてくれよ!」
「シオンの様子を見に行くって口実で食べに行きたい!俺達は、シオンに会えてラッキーだったよな、コイン!」
「おう!!」
「なんか、照れる。へへへ。」
話しながら進むとすぐに山の中に入った。
「松茸じゃないキノコは絶対取るなよ!毒のあるのや、触るだけで痛くなるようなのもあるから。」
「俺、苺とる!」
「俺も!」
「うん、クーンとケーンは野いちご沢山とってくれ。少しくらい食べてもいいぞ。」
「やったー!」
「やったー!」
「この前は、あっちの方を取ったから、今日はこっちに行ってみよう。」
「よし、もう少し一緒に進みながら見つけたらとろう。」
少し進むだけで松茸や野いちごが沢山あった。
5分ほど歩くと大きな栗の木があって、その周りで探す事にした。
俺は、ニーナやクーン、ケーンと一緒に野いちごを探し、ポンタさん達は松茸、メリーさん達は栗拾いをする事にしてそれぞれ大きな籠を背負って行動開始。
クーンもケーンもニーナも最初は野いちごを食べる事に夢中になってたけど、数個食べると満足して誰が1番沢山取るかの競走を始めた。
籠が一杯になり栗の木まで戻ると、リーナさんが敷物を広げてお弁当の準備をしてくれていた。
「さぁ、食べましょう。手を拭いてね。」
「おぉ、美味そう!!」
「サンドイッチにおにぎりもある。」
「早く食べよう!!」
外で食べると、なんでこんなに美味しいんだろう。しかも、大好きな人達とワイワイ話しながらお腹一杯食べる事ができる。
「おい、シオン、どーした?」
「えっ?」
「チオンにーに、痛い?」
「……あっ、いや大丈夫。なんかさ、嬉しくて。こんなに楽しくお腹一杯食べた事なかったから。母さんといつも2人だけだった。………へへ、なんか嬉しくて。」
「そーか、そうだな。シオン、わし達の事は本当の親だと思って甘えたらいい。」
「そうよ、私達もシオンが来てくれて嬉しいんだから。」
「メイトさん、リーナさん……ありがとう。」
「お兄ちゃん、ニーナ達もいるからね!」
「そうだぞ!」
「しょーだじょ!」
「ありがとう。」
「さぁ、デザートにしましょう!張り切ってパウンドケーキ焼いたんだから。」
「うわー、美味そう!」
「よし、シオン、俺がまた山に連れてきてやるよ!」
「コイン、おまえが色々食いたいだけだろ!」
「バレたか?」
「バレバレだ!俺も一緒に連れて行く!」
「ポンタも一緒じゃねーか!」
「あははははは。」
俺は泣き笑いしながら本当にここに来て、前世の記憶があって良かったと思った。
「シオンの家まで行くのは無理だ。ついて行ってやりたいが、人間に見つかったら俺達がヤバいからな。」
「悪いなシオン。確か前に人間が落とした物を保管してあるから、そこに鍬?もあるかもしれない。今から見に来るか?馬車で来てるし、乗っていけばいいし。」
「うん、行きたい!もし、違ったら作ってもらう事も出来るか?」
「そりゃ、スコップなんかもあるから、こんな物だとわかったら作ってもらえると思うぞ。」
「メイトさん、行って来てもいい?」
「あぁ、いいぞ。」
馬車に乗せてもらって、最初に連れて行ってもらった建物の裏側に倉庫があり、人間が持ってた物を見せてもらう。
「あっ、これ!これが鍬だ。鎌もある。もらってもいいか?」
「あぁ、いいぞ。許可は取ったし、誰も使い方がわからんから、置きっぱなしだった。」
「やったー!」
「よし、必要な物を馬車に乗せろ。送ってってやるよ。」
「ありがとう!!」
孤児院まで送ってもらい、山行きの時間も決めてコインさん達は帰って行った。
山行きの日、朝からラディッシュの芽が出たと大喜びしながら皆んなで出かける。
「よし、ここから歩くぞ!」
「うん。」
「お弁当も作ってきたから、張り切って沢山採るわよ!!」
「メリーさん、めっちゃ張り切ってる。」
「だって、松茸ご飯も栗も野いちごもすんごく美味しかったんですもの!!」
「確かに、あれは美味かったなぁー!」
「俺らの分も残しといてくれよ!」
「シオンの様子を見に行くって口実で食べに行きたい!俺達は、シオンに会えてラッキーだったよな、コイン!」
「おう!!」
「なんか、照れる。へへへ。」
話しながら進むとすぐに山の中に入った。
「松茸じゃないキノコは絶対取るなよ!毒のあるのや、触るだけで痛くなるようなのもあるから。」
「俺、苺とる!」
「俺も!」
「うん、クーンとケーンは野いちご沢山とってくれ。少しくらい食べてもいいぞ。」
「やったー!」
「やったー!」
「この前は、あっちの方を取ったから、今日はこっちに行ってみよう。」
「よし、もう少し一緒に進みながら見つけたらとろう。」
少し進むだけで松茸や野いちごが沢山あった。
5分ほど歩くと大きな栗の木があって、その周りで探す事にした。
俺は、ニーナやクーン、ケーンと一緒に野いちごを探し、ポンタさん達は松茸、メリーさん達は栗拾いをする事にしてそれぞれ大きな籠を背負って行動開始。
クーンもケーンもニーナも最初は野いちごを食べる事に夢中になってたけど、数個食べると満足して誰が1番沢山取るかの競走を始めた。
籠が一杯になり栗の木まで戻ると、リーナさんが敷物を広げてお弁当の準備をしてくれていた。
「さぁ、食べましょう。手を拭いてね。」
「おぉ、美味そう!!」
「サンドイッチにおにぎりもある。」
「早く食べよう!!」
外で食べると、なんでこんなに美味しいんだろう。しかも、大好きな人達とワイワイ話しながらお腹一杯食べる事ができる。
「おい、シオン、どーした?」
「えっ?」
「チオンにーに、痛い?」
「……あっ、いや大丈夫。なんかさ、嬉しくて。こんなに楽しくお腹一杯食べた事なかったから。母さんといつも2人だけだった。………へへ、なんか嬉しくて。」
「そーか、そうだな。シオン、わし達の事は本当の親だと思って甘えたらいい。」
「そうよ、私達もシオンが来てくれて嬉しいんだから。」
「メイトさん、リーナさん……ありがとう。」
「お兄ちゃん、ニーナ達もいるからね!」
「そうだぞ!」
「しょーだじょ!」
「ありがとう。」
「さぁ、デザートにしましょう!張り切ってパウンドケーキ焼いたんだから。」
「うわー、美味そう!」
「よし、シオン、俺がまた山に連れてきてやるよ!」
「コイン、おまえが色々食いたいだけだろ!」
「バレたか?」
「バレバレだ!俺も一緒に連れて行く!」
「ポンタも一緒じゃねーか!」
「あははははは。」
俺は泣き笑いしながら本当にここに来て、前世の記憶があって良かったと思った。
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