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73 新しい嫁
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新しい眷属達が、少し生活に慣れてきた頃、新しい山神達の嫁入りがおこなわれた。
それぞれ、可愛らしいお嫁さんが来て、とても嬉しいと鳩で連絡が来た。
クロモは、嫁入りから1か月後に桃が用意したお祝いの品を持って、それぞれの村まで行き困った事などないかを聞いて回った。
「桃、ただいま~!」
「クロモ様、おかえり。どうだった??」
「皆んな、それぞれに幸せそうだったぞ。祝いも、凄く喜ばれた。」
「良かった。」
「それでな、桃に嫁達から頼みがあるそうだ。それぞれの新しい嫁達は鳩を使って連絡を取り合っているそうで、そこで1番長く山神の嫁をしている桃に嫁達だけが集まって話す機会を作ってほしいそうだ。俺達の山神会議みたいなものをしてほしいらしいぞ。」
「そっかぁ。確かに男の人に聞きにくい事や、嫁にしかわからない事もあるかもね。うん、風香とも連絡して早めに計画するよ。」
「あぁ、そうしてくれ。桃は最初から1人でずっと頑張ってきたもんな。あらためて桃が嫁に来てくれて良かった。」
「ふふふ、最初はめちゃくちゃだったけどね~。吐いちゃうし、子作りの事も知らなかったし。」
「そうだったな。懐かしい。もう何十年も一緒にいるような気がするが、まだまだ数年しか経ってないんだな。」
「本当だ。ずっと何かしらあって、バタバタしてたし、今もバタバタしてるもんね。この村だけじゃなくて他の村の事でも忙しいし、ゆっくりする暇がないから嫁入りの頃を思い出して話す事なんて無かったもんね。」
「……なんでこんなに忙しいんだろうな。」
「………ね~。」
「もう少ししたら、色々落ち着くだろう。」
「そうだね。病気になったりしないからバタバタするのはいいけど、たまにはのんびりとクロモ様と町に行ったりしたいなぁ~。」
「桃、俺ももっとイチャイチャしたい。」
「えぇー!でも子どもできたら、また忙しくなるもん。ほとんど手がかからないけどさ、のんびりしたい!この子が産まれたら、しばらくはダメだよ!!」
「………わ、わかった。」
「あっ、そうだ。お嫁さんの集まりって、どうやって集まるの?」
「あっ……、そうか。山神は自分で長距離の移動が出来るけど、嫁は普通の人だもんな。自分では来ることができないな。」
「でしょ!それに一緒にきたらお嫁さん達も言いたい事や相談したい事が話せないかもしれないよ。」
「うーーん、そうだな。だが、せっかくここまで来て、すぐに帰るのもなぁ。」
「確かに。でも、山神会議とお嫁さん達の集まりを一緒にしちゃうと準備や場所も大変だよ。他の村が準備するのはもっと大変だろうし。」
「そうだな。この村でするのが1番だと思うが、移動が問題だ。俺が全員迎えに行ってもいいが、時間がかかるし蜘蛛の姿は嫌がられるからな。」
「だよねー、私でも吐いちゃうのに。」
「……いや、吐くのは桃くらいだぞ!」
「そぅ?」
「小梅は、蜘蛛の姿の方が素敵だと言ってくれるしな。」
「えぇーー、小梅は特別だよ。あの子、昔から蜘蛛好きだったから。」
「その話しは置いといて……。さて、何か良い方法がないか……。」
「うーーーん、一瞬で移動できる物があればいいのに。」
「確かに、それができたら俺も楽だ。」
「あっ…………、山犬様。」
「ん?山犬様がどうかしたか?」
「うん、山犬様って呼んだら一瞬でここに来るよ。」
「………確かにそうだな。」
「でしょう!!どうやって移動してるんだろう?」
「神界からだからじゃないのか?」
「そうかもしれないけど、一回聞いてみようよ!」
「また呼ぶのか?最近、呼びすぎな気がするが……。」
「まぁまぁ、いいじゃない。山犬様も神界で暇してるかもしれないし。」
「さすがに、そんな事ないだろう。」
「だって、する事無さそうだよ?」
「…………失礼なんじゃないか?」
「大丈夫だよ、山犬様ここに来るの好きそうだもん。」
「はぁ、そうだな。呼ぶか。」
「うん。…おーーい、山犬様~!!」
「呼んだか?」
それぞれ、可愛らしいお嫁さんが来て、とても嬉しいと鳩で連絡が来た。
クロモは、嫁入りから1か月後に桃が用意したお祝いの品を持って、それぞれの村まで行き困った事などないかを聞いて回った。
「桃、ただいま~!」
「クロモ様、おかえり。どうだった??」
「皆んな、それぞれに幸せそうだったぞ。祝いも、凄く喜ばれた。」
「良かった。」
「それでな、桃に嫁達から頼みがあるそうだ。それぞれの新しい嫁達は鳩を使って連絡を取り合っているそうで、そこで1番長く山神の嫁をしている桃に嫁達だけが集まって話す機会を作ってほしいそうだ。俺達の山神会議みたいなものをしてほしいらしいぞ。」
「そっかぁ。確かに男の人に聞きにくい事や、嫁にしかわからない事もあるかもね。うん、風香とも連絡して早めに計画するよ。」
「あぁ、そうしてくれ。桃は最初から1人でずっと頑張ってきたもんな。あらためて桃が嫁に来てくれて良かった。」
「ふふふ、最初はめちゃくちゃだったけどね~。吐いちゃうし、子作りの事も知らなかったし。」
「そうだったな。懐かしい。もう何十年も一緒にいるような気がするが、まだまだ数年しか経ってないんだな。」
「本当だ。ずっと何かしらあって、バタバタしてたし、今もバタバタしてるもんね。この村だけじゃなくて他の村の事でも忙しいし、ゆっくりする暇がないから嫁入りの頃を思い出して話す事なんて無かったもんね。」
「……なんでこんなに忙しいんだろうな。」
「………ね~。」
「もう少ししたら、色々落ち着くだろう。」
「そうだね。病気になったりしないからバタバタするのはいいけど、たまにはのんびりとクロモ様と町に行ったりしたいなぁ~。」
「桃、俺ももっとイチャイチャしたい。」
「えぇー!でも子どもできたら、また忙しくなるもん。ほとんど手がかからないけどさ、のんびりしたい!この子が産まれたら、しばらくはダメだよ!!」
「………わ、わかった。」
「あっ、そうだ。お嫁さんの集まりって、どうやって集まるの?」
「あっ……、そうか。山神は自分で長距離の移動が出来るけど、嫁は普通の人だもんな。自分では来ることができないな。」
「でしょ!それに一緒にきたらお嫁さん達も言いたい事や相談したい事が話せないかもしれないよ。」
「うーーん、そうだな。だが、せっかくここまで来て、すぐに帰るのもなぁ。」
「確かに。でも、山神会議とお嫁さん達の集まりを一緒にしちゃうと準備や場所も大変だよ。他の村が準備するのはもっと大変だろうし。」
「そうだな。この村でするのが1番だと思うが、移動が問題だ。俺が全員迎えに行ってもいいが、時間がかかるし蜘蛛の姿は嫌がられるからな。」
「だよねー、私でも吐いちゃうのに。」
「……いや、吐くのは桃くらいだぞ!」
「そぅ?」
「小梅は、蜘蛛の姿の方が素敵だと言ってくれるしな。」
「えぇーー、小梅は特別だよ。あの子、昔から蜘蛛好きだったから。」
「その話しは置いといて……。さて、何か良い方法がないか……。」
「うーーーん、一瞬で移動できる物があればいいのに。」
「確かに、それができたら俺も楽だ。」
「あっ…………、山犬様。」
「ん?山犬様がどうかしたか?」
「うん、山犬様って呼んだら一瞬でここに来るよ。」
「………確かにそうだな。」
「でしょう!!どうやって移動してるんだろう?」
「神界からだからじゃないのか?」
「そうかもしれないけど、一回聞いてみようよ!」
「また呼ぶのか?最近、呼びすぎな気がするが……。」
「まぁまぁ、いいじゃない。山犬様も神界で暇してるかもしれないし。」
「さすがに、そんな事ないだろう。」
「だって、する事無さそうだよ?」
「…………失礼なんじゃないか?」
「大丈夫だよ、山犬様ここに来るの好きそうだもん。」
「はぁ、そうだな。呼ぶか。」
「うん。…おーーい、山犬様~!!」
「呼んだか?」
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