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71 嫁入り決定
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美味しい料理を食べながら和やかに話し合いは続く。
昔話に花を咲かせる元山神達。大熊は最初は本当に大変だったと遠い目をしていた。
全ての山神が同時に現れたのではなく、山で暮らす人々が増えていき、その村人を助けたり見守ったりしていて神と言われるようになり、そこから山神が誕生したと言っていた。この世界の神様がそれぞれの村の様子を見ていて、山犬達に神の力を与えたのだそうだ。
お互いの存在を知ったのは、かなり後になってからだと話していた。
「そうだったんですか。その話しは、初めて聞きました。」
「そうだな。始まりの話しをする事など今までなかったからな。」
「あ、あの。所で嫁入りの話しはどうなのでしょうか?」
「あぁ、そうだった。つい昔話が懐かしくて……。すまんすまん。」
「僕達も、神様に聞いてきました。今の山神達が嫁入りを早めても問題ないかどうかを。結果、村人達が納得して嫁入りさせるなら、問題ないそうです。」
「雪兎様、ありがとうございます。注意する事はありますか?」
「うむ、それについては俺から話そう。特に何もないが、同じ日に合わせる事を薦められた。ちょうど五日後が良い日だと神様が言っていたぞ。」
「わかりました。五日後ですね。」
そこからは新しい山神達は、大急ぎで土産をしっかり持ってそれぞれの山に帰って行った。村に伝えて準備を進める為だ。
元山神達と、大熊、クロモ達は、のんびりとデザートを食べながら、クロやサクラの事を話した。
元山神達は、嫁が沢山いるから特に手が足りない事はないらしい。
しかし、最初の嫁の時には苦労したから、クロやサクラのような手伝いがいてくれると助かるだろうと賛成してくれた。
それからクロモと桃で、商店街を案内して、お金を準備してきた元山神達は、嫁達への土産を買ったり、服や鞄などを購入して、初めての買い物を楽しんだ。
「自分で選んで買うという事は、楽しい事だな。ふむ、嫁達にも体験させてやりたいし、時々この村に買い物にくることにしよう。」
「山犬様、お金はどうするの?」
「そうだな。嫁達の得意な事を聞いて、何か作らせよう。それを黒蜘蛛に町に売りに行ってもらう。いいだろ?」
「……俺も、結構忙しいんですが。」
「わはははは、礼はするぞ。」
「………はぁ~っっ!わかりました。」
「では、私達も便乗してもよろしいですか?」
「もぅ好きにしてください。」
お土産を持って、嬉しそうにしながら元山神達は、帰って行った。
「黒蜘蛛殿、桃殿、世話になった。またふうちゃんと遊びにくる。」
「おじいちゃん、おばあちゃんまたねー!」
「あぁ気をつけてな。」
クロやサクラ達、子ども達も手伝って片付けをして、風呂に入って、桃の部屋でクロモはグッタリしながら、これからの事を話し合った。
「クロモ様、これから忙しくなるね!」
「そぅだな。最近、ほとんど家にいない気がする。」
「あははは、確かに。店の手伝いもあるし、動物達も増えるし、もう少しサクラちゃん達みたいな人手を増やそうよ。」
「うーん、そうだな。確かに、これからの事を考えるとその方がいいかもしれない。」
「子ども達も、いつかは村に行く事になるし、成長もゆっくりだから手がかかるしね。村の人達が店をしてくれるけど、今日みたいに会議やお客さんが来た時とか、バタバタするし。」
「そうだよな。動物の世話に畑仕事。家も作らないといけないし、そろそろ限界だな。」
「うん。皆んな毎日大忙しだもん。」
「よし、わかった。明日、動物達に聞いてみて増やそう。」
「うん。やったー!!」
「どんどん賑やかになるな。」
「小梅や、子ども達も出産で帰って来たりするし、部屋の掃除が5日に一度くらいしか出来なくて困ってたんだ。」
「そうか。確かに部屋の数もすごいしな。会議室は広いし、客用の布団を干すだけでも大仕事だからな。それに、洗濯や炊事もある。もう少し早く気づけば良かった。」
「店の準備や、町への用事があってクロモ様、忙しかったから仕方ないよ。」
「……桃。」
昔話に花を咲かせる元山神達。大熊は最初は本当に大変だったと遠い目をしていた。
全ての山神が同時に現れたのではなく、山で暮らす人々が増えていき、その村人を助けたり見守ったりしていて神と言われるようになり、そこから山神が誕生したと言っていた。この世界の神様がそれぞれの村の様子を見ていて、山犬達に神の力を与えたのだそうだ。
お互いの存在を知ったのは、かなり後になってからだと話していた。
「そうだったんですか。その話しは、初めて聞きました。」
「そうだな。始まりの話しをする事など今までなかったからな。」
「あ、あの。所で嫁入りの話しはどうなのでしょうか?」
「あぁ、そうだった。つい昔話が懐かしくて……。すまんすまん。」
「僕達も、神様に聞いてきました。今の山神達が嫁入りを早めても問題ないかどうかを。結果、村人達が納得して嫁入りさせるなら、問題ないそうです。」
「雪兎様、ありがとうございます。注意する事はありますか?」
「うむ、それについては俺から話そう。特に何もないが、同じ日に合わせる事を薦められた。ちょうど五日後が良い日だと神様が言っていたぞ。」
「わかりました。五日後ですね。」
そこからは新しい山神達は、大急ぎで土産をしっかり持ってそれぞれの山に帰って行った。村に伝えて準備を進める為だ。
元山神達と、大熊、クロモ達は、のんびりとデザートを食べながら、クロやサクラの事を話した。
元山神達は、嫁が沢山いるから特に手が足りない事はないらしい。
しかし、最初の嫁の時には苦労したから、クロやサクラのような手伝いがいてくれると助かるだろうと賛成してくれた。
それからクロモと桃で、商店街を案内して、お金を準備してきた元山神達は、嫁達への土産を買ったり、服や鞄などを購入して、初めての買い物を楽しんだ。
「自分で選んで買うという事は、楽しい事だな。ふむ、嫁達にも体験させてやりたいし、時々この村に買い物にくることにしよう。」
「山犬様、お金はどうするの?」
「そうだな。嫁達の得意な事を聞いて、何か作らせよう。それを黒蜘蛛に町に売りに行ってもらう。いいだろ?」
「……俺も、結構忙しいんですが。」
「わはははは、礼はするぞ。」
「………はぁ~っっ!わかりました。」
「では、私達も便乗してもよろしいですか?」
「もぅ好きにしてください。」
お土産を持って、嬉しそうにしながら元山神達は、帰って行った。
「黒蜘蛛殿、桃殿、世話になった。またふうちゃんと遊びにくる。」
「おじいちゃん、おばあちゃんまたねー!」
「あぁ気をつけてな。」
クロやサクラ達、子ども達も手伝って片付けをして、風呂に入って、桃の部屋でクロモはグッタリしながら、これからの事を話し合った。
「クロモ様、これから忙しくなるね!」
「そぅだな。最近、ほとんど家にいない気がする。」
「あははは、確かに。店の手伝いもあるし、動物達も増えるし、もう少しサクラちゃん達みたいな人手を増やそうよ。」
「うーん、そうだな。確かに、これからの事を考えるとその方がいいかもしれない。」
「子ども達も、いつかは村に行く事になるし、成長もゆっくりだから手がかかるしね。村の人達が店をしてくれるけど、今日みたいに会議やお客さんが来た時とか、バタバタするし。」
「そうだよな。動物の世話に畑仕事。家も作らないといけないし、そろそろ限界だな。」
「うん。皆んな毎日大忙しだもん。」
「よし、わかった。明日、動物達に聞いてみて増やそう。」
「うん。やったー!!」
「どんどん賑やかになるな。」
「小梅や、子ども達も出産で帰って来たりするし、部屋の掃除が5日に一度くらいしか出来なくて困ってたんだ。」
「そうか。確かに部屋の数もすごいしな。会議室は広いし、客用の布団を干すだけでも大仕事だからな。それに、洗濯や炊事もある。もう少し早く気づけば良かった。」
「店の準備や、町への用事があってクロモ様、忙しかったから仕方ないよ。」
「……桃。」
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