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60 大熊のお手伝いさん
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本格的に雪が降り出して、大熊や白狐の村は雪に家が埋もれるほど積もっている。
それがわかっているので、大熊は村の数カ所に屋根付きの畑も準備していて、つゆ子達も食べる物には困らないように工夫してあった。
大熊の家には、中に少しだが畑もあり、動物達も一緒に暮らせるようになっていた。
風香は、攻めに攻めた結果、見事に妊娠して少し膨らんだお腹を大事そうに撫でていた。
その風香の様子を見て、大熊は子どもが産まれて子育てをするのにクロモの所にいる、クロやサクラのような手伝いをしてくれる人をどうすればいいか、クロモに聞きに行く事にした。
「ふぅちゃん、黒蜘蛛殿の所に出かけてくる。」
「えー、風香も行きたい!!」
「いや、この雪だ、お腹の子に何かあったら困るからな。」
「大丈夫だよ。おじいちゃん所なら何かあっても助けてくれるし、風香もおばあちゃんに子育ての事とか聞きたいもん。連れて行って~!」
「………じゃあ、暖かい服を着るんだぞ。」
「わかった~!!やった~、おじいちゃんの家、久しぶりだなぁ。さつきちゃん達も元気かなぁ?」
心配する大熊に風香は、もぅこれ以上無理なくらい服を重ね着させられた。
蜘蛛を通して連絡をもらったクロモは、桃と一緒に準備して2人を待っていた。
昼前頃に2人が到着して、風香は三つ子達と一緒に遊んだりおしゃべりしたりと楽しそうにしている。
「突然来て、悪かった。」
「大熊様、いつでも来てくれ。雪の中大変だっただろ?つゆ子の所の蜘蛛が何かあれば知らせてくれるから心配せずに一晩泊まっていくといい。」
「何から何まで、助かる。」
「風香も楽しそうだしな。」
「あぁ。私も相談したい事があり、急ぎここまで来た。」
「そうか。おーい、桃。桃も、こっちに来て一緒に話しを聞いてくれるか?」
「はーい。今行く。」
「それで、相談とは?」
「黒蜘蛛殿の所には、クロ殿とサクラ殿が手伝いをしてくれているだろう?私の所は、今、ふぅちゃんしか居なくて、今後出産や育児になった時に村も大きくなってきたし、手伝ってくれる人が居てくれたらと思ったのだが……クロ殿達は、村の人なのか?」
「あぁ、クロやサクラは元々鶏だったんだ。桃が、自分で卵を孵したいと張り切って歌を聴かせて、話しかけて、俺も卵に神力を少し注いだ結果、話すヒヨコが孵ってな……。」
「そうそう、それでね、裏の林檎を食べさせて、クロモ様が名前を付けたら、人間に変身したの。」
「なるほど……。そうか。」
「大熊様の所も、お手伝いしてくれる人が居たら助かるよね。出産もサクラちゃんがいつもサポートしてくれるから私も助かってるし。」
「そうなんだ。出産の事もあって私1人では心配でな。」
「うーん、うちの鶏に大熊様の神力を注いでみる?」
「桃、鶏より他の動物の方がいいかもしれん。鶏はうるさいからなぁ。」
「大熊様は、どう?」
「そうだな、特に希望は無い。」
「じゃあ、どうなるか分からないけど、ここにいる動物達に神力を注いでみて、人間に変身できるか試してみようよ!」
「そうだな。他の動物でも人間の姿になれるか分からないからな。」
「うちの子達は、皆んなしゃべるから神力もらってもいいか聞いてみようよ!」
「そうだな。大熊様、一緒に来てくれ。」
3人で、牛に聞いたら牛のままが良いと断られ、豚に聞いたらOKだった。
まずは、豚に大熊が神力を少しづつ注いでみる。
「どうだ?」
「えーっと、スラスラ話せるようになりました。」
「大熊様、名前を付けてくれ。」
「名前……ハナコは?」
パァーと輝いたが、特に変化はない。桃が林檎を取ってきて食べさせてみると、人の姿になった。20歳くらいの色白なとても可愛い女の子だ。
「ハナコです。あるじ様、よろしくお願いします。」
「あぁ、これからよろしくな。」
「はい。」
「よし、じゃあ男も必要だろう。大熊様、ハナコの兄弟になるこの子にしよう。」
「わかった。」
神力を注ぎ、林檎を食べさせ、名前を付けた。やはり20歳くらいの色白の男前だ。2人とも髪の毛が桃色がかった金髪だった。
「あるじ様、タロウです。これからよろしくお願いします。」
「あぁよろしく頼む。」
それがわかっているので、大熊は村の数カ所に屋根付きの畑も準備していて、つゆ子達も食べる物には困らないように工夫してあった。
大熊の家には、中に少しだが畑もあり、動物達も一緒に暮らせるようになっていた。
風香は、攻めに攻めた結果、見事に妊娠して少し膨らんだお腹を大事そうに撫でていた。
その風香の様子を見て、大熊は子どもが産まれて子育てをするのにクロモの所にいる、クロやサクラのような手伝いをしてくれる人をどうすればいいか、クロモに聞きに行く事にした。
「ふぅちゃん、黒蜘蛛殿の所に出かけてくる。」
「えー、風香も行きたい!!」
「いや、この雪だ、お腹の子に何かあったら困るからな。」
「大丈夫だよ。おじいちゃん所なら何かあっても助けてくれるし、風香もおばあちゃんに子育ての事とか聞きたいもん。連れて行って~!」
「………じゃあ、暖かい服を着るんだぞ。」
「わかった~!!やった~、おじいちゃんの家、久しぶりだなぁ。さつきちゃん達も元気かなぁ?」
心配する大熊に風香は、もぅこれ以上無理なくらい服を重ね着させられた。
蜘蛛を通して連絡をもらったクロモは、桃と一緒に準備して2人を待っていた。
昼前頃に2人が到着して、風香は三つ子達と一緒に遊んだりおしゃべりしたりと楽しそうにしている。
「突然来て、悪かった。」
「大熊様、いつでも来てくれ。雪の中大変だっただろ?つゆ子の所の蜘蛛が何かあれば知らせてくれるから心配せずに一晩泊まっていくといい。」
「何から何まで、助かる。」
「風香も楽しそうだしな。」
「あぁ。私も相談したい事があり、急ぎここまで来た。」
「そうか。おーい、桃。桃も、こっちに来て一緒に話しを聞いてくれるか?」
「はーい。今行く。」
「それで、相談とは?」
「黒蜘蛛殿の所には、クロ殿とサクラ殿が手伝いをしてくれているだろう?私の所は、今、ふぅちゃんしか居なくて、今後出産や育児になった時に村も大きくなってきたし、手伝ってくれる人が居てくれたらと思ったのだが……クロ殿達は、村の人なのか?」
「あぁ、クロやサクラは元々鶏だったんだ。桃が、自分で卵を孵したいと張り切って歌を聴かせて、話しかけて、俺も卵に神力を少し注いだ結果、話すヒヨコが孵ってな……。」
「そうそう、それでね、裏の林檎を食べさせて、クロモ様が名前を付けたら、人間に変身したの。」
「なるほど……。そうか。」
「大熊様の所も、お手伝いしてくれる人が居たら助かるよね。出産もサクラちゃんがいつもサポートしてくれるから私も助かってるし。」
「そうなんだ。出産の事もあって私1人では心配でな。」
「うーん、うちの鶏に大熊様の神力を注いでみる?」
「桃、鶏より他の動物の方がいいかもしれん。鶏はうるさいからなぁ。」
「大熊様は、どう?」
「そうだな、特に希望は無い。」
「じゃあ、どうなるか分からないけど、ここにいる動物達に神力を注いでみて、人間に変身できるか試してみようよ!」
「そうだな。他の動物でも人間の姿になれるか分からないからな。」
「うちの子達は、皆んなしゃべるから神力もらってもいいか聞いてみようよ!」
「そうだな。大熊様、一緒に来てくれ。」
3人で、牛に聞いたら牛のままが良いと断られ、豚に聞いたらOKだった。
まずは、豚に大熊が神力を少しづつ注いでみる。
「どうだ?」
「えーっと、スラスラ話せるようになりました。」
「大熊様、名前を付けてくれ。」
「名前……ハナコは?」
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「あぁ、これからよろしくな。」
「はい。」
「よし、じゃあ男も必要だろう。大熊様、ハナコの兄弟になるこの子にしよう。」
「わかった。」
神力を注ぎ、林檎を食べさせ、名前を付けた。やはり20歳くらいの色白の男前だ。2人とも髪の毛が桃色がかった金髪だった。
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「あぁよろしく頼む。」
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