山神様への嫁入り

みーか

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57 爆買い

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 大熊は、風香への欲求を我慢するために、風香が寝てからひたすら家を建てていたようだ。

 白狐も合流して、また建てた家の分だけ人を運んだ。

 とりあえず細かい所は、後から自分達でも作れるように、壁と床と屋根を作って行く事になった。

 毎日、5軒ほどは建てる事が出来るだろうし、一晩くらいなら広い家に泊めてもらえるから、白狐が毎日人を運ぶ事になった。
 
 怖がる家族5組をクロモが眠らせて村まで運び、村の人達にも家作りを手伝ってもらう。


 秋男や秋夜も手伝ってくれ、村にはどんどん人が増えていった。
 最初は、夫婦だけだったが、子どもが数人いる家族や、まだ結婚前の子達も、女の子だけ、男の子だけで生活できるように家を建てた。
 それでも、まだまだ村は余裕があり、村にきた人達もクロモの姿にも慣れ、クロモと桃の子ども達が村に来ると、皆んな一緒になって楽しそうに遊んでいた。15歳ほどになるとお互い意識し合う子も出てきている。

 雪が降る頃には、秋男や秋夜の子も産まれ、夏子も桃の所に帰って来て可愛い女の子を産んだ。女の子は、『椿』とクロモが名付けた。

 桃も、男の子の双子を産んでしばらくは妊娠せずに、子育てを楽しむ事にした。

 男の子と女の子の双子は『裕太』と『裕子』と名付けられ、3歳くらいの可愛い盛りだ。
 男の子の双子は、『冬一』『冬二』に決まった。

 三つ子の女の子達は、10歳くらいになり下の子達の子守りをよくしてくれるし、家事や動物のお世話など頑張ってくれている。
 花と九太と十太は、村で白狐の所から来た子から相手を見つけて結婚し、村で暮らしている。

 大熊と風香は、時々クロモが蜘蛛を使って見ているが、大熊がまだまだ幼い風香を大切にしていてくれている。風香は、多分それを知っていて抱きついたり、一緒に寝ようと布団に誘ったりしていて、大熊が赤面しながら固まっているのをよく見かける。

 桃は、久しぶりに町に行きたいとクロモにお願いして、子ども達の服などを買いに行く事になった。
 もぅ家の中の岩は、全てがキラッキラの宝石になっていて、少し砕いてクロモが売りに行ってみると、恐ろしい値段で売れた。家の周りの石ころも全て宝石になっていて、クロモの子ども達は、その石で遊んだりするのが普通だった。
 その石も、売ったら家が数軒建つほどの金額になり、桃の織物と合わせて大金持ちだ。

 桃は大金をバックに入れてクロモと三つ子と一緒に町に買い物に行った。

 2度目の町は、1度目より店も増えて、車なども多く走っている。

「ねぇ、クロモ様!まずは子ども服買いに行きたい。」
「わかった。こっちだ。」

 店に入ると、店員のおばさんが凄い勢いで来て接客してくれる。

「あらあらあら~、いらっしゃいませ!!クロウ様、お待ちしておりました!!!」
「あぁ、今日は妻を連れて来た。妻の買い物に付き合ってやってくれ。」
「かしこまりました。えっと………奥様は、どちらに?」
「あっ、私が妻の桃です。」
「んまぁーーー!可愛らしい奥様でございますね!!どのような物をお探しで?」
「えっと、1歳くらいの子ども服と2歳~10歳くらいまでそれぞれ男の子、女の子の服を見たいです。」
「え…………、はい、わかりました。では、こちらにどうぞ。」
「さつき、みつき、はづき気に入った服があったら言ってね!それと、妹や弟達や村の子ども達の分も沢山選んでほしいんだ。本格的に寒くなる前に、暖かい服や下着も探してね!」
「「「母様、わかった!」」」
「んまぁ~、可愛らしい娘さんですねぇ~。」
「親バカなのか、本当に可愛くって!」
「もぅ母様ったら!」

 クロモがいつも買いに来る時は、10枚くらいしか買わないが、どんどん増えた村の人数もあり桃は、店のほとんどの商品を購入し、次の子ども服の店でもほぼ買い占めた。
 クロモが荷物を木の上に置きに行っている間、桃達は大人用の服をこれまた片っ端から購入。

 桃が入った店は、出て行く時にはシャッターを下ろして閉めていた。
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