山神様への嫁入り

みーか

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29 3人組

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 お金は、お小遣いにと少しだけ桃の財布に入れてもらい、後はクロモが預かってくれる。大金過ぎて持っているのも怖いくらいだ。
 クロモは自分の糸で作った財布に糸を使って体に綴りつけているから落とす事も取られる事もない。
 使うであろう分は普通の財布に入れて内ポケットに入れてある。

 弁当を持って来てないので、クロモが時々休憩に寄る喫茶店に入る。
 昼前だったから客も少なく、桃は少しホッとした。

 サンドイッチを食べて、デザートにクリームソーダを注文してくれる。
 アイスクリームというものが綺麗な緑色のジュースに浮いている。
 緑色のジュースは口の中でチクチクとして、桃はビックリして飛び上がってしまった。
 アイスクリームは、冷たくて甘くてとっても美味しく、また記憶を失くしそうになった所にクロモが緑色のジュースを口に入れてくれた。
 チクチクシュワシュワで、記憶を失わずに済んだ。
 
 その後、スーパーに行き沢山の買い物をして、本屋に寄った。
 本屋で桃に待つように言って、クロモは一度スーパーで買った物を林の木の上に置いて来ると出て行った。
 
「いいか、桃。この辺りの本の所にいるんだぞ。店の外には絶対出るな!」
 と何回も言っていた。

 桃は大人しくサクラと読む楽しそうな物語りの本を探してクロモに言われたように待っていたが、3人の男が店に入ってきて桃に話しかけた。

「ねぇ、君可愛いね~。俺達と遊びに行こうよ。」
「え?でも私は夫を待っているので。」
「えぇ?何?人妻なの?」
「君、幾つ?」
「あ、あの、15歳です。」
「結婚なんて嘘じゃないか。15で結婚はできないよ。」
「う、嘘じゃないです。」
「あぁそう。そんなに俺達が嫌なんだ。」
「いえ、そうじゃなくて本当に嫁いでます。」
「嫁ぐだってさ!あははははは。」
「何処の田舎から来たんだ?」
「あ、そうそう。さっき、君の旦那が外で待ってるって言ってたよ。」
「えっ?本当ですか?」
「あ、あぁそーか、君の事だったんだ。分かりにくい場所だから教えてあげるよ。」
「そうそう、この辺り詳しくないんでしょ?」
「あ、ありがとうございます。」

 そのまま3人について行くと本屋横の細い道に案内され、大きな道路が見えなくなった所で止まった。

「あ、あの、ここで待ってたらいいんですか?」
「寂しい所だし、俺達と遊んで待ってようね。」

 そう言うと、男の1人が桃の背中から抱きついてセーターを捲り上げる。

「おい、見ろよ!やる気満々だぞ!この女!」
 桃はブラジャーが苦手で冬は厚手の服だからと着けてこなかった。
 
「い、嫌!!」
「おいおい、こんなの見せて嫌って言われてもなぁ~。」
 そのまま道路に押し倒され、1人に手を拘束され、1人は桃の胸を触り、もう1人はスカートの中に手を伸ばしてきた。

 叫ぼうと思うのだが、手で口を塞がれていて声が出ない。

 クロモに何度か胸を触られたが、嫌な気持ちにはならなかった。
 でも今は、気持ち悪くて仕方ない。

 胸を食べようとしてるのか、吸いついてくる。
 なんとも言えない気持ち悪さと、変な感じがして暴れるが3人がかりで押さえつけられてびくともしない。

 パンツを脱がされ、桃は大混乱していた。
 私、何されてるの?
 

 足を持たれ左右に開くように抱えられる。
 
「おい早くやれよ!」
「次は俺だぞ!」
「わかってるって。」

 そう言うとズボンとパンツをずらして、男にしかついてない物を見せられる。

「今から、これで楽しい事しようね~。」
「すぐに、気持ち良くなるよ。」
 乱暴に胸を揉まれ、吸われ、股の間を触ってくる。
 あまりの気持ち悪さに吐きそうになり、涙が溢れてきた。

「桃!大丈夫か!!」

 クロモが駆けつけてくれ、その状況を見た瞬間蜘蛛の姿に戻り、恐怖で腰の抜けた3人を蜘蛛の鋭い爪で切り付ける。
 恐怖のあまり気を失った3人を糸で巻き、切り付けられてほぼ裸の状態の服のまま近くの高い屋根から吊るしてしまった。
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