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12 立派な大人
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昼になり、朝の味噌汁を温め直しクロモと一緒に食べる。
食べながらヒヨコの卵について聞いてみる事にした。
「クロモ様、どうしたらヒヨコになる卵とならない卵を見分ける事が出来るんですか?」
「あぁ、それなら分かりやすいように相性の良さそうなメス一羽とオスを別の囲いに移したぞ。」
「え?そうなんですか?オスと一緒にいれば全部の卵からヒヨコが孵るわけじゃないんだ~。相性もあるんですね。」
「………。桃は本当にお子ちゃまだな。」
「えぇ!私は子どもじゃないです!!立派な大人ですよ!!」
「キスも知らなかったのに?」
「そ、それはキスを知らなかった訳じゃなくて接吻って言ってくれないから分からなかっただけ!!」
「ふーん。じゃあ、キスの先は知ってるよな?」
「えっ?………先?」
「だから、子作り。」
「あっ、そーだ!それをクロモ様に聞かなきゃって思ってて。嫁の仕事の一つだから、どうしたらいいのか教えてください。」
「ぶーーーーっ!!」
「もぅ!クロモ様汚いなぁ!味噌汁吹き出さないでくださいよ!」
「ゴホッゴホッ……教えてって………あぁビックリした。」
「そんなビックリするような仕事なんですか?」
「あぁ………うん……まぁ……。」
「じゃあ今夜教えてください。」
「いや、まだ先でいい。その、もっと大人になってから教えてやる。」
「私はもぅ大人ですっ!!」
「はぁーーーーーー、本当に分かってないなぁ。」
「大人だからビックリする仕事だって出来るし!!」
「あぁはいはい。そのうちな!」
「なんか腹立つ!!」
「あー、悪かった悪かった。桃は立派な大人だな。」
「むぅーーー!!!」
「ほら、それより昼からもしっかりと機織りをしてくれ!」
「言われなくてもするし!!」
「俺に対する言葉使いが、色々おかしいと思うんだが?名前は様づけなのに、時々乱暴な言葉になるし。」
「そ、そんな事はありませんですます。立派な大人として完璧な言葉使いをしておりますのです。」
「ぶふっ!」
「あぁー!笑った!!クロモ様酷い!!」
「いやいや、俺を見て吐くよりマシだろう。」
「だって、本当に無理なんだもん!!また見てしまったら吐く自信がある!」
「いらんわ!そんな自信!!」
ヤイヤイ言いながら昼の片付けをしてから、機織りに集中した。
夜ご飯を食べてお茶を飲み、まったりしていて思い出した。
「クロモ様!髪の洗い方を今日教えてくれるって言ってました。」
「……そうだった。よし、今から教える。」
「一緒にお風呂入るの?」
「え?」
「だって一緒に入らなきゃ教えてもらえないでしょ!」
「そ、そーだな。」
クロモが大きなバスタオルというふかふかの手拭いを渡してくれ、それを体に巻き付けろと言われ、なんとか準備してからクロモを呼んだ。
クロモも濡れるからと腰にふかふかの手拭いを巻いて入ってきた。
初めて見るクロモの上半身に、なんだかモジモジしてしまう。
「なんだ?さっきから目が泳いでるぞ!」
「いえ、別に。」
「ん?まぁとりあえず、そこの椅子に座れ。」
「…はい。」
「えらく大人しいな。」
「わ、私はずっとお淑やかで大人しいですっ!!」
「クククッ、どこが?」
「もぅ!!」
風呂の天井に巣を張っている蜘蛛は、2人のイチャイチャを見ないように目を隠し、知らんぷりするのが大変だったと他の蜘蛛に後日愚痴っていたと、クロモが耳にするのは数日後だった。
髪を濡らして、シャンプーを手に取って桃の髪を洗ってやる。
「目を閉じてないと、シャンプーが目に入って痛いぞ!」
「わかった!」
「しっかりと湯ですすぐんだぞ。」
「はい。」
「それから、このリンスと言うのを髪につけて、またすすぐ。これで完了だ。」
「へぇー!!なんか良い匂いがするし、髪もギシギシならない!」
「そうだ体はどうやって洗っている?」
「体は、手に石鹸をつけてそれで洗ってます。」
「このタオルに石鹸をつけて揉むと泡が出るだろ?このタオルを使って泡で洗うといいぞ。」
食べながらヒヨコの卵について聞いてみる事にした。
「クロモ様、どうしたらヒヨコになる卵とならない卵を見分ける事が出来るんですか?」
「あぁ、それなら分かりやすいように相性の良さそうなメス一羽とオスを別の囲いに移したぞ。」
「え?そうなんですか?オスと一緒にいれば全部の卵からヒヨコが孵るわけじゃないんだ~。相性もあるんですね。」
「………。桃は本当にお子ちゃまだな。」
「えぇ!私は子どもじゃないです!!立派な大人ですよ!!」
「キスも知らなかったのに?」
「そ、それはキスを知らなかった訳じゃなくて接吻って言ってくれないから分からなかっただけ!!」
「ふーん。じゃあ、キスの先は知ってるよな?」
「えっ?………先?」
「だから、子作り。」
「あっ、そーだ!それをクロモ様に聞かなきゃって思ってて。嫁の仕事の一つだから、どうしたらいいのか教えてください。」
「ぶーーーーっ!!」
「もぅ!クロモ様汚いなぁ!味噌汁吹き出さないでくださいよ!」
「ゴホッゴホッ……教えてって………あぁビックリした。」
「そんなビックリするような仕事なんですか?」
「あぁ………うん……まぁ……。」
「じゃあ今夜教えてください。」
「いや、まだ先でいい。その、もっと大人になってから教えてやる。」
「私はもぅ大人ですっ!!」
「はぁーーーーーー、本当に分かってないなぁ。」
「大人だからビックリする仕事だって出来るし!!」
「あぁはいはい。そのうちな!」
「なんか腹立つ!!」
「あー、悪かった悪かった。桃は立派な大人だな。」
「むぅーーー!!!」
「ほら、それより昼からもしっかりと機織りをしてくれ!」
「言われなくてもするし!!」
「俺に対する言葉使いが、色々おかしいと思うんだが?名前は様づけなのに、時々乱暴な言葉になるし。」
「そ、そんな事はありませんですます。立派な大人として完璧な言葉使いをしておりますのです。」
「ぶふっ!」
「あぁー!笑った!!クロモ様酷い!!」
「いやいや、俺を見て吐くよりマシだろう。」
「だって、本当に無理なんだもん!!また見てしまったら吐く自信がある!」
「いらんわ!そんな自信!!」
ヤイヤイ言いながら昼の片付けをしてから、機織りに集中した。
夜ご飯を食べてお茶を飲み、まったりしていて思い出した。
「クロモ様!髪の洗い方を今日教えてくれるって言ってました。」
「……そうだった。よし、今から教える。」
「一緒にお風呂入るの?」
「え?」
「だって一緒に入らなきゃ教えてもらえないでしょ!」
「そ、そーだな。」
クロモが大きなバスタオルというふかふかの手拭いを渡してくれ、それを体に巻き付けろと言われ、なんとか準備してからクロモを呼んだ。
クロモも濡れるからと腰にふかふかの手拭いを巻いて入ってきた。
初めて見るクロモの上半身に、なんだかモジモジしてしまう。
「なんだ?さっきから目が泳いでるぞ!」
「いえ、別に。」
「ん?まぁとりあえず、そこの椅子に座れ。」
「…はい。」
「えらく大人しいな。」
「わ、私はずっとお淑やかで大人しいですっ!!」
「クククッ、どこが?」
「もぅ!!」
風呂の天井に巣を張っている蜘蛛は、2人のイチャイチャを見ないように目を隠し、知らんぷりするのが大変だったと他の蜘蛛に後日愚痴っていたと、クロモが耳にするのは数日後だった。
髪を濡らして、シャンプーを手に取って桃の髪を洗ってやる。
「目を閉じてないと、シャンプーが目に入って痛いぞ!」
「わかった!」
「しっかりと湯ですすぐんだぞ。」
「はい。」
「それから、このリンスと言うのを髪につけて、またすすぐ。これで完了だ。」
「へぇー!!なんか良い匂いがするし、髪もギシギシならない!」
「そうだ体はどうやって洗っている?」
「体は、手に石鹸をつけてそれで洗ってます。」
「このタオルに石鹸をつけて揉むと泡が出るだろ?このタオルを使って泡で洗うといいぞ。」
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