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第五章 領地の拡大
第78話 冒険者ギルドで開拓村の打ち合わせ
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夕食が終ると、俺は領主屋敷を抜け出した。
南部貴族のおじさんたちは、これから飲み続ける。
お付き合いをしていたらキリがないのだ。
領主屋敷の差配を執事のセバスチャンに任せて、俺は護衛のシューさんと秘書のシフォンさんをともなって冒険者ギルドへ向かった。
シューさんとシフォンさんはエルフだ。
シューさんは、まな板。
シフォンさんは、ご立派。
エルフのデコボココンビだな。
俺が自分の想像にクスリと笑うと、シューさんが振り返りギヌロと俺をにらんだ。
「ノエル。何か失礼なことを考えてない?」
「考えてない! 考えてないから!」
危ない!
読心術スキルでも持っているのかな?
今後気をつけよう。
「ノエル。ありがとう」
突然、シューさんが背中越しに礼を述べた。
なんだろう?
「エルフの職人が作った家具が売れて、みんな喜んでいる」
ああ! そのことか!
感謝されれば、俺も嬉しい。
「エルフの長老も喜んでいましたよ。エルフ族全体が活気づいてます。本当にありがとうございます!」
後ろを歩く秘書のシフォンさんだ。
俺が、屋敷に滞在している南部貴族から注文を次々取るので、エルフの職人は大忙しだろう。
「それは良かったです。エルフの職人の腕が良いから売りやすいですよ。ただ、家具については先行売り切り型の商品です。次を考えないと」
「先行売り切り……なるほど! 南部貴族に一通り売ってしまえば、次の注文が入らなくなりますね」
秘書のシフォンさんが、すぐに気が付いた。
俺が屋敷で売っているエルフ製家具は高級家具だ。庶民向けじゃない。
南部貴族に一通り売った後は、裕福な商人が買うくらいで、注文してくれる人がガクンと減る。
王都など他のエリアに営業展開をするなら、パイプのある商人に頼まなければならない。
マジックバッグを使っても、距離があるので輸送に時間がかかるから、輸送コストが高くなる。
そうなれば、販売価格はさらに高額になるので、購入する人、ターゲットになる顧客は減るだろう。
他のエリアへの展開は、南部全体の道普請が終って輸送コストを下げられるのを待つ……。
俺は歩きながら、今後のマーケティング戦略について秘書のシフォンさんと話す。
「じゃあ、宿屋や庶民の家で使う家具をエルフが作るかといえば、それもねえ……」
「単価が安くなりますよね。無骨な実用本位の家具では、エルフの職人の強みをいかせませんね」
「それに人族の職人とぶつかるのは避けて欲しい。人族は、庶民向け。エルフは、高級品とすみ分けて欲しい」
「なるほど……。確かにその方が良さそうですね……」
「だから、エルフには次の商品を考えて欲しい。出来れば消耗品が良い。単価の高い消耗品がベストかな……」
俺の言葉を、シューさんが拾った。
「家具じゃなくても良いの?」
「もちろん。売れる物なら何でも売る! より高く! より沢山! それがエトワールマインドだよ!」
「ふふ。ノエル、面白い。ねえ、今度マリーと一緒に試したいことがあるけど、マリーを借りて良い? 護衛はみーちゃんと変わる」
妹のマリー?
護衛をネコネコ騎士のみーちゃんと交代?
「ああ。護衛がついてくれるなら、構わないよ」
「じゃあ、上手くいったら報告する」
シューさんが何か思いついたらしい。
やらせてみよう。
話しているうちに冒険者ギルドに到着した。
我がエトワール伯爵領領都ベルメールの冒険者ギルドは忙しそうだ。
ちょうど冒険者たちが戻ってくる時間にぶつかってしまったらしい。
受付カウンターでは、スタッフのお姉さんが若い冒険者パーティーの依頼完了をさばいている。
「はい! 次! 早く持ってきて!」
「ホーンラビット五匹、討伐認定よろしく!」
「依頼完了! 買い取り価格は一万リーブル! ご苦労様! 明日もよろしく! 次!」
すごい早口だ。
新手のラップかと思った。
人が足りないんだな。
ホーンラビットの肉は、我が町ベルメールでは重要な食料だ。
初心者冒険者でも狩れる魔物は貴重である。
ありがたやありがたいや。
俺は心の中で手を合わせる。
「あー、エトワール伯爵! こっちに来て!」
階段から冒険者ギルド長にして姉御であるアミーさんが顔を出した。
俺たちは冒険者をかき分けて階段にたどり着く。
「忙しいところすいません」
「いいのよ! あんたは領主じゃない。堂々としてなさいよ! 二階に上がって!」
どうやら今日のアミーさんは、姉御モードらしい。
まあ、これだけ忙しかったら、お澄ましモードではいられないよな。
ギルド長の執務室に場所を移し打ち合わせを始める。
実務的な話なので、大きなテーブルを四人で囲む。
アミーさんは忙しい。
俺はすぐに用件を告げた。
「アミーさん。先日、連絡した通りエトワール伯爵領を拡張します。魔の森を開拓するのです。そこで、どの辺りを開拓するか? 魔の森を残すか? それとも全体的に開拓するか? 冒険者ギルドの意見を聞かせて下さい」
もうすぐ道普請が終る。
リーダーたちを準騎士爵として取り立て領地を与えなくてはならない。
村になりそうな場所を沢山用意しなくてはならないのだ。
「りょーかい。連絡をもらってからこれを作ってたのよ」
アミーさんは、大きめの羊皮紙をテーブルに広げた。
「これは……地図!」
「そう。冒険者から情報を集めて作っておいたの。便利でしょ?」
「これは凄い!」
地図は簡単なイラストや文字が書き込まれていて、地形や魔物の分布が一目でわかるようになっている。
これなら俺が行ったことのない場所も何があるか分かるぞ!
アミーさんが地図を指さしながら意見を述べ始めた。
「冒険者ギルドとしては、魔物の狩り場や薬草の採取場所として魔の森を残してもらいたいわ」
ふむふむ。なるほど。
こうして地図で見ると、領都ベルメールの近くに良い狩り場や薬草の採取場所があるのがわかる。
俺は全体的にダーッと更地を作るイメージでいたが、領都と村を道路でつなぐスター型の方が良さそうだ。
「じゃあ、領都ベルメール近くでホーンラビットの絵が描いてある所と薬草の絵が描いてある所は『残し』ですね……」
「そうね……。村の立地なんだけど、冒険者の拠点になるようにして欲しいの。納屋で良いから寝泊まり出来るようにしてもらえると助かるのよ。村を拠点にして、さらに魔の森の奥を調べられるわ」
魅力的な提案だな……。
つまり前線基地の役割を持つ村が欲しいということだな。
俺は考えながら地図をにらむ。
「なら、領都ベルメールから徒歩で一日の距離に村を作って道でつなげる。道はとりあえず歩ければ良いから道普請は気にしないと……」
「なら、南側に一つ。それからこことここ。西側にも欲しいわ」
ジッと地図を見ていた秘書のシフォンさんが指をさす。
「この山沿いはどうでしょう? 山側にも魔の森が広がっていますよね?」
「斜面になるから、大規模に畑を広げるのは厳しいかな……」
「けど南側斜面なので、果物はなりますよ? オレンジやオリーブを植えて、小規模な畑を作れば生活は成り立ちます」
「ドライフルーツとオリーブオイルか……欲しいな!」
そうか。
新規に開拓する村の住人が食べることだけを考えていたが、商品作物を作らせることも考えないと。
「じゃあ、山の斜面に二つくらい。あとはこの大きな川の上流にも村を……」
「そこは荒れ地だから、イマイチかも」
「うーん……」
俺たちが、あれこれと議論しているとシューさんがアドバイスをくれた。
「候補地はもっと多い方が良い。沢山の候補地から選ばせれば?」
「リーダーたちに選ばせるの?」
俺は適材適所で配置していこうと思っていたが、シューさんの意見は違うようだ。
「魔の森の開拓は命がけ。魔物に襲われることもある。村人が不満を抑えなくちゃならないこともある。開拓村が軌道に乗るまでは苦労の連続」
「なるほど。それなら、本人に選ばせて悔いが残らないようにしろと?」
「そう」
シューさんの意見には納得出来る。
俺が『ここを開拓しろ!』と命令するより、リーダーたちに自分が開拓する領地を決めさせた方が良さそうだ。
「よし、わかった。じゃあ、開拓村の候補地をもっとだ!」
俺たちは夜遅くまで、地図とにらめっこした。
これも配下になるリーダーたちのためだ。
南部貴族のおじさんたちは、これから飲み続ける。
お付き合いをしていたらキリがないのだ。
領主屋敷の差配を執事のセバスチャンに任せて、俺は護衛のシューさんと秘書のシフォンさんをともなって冒険者ギルドへ向かった。
シューさんとシフォンさんはエルフだ。
シューさんは、まな板。
シフォンさんは、ご立派。
エルフのデコボココンビだな。
俺が自分の想像にクスリと笑うと、シューさんが振り返りギヌロと俺をにらんだ。
「ノエル。何か失礼なことを考えてない?」
「考えてない! 考えてないから!」
危ない!
読心術スキルでも持っているのかな?
今後気をつけよう。
「ノエル。ありがとう」
突然、シューさんが背中越しに礼を述べた。
なんだろう?
「エルフの職人が作った家具が売れて、みんな喜んでいる」
ああ! そのことか!
感謝されれば、俺も嬉しい。
「エルフの長老も喜んでいましたよ。エルフ族全体が活気づいてます。本当にありがとうございます!」
後ろを歩く秘書のシフォンさんだ。
俺が、屋敷に滞在している南部貴族から注文を次々取るので、エルフの職人は大忙しだろう。
「それは良かったです。エルフの職人の腕が良いから売りやすいですよ。ただ、家具については先行売り切り型の商品です。次を考えないと」
「先行売り切り……なるほど! 南部貴族に一通り売ってしまえば、次の注文が入らなくなりますね」
秘書のシフォンさんが、すぐに気が付いた。
俺が屋敷で売っているエルフ製家具は高級家具だ。庶民向けじゃない。
南部貴族に一通り売った後は、裕福な商人が買うくらいで、注文してくれる人がガクンと減る。
王都など他のエリアに営業展開をするなら、パイプのある商人に頼まなければならない。
マジックバッグを使っても、距離があるので輸送に時間がかかるから、輸送コストが高くなる。
そうなれば、販売価格はさらに高額になるので、購入する人、ターゲットになる顧客は減るだろう。
他のエリアへの展開は、南部全体の道普請が終って輸送コストを下げられるのを待つ……。
俺は歩きながら、今後のマーケティング戦略について秘書のシフォンさんと話す。
「じゃあ、宿屋や庶民の家で使う家具をエルフが作るかといえば、それもねえ……」
「単価が安くなりますよね。無骨な実用本位の家具では、エルフの職人の強みをいかせませんね」
「それに人族の職人とぶつかるのは避けて欲しい。人族は、庶民向け。エルフは、高級品とすみ分けて欲しい」
「なるほど……。確かにその方が良さそうですね……」
「だから、エルフには次の商品を考えて欲しい。出来れば消耗品が良い。単価の高い消耗品がベストかな……」
俺の言葉を、シューさんが拾った。
「家具じゃなくても良いの?」
「もちろん。売れる物なら何でも売る! より高く! より沢山! それがエトワールマインドだよ!」
「ふふ。ノエル、面白い。ねえ、今度マリーと一緒に試したいことがあるけど、マリーを借りて良い? 護衛はみーちゃんと変わる」
妹のマリー?
護衛をネコネコ騎士のみーちゃんと交代?
「ああ。護衛がついてくれるなら、構わないよ」
「じゃあ、上手くいったら報告する」
シューさんが何か思いついたらしい。
やらせてみよう。
話しているうちに冒険者ギルドに到着した。
我がエトワール伯爵領領都ベルメールの冒険者ギルドは忙しそうだ。
ちょうど冒険者たちが戻ってくる時間にぶつかってしまったらしい。
受付カウンターでは、スタッフのお姉さんが若い冒険者パーティーの依頼完了をさばいている。
「はい! 次! 早く持ってきて!」
「ホーンラビット五匹、討伐認定よろしく!」
「依頼完了! 買い取り価格は一万リーブル! ご苦労様! 明日もよろしく! 次!」
すごい早口だ。
新手のラップかと思った。
人が足りないんだな。
ホーンラビットの肉は、我が町ベルメールでは重要な食料だ。
初心者冒険者でも狩れる魔物は貴重である。
ありがたやありがたいや。
俺は心の中で手を合わせる。
「あー、エトワール伯爵! こっちに来て!」
階段から冒険者ギルド長にして姉御であるアミーさんが顔を出した。
俺たちは冒険者をかき分けて階段にたどり着く。
「忙しいところすいません」
「いいのよ! あんたは領主じゃない。堂々としてなさいよ! 二階に上がって!」
どうやら今日のアミーさんは、姉御モードらしい。
まあ、これだけ忙しかったら、お澄ましモードではいられないよな。
ギルド長の執務室に場所を移し打ち合わせを始める。
実務的な話なので、大きなテーブルを四人で囲む。
アミーさんは忙しい。
俺はすぐに用件を告げた。
「アミーさん。先日、連絡した通りエトワール伯爵領を拡張します。魔の森を開拓するのです。そこで、どの辺りを開拓するか? 魔の森を残すか? それとも全体的に開拓するか? 冒険者ギルドの意見を聞かせて下さい」
もうすぐ道普請が終る。
リーダーたちを準騎士爵として取り立て領地を与えなくてはならない。
村になりそうな場所を沢山用意しなくてはならないのだ。
「りょーかい。連絡をもらってからこれを作ってたのよ」
アミーさんは、大きめの羊皮紙をテーブルに広げた。
「これは……地図!」
「そう。冒険者から情報を集めて作っておいたの。便利でしょ?」
「これは凄い!」
地図は簡単なイラストや文字が書き込まれていて、地形や魔物の分布が一目でわかるようになっている。
これなら俺が行ったことのない場所も何があるか分かるぞ!
アミーさんが地図を指さしながら意見を述べ始めた。
「冒険者ギルドとしては、魔物の狩り場や薬草の採取場所として魔の森を残してもらいたいわ」
ふむふむ。なるほど。
こうして地図で見ると、領都ベルメールの近くに良い狩り場や薬草の採取場所があるのがわかる。
俺は全体的にダーッと更地を作るイメージでいたが、領都と村を道路でつなぐスター型の方が良さそうだ。
「じゃあ、領都ベルメール近くでホーンラビットの絵が描いてある所と薬草の絵が描いてある所は『残し』ですね……」
「そうね……。村の立地なんだけど、冒険者の拠点になるようにして欲しいの。納屋で良いから寝泊まり出来るようにしてもらえると助かるのよ。村を拠点にして、さらに魔の森の奥を調べられるわ」
魅力的な提案だな……。
つまり前線基地の役割を持つ村が欲しいということだな。
俺は考えながら地図をにらむ。
「なら、領都ベルメールから徒歩で一日の距離に村を作って道でつなげる。道はとりあえず歩ければ良いから道普請は気にしないと……」
「なら、南側に一つ。それからこことここ。西側にも欲しいわ」
ジッと地図を見ていた秘書のシフォンさんが指をさす。
「この山沿いはどうでしょう? 山側にも魔の森が広がっていますよね?」
「斜面になるから、大規模に畑を広げるのは厳しいかな……」
「けど南側斜面なので、果物はなりますよ? オレンジやオリーブを植えて、小規模な畑を作れば生活は成り立ちます」
「ドライフルーツとオリーブオイルか……欲しいな!」
そうか。
新規に開拓する村の住人が食べることだけを考えていたが、商品作物を作らせることも考えないと。
「じゃあ、山の斜面に二つくらい。あとはこの大きな川の上流にも村を……」
「そこは荒れ地だから、イマイチかも」
「うーん……」
俺たちが、あれこれと議論しているとシューさんがアドバイスをくれた。
「候補地はもっと多い方が良い。沢山の候補地から選ばせれば?」
「リーダーたちに選ばせるの?」
俺は適材適所で配置していこうと思っていたが、シューさんの意見は違うようだ。
「魔の森の開拓は命がけ。魔物に襲われることもある。村人が不満を抑えなくちゃならないこともある。開拓村が軌道に乗るまでは苦労の連続」
「なるほど。それなら、本人に選ばせて悔いが残らないようにしろと?」
「そう」
シューさんの意見には納得出来る。
俺が『ここを開拓しろ!』と命令するより、リーダーたちに自分が開拓する領地を決めさせた方が良さそうだ。
「よし、わかった。じゃあ、開拓村の候補地をもっとだ!」
俺たちは夜遅くまで、地図とにらめっこした。
これも配下になるリーダーたちのためだ。
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