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第三章 ノエル南部に立つ!
第53話 冒険者ギルドの調査隊到着
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――三日後。
冒険者ギルドの調査隊が、我が町ベルメールに到着した。
俺は町の入り口まで出迎えに出た。
「ようこそ! 我が町へ! ここが領都ベルメールです!」
胸をはる俺に調査隊の一人、ヒョロ若い冒険者が疑問を呈す。
「領都? 町? 開拓村じゃないのか?」
「違います! ここは大きな町に発展する領都ベルメールです!」
「了解した……」
ヒョロ若い冒険者は、苦笑いしながら矛を収めた。
俺はサッと冒険者の装備品をチェックする。
革鎧は上等な作りで首元までカバーされている。
キラキラした高価な装飾はないが、なめしが良く実戦重視の良い品だと俺でもわかる。
それなりの収入がある冒険者と見た。
中級クラスの冒険者かな?
「エトワール伯爵様。ご領主自らのお出迎え恐れ入ります」
調査隊の一団からアミーさんが進み出た。
アミーさんは、しっかりと革鎧を着込んでいる。
魔物との遭遇に対応出来るようにと用心しているのだろう。
アミーさんによって、調査隊の一団が紹介された。
調査隊の責任者はアミーさん。
アミーさんは報告書を作成して、冒険者ギルドの上位者にギルド支部開設可否について意見を述べるそうだ。
アミーさんの護衛を担当する冒険者が四人。
護衛は全員女性で、剣士×2、魔法使い×1、僧侶×1。
周辺調査する冒険者が五人×二チームで十人。
二チームとも男女混成で、全員中級クラスの冒険者だ。
合計十五人が、エトワール伯爵領領都ベルメールと周辺地域を五日間調査するそうだ。
俺は受付嬢のアミーさんが責任者ということに驚いた。
アミーさんは、『領都デバラスの冒険者ギルドの顔である』と、お隣のフォー辺境伯に紹介された。
冒険者に愛され影響力があるという意味だと思っていたが、どうやらアミーさんは冒険者ギルド内で実権も持っているようだ。
俺は失礼のないようにと気を引き締めた。
「エトワール伯爵様。最初にお伝えしますが調査メンバーに心付けを渡さないで下さい」
アミーさんの言葉に俺はぎくりとして、執事のセバスチャンと顔を見合わせた。
一人に銀貨五枚ほど心付けを渡そうとセバスチャンと用意していたのだ。
俺たちが住む国では、心付け――つまりチップを渡すのは上流階級の嗜み、マナーの範疇だ。
下町の屋台や安い居酒屋なら不要だが、貴族が出入りするような高級店ならばチップを渡すのは普通のこと。
だが、アミーさんは不要だという。
「どうしてでしょう?」
「ワイロとみなされます。調査メンバーが冒険者ギルドから厳しい罰を受けてしまうのですよ」
俺の質問にアミーさんが苦笑交じりに答えた。
アミーさんによれば、冒険者ギルドの誘致は町や村の活性化になり、領地にとって大きな利益になる。
一時、冒険者ギルドの誘致合戦が行われワイロが乱れ飛んだ。
するとワイロに使ったお金を回収するために、領主が税率を上げる。
税率が上がれば領民の不満が上がる。
『冒険者の連中が懐に金を入れるから、俺たちの税金が上がるんだ!』
そんな風に考える領民が増えて、一時冒険者と領民の関係が悪くなる事態があちこちで起きたそうだ。
「なるほど。それで心付けは禁止になったのですね」
「そうです。冒険者ギルドは独立した組織です。王国にも、どの貴族にも属しません。冒険者ギルドの独立性を保つためにも必要な措置だとご理解下さい」
「わかりました。そういうことでしたら心付けはなしにしましょう」
「ありがとうございます。それでは町をご案内いただけますか?」
「どうぞ。こちらへ」
執事のセバスチャンが先頭に立って調査隊一行を案内しだした。
アミーさんの雰囲気が『キリッ!』っとしていて『出来る女感』が凄い。
これまで冒険者ギルドで接していた感じとは随分違う。
どちらのアミーさんが本当のアミーさんなのだろうか?
冒険者ギルドの調査隊が、我が町ベルメールに到着した。
俺は町の入り口まで出迎えに出た。
「ようこそ! 我が町へ! ここが領都ベルメールです!」
胸をはる俺に調査隊の一人、ヒョロ若い冒険者が疑問を呈す。
「領都? 町? 開拓村じゃないのか?」
「違います! ここは大きな町に発展する領都ベルメールです!」
「了解した……」
ヒョロ若い冒険者は、苦笑いしながら矛を収めた。
俺はサッと冒険者の装備品をチェックする。
革鎧は上等な作りで首元までカバーされている。
キラキラした高価な装飾はないが、なめしが良く実戦重視の良い品だと俺でもわかる。
それなりの収入がある冒険者と見た。
中級クラスの冒険者かな?
「エトワール伯爵様。ご領主自らのお出迎え恐れ入ります」
調査隊の一団からアミーさんが進み出た。
アミーさんは、しっかりと革鎧を着込んでいる。
魔物との遭遇に対応出来るようにと用心しているのだろう。
アミーさんによって、調査隊の一団が紹介された。
調査隊の責任者はアミーさん。
アミーさんは報告書を作成して、冒険者ギルドの上位者にギルド支部開設可否について意見を述べるそうだ。
アミーさんの護衛を担当する冒険者が四人。
護衛は全員女性で、剣士×2、魔法使い×1、僧侶×1。
周辺調査する冒険者が五人×二チームで十人。
二チームとも男女混成で、全員中級クラスの冒険者だ。
合計十五人が、エトワール伯爵領領都ベルメールと周辺地域を五日間調査するそうだ。
俺は受付嬢のアミーさんが責任者ということに驚いた。
アミーさんは、『領都デバラスの冒険者ギルドの顔である』と、お隣のフォー辺境伯に紹介された。
冒険者に愛され影響力があるという意味だと思っていたが、どうやらアミーさんは冒険者ギルド内で実権も持っているようだ。
俺は失礼のないようにと気を引き締めた。
「エトワール伯爵様。最初にお伝えしますが調査メンバーに心付けを渡さないで下さい」
アミーさんの言葉に俺はぎくりとして、執事のセバスチャンと顔を見合わせた。
一人に銀貨五枚ほど心付けを渡そうとセバスチャンと用意していたのだ。
俺たちが住む国では、心付け――つまりチップを渡すのは上流階級の嗜み、マナーの範疇だ。
下町の屋台や安い居酒屋なら不要だが、貴族が出入りするような高級店ならばチップを渡すのは普通のこと。
だが、アミーさんは不要だという。
「どうしてでしょう?」
「ワイロとみなされます。調査メンバーが冒険者ギルドから厳しい罰を受けてしまうのですよ」
俺の質問にアミーさんが苦笑交じりに答えた。
アミーさんによれば、冒険者ギルドの誘致は町や村の活性化になり、領地にとって大きな利益になる。
一時、冒険者ギルドの誘致合戦が行われワイロが乱れ飛んだ。
するとワイロに使ったお金を回収するために、領主が税率を上げる。
税率が上がれば領民の不満が上がる。
『冒険者の連中が懐に金を入れるから、俺たちの税金が上がるんだ!』
そんな風に考える領民が増えて、一時冒険者と領民の関係が悪くなる事態があちこちで起きたそうだ。
「なるほど。それで心付けは禁止になったのですね」
「そうです。冒険者ギルドは独立した組織です。王国にも、どの貴族にも属しません。冒険者ギルドの独立性を保つためにも必要な措置だとご理解下さい」
「わかりました。そういうことでしたら心付けはなしにしましょう」
「ありがとうございます。それでは町をご案内いただけますか?」
「どうぞ。こちらへ」
執事のセバスチャンが先頭に立って調査隊一行を案内しだした。
アミーさんの雰囲気が『キリッ!』っとしていて『出来る女感』が凄い。
これまで冒険者ギルドで接していた感じとは随分違う。
どちらのアミーさんが本当のアミーさんなのだろうか?
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