没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!

武蔵野純平

文字の大きさ
上 下
28 / 92
第二章 新領地への旅

第28話 エリクサーの原材料

しおりを挟む
 俺はエリクサーを、どう入手するか考え始めた。
 すると、それまで黙って成り行きを見ていたジロンド子爵が、ダークエルフのエクレールに話しかけた。

「エトワール伯爵の暗殺を依頼したのは誰だ?」

「貴族の使いだ。陰気な雰囲気の人族の男で、四十くらいだった」

 エクレールは、素直に話している。
 俺がエリクサーについて真剣に考えているので、態度が軟化したのだろう。

「ふむ。その男が、『エトワール伯爵を殺したらエリクサーをやる』と約束したのか?」

「ああ」

「空手形だと思うがね……」

「なに!?」

「エリクサーは貴族家当主や跡継ぎに万一の事態が起きた場合に備えた重要な保険だ。使ったら次はいつ手に入るかわからない。暗殺の報酬としては釣り合わないな」

「証文を受け取ったぞ! 腰のポケットに入っている!」

 ダークエルフのエクレールが、キッとジロンド子爵をにらむ。

 だが、ジロンド子爵は冷静だ。
 エクレールが貴族の使いから受け取った証文を、エクレールのポケットから取り出し広げてみる。

「うーん……」

 ジロンド子爵は、うなると証文を俺に渡した。
 証文には、『仕事の成功報酬としてエリクサーを譲渡する。 ディング伯爵』と書いてある。

 俺もこの証文は怪しいと感じた。
 執事のセバスチャンに証文を見てもらう。

 執事は貴族家の契約に関わることが多い。
 セバスチャンなら、この証文の有効性がわかるだろう。

「これはニセの証文ですね……」

 執事のセバスチャンは、一目見ただけで証文が偽物だと断言した。
 ダークエルフのエクレールが目をむく。

「いい加減なことを言うな!」

「まず、この証文には印章が押してありません。貴族が契約を交す際は、必ず印章を押すのです。ですので、この証文に書いてある契約は効力を発揮しません。無効です」

「そんな――!」

「さらに、ディング伯爵とサインがありますが、ディングという伯爵家はありません。病気の妹さんのことは気の毒ですが……。あなたは、だまされましたね」

「クソッ!」

 執事のセバスチャンの指摘に、エクレールが地面に足をドンと叩きつけて悔しがる。

 ジロンド子爵がさらなる事情聴取を始めたので、執事のセバスチャンに聞いてもらうことにした。
 俺はエクレールの側を離れ、エルフのシューさんに相談した。

「シューさんは、エリクサーを作れませんか?」

 シューさんは、旅の道中で毒消し薬を作ったり、低級ポーションを作ったりしていた。
 魔法薬を生成するスキルを得ているようだ。
 ひょっとしたらエリクサーも作れるのではないかと思ったのだ。

「無理。私が作れるのは中級ポーションまで」

「そうですか……」

「エリクサーは一本持っているけど」

「えっ!?」

 シューさんが、エリクサーを持っている!?
 譲ってもらえれば、エクレールの妹が助かる!

「シューさん。お金は出しますので、エリクサーを売って下さい」

 俺がシューさんに販売をお願いすると、シューさんは深いため息をついた。

「これは私の命綱。売ることは出来ない」

「ダメですか? エクレールの妹さんが助かるのですが……」

「私もエクレールには同情する。妹がかわいそうだと思う。我々エルフは、なかなか子供が出来ない種族だから、妹を救いたい気持ちは痛いほどわかる。エリクサーを二本持っていたら、一本譲ったと思う」

「なら――」

 俺が説得しようとするのを、シューさんは手を上げて止めた。
 心苦しそうに言葉を続ける。

「けれど、このエリクサーは、いざという時に私の命をつないでくれる大切な薬。旅は危険がつきもの。魔物や盗賊に襲われて瀕死の重傷を負うかもしれないし、流行病をうつされるかもしれない。ノエルも旅をして分かったと思う」

 シューさんの言うことは理解出来る。
 俺の場合は刺客に狙われた結果だが、命の危機に瀕した。
 魔物に襲われるリスクや盗賊に夜襲される危険性は、身をもって経験したのだ。

 シューさんは、女一人で旅をしていたと聞いているので、最後の最後に自分を助けてくれるエリクサーを手放すのは怖いのだろう。

 俺は思考を切り替え、次の方法を考えた。

「わかります。無理を言ってすいません。では、エリクサーの現物を見せてもらえませんか?」

「えっ?」

 シューさんが困惑した目で俺を見る。

「見るだけです。本当に見るだけ! 盗んだりしません!」

「見るだけ……。そりゃ、構わないけど……」

 俺とシューさんは、ダークエルフのエクレールから見えないように馬車の裏に移動した。
 シューさんが、いつも背中にしょっている袋から美しい瓶を取り出した。

「これがエリクサーですか……」

 エリクサーは、細長い青いガラス瓶に入っていた。
 しっかりとした作りの瓶で、両手で持つとズシリと重い。

 俺はジッとエリクサーを見て、生産スキル『マルチクラフト』を発動した。
 分析機能がエリクサーの原材料や作り方を解析していく。

 エリクサーが高度な魔法薬だからだろう。
 魔力がドンドンスキルに吸い取られていくのがわかる。

「なるほど……」

 分析結果が出た。
 俺がエリクサーを生成することは可能だ。
 ただし、魔力をかなり使う。
 おそらく一日一本生成するのが限界だ。

 原材料は、意外とシンプルだった。
 必要なのは、マンドラゴラの根、満月草の花びら、魔力水だ。

 問題は量だ。
 一本のエリクサーを生成するのに、マンドラゴラの根が百本、満月草の花びらが五十枚、魔力水は大樽五杯が必要になる。

 この大量の薬草と魔力水をギュッと濃縮することで薬効が跳ね上がり、エリクサーが完成する。

 もちろん、俺が生産スキル『マルチクラフト』を使えば、一瞬でエリクサーを生成出来るが、原材料はそろえなければならない。

 俺はエリクサーをシューさんに返し、シューさんに手持ちの薬草を尋ねた。

「シューさん。マンドラゴラの根と満月草を持っていますか?」

「ある」

「何本くらい?」

「マンドラゴラの根は十本。満月草は五本。」

「魔力水は?」

「魔力水は必要に応じて生成する。なぜ、そんなことを聞く? まさか……エリクサーを作るつもり!?」

 質問があからさま過ぎた。
 シューさんに狙いがバレてしまった。

 いや、この際、バレて好都合だと考えよう。
 エリクサーの原材料を集める必要があるのだ。
 必要量には足りないが、シューさんの手持ちを買い取らせてもらおう。

 俺はシューさんの質問に笑顔で答えた。

「ええ。エリクサーを作れば、エクレールの妹が助かるので」

「いや、無理。エリクサーは、長らく修行を積んだ優秀な薬師でないと作れない」

「まあ、そうでしょうね。それで、マンドラゴラの根と満月草を売っていただけませんか?」

「売るのは構わないが……誰がエリクサーを作るの?」

「……」

「えっ!?」

 俺は無言で自分を指さした。
 シューさんが驚き、俺の顔を見つめる。
 俺はスキルについて明言を避け、結果だけシューさんに告げた。

「エリクサーを作るのです……」

「プロセスを無視して結果を語るのは良くない」

「作るのです……」

「ノエルのスキルは、鍛冶生産系のスキルだと思っていた。薬師スキルも持っているの?」

「作るのです……」

「わけがわからない」

 シューさんは、眉毛をへの字に下げて困惑顔だ。
 俺は笑顔を崩さない。

 エリクサーが貴重な魔法薬であることは理解している。
 俺がエリクサーを生成出来るとわかったら、俺を囲い込もうとするヤツが出てくるだろう。

 例えば、国王とか、宰相とか。

 俺はエトワール伯爵家の当主だが、年が若く、俺の護衛はみーちゃんとシューさんだけだ。
 それに妹のマリーという弱点もある。

 俺を拉致し、マリーを人質にとって、俺に言うことを聞かせる。
 国王と宰相ならやりそうだ。

 籠の鳥にされるのは真っ平だ。

 国王と宰相以外でも、欲に駆られて強硬手段をとる者が出現する可能性はある。
 俺がエリクサーを生成出来ることは、秘匿するべきだ。

「シューさん。内密にお願いします」

「もちろん。こんなことは話せない。マリーやセバスチャンにも言わない方が良い」

「そうします」

 妹のマリーや執事のセバスチャンが、悪気なくうっかり誰かに話してしまう可能性がある。
 シューさんの忠告通りにしよう。

 俺とシューさんは、ダークエルフのエクレールのところへ戻った。
 ジロンド子爵の事情聴取は終ったようで、手持ち無沙汰にしていたジロンド子爵が声を掛けてきた。

「エトワール伯爵。急にいなくなってどうした?」

「エリクサーについて、シューさんと相談していました」

「なるほど、エルフなら色々知ってそうだな。こちらも事情がわかった」

 ジロンド子爵は、ダークエルフのエクレールから詳しく話を聞いてくれた。
 エクレールは、ダークエルフの里からエリクサーを求めて王都へ出てきた。
 そこで、貴族の使いを名乗る男に声をかけられたそうだ。

「じゃあ、刺客としては素人ですか?」

「ああ。ダークエルフなら闇魔法が得意だろうからと声を掛けてきたらしい」

 ジロンド子爵が聞き出した話によれば、エクレールも怪しいと思ったのだが、前金で金貨を渡されたので、本物の貴族の使いだと信じてしまったそうだ。

 何だか、地方から出てきた女の子を、だまくらかしてスカウトする悪徳芸能事務所みたいだな……。

「シューさんが、刺客としては二流と言っていましたが、その通りでしたね」

「うむ。それで、刺客はまだ三組いるらしい」

「まだ、いるんですか!?」

 俺はウンザリして声を上げた。
 ジロンド子爵が苦笑する。

「まあ、だが、人族のチンピラみたいな連中だったそうだ。エクレールは、他の連中がノロノロ移動しているのだろうと」

「すぐに追いつかれるわけではなさそうですね。警戒は必要でしょうが……」

「ああ。それで、エリクサーはどうだ?」

「心当たりがあります」

 俺の言葉を聞いて、ダークエルフのエクレールがパッと顔を上げた。

「本当か!?」

「本当だ。エリクサーを生成出来る薬師に心当たりがある。だが、エリクサーの原材料が必要だ。まず、原材料を集めないとエリクサーの生成を依頼できない」

「原材料はなんだ?」

「マンドラゴラの根を百本。満月草の花びらを五十枚。魔力水を大樽五杯」

 エクレールが怪訝な顔をする。

「随分多いな……。エリクサーを一本欲しいだけだぞ?」

「ああ、わかってる。エリクサーを一本作るのに、これだけの原材料が必要なんだ。魔力水は、魔力と水があれば作れるので問題ない。問題は薬草の量が多いことだ」

「マンドラゴラの根を百……満月草を五十……。ダークエルフの里でも、それだけの量は見たことがない。それなりに希少な薬草だからな」

 エクレールが難しい顔をした。
 エクレールの望みを叶える可能性が高まったが、実現するためのハードルも高い。
 かといって、マンドラゴラの根も満月草も実在する薬草なので、王国中探し回れば薬草をそろえるのは無理ではないだろう。

 問題は、エクレールの妹が病に倒れる前に、エリクサーを生成するために必要な大量の薬草をそろえられるかどうか……。
 時間との勝負なのだ。

「それならフォー辺境伯領へ早く行こう」

 俺とエクレールの話を横で聞いていたジロンド子爵だ。

「マンドラゴラも満月草も魔力の高い場所に生える薬草だ。この辺りより、フォー辺境伯領の方が土地の魔力が高い。手に入る可能性は高いぞ」

 なるほど。
 それならば、明日からは少し急いでフォー辺境伯領へ向かおう。

 俺はダークエルフのエクレールに笑顔で問いかけた。

「エクレール。エリクサーが手に入ったら、俺の仲間になってくれるか?」

「もちろんだ! オマエがエリクサーを手配してくれれば、オマエは妹の命の恩人だ。私はオマエに仕えよう」
しおりを挟む
感想 45

あなたにおすすめの小説

【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~

川原源明
ファンタジー
 秋津直人、85歳。  50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。  嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。  彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。  白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。  胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。  そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。  まずは最強の称号を得よう!  地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編 ※医療現場の恋物語 馴れ初め編

左遷されたオッサン、移動販売車と異世界転生でスローライフ!?~貧乏孤児院の救世主!

武蔵野純平
ファンタジー
大手企業に勤める平凡なアラフォー会社員の米櫃亮二は、セクハラ上司に諫言し左遷されてしまう。左遷先の仕事は、移動販売スーパーの運転手だった。ある日、事故が起きてしまい米櫃亮二は、移動販売車ごと異世界に転生してしまう。転生すると亮二と移動販売車に不思議な力が与えられていた。亮二は転生先で出会った孤児たちを救おうと、貧乏孤児院を宿屋に改装し旅館経営を始める。

外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。 しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。 『ハズレスキルだ!』 同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。 そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった! でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、 他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう! 主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!? はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!? いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。 色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。 *** 作品について *** この作品は、真面目なチート物ではありません。 コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております 重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、 この作品をスルーして下さい。 *カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~

冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。  俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。 そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・ 「俺、死んでるじゃん・・・」 目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。 新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。  元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

処理中です...