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第二章 冒険の始まり(二日目)

第23話 ゴブリン戦(二階層)

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 俺はゴブリンに向かってダッシュした。

 ゴブリンは、どれくらいの強さなのだろう?
 身長は十三歳の俺よりも低く、小学校低学年くらいの身長だ。
 見た目は非力そうだ。

 だが、ナイフを右手に持っている。
 あのナイフは要注意……。
 首にでも刺されたら致命傷になりかねない。

 ゴブリンが俺に気がついた!
 だが、ゴブリンの動きは遅い。

 俺は、ゴブリンが右手に持つナイフに気をつけながら、盾をゴブリンの顔面にぶちかます。

「セイッ!」

 ゴワン! と音がしてゴブリンが吹っ飛んだ。
 ゴブリンはダンジョンの床の上を、無様に回転する。
 隙だらけだ。

(行けるか?)

 俺はグッと右足を踏み込み、ダンジョンの床に転がるゴブリンに剣を叩きつけた。
 剣はゴブリンの頭部にクリーンヒットした。

「グギャ!」

 ゴブリンが悲鳴を上げる。
 するとゴブリンが煙になって消えてしまった。
 ダンジョンの床には、魔石がドロップした。

 俺は驚いて声を上げる。

「えっ!? 倒しちゃったの!? 弱っ!」

「ゴブリン弱いですね……。余裕でしたね!」

 ミレットが手を叩いて、俺の戦いぶりを褒めてくれた。
 しかし、ミレットの出番が全くなかった。
 俺はミレットに詫びる。

「ごめん! 手応えが良かったから、追撃しちゃった! ミレットの出番を取っちゃったね」

「いいえ。気にしないで下さい。早く倒せるなら、倒すに越したことはないです」

 ミレットは気にしていないようだ。

 だが、スッキリしない。
 二階層のゴブリンは弱い。
 正直、一階層のホーンラビットの方が、素早さがある分だけ強かったと思う。

「ねえ、ミレット。どうして二階層がゴブリンなんだろう? 一階層のホーンラビットの方が強かった気がする。護衛のシンシアさんから何か聞いてないかな?」

 ミレットは俺の質問にしばらく考えてから答えた。

「シンシアからは特に何も聞いてません。私の推測ですが、ナイフを持っているから危険度が高いということではないでしょうか?」

「あー、それはあるかも! さすがミレット!」

 そう考えれば、納得出来る。
 武器を持っているからゴブリンは二階層か……。

 さて、どうしよう。
 二階層は余裕でクリア出来そうだが……。

 いやいや、油断禁物だ。

 午後になってから二階層を目指して移動した。
 三階層まで行って帰ってきたら夜になってしまうかもしれない。

「ミレット。この二階層の入り口近辺でゴブリンを倒して、討伐ポイントを稼ごう。それから人型の魔物と戦うのに慣れておこう」

「はい! そうしましょう!」

 俺とミレットは、無理にダンジョンの奥へは行かず、ゴブリンと戦い人型魔物との経験を積んだ。
 ミレットも杖を使ってゴブリンと戦い、人型魔物との接近を経験した。

 レベル2からレベル3への必要討伐ポイントは20だ。
 ゴブリンの討伐ポイントはホーンラビットと同じく1だった。

 レベル3と三階層が明日からの目標だ!
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