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ルドルのダンジョン編
第77話 ウォール逆転の一手へ
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俺たちは、ウォールたちを追った。
ボス部屋から逃げ出したのは、ウォール、ケイン、ガシュムドの3人だ。
追跡隊は、12人。
俺、セレーネ、サクラ、師匠の神速のダグ、エリス姫、執事セバスチャン、騎士4人、メイド2人だ。
俺と師匠が先頭を走り、サクラがダンジョンの天井近くを【飛行】して上を固める。
騎士4人は、金属鎧が重いのか、ガチャガチャと派手な音を出しているが少し遅れて付いて来ている。
師匠が並走しながら、嬉しそうな声で俺に話しかけて来た。
こんな時でも、師匠は余裕だな。
「ルーキー! 噂は聞いてるぜ! 活躍してるじゃないか! それに、【神速】持ちになったんだろ? さすが俺の弟子だな!」
子供みたいな無邪気な笑顔だ。
こっちもつい笑顔になってしまう。
「師匠が良いですからね!」
「そーか♪ そーか♪ そうだよな! それにパーティーメンバーも増えたな! サクラちゃんも、かわいい子じゃないか。その年で両手に花とは……やるな!」
「……ど、どうも」
こんな時でも、女の子の話は忘れずにするんだな……。
いま2人とは微妙な距離感だから『両手に花』とか言うのは、止めて欲しいな。
後ろから、セレーネに怒られてしまった。
「2人とも、無駄なおしゃべりしない! 獲物を仕留めるわよ!」
「はい!」
「はい!」
しかし、師匠は、懲りずに小声で俺に軽口を叩いて来る。
「オマエ……、尻に敷かれそうだな……」
「もう、敷かれてますよ……」
上空からサクラが、会話に割って入って来た。
「ヒロトさーん! 集中してくださいねー!」
「はい!」
師匠は、何か納得をしたようだ。
「そうか……、2人の尻に敷かれているんだな……」
そうです。
その通りです。
ウォールたちとの距離が徐々に詰まって来た。
ウォールの怪我の為か、彼らはスピードが上がっていない。
あと、2、30メートルだ。
そろそろ仕掛けるか?
俺は師匠に提案してみた。
「師匠! 一気に【神速】で仕掛けましょう!」
「オーライ! 行こう!」
俺と師匠は、そろって【神速】で加速する。
俺は右、師匠は左、2人並んでウォールたちに神速で迫る。
ウォールが勘付いた。気配察知か?
甲高い声を上げ、ケインとガシュムドに知らせる。
「来るぞ!」
ガシュムドが立ち止まり、盾を手に振り向く。
同時に大剣を横に大きく振り抜いた。
やばい!
当たる!
俺は、大慌てでストップをかける。
靴の裏がダンジョンの石床に擦り、振動が足首と膝に伝わる。
目の前を、ガシュムドの大剣が通過する。
危なかった!
だが、師匠は、俺とは一味違う。
ガシュムドの横なぎの一閃をしゃがんでかわし、ガシュムドにラファールの剣を突き入れた。
上体を反らせて、体勢を崩しながら師匠の剣を避けるガシュムド。
だが、そこにサクラが襲い掛かる。
「ジャン! ジャ! ジャーン!」
サクラは、空中で前方回転すると、得意の浴びせ蹴りをお見舞いした。
ガシュムドの顔面に、サクラのかかとがめり込む。
「グハッ!」
ガシュムドが、たたらを踏む。
さすがサクラ!
ちゃんと俺と師匠の後を追って、ガシュムドの隙を突いてくれた。
師匠が、ラファールの剣を構えたまま、サクラに声をかける。
「サクラちゃん、やるな! ところで、攻撃の時に下着が見えているけれど、良いのかな?」
「フフ。見せパンです!」
サクラは、着地をすると、制服のスカートをヒラヒラとふざけてひるがえす。
クッ! 今日は王道の白か!
ガシュムドは、ジリジリと後退する。
ガシュムドの背後に、ウォールとケインがいる。
ウォールとケインの視線が、俺の後ろに向いた。
集団の足音が聞こえる。
セレーネとエリス姫たちが追い付いた。
師匠が、ガシュムドを挑発する。
「あーらら! 絶体絶命ちゃんだねー。どうする~?」
「うるさい!」
ダンジョンの狭い通路で、俺達はにらみ合う。
エリス姫が、前へ出て来た。
「ウォール殿! 降伏されよ!」
なっ!
俺は、エリス姫の言葉に耳を疑った。
何? 降伏?
ここまで来て降伏は無いだろう。
エリス姫とウォールの対立は決定的で、ウォールは直接エリス姫や俺たちの命を奪おうとした。
降伏勧告をする意味が、わからない。
俺はエリス姫に反対した。
「エリス姫! この期に及んで、降伏勧告は無いでしょう! 一気に決着をつけるべきです!」
サクラとセレーネも強い口調で、エリス姫に詰め寄る。
「エリス姫様! ニューヨークファミリーのせいで、沢山の冒険者が傷付き倒れました。ウォールたちをかばう必要はありません!」
「そうよ! 手負いの獲物は、しっかりトドメを刺さないと!」
その通りだ。
仮にここでウォールたちが降伏しても、侯爵家の力でウヤムヤされてしまうかもしれない。
そうなったら、また、俺たちを攻撃して来るに違いない。
師匠がエリス姫にやさしく、だが、しっかりとした言葉で忠告した。
「姫様。至高の玉座は、ただ一つ。そこに座る人物も、ただ一人です。あなたとウォールが王位継承を目指す以上、2人は共存出来ません。さあ! 攻撃のご命令を!」
場がシンと静まり返った。
みんながエリス姫に注目する。
しばらくしてエリス姫は、とつとつと語り出した。
「ウォール殿のお父上とお母上の事は、よく知っておっての……。私が小さい頃、王宮で遊んでもらったのじゃ。ここでウォール殿を殺して、あの2人を悲しませるのも……。ダグ殿やヒロト達の言う事はもっともじゃが……。ウォール殿を神殿に預けるとか……。そういう処置で、済ませられんじゃろうか?」
甘い!
俺は無性に腹が立った。
そりゃ、そう言う事情があるなら、ウォールの命までは取りたくない、と思うだろうけれど……。
だが、ウォールは、まともじゃない!
俺は、エリス姫に再度強く申し入れた。
「ウォールは、それを恩義に思うような人間ではありません! 生かしておけば、また俺たちの命を狙ってきますよ!」
「しかし、のう……」
エリス姫の話し声を、ウォールの笑い声がかき消した。
「ヒャハハハハハ! ハハハ! いや~、ナメられたものだねぇ~」
ウォールの目は、怪しく輝いている。
口元はつり上がり、歯をむき出しにしている。
ゾクリ!
俺は、何か物凄く嫌な予感がした。
ウォールは、ガシュムドとケインに命令した。
「防げ。数分で良い」
ガシュムドとケインがうなずき、ダンジョンの廊下に2人が横並びになる。
ウォールは、二人の後ろで何かしている。
何だ?
ウォールは、左手を空中で動かしている。
あの動きは……、ステータス画面の操作か?
こんな所でステータスの確認?
ウォールが何をしているのか、すぐにわかった。
ドン!
ウォールのすぐそばに、ガチャが出現した!
自動販売機サイズの筐体は、不思議な事にダンジョンの天井を突き抜けている。
ウォールは、目を血走らせて操作をしている。
ガチャから、オルゴールに似た音が聞こえて来た。
まずい!
ガチャを回し始めた。
ウォールはガチャでカードを引くのだ。
強いカードを引けば、一発逆転もあり得る!
クソッ!
これがウォールの狙いか!
俺とサクラ以外は、ガチャの存在を知らない。
ガチャを見たみんなに動揺が走る。
騎士やメイドが、大声で不安を口にする。
「あれは!?」
「なんだ!?」
「奇怪な!」
「オイ! 天井を突き抜けているじゃないか!」
いや、問題はそこじゃない。
このまま行くとウォールが、強力なカードをガチャから出してしまうかもしれない。
断固阻止だ!
俺は、叫びながら突進した。
「サクラ! 師匠! やるぞ! ウォールに、あれをやらせてはいけない!」
サクラと師匠は、反応してくれた。
3人がかりでガシュムドに襲い掛かる。
だが、守りを固めたガシュムドは、硬い。
おまけに、狭いダンジョンの廊下では、【神速】の強味である高速移動を使った攻撃が仕掛けずらい。
ケインの方は、セレーネが矢で牽制してくれているが、芳しくない。
ガチャを見て動揺しているのだろう。
エリス姫たちは、呆気にとられてまったく動けていない。
俺は檄を飛ばす。
「エリース! 数で押し込むんだ! 逆転されるぞ!」
だが、エリス姫は狼狽えるばかりだ。
騎士たちもどうして良いか、わらかないでいる。
このままじゃまずい。
前にウォールのステータスを【鑑定】した時に、【シルバー】と言うのが裏画面にあった。
おそらくシルバーガチャを、ウォールは回せるのだろう。
シルバーガチャなら、強力なカードが出る可能性がある。
ウォールを倒して、ガチャを回すのを止めないと……。
ガシュムドとケインの横をすり抜けるにも、ダンジョンの通路は幅がない。
クソッ! すり抜けるスペースが無い!
ガチャを回すウォールに目をやる。
次々にカードがガチャから吐き出されウォールに吸い込まれて行く。
ウォールは空中で手を動かし、ブツブツと独りつぶやいている。
ガチャから出たカードを、ステータス画面で確認しているのだろう。
「違う! このカードも違う! これも違う! こ……、これだ! これだ! 勝ったぞ!」
まずい!
ウォールが何か強力なカードを引いちまった!
ウォールが、こちらを向いた。
口の端からよだれを垂らし、目は血走り……。
いや、もう、あれは人間の顔じゃない。
「見ろ! 凄いカードを引いたぞ! 僕は、凄いんだ! 凄いんだよ! これで死ねよ! オマエらみんな死ねよ! ヒャハ! ヒャハハハハ!」
ウォールの左手が空中を移動して、空中を強く押した。
ステータス画面のガチャカードを押したんだろう。
次の瞬間、ダンジョンの廊下に光が集まり出した。
ボス部屋から逃げ出したのは、ウォール、ケイン、ガシュムドの3人だ。
追跡隊は、12人。
俺、セレーネ、サクラ、師匠の神速のダグ、エリス姫、執事セバスチャン、騎士4人、メイド2人だ。
俺と師匠が先頭を走り、サクラがダンジョンの天井近くを【飛行】して上を固める。
騎士4人は、金属鎧が重いのか、ガチャガチャと派手な音を出しているが少し遅れて付いて来ている。
師匠が並走しながら、嬉しそうな声で俺に話しかけて来た。
こんな時でも、師匠は余裕だな。
「ルーキー! 噂は聞いてるぜ! 活躍してるじゃないか! それに、【神速】持ちになったんだろ? さすが俺の弟子だな!」
子供みたいな無邪気な笑顔だ。
こっちもつい笑顔になってしまう。
「師匠が良いですからね!」
「そーか♪ そーか♪ そうだよな! それにパーティーメンバーも増えたな! サクラちゃんも、かわいい子じゃないか。その年で両手に花とは……やるな!」
「……ど、どうも」
こんな時でも、女の子の話は忘れずにするんだな……。
いま2人とは微妙な距離感だから『両手に花』とか言うのは、止めて欲しいな。
後ろから、セレーネに怒られてしまった。
「2人とも、無駄なおしゃべりしない! 獲物を仕留めるわよ!」
「はい!」
「はい!」
しかし、師匠は、懲りずに小声で俺に軽口を叩いて来る。
「オマエ……、尻に敷かれそうだな……」
「もう、敷かれてますよ……」
上空からサクラが、会話に割って入って来た。
「ヒロトさーん! 集中してくださいねー!」
「はい!」
師匠は、何か納得をしたようだ。
「そうか……、2人の尻に敷かれているんだな……」
そうです。
その通りです。
ウォールたちとの距離が徐々に詰まって来た。
ウォールの怪我の為か、彼らはスピードが上がっていない。
あと、2、30メートルだ。
そろそろ仕掛けるか?
俺は師匠に提案してみた。
「師匠! 一気に【神速】で仕掛けましょう!」
「オーライ! 行こう!」
俺と師匠は、そろって【神速】で加速する。
俺は右、師匠は左、2人並んでウォールたちに神速で迫る。
ウォールが勘付いた。気配察知か?
甲高い声を上げ、ケインとガシュムドに知らせる。
「来るぞ!」
ガシュムドが立ち止まり、盾を手に振り向く。
同時に大剣を横に大きく振り抜いた。
やばい!
当たる!
俺は、大慌てでストップをかける。
靴の裏がダンジョンの石床に擦り、振動が足首と膝に伝わる。
目の前を、ガシュムドの大剣が通過する。
危なかった!
だが、師匠は、俺とは一味違う。
ガシュムドの横なぎの一閃をしゃがんでかわし、ガシュムドにラファールの剣を突き入れた。
上体を反らせて、体勢を崩しながら師匠の剣を避けるガシュムド。
だが、そこにサクラが襲い掛かる。
「ジャン! ジャ! ジャーン!」
サクラは、空中で前方回転すると、得意の浴びせ蹴りをお見舞いした。
ガシュムドの顔面に、サクラのかかとがめり込む。
「グハッ!」
ガシュムドが、たたらを踏む。
さすがサクラ!
ちゃんと俺と師匠の後を追って、ガシュムドの隙を突いてくれた。
師匠が、ラファールの剣を構えたまま、サクラに声をかける。
「サクラちゃん、やるな! ところで、攻撃の時に下着が見えているけれど、良いのかな?」
「フフ。見せパンです!」
サクラは、着地をすると、制服のスカートをヒラヒラとふざけてひるがえす。
クッ! 今日は王道の白か!
ガシュムドは、ジリジリと後退する。
ガシュムドの背後に、ウォールとケインがいる。
ウォールとケインの視線が、俺の後ろに向いた。
集団の足音が聞こえる。
セレーネとエリス姫たちが追い付いた。
師匠が、ガシュムドを挑発する。
「あーらら! 絶体絶命ちゃんだねー。どうする~?」
「うるさい!」
ダンジョンの狭い通路で、俺達はにらみ合う。
エリス姫が、前へ出て来た。
「ウォール殿! 降伏されよ!」
なっ!
俺は、エリス姫の言葉に耳を疑った。
何? 降伏?
ここまで来て降伏は無いだろう。
エリス姫とウォールの対立は決定的で、ウォールは直接エリス姫や俺たちの命を奪おうとした。
降伏勧告をする意味が、わからない。
俺はエリス姫に反対した。
「エリス姫! この期に及んで、降伏勧告は無いでしょう! 一気に決着をつけるべきです!」
サクラとセレーネも強い口調で、エリス姫に詰め寄る。
「エリス姫様! ニューヨークファミリーのせいで、沢山の冒険者が傷付き倒れました。ウォールたちをかばう必要はありません!」
「そうよ! 手負いの獲物は、しっかりトドメを刺さないと!」
その通りだ。
仮にここでウォールたちが降伏しても、侯爵家の力でウヤムヤされてしまうかもしれない。
そうなったら、また、俺たちを攻撃して来るに違いない。
師匠がエリス姫にやさしく、だが、しっかりとした言葉で忠告した。
「姫様。至高の玉座は、ただ一つ。そこに座る人物も、ただ一人です。あなたとウォールが王位継承を目指す以上、2人は共存出来ません。さあ! 攻撃のご命令を!」
場がシンと静まり返った。
みんながエリス姫に注目する。
しばらくしてエリス姫は、とつとつと語り出した。
「ウォール殿のお父上とお母上の事は、よく知っておっての……。私が小さい頃、王宮で遊んでもらったのじゃ。ここでウォール殿を殺して、あの2人を悲しませるのも……。ダグ殿やヒロト達の言う事はもっともじゃが……。ウォール殿を神殿に預けるとか……。そういう処置で、済ませられんじゃろうか?」
甘い!
俺は無性に腹が立った。
そりゃ、そう言う事情があるなら、ウォールの命までは取りたくない、と思うだろうけれど……。
だが、ウォールは、まともじゃない!
俺は、エリス姫に再度強く申し入れた。
「ウォールは、それを恩義に思うような人間ではありません! 生かしておけば、また俺たちの命を狙ってきますよ!」
「しかし、のう……」
エリス姫の話し声を、ウォールの笑い声がかき消した。
「ヒャハハハハハ! ハハハ! いや~、ナメられたものだねぇ~」
ウォールの目は、怪しく輝いている。
口元はつり上がり、歯をむき出しにしている。
ゾクリ!
俺は、何か物凄く嫌な予感がした。
ウォールは、ガシュムドとケインに命令した。
「防げ。数分で良い」
ガシュムドとケインがうなずき、ダンジョンの廊下に2人が横並びになる。
ウォールは、二人の後ろで何かしている。
何だ?
ウォールは、左手を空中で動かしている。
あの動きは……、ステータス画面の操作か?
こんな所でステータスの確認?
ウォールが何をしているのか、すぐにわかった。
ドン!
ウォールのすぐそばに、ガチャが出現した!
自動販売機サイズの筐体は、不思議な事にダンジョンの天井を突き抜けている。
ウォールは、目を血走らせて操作をしている。
ガチャから、オルゴールに似た音が聞こえて来た。
まずい!
ガチャを回し始めた。
ウォールはガチャでカードを引くのだ。
強いカードを引けば、一発逆転もあり得る!
クソッ!
これがウォールの狙いか!
俺とサクラ以外は、ガチャの存在を知らない。
ガチャを見たみんなに動揺が走る。
騎士やメイドが、大声で不安を口にする。
「あれは!?」
「なんだ!?」
「奇怪な!」
「オイ! 天井を突き抜けているじゃないか!」
いや、問題はそこじゃない。
このまま行くとウォールが、強力なカードをガチャから出してしまうかもしれない。
断固阻止だ!
俺は、叫びながら突進した。
「サクラ! 師匠! やるぞ! ウォールに、あれをやらせてはいけない!」
サクラと師匠は、反応してくれた。
3人がかりでガシュムドに襲い掛かる。
だが、守りを固めたガシュムドは、硬い。
おまけに、狭いダンジョンの廊下では、【神速】の強味である高速移動を使った攻撃が仕掛けずらい。
ケインの方は、セレーネが矢で牽制してくれているが、芳しくない。
ガチャを見て動揺しているのだろう。
エリス姫たちは、呆気にとられてまったく動けていない。
俺は檄を飛ばす。
「エリース! 数で押し込むんだ! 逆転されるぞ!」
だが、エリス姫は狼狽えるばかりだ。
騎士たちもどうして良いか、わらかないでいる。
このままじゃまずい。
前にウォールのステータスを【鑑定】した時に、【シルバー】と言うのが裏画面にあった。
おそらくシルバーガチャを、ウォールは回せるのだろう。
シルバーガチャなら、強力なカードが出る可能性がある。
ウォールを倒して、ガチャを回すのを止めないと……。
ガシュムドとケインの横をすり抜けるにも、ダンジョンの通路は幅がない。
クソッ! すり抜けるスペースが無い!
ガチャを回すウォールに目をやる。
次々にカードがガチャから吐き出されウォールに吸い込まれて行く。
ウォールは空中で手を動かし、ブツブツと独りつぶやいている。
ガチャから出たカードを、ステータス画面で確認しているのだろう。
「違う! このカードも違う! これも違う! こ……、これだ! これだ! 勝ったぞ!」
まずい!
ウォールが何か強力なカードを引いちまった!
ウォールが、こちらを向いた。
口の端からよだれを垂らし、目は血走り……。
いや、もう、あれは人間の顔じゃない。
「見ろ! 凄いカードを引いたぞ! 僕は、凄いんだ! 凄いんだよ! これで死ねよ! オマエらみんな死ねよ! ヒャハ! ヒャハハハハ!」
ウォールの左手が空中を移動して、空中を強く押した。
ステータス画面のガチャカードを押したんだろう。
次の瞬間、ダンジョンの廊下に光が集まり出した。
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