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ルドルのダンジョン編
第11話 1日目 冒険者Fランクから昇格試練
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俺の冒険者Fランク(木のギルドカード)から、Eランク(鉄のギルドカード)への昇格は、ギルドマスターのハゲールに断られた。
正規の昇格条件はクリアしていた。
だが、ダンジョンに入る条件をクリアしてない事がネックになった。
まあ、師匠とハゲールの因縁のとばっちりで、俺の昇格が渋られた気もするが……。
そこはあまり突っ込まないでおこう。
俺は無意識にハゲールにトドメを刺してしまった……。
悪い事をしたと反省しているのだ。
もめた結果、ダンジョンの魔物100匹を狩って来たら昇格を認めてもらえる事になった。
2階層以下の魔物を3日以内にだ。
これはかなり厳しい条件だ。
だが、師匠の神速のダグは何かを企んでいる様だった……。
*
俺と師匠は8の鐘(朝8時)に、ダンジョンの入り口前で待ち合わせていた。
俺は8の鐘の大分前に着いて師匠を待った。
丁度8の鐘が鳴った時に、師匠がやって来た。
「よう! ルーキー! さわやかな朝だな!」
師匠は昨日とは打って変わって、晴れ晴れとした表情をしている。
昨日はちょっと難しい顔でハゲールと昇格条件の話をしていたけれどなぁ。
「おはようございます。師匠。これ母のチアキから、二人で食べる様にと。ミートパイです」
昨晩家に帰ってから、俺はチアキママに起こった事を夢中で話した。
師匠との事、ダンジョンに初めて入った事、スキルが付いた事、新発見の階段を見つけた事……。
チアキママは、一緒になって喜んでくれたよ。
冒険者になってから半年、ずっとルート仕事で俺が元気なくて気にかけていたんだと思う。
母親ってありがたいな。
そしたら今朝、師匠と一緒に食べろとミートパイを持たせてくれた。
「そうか! 嬉しいな! ミートパイ……。久しぶりだ……」
師匠はミートパイと受け取ると、じっとミートパイを見つめて感慨深げにしている。
確かにチアキママのミートパイはうまいが、そこまで感動してくれなくても……。
「師匠はそんなにミートパイがお好きなんですか? 普通のホーンラビットのミートパイですよ?」
師匠は慌ててミートパイをマジックバッグにしまうと、照れくさそうに答えた。
「いや、ほら! 手料理なんて久しぶりだからさ! じゃあ、行こうか!」
俺と師匠はルドルのダンジョンに入った。
朝イチだけど人が多い。
今日は1階層の広場正面の通路を真っ直ぐ進む、通常ルートで2階層に降りる。
単に2階層に降りるだけなら、ヒロトルートより通常ルートの方が早い。
2階層に降りてすぐの広場も混み合っているので、10分ほど歩いて人のいない場所に移動した。
師匠がにんまりといたずらっぽく笑った。
「さてと、ヒロト……。実はさ、俺、昨日ハゲールの付けた条件聞いて爆笑しそうだったんだよね」
「えっ?」
「3日間で100匹だろう。余裕、余裕♪」
「えっと、師匠が倒したらダメなんですよ。俺が100匹倒さないといけないんですが……」
「ああ、わかっている。ちょうど今日、教えようと思っていた事があるんだ。まあ、見てろ」
師匠は腰のウエストポーチ型のマジックバッグから、デカイ布袋を取り出した。
サンタクロースの袋みたいに、パンパンに荷物が入ってる。
すごいチーズ臭い。
師匠は布袋からチーズレーションを取り出した。
この強烈なチーズ臭。間違いなくあの布袋の中は、全部チーズレーションに違いない。
いったい何個入っているんだ?
「こうやってチーズレーションを通路にまく……」
師匠はチーズレーションを半分に割った。
半分をボロボロっと手で崩して通路にまいた。
「でだ、このT字路の所に残りの半分を置く……」
俺達はT字路の足の部分にいる。
Tの交差した所にチーズレーションの残り半分が置かれている。
なんとなくわかった……。
これで魔物をおびき寄せるのか……。
あっ!
もう来た!
ネズミ型の魔物タミーマウスだ。
真っ黒で30cmくらいのデカイネズミ。
T字路に隠れている俺達に気が付かず、チーズレーションをボリボリ食べだした。
師匠がタミーマウスを後ろから剣で突いた。
ズッ!
タミーマウスは、あっけなく絶命した。
「まあ、こんな具合だ」
「なるほど、チーズレーションで簡単な罠を……。で、待ち伏せて狩ると……」
「そういう事。この方法は3階層のホーンラビットでも使える。俺がヒロト位の頃、これでホーンラビットをバンバン狩ってな。ハゲールの野郎は知らなかったんだろうな」
そう言うと、師匠は高笑いした。
「それで師匠は、この罠の事がバレない様に、昨日は神妙な顔をしてたんですね」
「そうそう、ハゲールに勘付かれると、また何か条件付けられるからな。さあ、ヒロト、やってみろ!」
師匠が用意してくれたチーズレーションを手に取って、半分に割る。
半分を手で砕いて通路にばら撒く、残り半分をT字路の交差した所に置く。
静かに隠れる
5分くらいたった。
来た!
タミーマウスが意地汚くチーズレーションをかじってる。
いただき!
俺はショートソードを構えて一気に走り込んだ。
ダダダッ!
タッタッタッタ!
「あー、逃げられた!」
「ヒロト、もっと、そーっと。静かに、静かに、近寄れ」
「わかりました!」
「急がなくてもタミーマウスはチーズレーションに夢中だからよ。さあ、もう一回!」
俺は同じようにチーズレーションをバラマキ、残り半分をT字路に置く。
今度はなかなか来ない。
10分くらいして来た!
今度は、足音を立てないように静かに、タミーマウスの後ろから近づく。
タミーマウスは、ガリガリガリとチーズレーションをかじっている。
俺はタミーマウスのすぐ後ろまで忍び寄った。
ここまで近づいているのに気が付かないとは、意地汚い魔物だ。
俺はショートソードを突き込んだ。
ドス!
あっさりタミーマウスが倒れた。
カードが浮き上がって、シュッと俺の体に吸い込まれる。
「よーし、尻尾を切り取れ。その調子でガンガン仕留めろ!」
俺はタミーマウスの尻尾を切り落として、持ってきたズタ袋に放り込んだ。
タミーマウスを解体する時間がもったいない。
魔石の回収はあきらめよう。
カードの確認も夜家に帰ってからにしよう。
俺は仕留めたタミーマウスを通路の隅に放り投げると、すぐに次のチーズレーションで罠を仕掛けた。
息を潜めて待つ。
今度はすぐに来た!
ガリガリとチーズレーションに夢中になった所で、後ろからそーっと近づく。
ドス!
「師匠、これ凄く効率が良いですね」
「だろ? 3階層のホーンラビットもこれでいける」
「肉や毛皮が売れて良いですね」
「そうよ。昔は良い小遣いになったよ~」
ホーンラビットは、魔石だけでなく、肉も毛皮も売れる。
3階層にいったら収入が増えそうだな。
タミーマウス、でかい黒ネズミは、正直ちょっとキモイ。
早く100匹討伐して3階層に移ろう。
討伐したタミーマウスは、尻尾を切り落としてT字路の隅に捨てておいた。
ダンジョンに魔物や人間の死体は残らない。
死んで30分もしたらダンジョンの床に死体が吸いこまれる。
吸いこまれた死体は、ダンジョンの栄養になるなんて言われている。
*
「ヒロト君すごいね! 今日の討伐は、62匹ね!」
4の鐘(午後4時)が鳴る頃、2階層を引き上げて、ギルドに戻って来た。
昼飯以外はひたすらチーズレーションで罠を作って、タミーマウスを討伐した。
討伐数の多さに受付のジュリさんがビックリしてる。
フフ、少しは俺を見直したかな?
すごいのは実は師匠なんだけどね。
そこは内緒だ。
「あと昨日預かったスライムの魔石ね。10個で100ゴルド。74個あったから、700ゴルドね。はい、銅貨7枚。で、これが余った4個の魔石」
スライムの魔石はそんな安いんだ。
1個10ゴルド、日本円なら10円か。
まあ、まだ1階層だから仕方ない。
最初にハイジ村で仕留めたスライムの魔石は記念にとってある。
あれと一緒に初ダンジョンの記念にとっておこう。
ああ!
奥の方でギルドマスターのハゲールが歯ぎしりしてる。
「グヌ……。グヌヌヌ……」
残念だけど、この勝負もらったな!
さて、帰りますか。
*
家に帰って来た。
さっそくステータスをチェックだ。
昨夜は疲れていた。
赤スライムのステータスカードを消化して、すぐ寝てしまった。
今日は今日で、タミーマウス狩りに忙しくて、カードやステータスをチェックする暇がなかった。
今日が62匹、昨日が74匹、1、2階層のザコとは言え、魔物討伐数は100を超えた。
さすがにLVアップしただろう。
-------------------
◆基本ステータス◆
名前:ヒロト
年齢:12才
性別:男
種族:人族
LV: 1
HP: 12.05/12.05
MP: -
パワー:0.74
持久力:-
素早さ:-
魔力: -
知力: 70
器用: -
-------------------
あれ?
LVアップしてない。
……。
……。
……。
何でだ?
経験値は入ってると思うのだけれど……。
スライムやタミーマウスじゃ、話にならないくらい経験値が少ないのか?
まあ、気にしてもしょうがない。
次はスキルをチェックと……。
-------------------
◆スキル◆
【鑑定(上級)】【マッピング】【剣術(初級)】
【罠作成】new!
【忍び足】new!
-------------------
うお!
スキルが2つも新しくついてる!
まあ、チーズレーションで罠を仕掛けて、静かに忍び寄るのは、今日は散々やったからな。
明日、師匠に報告しよう。
神速のダグは名コーチなんだろうな。
さて、ステータス画面の裏面。
カードを見ますか……。
-------------------
◆ステータスカード◆
【持久力上昇(微量)】×62
-------------------
タミーマウスは持久力か。
微量だから1枚に付き0.01入るな。
これを消化……っと。
これでステータスはどうなる?
-------------------
◆基本ステータス◆
名前:ヒロト
年齢:12才
性別:男
種族:人族
LV: 1
HP: 12.05/12.05
MP: -
パワー:0.74
持久力:0.62
素早さ:-
魔力: -
知力: 70
器用: -
◆スキル◆
【鑑定(上級)】【マッピング】【剣術(初級)】
【罠作成】new!
【忍び足】new!
◆装備◆
なし
◆アイテム◆
なし
-------------------
うん、非常にささやかだが……、能力アップしたな。
正直ちょっとじれる。
小数点単位で上がってもなぁ。
スキルが凄い勢いで増えている。
2日で4スキル。
完全にスキル依存だな。
正規の昇格条件はクリアしていた。
だが、ダンジョンに入る条件をクリアしてない事がネックになった。
まあ、師匠とハゲールの因縁のとばっちりで、俺の昇格が渋られた気もするが……。
そこはあまり突っ込まないでおこう。
俺は無意識にハゲールにトドメを刺してしまった……。
悪い事をしたと反省しているのだ。
もめた結果、ダンジョンの魔物100匹を狩って来たら昇格を認めてもらえる事になった。
2階層以下の魔物を3日以内にだ。
これはかなり厳しい条件だ。
だが、師匠の神速のダグは何かを企んでいる様だった……。
*
俺と師匠は8の鐘(朝8時)に、ダンジョンの入り口前で待ち合わせていた。
俺は8の鐘の大分前に着いて師匠を待った。
丁度8の鐘が鳴った時に、師匠がやって来た。
「よう! ルーキー! さわやかな朝だな!」
師匠は昨日とは打って変わって、晴れ晴れとした表情をしている。
昨日はちょっと難しい顔でハゲールと昇格条件の話をしていたけれどなぁ。
「おはようございます。師匠。これ母のチアキから、二人で食べる様にと。ミートパイです」
昨晩家に帰ってから、俺はチアキママに起こった事を夢中で話した。
師匠との事、ダンジョンに初めて入った事、スキルが付いた事、新発見の階段を見つけた事……。
チアキママは、一緒になって喜んでくれたよ。
冒険者になってから半年、ずっとルート仕事で俺が元気なくて気にかけていたんだと思う。
母親ってありがたいな。
そしたら今朝、師匠と一緒に食べろとミートパイを持たせてくれた。
「そうか! 嬉しいな! ミートパイ……。久しぶりだ……」
師匠はミートパイと受け取ると、じっとミートパイを見つめて感慨深げにしている。
確かにチアキママのミートパイはうまいが、そこまで感動してくれなくても……。
「師匠はそんなにミートパイがお好きなんですか? 普通のホーンラビットのミートパイですよ?」
師匠は慌ててミートパイをマジックバッグにしまうと、照れくさそうに答えた。
「いや、ほら! 手料理なんて久しぶりだからさ! じゃあ、行こうか!」
俺と師匠はルドルのダンジョンに入った。
朝イチだけど人が多い。
今日は1階層の広場正面の通路を真っ直ぐ進む、通常ルートで2階層に降りる。
単に2階層に降りるだけなら、ヒロトルートより通常ルートの方が早い。
2階層に降りてすぐの広場も混み合っているので、10分ほど歩いて人のいない場所に移動した。
師匠がにんまりといたずらっぽく笑った。
「さてと、ヒロト……。実はさ、俺、昨日ハゲールの付けた条件聞いて爆笑しそうだったんだよね」
「えっ?」
「3日間で100匹だろう。余裕、余裕♪」
「えっと、師匠が倒したらダメなんですよ。俺が100匹倒さないといけないんですが……」
「ああ、わかっている。ちょうど今日、教えようと思っていた事があるんだ。まあ、見てろ」
師匠は腰のウエストポーチ型のマジックバッグから、デカイ布袋を取り出した。
サンタクロースの袋みたいに、パンパンに荷物が入ってる。
すごいチーズ臭い。
師匠は布袋からチーズレーションを取り出した。
この強烈なチーズ臭。間違いなくあの布袋の中は、全部チーズレーションに違いない。
いったい何個入っているんだ?
「こうやってチーズレーションを通路にまく……」
師匠はチーズレーションを半分に割った。
半分をボロボロっと手で崩して通路にまいた。
「でだ、このT字路の所に残りの半分を置く……」
俺達はT字路の足の部分にいる。
Tの交差した所にチーズレーションの残り半分が置かれている。
なんとなくわかった……。
これで魔物をおびき寄せるのか……。
あっ!
もう来た!
ネズミ型の魔物タミーマウスだ。
真っ黒で30cmくらいのデカイネズミ。
T字路に隠れている俺達に気が付かず、チーズレーションをボリボリ食べだした。
師匠がタミーマウスを後ろから剣で突いた。
ズッ!
タミーマウスは、あっけなく絶命した。
「まあ、こんな具合だ」
「なるほど、チーズレーションで簡単な罠を……。で、待ち伏せて狩ると……」
「そういう事。この方法は3階層のホーンラビットでも使える。俺がヒロト位の頃、これでホーンラビットをバンバン狩ってな。ハゲールの野郎は知らなかったんだろうな」
そう言うと、師匠は高笑いした。
「それで師匠は、この罠の事がバレない様に、昨日は神妙な顔をしてたんですね」
「そうそう、ハゲールに勘付かれると、また何か条件付けられるからな。さあ、ヒロト、やってみろ!」
師匠が用意してくれたチーズレーションを手に取って、半分に割る。
半分を手で砕いて通路にばら撒く、残り半分をT字路の交差した所に置く。
静かに隠れる
5分くらいたった。
来た!
タミーマウスが意地汚くチーズレーションをかじってる。
いただき!
俺はショートソードを構えて一気に走り込んだ。
ダダダッ!
タッタッタッタ!
「あー、逃げられた!」
「ヒロト、もっと、そーっと。静かに、静かに、近寄れ」
「わかりました!」
「急がなくてもタミーマウスはチーズレーションに夢中だからよ。さあ、もう一回!」
俺は同じようにチーズレーションをバラマキ、残り半分をT字路に置く。
今度はなかなか来ない。
10分くらいして来た!
今度は、足音を立てないように静かに、タミーマウスの後ろから近づく。
タミーマウスは、ガリガリガリとチーズレーションをかじっている。
俺はタミーマウスのすぐ後ろまで忍び寄った。
ここまで近づいているのに気が付かないとは、意地汚い魔物だ。
俺はショートソードを突き込んだ。
ドス!
あっさりタミーマウスが倒れた。
カードが浮き上がって、シュッと俺の体に吸い込まれる。
「よーし、尻尾を切り取れ。その調子でガンガン仕留めろ!」
俺はタミーマウスの尻尾を切り落として、持ってきたズタ袋に放り込んだ。
タミーマウスを解体する時間がもったいない。
魔石の回収はあきらめよう。
カードの確認も夜家に帰ってからにしよう。
俺は仕留めたタミーマウスを通路の隅に放り投げると、すぐに次のチーズレーションで罠を仕掛けた。
息を潜めて待つ。
今度はすぐに来た!
ガリガリとチーズレーションに夢中になった所で、後ろからそーっと近づく。
ドス!
「師匠、これ凄く効率が良いですね」
「だろ? 3階層のホーンラビットもこれでいける」
「肉や毛皮が売れて良いですね」
「そうよ。昔は良い小遣いになったよ~」
ホーンラビットは、魔石だけでなく、肉も毛皮も売れる。
3階層にいったら収入が増えそうだな。
タミーマウス、でかい黒ネズミは、正直ちょっとキモイ。
早く100匹討伐して3階層に移ろう。
討伐したタミーマウスは、尻尾を切り落としてT字路の隅に捨てておいた。
ダンジョンに魔物や人間の死体は残らない。
死んで30分もしたらダンジョンの床に死体が吸いこまれる。
吸いこまれた死体は、ダンジョンの栄養になるなんて言われている。
*
「ヒロト君すごいね! 今日の討伐は、62匹ね!」
4の鐘(午後4時)が鳴る頃、2階層を引き上げて、ギルドに戻って来た。
昼飯以外はひたすらチーズレーションで罠を作って、タミーマウスを討伐した。
討伐数の多さに受付のジュリさんがビックリしてる。
フフ、少しは俺を見直したかな?
すごいのは実は師匠なんだけどね。
そこは内緒だ。
「あと昨日預かったスライムの魔石ね。10個で100ゴルド。74個あったから、700ゴルドね。はい、銅貨7枚。で、これが余った4個の魔石」
スライムの魔石はそんな安いんだ。
1個10ゴルド、日本円なら10円か。
まあ、まだ1階層だから仕方ない。
最初にハイジ村で仕留めたスライムの魔石は記念にとってある。
あれと一緒に初ダンジョンの記念にとっておこう。
ああ!
奥の方でギルドマスターのハゲールが歯ぎしりしてる。
「グヌ……。グヌヌヌ……」
残念だけど、この勝負もらったな!
さて、帰りますか。
*
家に帰って来た。
さっそくステータスをチェックだ。
昨夜は疲れていた。
赤スライムのステータスカードを消化して、すぐ寝てしまった。
今日は今日で、タミーマウス狩りに忙しくて、カードやステータスをチェックする暇がなかった。
今日が62匹、昨日が74匹、1、2階層のザコとは言え、魔物討伐数は100を超えた。
さすがにLVアップしただろう。
-------------------
◆基本ステータス◆
名前:ヒロト
年齢:12才
性別:男
種族:人族
LV: 1
HP: 12.05/12.05
MP: -
パワー:0.74
持久力:-
素早さ:-
魔力: -
知力: 70
器用: -
-------------------
あれ?
LVアップしてない。
……。
……。
……。
何でだ?
経験値は入ってると思うのだけれど……。
スライムやタミーマウスじゃ、話にならないくらい経験値が少ないのか?
まあ、気にしてもしょうがない。
次はスキルをチェックと……。
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◆スキル◆
【鑑定(上級)】【マッピング】【剣術(初級)】
【罠作成】new!
【忍び足】new!
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うお!
スキルが2つも新しくついてる!
まあ、チーズレーションで罠を仕掛けて、静かに忍び寄るのは、今日は散々やったからな。
明日、師匠に報告しよう。
神速のダグは名コーチなんだろうな。
さて、ステータス画面の裏面。
カードを見ますか……。
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◆ステータスカード◆
【持久力上昇(微量)】×62
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タミーマウスは持久力か。
微量だから1枚に付き0.01入るな。
これを消化……っと。
これでステータスはどうなる?
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◆基本ステータス◆
名前:ヒロト
年齢:12才
性別:男
種族:人族
LV: 1
HP: 12.05/12.05
MP: -
パワー:0.74
持久力:0.62
素早さ:-
魔力: -
知力: 70
器用: -
◆スキル◆
【鑑定(上級)】【マッピング】【剣術(初級)】
【罠作成】new!
【忍び足】new!
◆装備◆
なし
◆アイテム◆
なし
-------------------
うん、非常にささやかだが……、能力アップしたな。
正直ちょっとじれる。
小数点単位で上がってもなぁ。
スキルが凄い勢いで増えている。
2日で4スキル。
完全にスキル依存だな。
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