216 / 358
第九章 グンマー連合王国
第216話 崩れつつあるミスル王国
しおりを挟む
ミスル王国大使を帰すと、俺はすぐにミスル王国対策で会議を開いた。
俺、じい、ルーナ先生、黒丸師匠、そして元ミスル貴族のエルハムさんで、会議室の机を囲む。
今回の会議は、外交、軍事寄りの人選だ。
会議冒頭、俺はこれまでの状況を説明した。
サイターマに馬賊が現れ、追跡するとミスル王国内にアジトがある。
ミスル王国大使を呼んで、馬賊討伐をお願いしたが、国境を越えて勝手に討伐してくれと言われ、あげくにミスル王国は、既に統治能力がないとまで言い切った。
「――と言うわけだ。正直、俺もじいも困惑している。どう対処したものだろうか?」
俺が話し終わると、黒丸師匠が冒険者ギルドの情報を提供してくれた。
「ミスルの冒険者ギルドは、とくに変わらず経営しているのである。悪い噂は、聞かないのである」
「そうですか。盗賊からの護衛案件が増えたとかは?」
「うーん、特に聞かないのである。そもそも、ミスルは隣国ギガランドと千年戦争などというバカバカしい争いをしているので、フリージアよりも治安が悪いのであるよ」
「そうか……。元々護衛案件が多い土地柄なのですね?」
「その通りである。だから、馬賊がいると聞いても、さもありなんである。じい殿は、何か情報を持ってないのであるか?」
黒丸師匠に話を振られたじいは、苦い顔をした。
「ミスル王国内の情報網は、構築中です。申し訳ありません」
じいは詫びたが、仕方がない。
これまでは、主に戦争相手のメロビクス王大国とニアランド王国の情報入手を優先してきた。
ミスル王国なんて、国境を接していなかったのだから、当然、後回しだった。
現在、じいは、人員の減った情報部を立て直しつつ、新しく国境を接した国に現地諜報員となるエルキュール族を送り込んでいる。
そんな訳で、情報部はミスル王国の情報を持っていない。
俺は、元ミスル王国貴族のエルハムさんに発言を求めた。
「エルハムさん。ミスル王国大使はアクトゥエン子爵だが、何か知らないですか?」
「アクトゥエン子爵……?」
エルハムさんは心当たりがないのか、腕を組み、首をひねっている。
俺がアクトゥエン子爵の外見を教えると、ようやく思い当たったらしい。
「ああ! あの人ですか! アクトゥエン子爵は、実直な内政家ですね。派手な功績はないですが、かといって大きな失敗もない。正直で裏表のないお人柄が取り柄の貴族です」
ふむ。
どうやら、『特徴のない無難な人』であるらしい。
「なるほど、わかった。ちょっと気になったのは……。アクトゥエン子爵は、内政家なのか? 外交じゃなくて?」
「ええ、そうです。ですので、大使といわれても、すぐには思いつかなかったのです」
「意外な人選ということか……。何か裏があるのか?」
俺は、かつて訪れたミスル王宮を思い出す。
しかし、ミスル王や大臣たちは、外交トラップを仕掛けてくるような謀略家には見えなかった。
内政畑の人物を、外交の要職である大使にあてる。
一体、何の意味があるのか?
みんなが考え込むと、ルーナ先生が別角度の意見を提示した。
「みんな考えすぎ。多分、人材不足で、アクトゥエン子爵にお鉢が回ってきただけ」
ルーナ先生は断言するが、人材不足とは?
「ルーナ先生。もうちょっと詳しく」
「ミスル王国は、長らく戦争をしている。戦死する貴族も多いし、捕虜になり身代金が払われない貴族もいる。当然、国の政治を担う貴族が減る」
「なるほど……それで、内政畑のアクトゥエン子爵が、外交に回らざるを得なくなったと?」
「そう。そもそも、私たちグンマー連合王国は、大陸北西部で最大勢力。軍事、経済ともに重要な国。そこの大使に子爵では、爵位が足りない」
そんなものだろうか?
俺は、その辺りの事情に疎い。
「じい、どう思う?」
「エルフ殿のご指摘はもっともですじゃ。伯爵クラスを送り込むか、傍系王族と外交実務に長けた子爵とか……。そうでなければ、我が国の国力と外交官の爵位が釣り合いません」
「じゃあ、ミスル王国は人材が枯渇していて、重要な外交相手に、畑違いの子爵を送り込むしか出来ないのか……」
「恐らく。実直な人柄を買われたのでしょう。得点は稼げなくても、失点をしなければ良いと」
「ふむ……エルハムさんはどう思う?」
「お二人のおっしゃる通りかと。さらに言えば、アクトゥエン大使がおっしゃった『ミスル王国が統治能力を失っている』というのも、あながちウソとは……」
「そうなのか!?」
エルハムさんがミスル王国にいた頃の話をしてくれたが、大きな街の近くは治安が良く問題ないが、地方になると盗賊が出るし、徴税が出来ていない地域もあるそうだ。
「少なくとも『統治能力を失いつつある』とは思います」
「じゃあ、国境を越えて馬賊を討伐してくれと大使が言ったのは……」
「本音だと思いますよ。たぶん、国境近くに兵を回す余裕はないでしょう。かといって、冒険者ギルドに頼むと、かなりの数の冒険者が必要でしょうから、お金がかかります」
「あの王様ケチそうだったからな!」
だんだんとミスル王国の様子が想像できてきた。
歴史のある地域大国だが、長い戦争で疲弊しきっている。
やっぱり、平和にシコシコ内政に力を入れるのが正解だ。
「わかった。俺たちで馬賊を討伐しよう。じい、大使経由で『馬賊討伐の為に国境を通過し、戦闘を行う』とミスル王国に通告を出して」
「かしこまりました」
「それから討伐は――」
俺が、どうしようかと一瞬考えると、黒丸師匠とルーナ先生が立ち上がった。
「それがしが行くのである!」
「私も行こう! 不測の事態に備えて、全力出撃を提案する!」
二人とも、やる気満々だ。
戦闘大好きコンビだからな。
本当は第二騎士団に任せたいのだけれど、第二騎士団は開拓で忙しい。
それに、国境を越えてミスル王国内で戦闘するとなると、不測の事態が起こるかもしれない。
ルーナ先生の言う通り、ここは全力出撃が良いだろう。
「よし! わかりました! 王国の牙! 出撃です!」
「了解!」
「了解である!」
俺、じい、ルーナ先生、黒丸師匠、そして元ミスル貴族のエルハムさんで、会議室の机を囲む。
今回の会議は、外交、軍事寄りの人選だ。
会議冒頭、俺はこれまでの状況を説明した。
サイターマに馬賊が現れ、追跡するとミスル王国内にアジトがある。
ミスル王国大使を呼んで、馬賊討伐をお願いしたが、国境を越えて勝手に討伐してくれと言われ、あげくにミスル王国は、既に統治能力がないとまで言い切った。
「――と言うわけだ。正直、俺もじいも困惑している。どう対処したものだろうか?」
俺が話し終わると、黒丸師匠が冒険者ギルドの情報を提供してくれた。
「ミスルの冒険者ギルドは、とくに変わらず経営しているのである。悪い噂は、聞かないのである」
「そうですか。盗賊からの護衛案件が増えたとかは?」
「うーん、特に聞かないのである。そもそも、ミスルは隣国ギガランドと千年戦争などというバカバカしい争いをしているので、フリージアよりも治安が悪いのであるよ」
「そうか……。元々護衛案件が多い土地柄なのですね?」
「その通りである。だから、馬賊がいると聞いても、さもありなんである。じい殿は、何か情報を持ってないのであるか?」
黒丸師匠に話を振られたじいは、苦い顔をした。
「ミスル王国内の情報網は、構築中です。申し訳ありません」
じいは詫びたが、仕方がない。
これまでは、主に戦争相手のメロビクス王大国とニアランド王国の情報入手を優先してきた。
ミスル王国なんて、国境を接していなかったのだから、当然、後回しだった。
現在、じいは、人員の減った情報部を立て直しつつ、新しく国境を接した国に現地諜報員となるエルキュール族を送り込んでいる。
そんな訳で、情報部はミスル王国の情報を持っていない。
俺は、元ミスル王国貴族のエルハムさんに発言を求めた。
「エルハムさん。ミスル王国大使はアクトゥエン子爵だが、何か知らないですか?」
「アクトゥエン子爵……?」
エルハムさんは心当たりがないのか、腕を組み、首をひねっている。
俺がアクトゥエン子爵の外見を教えると、ようやく思い当たったらしい。
「ああ! あの人ですか! アクトゥエン子爵は、実直な内政家ですね。派手な功績はないですが、かといって大きな失敗もない。正直で裏表のないお人柄が取り柄の貴族です」
ふむ。
どうやら、『特徴のない無難な人』であるらしい。
「なるほど、わかった。ちょっと気になったのは……。アクトゥエン子爵は、内政家なのか? 外交じゃなくて?」
「ええ、そうです。ですので、大使といわれても、すぐには思いつかなかったのです」
「意外な人選ということか……。何か裏があるのか?」
俺は、かつて訪れたミスル王宮を思い出す。
しかし、ミスル王や大臣たちは、外交トラップを仕掛けてくるような謀略家には見えなかった。
内政畑の人物を、外交の要職である大使にあてる。
一体、何の意味があるのか?
みんなが考え込むと、ルーナ先生が別角度の意見を提示した。
「みんな考えすぎ。多分、人材不足で、アクトゥエン子爵にお鉢が回ってきただけ」
ルーナ先生は断言するが、人材不足とは?
「ルーナ先生。もうちょっと詳しく」
「ミスル王国は、長らく戦争をしている。戦死する貴族も多いし、捕虜になり身代金が払われない貴族もいる。当然、国の政治を担う貴族が減る」
「なるほど……それで、内政畑のアクトゥエン子爵が、外交に回らざるを得なくなったと?」
「そう。そもそも、私たちグンマー連合王国は、大陸北西部で最大勢力。軍事、経済ともに重要な国。そこの大使に子爵では、爵位が足りない」
そんなものだろうか?
俺は、その辺りの事情に疎い。
「じい、どう思う?」
「エルフ殿のご指摘はもっともですじゃ。伯爵クラスを送り込むか、傍系王族と外交実務に長けた子爵とか……。そうでなければ、我が国の国力と外交官の爵位が釣り合いません」
「じゃあ、ミスル王国は人材が枯渇していて、重要な外交相手に、畑違いの子爵を送り込むしか出来ないのか……」
「恐らく。実直な人柄を買われたのでしょう。得点は稼げなくても、失点をしなければ良いと」
「ふむ……エルハムさんはどう思う?」
「お二人のおっしゃる通りかと。さらに言えば、アクトゥエン大使がおっしゃった『ミスル王国が統治能力を失っている』というのも、あながちウソとは……」
「そうなのか!?」
エルハムさんがミスル王国にいた頃の話をしてくれたが、大きな街の近くは治安が良く問題ないが、地方になると盗賊が出るし、徴税が出来ていない地域もあるそうだ。
「少なくとも『統治能力を失いつつある』とは思います」
「じゃあ、国境を越えて馬賊を討伐してくれと大使が言ったのは……」
「本音だと思いますよ。たぶん、国境近くに兵を回す余裕はないでしょう。かといって、冒険者ギルドに頼むと、かなりの数の冒険者が必要でしょうから、お金がかかります」
「あの王様ケチそうだったからな!」
だんだんとミスル王国の様子が想像できてきた。
歴史のある地域大国だが、長い戦争で疲弊しきっている。
やっぱり、平和にシコシコ内政に力を入れるのが正解だ。
「わかった。俺たちで馬賊を討伐しよう。じい、大使経由で『馬賊討伐の為に国境を通過し、戦闘を行う』とミスル王国に通告を出して」
「かしこまりました」
「それから討伐は――」
俺が、どうしようかと一瞬考えると、黒丸師匠とルーナ先生が立ち上がった。
「それがしが行くのである!」
「私も行こう! 不測の事態に備えて、全力出撃を提案する!」
二人とも、やる気満々だ。
戦闘大好きコンビだからな。
本当は第二騎士団に任せたいのだけれど、第二騎士団は開拓で忙しい。
それに、国境を越えてミスル王国内で戦闘するとなると、不測の事態が起こるかもしれない。
ルーナ先生の言う通り、ここは全力出撃が良いだろう。
「よし! わかりました! 王国の牙! 出撃です!」
「了解!」
「了解である!」
28
お気に入りに追加
4,057
あなたにおすすめの小説

野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。
没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生した元日本人ノエルは、父の急死によりエトワール伯爵家を継承することになった。
亡くなった父はギャンブルに熱中し莫大な借金をしていた。
さらに借金を国王に咎められ、『王国貴族の恥!』と南方の辺境へ追放されてしまう。
南方は魔物も多く、非常に住みにくい土地だった。
ある日、猫獣人の騎士現れる。ノエルが女神様から与えられた生産スキル『マルチクラフト』が覚醒し、ノエルは次々と異世界にない商品を生産し、領地経営が軌道に乗る。

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか
片上尚
ファンタジー
海の事故で命を落とした山田陽子は、女神ロミア様に頼まれて魔法がある世界のとある国、ファルメディアの第三王女アリスティアに転生!
悠々自適の贅沢王女生活やイケメン王子との結婚、もしくは現代知識で無双チートを夢見て目覚めてみると、待っていたのは3食草粥生活でした…
アリスティアは現代知識を使って自国を豊かにできるのか?
痩せっぽっちの王女様奮闘記。

お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)
いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。
---------
掲載は不定期になります。
追記
「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。
お知らせ
カクヨム様でも掲載中です。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる