19 / 358
第二章 流刑地への追放
第19話 貰った領地は、元流刑地だった
しおりを挟む
『北部王領に赴き。当地を治めよ。北部王領は第三王子アンジェロの所領とする』
突然の王命に俺もじいも混乱した。
王命を受けたのも初めてだし、王命の内容も内容だ……。
謁見の間にいた第一王子のポポ兄上がニヤニヤ笑っていたのが気になるが……。
ここで問い質すわけにもいかない。
貴族たちがざわつく王宮を後にして、後宮の自室に帰って来た。
北部王領って、どこだろう?
「じい、北部王領ってどこだ?」
「それが、わたくしも……とんと記憶にございませんで……」
じいも知らないのか……。
じいは軍に内政にと色々な部署で仕事をしていたせいで物知りだ。
そのじいが知らないとなると……、むむむ……。
「わたくしは王宮の事務方に詳細を確認して参ります。アンジェロ様は御母上様にご報告下さい」
「わかった。とにかく事情がわからん。時間が掛かっても良いから詳しく聞いて来てくれ」
「かしこまりました。情報を集めて参ります」
さて、俺は母上に報告しよう。
泣いたりされたら嫌だな……。
俺は母上のリアクションを心配していたのだが、意外な事に前向きに捉えてくれた。
「ちゃんと領地が貰えたのね! 良かったわ!」
なるほど、そういう考え方もあるか。
母親が平民出身の俺は立場が弱い。
領地を貰えただけで御の字……、という考え方も確かにある。
「それで、アンジェロ。北部王領ってどこなのかしら?」
「母上もご存じありませんか」
「聞いた事ないわね。王家の領地は、王都から商業都市ザムザまでの一帯と思ったわ」
商業都市ザムザは王都の東、地図でいうと右の方にある。
「商業都市ザムザは北部ではないですよね……」
「ええ、東部になるわ。あそこがフリージア王国の東部国境よ。北部……、王家の領地なんてあったかしら?」
母上が頬杖ついて考えだした。
母上の実家は商人だ。各地から商人がやってくる。だから地理には詳しい。
その母上も北部王領は思いあたらないと言う。
俺は母上の部屋を出て、自室でルーナ先生と話すことにした。
ルーナ先生は、俺個人が雇った魔法の先生という立場になっている。
なので、今回の『北部王領へ行け』という王命には従わなくても構わない。
もう五年も一緒に活動をしているのであまり離れたくはないが……。
こればっかりはルーナ先生の気持ち次第だ。
俺はルーナ先生に王命について話した。
「ふむ。アンジェロも領地持ちか。おめでとう。私もついて行ってやろう」
「良いのですか?」
「弟子の成長を見守るのが師匠の務めだ」
「ありがとうございます!」
嬉しい!
冒険者パーティー『王国の牙』を解散せずに済んだ。
それに北部王領がどんな所かわからない。
ルーナ先生が一緒に来てくれるなら心強い。
「ところで、アンジェロ。北部王領とは、どこだ?」
ルーナ先生も知らないのか……。
「それがわからなくて。じいも母上も知らないそうです」
「私も聞いたことがない。フリージア王国の北部は貴族の領地ばかりだったと思うが……」
「とにかく今じいが詳しいことを事務方に聞きに行っています」
「うむ。じい殿を待とう」
一体どこなんだよ!
北部王領って!
それからしばらくして、じいが何枚か丸めた羊皮紙を抱えて帰って来た。
眉根に深く、深く、シワが寄っている。深刻な話なのか?
「場所を変えよう。俺の書斎で話そう」
俺の書斎は、人の出入りがない。侍女も入室出来ないので、誰にも話しが聞かれない。
俺、じい、ルーナ先生の三人で会議が始まった。
「どうだった?」
「いや……、それが……、何からお話すれば良いのやら……」
「じゃあ、北部王領がどこにあるのか。まずそれから教えてくれ」
「はっ。この地図をご覧ください。北部王領は、ここです!」
じいは抱えていた羊皮紙を机の上に広げた。
フリージア王国の地図だ。
そして地図の上の方を指さした。
「かなり北の方だな……」
「左様でございます。フリージア王国の最北地です」
「王都からは、どうやって行くのだ?」
「まず商業都市ザムザに出ます。そこから街道が北西に伸びているので、ずっと街道を北上して、山脈を超えた所です」
俺達はじっと地図をにらんだ。
北部王領は王都の北東、地図でいうと右斜め上にあるが、森がある為に直通の道はない。
一回商業都市ザムザを経由しなくてはならい。
地図に描かれた道を辿ると、右端まで行って、左斜め上に三角形を描く様に移動して、最後は山越え……。
遠いだけではなく、交通の便もかなり悪そうだ。
俺が考え込んでいるとルーナ先生が質問した。
「して、じい殿。北部王領とは、どのような所なのだ?」
「はぁ~」
じいは深くため息をついた。
どうやら問題のある場所らしい。
「北部王領は……、元流刑地です……」
「流刑地!?」
「流刑地!?」
流刑地って……。
あ! オーストラリアが、昔イギリスの流刑地だった。
日本だと島流しってヤツだな。
「流刑地っていうと罪人を送り込む場所だよな?」
「左様でございます」
「そんな場所があったのか?」
「今は廃止され、放置されております。その辺の事情を聞いて参りました……」
じいの話によると……。
約百年前、フリージア王国の北に人の住んでいない土地があった。
そこに人を送り込んで開拓しようと考えた王様がいた。
だが平民や奴隷を送り込むとお金がかかる。
そこで王様は考えた。
『罪人を送り込んだら勝手に開拓すんじゃね?』
王様は北の土地を流刑地とし、バンバン罪人を送り込んだ。
しかし、十年経っても開拓は進まなかった。
それどころか、流刑にした罪人の中には、流刑地を抜け出して盗賊になる者が出た。
『これはイカン!』
王様は流刑地を廃止した。
その後、廃止された流刑地は放っておかれた。
「――と言った事情でございまして、その放置されている流刑地が北部王領でございます」
「……何というか、ロクな所じゃなさそうだな。そこに人が住んでいるのか?」
「わかりません。王宮も長らく放置していた為、情報がございません」
「私も長く生きているが、この話は初めて聞いた」
「ルーナ殿もですか。わたくしも今回初めて聞きました。これは、たぶん、上手くいかなかった施策ですから……」
「なかった事にしたかった?」
「おそらく」
なるほどね。いわゆる黒歴史ってヤツなのかな。
だからあまりこの話が伝わってないのか。
罪人を放り込んだって、勝手に開拓してくれる訳ないよな。
「なあ、じい。何で急にそんな辺鄙な土地に、俺が行く事になったのだ?」
「どうやら第一王子派閥の差し金ですな。有体に言えば、宰相のエノー伯爵が中心になって動いたようです」
「ああ、あの外交族の……」
「左様です。エノー伯爵としては、隣国ニアランド王国の血を引く第一王子ポポ様に王位を継承させたいのでしょう」
その辺の事情は知っている。
だが、俺は王位継承争いとは距離を置き続けている。
「でも、俺はポポ兄上の邪魔をしていないぞ! 王位に興味がないと言い続けて来たぞ!」
「存在自体が邪魔になったのでしょう。この五年間でドラゴンを何匹倒されましたか? 両の指では数えられない程ではないですか」
「そりゃ……修行で……」
「ダンジョンもいくつ制覇されましたか?」
「えーと十くらいかな……」
「わたくしの記憶が確かなら十五カ所です! それだけ目立てば、第一王子派にとっては目の上のたんこぶという訳でしょう」
「それで元流刑地なんて所に追いやると?」
「そうです」
むう。理不尽だ。
俺は好きにやらせて貰えれば、ポポ兄上が王様になっても一向に構わないのに。
「アンジェロ、じい殿。すまぬ。そんな影響が出るとは、魔法の師匠として、私の配慮が不足していた」
「ルーナ先生に責任はありませんよ。第一王子派の連中が理不尽なだけです」
俺はルーナ先生をフォローすると、腕を組んでむっつりと黙り込んだ。
だいたいだな~。
俺とルーナ先生と黒丸師匠が『王国の牙』として暴れまわったから、ここ数年魔物の被害が減ったのだぞ。
冒険者としての報酬や素材の売却代金から、税金だってたっぷり支払われている。
それをこの扱いは何だ!
「アンジェロ様、如何いたしましょうか? 王命は受けましたが、国王陛下に取り下げて頂くようにお願いする事も出来ますが?」
じいとルーナ先生が、俺をジッと見る。
考える必要はない。
俺の中で、もう答えは出ている
「この話、受けよう」
「よ、よろしいのですか?」
じいはかなり驚いている。
まあ、普通は取り下げてくださいって父上に泣きつくよな。
だけどね……。
「元流刑地だろうが、僻地だろうが、領地は領地だ。俺の好きに出来る。飛行機の開発も進めやすい」
そう。
後宮では俺や母上の立場が弱いから、色々遠慮している部分がある。
だが俺の領地という事なら誰に遠慮する必要もない。
開発費用は、冒険者生活で貯め込んである。
そろそろ開発に着手したいと思っていたから、領地が手に入るのは好都合だ。
「それにな。もう王都のゴタゴタはうんざりだ!」
王位継承争いは兄上たちで勝手にやってくれ。
アンジェロは脱落したと思うなら、それで良い。
「ただし、金は王宮に交渉してくれ。援助金とか、支度金とか、何か名目を付けて出して貰おう。第三王子がそんな辺鄙な所に向かうのだ。それなりの金額を貰って行こう」
「なるほど! 確かにそうですな!」
「なんだったらエノー伯爵に『手切れ金を寄越せ!』と言っても良い。王位継承レースから降りてやるから、たっぷり寄越せとな! ふんだくってこい!」
「かしこまりました!」
言っていて段々と腹が立って来た。
そうだ。遠慮する事はない。
こっちは出て行ってやるのだから、貰うものは貰って行こう。
北部王領、初めての俺の領地だ。
元流刑地でとんでもない所みたいだが、待っていやがれ!
突然の王命に俺もじいも混乱した。
王命を受けたのも初めてだし、王命の内容も内容だ……。
謁見の間にいた第一王子のポポ兄上がニヤニヤ笑っていたのが気になるが……。
ここで問い質すわけにもいかない。
貴族たちがざわつく王宮を後にして、後宮の自室に帰って来た。
北部王領って、どこだろう?
「じい、北部王領ってどこだ?」
「それが、わたくしも……とんと記憶にございませんで……」
じいも知らないのか……。
じいは軍に内政にと色々な部署で仕事をしていたせいで物知りだ。
そのじいが知らないとなると……、むむむ……。
「わたくしは王宮の事務方に詳細を確認して参ります。アンジェロ様は御母上様にご報告下さい」
「わかった。とにかく事情がわからん。時間が掛かっても良いから詳しく聞いて来てくれ」
「かしこまりました。情報を集めて参ります」
さて、俺は母上に報告しよう。
泣いたりされたら嫌だな……。
俺は母上のリアクションを心配していたのだが、意外な事に前向きに捉えてくれた。
「ちゃんと領地が貰えたのね! 良かったわ!」
なるほど、そういう考え方もあるか。
母親が平民出身の俺は立場が弱い。
領地を貰えただけで御の字……、という考え方も確かにある。
「それで、アンジェロ。北部王領ってどこなのかしら?」
「母上もご存じありませんか」
「聞いた事ないわね。王家の領地は、王都から商業都市ザムザまでの一帯と思ったわ」
商業都市ザムザは王都の東、地図でいうと右の方にある。
「商業都市ザムザは北部ではないですよね……」
「ええ、東部になるわ。あそこがフリージア王国の東部国境よ。北部……、王家の領地なんてあったかしら?」
母上が頬杖ついて考えだした。
母上の実家は商人だ。各地から商人がやってくる。だから地理には詳しい。
その母上も北部王領は思いあたらないと言う。
俺は母上の部屋を出て、自室でルーナ先生と話すことにした。
ルーナ先生は、俺個人が雇った魔法の先生という立場になっている。
なので、今回の『北部王領へ行け』という王命には従わなくても構わない。
もう五年も一緒に活動をしているのであまり離れたくはないが……。
こればっかりはルーナ先生の気持ち次第だ。
俺はルーナ先生に王命について話した。
「ふむ。アンジェロも領地持ちか。おめでとう。私もついて行ってやろう」
「良いのですか?」
「弟子の成長を見守るのが師匠の務めだ」
「ありがとうございます!」
嬉しい!
冒険者パーティー『王国の牙』を解散せずに済んだ。
それに北部王領がどんな所かわからない。
ルーナ先生が一緒に来てくれるなら心強い。
「ところで、アンジェロ。北部王領とは、どこだ?」
ルーナ先生も知らないのか……。
「それがわからなくて。じいも母上も知らないそうです」
「私も聞いたことがない。フリージア王国の北部は貴族の領地ばかりだったと思うが……」
「とにかく今じいが詳しいことを事務方に聞きに行っています」
「うむ。じい殿を待とう」
一体どこなんだよ!
北部王領って!
それからしばらくして、じいが何枚か丸めた羊皮紙を抱えて帰って来た。
眉根に深く、深く、シワが寄っている。深刻な話なのか?
「場所を変えよう。俺の書斎で話そう」
俺の書斎は、人の出入りがない。侍女も入室出来ないので、誰にも話しが聞かれない。
俺、じい、ルーナ先生の三人で会議が始まった。
「どうだった?」
「いや……、それが……、何からお話すれば良いのやら……」
「じゃあ、北部王領がどこにあるのか。まずそれから教えてくれ」
「はっ。この地図をご覧ください。北部王領は、ここです!」
じいは抱えていた羊皮紙を机の上に広げた。
フリージア王国の地図だ。
そして地図の上の方を指さした。
「かなり北の方だな……」
「左様でございます。フリージア王国の最北地です」
「王都からは、どうやって行くのだ?」
「まず商業都市ザムザに出ます。そこから街道が北西に伸びているので、ずっと街道を北上して、山脈を超えた所です」
俺達はじっと地図をにらんだ。
北部王領は王都の北東、地図でいうと右斜め上にあるが、森がある為に直通の道はない。
一回商業都市ザムザを経由しなくてはならい。
地図に描かれた道を辿ると、右端まで行って、左斜め上に三角形を描く様に移動して、最後は山越え……。
遠いだけではなく、交通の便もかなり悪そうだ。
俺が考え込んでいるとルーナ先生が質問した。
「して、じい殿。北部王領とは、どのような所なのだ?」
「はぁ~」
じいは深くため息をついた。
どうやら問題のある場所らしい。
「北部王領は……、元流刑地です……」
「流刑地!?」
「流刑地!?」
流刑地って……。
あ! オーストラリアが、昔イギリスの流刑地だった。
日本だと島流しってヤツだな。
「流刑地っていうと罪人を送り込む場所だよな?」
「左様でございます」
「そんな場所があったのか?」
「今は廃止され、放置されております。その辺の事情を聞いて参りました……」
じいの話によると……。
約百年前、フリージア王国の北に人の住んでいない土地があった。
そこに人を送り込んで開拓しようと考えた王様がいた。
だが平民や奴隷を送り込むとお金がかかる。
そこで王様は考えた。
『罪人を送り込んだら勝手に開拓すんじゃね?』
王様は北の土地を流刑地とし、バンバン罪人を送り込んだ。
しかし、十年経っても開拓は進まなかった。
それどころか、流刑にした罪人の中には、流刑地を抜け出して盗賊になる者が出た。
『これはイカン!』
王様は流刑地を廃止した。
その後、廃止された流刑地は放っておかれた。
「――と言った事情でございまして、その放置されている流刑地が北部王領でございます」
「……何というか、ロクな所じゃなさそうだな。そこに人が住んでいるのか?」
「わかりません。王宮も長らく放置していた為、情報がございません」
「私も長く生きているが、この話は初めて聞いた」
「ルーナ殿もですか。わたくしも今回初めて聞きました。これは、たぶん、上手くいかなかった施策ですから……」
「なかった事にしたかった?」
「おそらく」
なるほどね。いわゆる黒歴史ってヤツなのかな。
だからあまりこの話が伝わってないのか。
罪人を放り込んだって、勝手に開拓してくれる訳ないよな。
「なあ、じい。何で急にそんな辺鄙な土地に、俺が行く事になったのだ?」
「どうやら第一王子派閥の差し金ですな。有体に言えば、宰相のエノー伯爵が中心になって動いたようです」
「ああ、あの外交族の……」
「左様です。エノー伯爵としては、隣国ニアランド王国の血を引く第一王子ポポ様に王位を継承させたいのでしょう」
その辺の事情は知っている。
だが、俺は王位継承争いとは距離を置き続けている。
「でも、俺はポポ兄上の邪魔をしていないぞ! 王位に興味がないと言い続けて来たぞ!」
「存在自体が邪魔になったのでしょう。この五年間でドラゴンを何匹倒されましたか? 両の指では数えられない程ではないですか」
「そりゃ……修行で……」
「ダンジョンもいくつ制覇されましたか?」
「えーと十くらいかな……」
「わたくしの記憶が確かなら十五カ所です! それだけ目立てば、第一王子派にとっては目の上のたんこぶという訳でしょう」
「それで元流刑地なんて所に追いやると?」
「そうです」
むう。理不尽だ。
俺は好きにやらせて貰えれば、ポポ兄上が王様になっても一向に構わないのに。
「アンジェロ、じい殿。すまぬ。そんな影響が出るとは、魔法の師匠として、私の配慮が不足していた」
「ルーナ先生に責任はありませんよ。第一王子派の連中が理不尽なだけです」
俺はルーナ先生をフォローすると、腕を組んでむっつりと黙り込んだ。
だいたいだな~。
俺とルーナ先生と黒丸師匠が『王国の牙』として暴れまわったから、ここ数年魔物の被害が減ったのだぞ。
冒険者としての報酬や素材の売却代金から、税金だってたっぷり支払われている。
それをこの扱いは何だ!
「アンジェロ様、如何いたしましょうか? 王命は受けましたが、国王陛下に取り下げて頂くようにお願いする事も出来ますが?」
じいとルーナ先生が、俺をジッと見る。
考える必要はない。
俺の中で、もう答えは出ている
「この話、受けよう」
「よ、よろしいのですか?」
じいはかなり驚いている。
まあ、普通は取り下げてくださいって父上に泣きつくよな。
だけどね……。
「元流刑地だろうが、僻地だろうが、領地は領地だ。俺の好きに出来る。飛行機の開発も進めやすい」
そう。
後宮では俺や母上の立場が弱いから、色々遠慮している部分がある。
だが俺の領地という事なら誰に遠慮する必要もない。
開発費用は、冒険者生活で貯め込んである。
そろそろ開発に着手したいと思っていたから、領地が手に入るのは好都合だ。
「それにな。もう王都のゴタゴタはうんざりだ!」
王位継承争いは兄上たちで勝手にやってくれ。
アンジェロは脱落したと思うなら、それで良い。
「ただし、金は王宮に交渉してくれ。援助金とか、支度金とか、何か名目を付けて出して貰おう。第三王子がそんな辺鄙な所に向かうのだ。それなりの金額を貰って行こう」
「なるほど! 確かにそうですな!」
「なんだったらエノー伯爵に『手切れ金を寄越せ!』と言っても良い。王位継承レースから降りてやるから、たっぷり寄越せとな! ふんだくってこい!」
「かしこまりました!」
言っていて段々と腹が立って来た。
そうだ。遠慮する事はない。
こっちは出て行ってやるのだから、貰うものは貰って行こう。
北部王領、初めての俺の領地だ。
元流刑地でとんでもない所みたいだが、待っていやがれ!
21
お気に入りに追加
4,055
あなたにおすすめの小説

元ゲーマーのオタクが悪役令嬢? ごめん、そのゲーム全然知らない。とりま異世界ライフは普通に楽しめそうなので、設定無視して自分らしく生きます
みなみ抄花
ファンタジー
前世で死んだ自分は、どうやらやったこともないゲームの悪役令嬢に転生させられたようです。
女子力皆無の私が令嬢なんてそもそもが無理だから、設定無視して自分らしく生きますね。
勝手に転生させたどっかの神さま、ヒロインいじめとか勇者とか物語の盛り上げ役とかほんっと心底どうでも良いんで、そんなことよりチート能力もっとよこしてください。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。
転生幼女が魔法無双で素材を集めて物作り&ほのぼの天気予報ライフ 「あたし『お天気キャスター』になるの! 願ったのは『大魔術師』じゃないの!」
なつきコイン
ファンタジー
転生者の幼女レイニィは、女神から現代知識を異世界に広めることの引き換えに、なりたかった『お天気キャスター』になるため、加護と仮職(プレジョブ)を授かった。
授かった加護は、前世の記憶(異世界)、魔力無限、自己再生
そして、仮職(プレジョブ)は『大魔術師(仮)』
仮職が『お天気キャスター』でなかったことにショックを受けるが、まだ仮職だ。『お天気キャスター』の職を得るため、努力を重ねることにした。
魔術の勉強や試練の達成、同時に気象観測もしようとしたが、この世界、肝心の観測器具が温度計すらなかった。なければどうする。作るしかないでしょう。
常識外れの魔法を駆使し、蟻の化け物やスライムを狩り、素材を集めて観測器具を作っていく。
ほのぼの家族と周りのみんなに助けられ、レイニィは『お天気キャスター』目指して、今日も頑張る。時々は頑張り過ぎちゃうけど、それはご愛敬だ。
カクヨム、小説家になろう、ノベルアップ+、Novelism、ノベルバ、アルファポリス、に公開中
タイトルを
「転生したって、あたし『お天気キャスター』になるの! そう女神様にお願いしたのに、なぜ『大魔術師(仮)』?!」
から変更しました。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~
ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。
異世界転生しちゃいました。
そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど
チート無いみたいだけど?
おばあちゃんよく分かんないわぁ。
頭は老人 体は子供
乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。
当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。
訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。
おばあちゃん奮闘記です。
果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか?
[第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。
第二章 学園編 始まりました。
いよいよゲームスタートです!
[1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。
話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。
おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので)
初投稿です
不慣れですが宜しくお願いします。
最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。
申し訳ございません。
少しづつ修正して纏めていこうと思います。
異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか
片上尚
ファンタジー
海の事故で命を落とした山田陽子は、女神ロミア様に頼まれて魔法がある世界のとある国、ファルメディアの第三王女アリスティアに転生!
悠々自適の贅沢王女生活やイケメン王子との結婚、もしくは現代知識で無双チートを夢見て目覚めてみると、待っていたのは3食草粥生活でした…
アリスティアは現代知識を使って自国を豊かにできるのか?
痩せっぽっちの王女様奮闘記。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる