150 / 160
沼気の理知
148_ジーノ_
しおりを挟む
「サオリは優秀だね」
彼女の寝た後のリビングで三島と二人だ。
「ああ。沙織は関係ない様な些細な情報も顧客の情報は出来るだけ集める。と言うことは夫人の旦那に会ったのか?」
ある程度掻い摘んで話す。
「夫人は旦那に弱味を握られていると言うことか?」
「というより、そのお宝を与えてくれた夫に夫人なりに敬意を示しているのかもしれない」
弱味だけなら夫人は屈する人間ではない。
「で、そのお宝はなんなんだ?」
「分からないよ」
「けれど、それを手に入れれば夫人と対等に……それ以上の関係で交渉することが出来る」
「ああ」
「そのお宝が何かを知っているのは夫人と旦那だけか」
「……なんというか……夫人は僕にとって尊敬出来る所も多くある人だけれど、夫のケイゴは好きなタイプではないな。本当に夫人の夫というのが不思議な人だよ」
「……俺が行っても喧嘩になりそうだな。ウダウダ言わずに吐けって殴りそうだ」
「それは最終手段だね」
「そもそも夫人はどうやって子どもを奪うんだ?どうやっても親権はこっちにある」
「さあね。けれど、夫人なら人一人の精神を壊すのなんて容易い気がするよ」
自分で言って寒気がする。
三島も感じ取ったのか黙る。
「好き嫌いは言ってられないね。またケイゴに会いに行くよ」
「悪いな」
何もできない自分に苛立った様な三島に一言付け足す。
「ユーリを頼むよ」
彼女の寝た後のリビングで三島と二人だ。
「ああ。沙織は関係ない様な些細な情報も顧客の情報は出来るだけ集める。と言うことは夫人の旦那に会ったのか?」
ある程度掻い摘んで話す。
「夫人は旦那に弱味を握られていると言うことか?」
「というより、そのお宝を与えてくれた夫に夫人なりに敬意を示しているのかもしれない」
弱味だけなら夫人は屈する人間ではない。
「で、そのお宝はなんなんだ?」
「分からないよ」
「けれど、それを手に入れれば夫人と対等に……それ以上の関係で交渉することが出来る」
「ああ」
「そのお宝が何かを知っているのは夫人と旦那だけか」
「……なんというか……夫人は僕にとって尊敬出来る所も多くある人だけれど、夫のケイゴは好きなタイプではないな。本当に夫人の夫というのが不思議な人だよ」
「……俺が行っても喧嘩になりそうだな。ウダウダ言わずに吐けって殴りそうだ」
「それは最終手段だね」
「そもそも夫人はどうやって子どもを奪うんだ?どうやっても親権はこっちにある」
「さあね。けれど、夫人なら人一人の精神を壊すのなんて容易い気がするよ」
自分で言って寒気がする。
三島も感じ取ったのか黙る。
「好き嫌いは言ってられないね。またケイゴに会いに行くよ」
「悪いな」
何もできない自分に苛立った様な三島に一言付け足す。
「ユーリを頼むよ」
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説
あなたにはもう何も奪わせない
gacchi
恋愛
幼い時に誘拐されそうになった侯爵令嬢ジュリアは、知らない男の子に助けられた。
いつか会えたらお礼を言おうと思っていたが、学園に入る年になってもその男の子は見つからなかった。
もしかしたら伯爵令息ブリュノがそうかもしれないと思ったが、確認できないまま三学年になり仮婚約の儀式が始まる。
仮婚約の相手になったらブリュノに聞けるかもしれないと期待していたジュリアだが、その立場は伯爵令嬢のアマンダに奪われてしまう。
アマンダには初めて会った時から執着されていたが、まさか仮婚約まで奪われてしまうとは思わなかった。
いつだって二番目。こんな自分とさよならします!
椿蛍
恋愛
小説『二番目の姫』の中に転生した私。
ヒロインは第二王女として生まれ、いつも脇役の二番目にされてしまう運命にある。
ヒロインは婚約者から嫌われ、両親からは差別され、周囲も冷たい。
嫉妬したヒロインは暴走し、ラストは『お姉様……。私を救ってくれてありがとう』ガクッ……で終わるお話だ。
そんなヒロインはちょっとね……って、私が転生したのは二番目の姫!?
小説どおり、私はいつも『二番目』扱い。
いつも第一王女の姉が優先される日々。
そして、待ち受ける死。
――この運命、私は変えられるの?
※表紙イラストは作成者様からお借りしてます。
隣人はクールな同期でした。
氷萌
恋愛
それなりに有名な出版会社に入社して早6年。
30歳を前にして
未婚で恋人もいないけれど。
マンションの隣に住む同期の男と
酒を酌み交わす日々。
心許すアイツとは
”同期以上、恋人未満―――”
1度は愛した元カレと再会し心を搔き乱され
恋敵の幼馴染には刃を向けられる。
広報部所属
●七星 セツナ●-Setuna Nanase-(29歳)
編集部所属 副編集長
●煌月 ジン●-Jin Kouduki-(29歳)
本当に好きな人は…誰?
己の気持ちに向き合う最後の恋。
“ただの恋愛物語”ってだけじゃない
命と、人との
向き合うという事。
現実に、なさそうな
だけどちょっとあり得るかもしれない
複雑に絡み合う人間模様を描いた
等身大のラブストーリー。
運命は、手に入れられなかったけれど
夕立悠理
恋愛
竜王の運命。……それは、アドルリア王国の王である竜王の唯一の妃を指す。
けれど、ラファリアは、運命に選ばれなかった。選ばれたのはラファリアの友人のマーガレットだった。
愛し合う竜王レガレスとマーガレットをこれ以上見ていられなくなったラファリアは、城を出ることにする。
すると、なぜか、王国に繁栄をもたらす聖花の一部が枯れてしまい、竜王レガレスにも不調が出始めーー。
一方、城をでて開放感でいっぱいのラファリアは、初めて酒場でお酒を飲み、そこで謎の青年と出会う。
運命を間違えてしまった竜王レガレスと、腕のいい花奏師のラファリアと、謎の青年(魔王)との、運命をめぐる恋の話。
※カクヨム様でも連載しています。
そちらが一番早いです。
公爵令嬢 メアリの逆襲 ~魔の森に作った湯船が 王子 で溢れて困ってます~
薄味メロン
恋愛
HOTランキング 1位 (2019.9.18)
お気に入り4000人突破しました。
次世代の王妃と言われていたメアリは、その日、すべての地位を奪われた。
だが、誰も知らなかった。
「荷物よし。魔力よし。決意、よし!」
「出発するわ! 目指すは源泉掛け流し!」
メアリが、追放の準備を整えていたことに。
期待するような眼差しを向けられても困ります。貴方に告げるのは婚約破棄ですから。
田太 優
恋愛
私が浮気しているという噂が広められていた。
放置しておけば私だけでなく婚約者にも迷惑をかけてしまうのに、婚約者に相談しても気にするなの一点張り。
仕方なく自分だけで犯人を調べることに。
そして明らかになった、まさかの犯人。
奪われたものは、もう返さなくていいです
gacchi
恋愛
幼い頃、母親が公爵の後妻となったことで公爵令嬢となったクラリス。正式な養女とはいえ、先妻の娘である義姉のジュディットとは立場が違うことは理解していた。そのため、言われるがままにジュディットのわがままを叶えていたが、学園に入学するようになって本当にこれが正しいのか悩み始めていた。そして、その頃、双子である第一王子アレクシスと第二王子ラファエルの妃選びが始まる。どちらが王太子になるかは、その妃次第と言われていたが……
モブの私がなぜかヒロインを押し退けて王太子殿下に選ばれました
みゅー
恋愛
その国では婚約者候補を集め、その中から王太子殿下が自分の婚約者を選ぶ。
ケイトは自分がそんな乙女ゲームの世界に、転生してしまったことを知った。
だが、ケイトはそのゲームには登場しておらず、気にせずそのままその世界で自分の身の丈にあった普通の生活をするつもりでいた。だが、ある日宮廷から使者が訪れ、婚約者候補となってしまい……
そんなお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる