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無知の致良知

142_ジーノ_

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マンションに戻ると彼女の喘ぎ声に気づいた。
彼女はいつも出来るだけ声を抑える。
今も必死で声を我慢している。
それでも身体からはその反動のように感じている証拠を幾つも見つけることが出来る。
潤んだ瞳。硬く尖った胸の頂きを触ると腰が動く。
太ももを舐めれば切なそうな顔でその先を期待している。秘部に触れれば蜜が溢れている。
彼女から絡められる腕にゾクリとする。
声を我慢するほど快感を逃せずに身体が快楽に染まるのに、彼女は恥じらうように耐える。
その姿に愛しくなる。
もっと彼女に快楽を植え付けたくなる。
何度もイかせたい。
あの蕩けた表情を今は三島がさせていると思うと心が引き裂かれそうだ。
この関係を望んだのは彼女だ。
あの二人に乱入して三人で楽しむのも問題ないのかもしれないが、今は僕も三島も精神的に無理だ。
愛していなければ簡単なのに、愛とはつくづく厄介だ。

壁に寄りかかった身体を静かに起こし、玄関をそっと抜け出した。
時間もある。夫人の謎謎でも解こう。

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