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知ることを始めたい
xx5
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アパートの立ち見鏡の前で髪を整えながら物思いにふける。長い髪を器用にまとめていく。
叔母が出してくれたマンションは高校卒業とともに出て、今は築35年のボロアパートに住んでいる。
お給料は多い方ではないが、趣味もなく、友人関係も広くない私には十分だった。
中学までの私立の友達とも両親の死と共に途切れた。
高校は中途半端な転校と、やはり親がいないことや、
私が急な生活変貌についていくのが精一杯で人間関係を疎かにしてしまった。
社会に出てからようやく親友と思える人と出会えた。
同じホテル内でフロント業務をしている彼女は明るく自信に溢れている太陽みたいな人だ。彼女の側は陽だまりみたいに暖かい。そんな彼女にも私がなぜここにいるのかは話せていない。
過去に囚われている自分を自分自身情けないと思う。
どんなに真相が分かっても過去は変わらない。頭では理解しても感情がついてこないこの状況を彼女は呆れるだろうか。そう思うと胸が痛い。
すべて精算できたら話そう。
恥かしいことも苦しかったことも。
受け入れられなくても、きっと彼女は静かに聞いてくれるだろう。まずはそこから。
その時、彼女に対する後ろめたさより友人の愛しさを感じられると思うんだ。
マウロが出席するパーティまであと1週間を切った。
五月晴れの優しい季節だった。
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受け入れられなくても、きっと彼女は静かに聞いてくれるだろう。まずはそこから。
その時、彼女に対する後ろめたさより友人の愛しさを感じられると思うんだ。
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