重愛の配信

初めまして

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　ナリヨリでの初のコラボでは、多く寄せられたリクエストという名の質問の数々に答える『簡易型質問コーナー』がスタートした。

　最初の質問は『お互いの初めて会った感想は？』であり、ナリヨリはほんの少し照れ臭そうにリアルではまだ会ったこと無いですよね、と言葉を交わし質問を少し変えて最初のイメージとかにしましょうか。と話題を広げた。


「…じゃあ、先に自分から。ヨリ様の印象か。めちゃくちゃ自分の配信でも言った事なんだけど好みの理想が詰まってるなって思ってて。好きだなって一瞬でも思ったら目で追うようになるし気になるし。気付いたらドップリハマってましたね」

「凄い褒め言葉貰っちゃいました、えへへ。自分のナリさんの最初の印象は、ナリさんがまだ今の配信スタイルになる前の『はーい、始めます』って挨拶だった頃のなんですけど、見た目もモデルさんみたいだし声も綺麗で、堪らなくなって一度コメントをさせて貰ったんですよ、そしたら柔らかい笑顔で「ありがとうねぇ」って言ってくださって。その時から追いかけてるファンです」


　配信を見ている視聴者からすれば尊すぎるシーンではあったが二人の脳内での第一印象はもう少し歪んでいて、表面で見える綺麗な一面は、ナリヨリ夫婦の良さだけを際立たせていた。

　第二の質問は『もしイベントで同じ部で会えたら何をしたかったですか？』で、ナリはこれに「抱き締めたかった」と答え、ヨリは「変態かもしれないけれど匂いを嗅いでみたい」と笑って答えた。


　第三の質問は『ナリヨリ夫婦と呼ばれるのが嫌だったとかありますか？』でこれには二人して間髪いれずに「嫌だと思ったことは無い」と断言した。


　第四の質問の『お二人は恋人には尽くしたい？尽くされたい？』には二人して頭を抱えることになった。

　ナリは、自分はめちゃくちゃ嫉妬深いし尽くしたい！って気持ちが真っ先に出てくるんですけど、自分だけが尽くしてる状態はあんまり良くないなって思うようになってきてます。と真剣に答え、ナリって嫉妬深いんだとコメント欄を騒がした。

　ヨリは、尽くしたいが一番に出てくるかな。その人のことを一番理解してあげて長くずっと一緒に居れる関係でいたいなぁ。と話し、コメント欄では「愛妻決定では？」と盛り上がった。


　第五の質問で出た『コラボしてみたい人はいますか』にナリが「いないです、俺にはヨリ様だけで良くないですか？ヨリ様も俺だけで良いじゃないですか。なんで勝手に視界広げようとしてるのか理解できないんですよね」と牙を向いたのは想定外であった。あ然となった空間でコメント欄は人が読むことが不可能なスピードで流れた。


　突然の一人称俺にはヨリもダメージがあり、悶絶寸前で、ナリは無自覚だったのか、なんでこんなに騒ぎ始めたと疑問の顔であった。
自覚する頃には二人して恥ずかしさに視線が泳ぐ。

　コメント欄に溢れる「やっぱりイベントで二人の絡み見たかったな」が流れ始めると、ヨリは申し訳なさそうに「ごめんね、どうしてもその日はお昼までしか動けそうになくって」と言葉をつまらせたが、すぐに明るく「でもイベントは全身全霊で頑張るから、会場そして配信の皆もたくさん楽しんでくれたら嬉しいな」と二人で締めた。


　配信はナリの普段の配信時間よりも長く、二時間弱となったがアーカイブになった瞬間からも驚愕の再生数を誇り、二人の人気の高さを世間に証明する形となった。



　「………ストリーマーフェス、ナリヨリがやっぱり凄くトレンドになったりしているけれど、他にも有名配信者が勢揃いするからね。存分に楽しんで貰えたら登壇するすべての配信者が喜ぶと思う！たくさん、推しの名前呼んであげてね」