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「ハルト、何が食べたい?」『う~ん…オムレツ』「…オムレツ。また難しいのを…」『…出来る?』「この前作ってから一回だけ練習したんだけど一回も成功してないんだよね」『でもさ、見た目アレだけどいつも味は美味しいよ?』「…それあんま嬉しくない笑」『ごめん…笑』
そうしてハルトに美味しいご飯を作る為に買った愛読している料理本とにらめっこしながらオムレツを作った。
「…不味そ」
見た目がぐちゃぐちゃで食べさせるのが申し訳ない。
「…どうしよ」作り直そうかな、そう思っているとテーブルに食器をセットしていたハルトがフライパンを覗きに来た
『出来た?早く食べよ?』「…でも」『俺お腹空いた。限界』「…」
フライパンを手にしたハルトはぐちゃぐちゃのオムレツをお皿に盛りテーブルへと運ぶ。
『何してんのみお。おいでよ』「…うん」
言われるがままに席に座るといただきますって手を合わすハルト。その様子を見てじっと見る
「…どう?」
『…へ?美味いよ!』「…本当?遠慮なくはっきり言って?」『いやまじで美味いよ、みおも早く食べてみ?』「…」
そう言われてコーヒーを飲んでからオムレツを口にすると少しパサパサしているけど味は丁度いい塩加減でまあまあ…といったところだった。
『…ね?』「…うん。まあまあかな」
『そう?美味いのに…』
「…ハルトって優しいよね。そういう所が奥さんは………あ」
『…』
「…ごめん」
普段はあまり奥さんの話をしないようにしているのに、いつも勝手に嫉妬しているせいか何も考えずに"奥さん"と言ってしまった。
「…ごめんね?」『ううん…』
…はあ、一気にオムレツが不味くなった
卵には罪はないのに…ごめんね、ニワトリさん…。
そして食べ終わりお皿を一緒に洗ってソファーで休む
「…夕方まで何する?」『う~ん、DVDは?』「…DVD?借りてこようか?」『…』「ハルト…?」『…ごめん、
本当は映画とか連れて行きたいのに…』
「…何言ってるの?そんなの気にしないでよ」『…』「…すぐ行ってくるから待ってて?適当に借りてくるから」『…ん』
ハルトを一人家に残し、
近所にあるレンタルビデオ店へと足を運び新作の映画を何本か借りてまた家に帰るとソファーで眠っているハルトが居た。
「…寝てるじゃん」
少し残念に思いながらも大好きな寝顔を眺めた。そして恋愛物のDVDをセットしてから隣に座った。「…グスッ、」
いつの間にかハルトの存在を忘れて涙を流してしまった。だって主人公の女の子の恋がやっと実り最後には男の子に思いが通じたんだから。
女の子を自分に重ね合わせ、応援しながら見ていたから感情移入し過ぎて感動の涙が止まらない。
「…ぅぅ…グスッ」
『…みお?』
エンディングロールが流れる中、不意にハルトの心配そうな声が聞こえた。『え?!何で?何で泣いてんの?どうしたっ…?』「…」
本気で焦っているハルトはアワアワしていて少し面白い
「…何でもないよ」
『何もないって…やっぱ昨日の事気にしてんでしょ…?』「…え?」『本当にごめん。』「…」『もうユアちゃんとは極力話さないから…』「…違うよ」『…え?』「…映画に感動してただけ」『…え』
そう言ってエンディングロールが終わりメインメニューになっている画面を指差す「ハルトが寝てるから勝手に見てたの」『…あ、ごめん』「大丈夫だよ、疲れてたんだよね?起こすの可哀想だからそのままにしておいた」『…ありがとう』「…ううん」
『…じゃ、もっかい見ない?』「…え?」
『泣く程良かったんでしょ?俺も見たい』「…良いけど」『よっしゃ。じゃあ膝枕して?』「…え?…うん」
そう言うとハルトの頭が膝の上に来る。その時にふわりとハルトの香りが鼻を通り愛おしく感じ何となくハルトの頭を撫でていると私の手にハルトの手が重なった
「…?」ずっと画面を見ていた目を下に向けるとハルトがじっと私を見ていて心臓がどきりと跳ねる。
「…ハルト?」『…』私の声に応えることのないハルトは色っぽい顔をして私を見つめそのまま手首を引かれ首の後ろに手を添えられ唇が重なった。
「…ん」少し触れるだけの軽いキス。
「…ど、したの…?」『…別に?キスしたくなった』「…」『ねえ、この二人どうなんの?序盤で女の子振られちゃってんじゃん…』
「…結末言ったらつまらないでしょ?」『…う~ん、まあそうだけど知ってから見ても楽しいかな…って思った』「…」
「まあ見ててよ。感動するから」『…ん』
そうしてDVDを見ている間、ハルトはずっと私の手を握っていた。
やがて終わりエンディングロールになる「…あぁ、やっぱり感動する…ハルト、どうだった?」『…良かった』「…でしょ?」
『想いって伝え続ければいつかは相手に伝わるんだな…』
「…そ、だね…」『…』「ハルト…?」『…そろそろ帰るわ』「…え?」
そう言われて時計を見るといつの間にやら夕方になっていた。そりゃそうか。2時間ある映画を二回見たんだから。繋いでいた手をハルトから離し立ち上がって背伸びをする。
「…スーツ持って来るね」『…ありがとう』
部屋着から着ていたスーツに着替えてネクタイを結んであげる。奥さんがやっているのを想像して奥さんがやってあげたままの結び方をする。
「…出来たよ」『…うん』そう言うとハルトが鞄を持って玄関へと向かう。「…」『…じゃあ、また月曜日な』「…うん」
この瞬間がいつも寂しくて無理に笑顔を作る『…みお』「…ん?」『…おいで』
手を伸ばしているハルトの手に軽く触れると引き寄せられる。
「…なに?」『…ぎゅ、しよ?』「…」『明日1日分。次に二人で会える日までの分ぎゅーしよ…?』「…うん」
暫くの間ハルトに抱きしめられてその胸の中に顔を埋めてしっかりと温もりを感じた。
「…ハルト、もう大丈夫。ありがと…」『…もう少し』「…え?」
『俺が大丈夫じゃないから…』「…」『…帰りたくない。ずっとお前と居たい…』「ハルト…」
それでも時間は過ぎていく。玄関で抱きしめ合い数分が経過した。
「…ハルト、時間」『…』「…また月曜日ね?」『…ん』「…来てくれてありがとう」『…うん。…ねえ…好き?』「…うん、好き」『…俺だけ?』「…うん、ハルトだけだよ?」
『…男作んないでね?』
「作んないよ…」
そう言うと安心したような表情を見せ額にキスをされる。
『ずっと俺だけのみおで居てよ。』「…ん、わかったよ」『…不安』「不安になる必要なんてないよ…」『…うん』「じゃあまたね…」『…ん』
そう会話を交わしハルトは家から出て行った。
そうしてハルトに美味しいご飯を作る為に買った愛読している料理本とにらめっこしながらオムレツを作った。
「…不味そ」
見た目がぐちゃぐちゃで食べさせるのが申し訳ない。
「…どうしよ」作り直そうかな、そう思っているとテーブルに食器をセットしていたハルトがフライパンを覗きに来た
『出来た?早く食べよ?』「…でも」『俺お腹空いた。限界』「…」
フライパンを手にしたハルトはぐちゃぐちゃのオムレツをお皿に盛りテーブルへと運ぶ。
『何してんのみお。おいでよ』「…うん」
言われるがままに席に座るといただきますって手を合わすハルト。その様子を見てじっと見る
「…どう?」
『…へ?美味いよ!』「…本当?遠慮なくはっきり言って?」『いやまじで美味いよ、みおも早く食べてみ?』「…」
そう言われてコーヒーを飲んでからオムレツを口にすると少しパサパサしているけど味は丁度いい塩加減でまあまあ…といったところだった。
『…ね?』「…うん。まあまあかな」
『そう?美味いのに…』
「…ハルトって優しいよね。そういう所が奥さんは………あ」
『…』
「…ごめん」
普段はあまり奥さんの話をしないようにしているのに、いつも勝手に嫉妬しているせいか何も考えずに"奥さん"と言ってしまった。
「…ごめんね?」『ううん…』
…はあ、一気にオムレツが不味くなった
卵には罪はないのに…ごめんね、ニワトリさん…。
そして食べ終わりお皿を一緒に洗ってソファーで休む
「…夕方まで何する?」『う~ん、DVDは?』「…DVD?借りてこようか?」『…』「ハルト…?」『…ごめん、
本当は映画とか連れて行きたいのに…』
「…何言ってるの?そんなの気にしないでよ」『…』「…すぐ行ってくるから待ってて?適当に借りてくるから」『…ん』
ハルトを一人家に残し、
近所にあるレンタルビデオ店へと足を運び新作の映画を何本か借りてまた家に帰るとソファーで眠っているハルトが居た。
「…寝てるじゃん」
少し残念に思いながらも大好きな寝顔を眺めた。そして恋愛物のDVDをセットしてから隣に座った。「…グスッ、」
いつの間にかハルトの存在を忘れて涙を流してしまった。だって主人公の女の子の恋がやっと実り最後には男の子に思いが通じたんだから。
女の子を自分に重ね合わせ、応援しながら見ていたから感情移入し過ぎて感動の涙が止まらない。
「…ぅぅ…グスッ」
『…みお?』
エンディングロールが流れる中、不意にハルトの心配そうな声が聞こえた。『え?!何で?何で泣いてんの?どうしたっ…?』「…」
本気で焦っているハルトはアワアワしていて少し面白い
「…何でもないよ」
『何もないって…やっぱ昨日の事気にしてんでしょ…?』「…え?」『本当にごめん。』「…」『もうユアちゃんとは極力話さないから…』「…違うよ」『…え?』「…映画に感動してただけ」『…え』
そう言ってエンディングロールが終わりメインメニューになっている画面を指差す「ハルトが寝てるから勝手に見てたの」『…あ、ごめん』「大丈夫だよ、疲れてたんだよね?起こすの可哀想だからそのままにしておいた」『…ありがとう』「…ううん」
『…じゃ、もっかい見ない?』「…え?」
『泣く程良かったんでしょ?俺も見たい』「…良いけど」『よっしゃ。じゃあ膝枕して?』「…え?…うん」
そう言うとハルトの頭が膝の上に来る。その時にふわりとハルトの香りが鼻を通り愛おしく感じ何となくハルトの頭を撫でていると私の手にハルトの手が重なった
「…?」ずっと画面を見ていた目を下に向けるとハルトがじっと私を見ていて心臓がどきりと跳ねる。
「…ハルト?」『…』私の声に応えることのないハルトは色っぽい顔をして私を見つめそのまま手首を引かれ首の後ろに手を添えられ唇が重なった。
「…ん」少し触れるだけの軽いキス。
「…ど、したの…?」『…別に?キスしたくなった』「…」『ねえ、この二人どうなんの?序盤で女の子振られちゃってんじゃん…』
「…結末言ったらつまらないでしょ?」『…う~ん、まあそうだけど知ってから見ても楽しいかな…って思った』「…」
「まあ見ててよ。感動するから」『…ん』
そうしてDVDを見ている間、ハルトはずっと私の手を握っていた。
やがて終わりエンディングロールになる「…あぁ、やっぱり感動する…ハルト、どうだった?」『…良かった』「…でしょ?」
『想いって伝え続ければいつかは相手に伝わるんだな…』
「…そ、だね…」『…』「ハルト…?」『…そろそろ帰るわ』「…え?」
そう言われて時計を見るといつの間にやら夕方になっていた。そりゃそうか。2時間ある映画を二回見たんだから。繋いでいた手をハルトから離し立ち上がって背伸びをする。
「…スーツ持って来るね」『…ありがとう』
部屋着から着ていたスーツに着替えてネクタイを結んであげる。奥さんがやっているのを想像して奥さんがやってあげたままの結び方をする。
「…出来たよ」『…うん』そう言うとハルトが鞄を持って玄関へと向かう。「…」『…じゃあ、また月曜日な』「…うん」
この瞬間がいつも寂しくて無理に笑顔を作る『…みお』「…ん?」『…おいで』
手を伸ばしているハルトの手に軽く触れると引き寄せられる。
「…なに?」『…ぎゅ、しよ?』「…」『明日1日分。次に二人で会える日までの分ぎゅーしよ…?』「…うん」
暫くの間ハルトに抱きしめられてその胸の中に顔を埋めてしっかりと温もりを感じた。
「…ハルト、もう大丈夫。ありがと…」『…もう少し』「…え?」
『俺が大丈夫じゃないから…』「…」『…帰りたくない。ずっとお前と居たい…』「ハルト…」
それでも時間は過ぎていく。玄関で抱きしめ合い数分が経過した。
「…ハルト、時間」『…』「…また月曜日ね?」『…ん』「…来てくれてありがとう」『…うん。…ねえ…好き?』「…うん、好き」『…俺だけ?』「…うん、ハルトだけだよ?」
『…男作んないでね?』
「作んないよ…」
そう言うと安心したような表情を見せ額にキスをされる。
『ずっと俺だけのみおで居てよ。』「…ん、わかったよ」『…不安』「不安になる必要なんてないよ…」『…うん』「じゃあまたね…」『…ん』
そう会話を交わしハルトは家から出て行った。
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