悪女に駄犬は手懐けられない

兎束作哉

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第3章

08 『待て』なんて出来ない◇

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 恐怖としかいいようがない。


「凄いですね。ファルクス様」
「……本当にどうなっているのよ」


 ファルクスがいった討伐の話はすぐに耳に入ってきた。何でも、近衛騎士団が苦戦したビャッコを一人で相手にし、討ち取ったとか。もう、攻略キャラ様々というか、彼が戦っている姿が容易に想像できてしまった。殿下も、メイベもいたのに、彼一人で。誰の力も借りず。そこが恐ろしかった。
 今日の夜には帰ってくるということで、私はソワソワしていた。ファルクスは、私に約束したとおり、それはもう凄い成果を上げて帰ってくるのだから。ただご褒美をあげるだけじゃきっと彼は満足しないだろう。私からあげられるものなんて何もないのに。きっと彼はルンルンで帰ってくるに違いない。なんて言葉を言うか、それも想像できてしまう。
 ラパンは、詳しくファルクスと、ビャッコとの戦闘について教えてくれた。その話がここまで出回っているというのもまた恐ろしいが、一躍有名人になってしまった婚約者兼、護衛は果たして他の女性から言い寄られないのか。女性は強い男性を好む傾向にあるし、まだ籍は入れていないから言い寄られるのかもとか……


(いや、何私想像しているのよ!)


 もう、ファルクスにゾッコン! と言っているようなものじゃないかと思った。


「ラパン、ファルクスは後どれくらいで帰ってきそう?」
「あと一時間ほどかと。アングィス伯爵家には寄らず直接帰ってくるみたいで」
「……」
「どうしましたか? スティーリア様」


 私の命は一時間といったところか。もう、腹をくくるしかないと。私は、私の想像以上の成果を上げたファルクスにご褒美をあげるために立ち上がる。ラパンは、ん? と首を傾げていたが、彼女にこっそりこれから何をするかと教えたら、是非とも協力させてくださいといって飛び跳ねた。まるで、兎だなあなんて思いながら、私はラパンに任せお風呂と、身なりを整えて貰った。一時間といったが、正確には一時間半後、ファルクスが公爵家に到着したと知らされた。私は、自分の部屋でファルクスを待つことにし、ラパンにその事を伝えてもうことにした。
 真っ暗な部屋の中、私は彼の帰還を待つ。すると、まだ心の準備が出来ていないうちに部屋の扉が開かれる。


「ノックぐらいしなさい。ファルクス」
「すみません、スティーリア様」


 一瞬のあかりは、消えてしまい、すぐにまた暗闇が私達を包む。部屋にファルクスが入ってきたという事実だけが分かり、私は呼吸を整える。
 ご褒美はあげるつもりだ。でも、主導権を握らせたら不味い。それだけは分かっている。
 扉付近で立ち止まっているファルクスを呼び寄せ、私はベッドの縁に腰を掛ける。


「スティーリア様……命令されたとおり、俺は――」
「分かっているわ。だから、ご褒美をあげようと思ったの」
「ではっ!」


 目が輝く。そんなにも、嬉しいのだろうか。
 夜色の瞳は、闇と同化しているはずなのに、輝いて見えて、それか少し不気味だった。だが、期待する彼は犬のようで、可愛らしい。でも、騙されてはいけない。可愛いと思った瞬間噛みつく駄犬が、ファルクスなのだから。


「約束通りご褒美をあげるわ」


 そういうと、ファルクスは私の前に膝をつく。私はドレスの裾をたくし上げ彼に見えるように脚を開いた。その行動に驚いたのか、ファルクスの顔が少しだけ赤くなるのが分かった。こういう行為が本当に好きなのね……


「……どう?」
「美しいです。俺がこれまで見てきた、どの女性の足よりも……いや、スティーリア様、貴方は何処を見ても美しい」
「……っ、そう言うのは良いから。感想も……私の足、舐めさせてあげるわ。好きなだけ。好きでしょ?」


 彼におされないよう、私は無理矢理笑みを作る。精一杯、頑張って余裕たっぷりに見えるように。ファルクスがいつもそう私にしているように、私も彼を手の平で踊らせたかった。だって、こっちだけ動揺するなんて嫌だもの。
 彼はすぐに私の足に触れそうになるので、それを制止し、まずは命令をした。私の許しが出るまで触れては駄目よと。これは命令だといいながら言えば彼が素直に従うことは知っていたから出来たことだけれど……そんな私の策略にも気づかずファルクスははい、といい返事をし、私の足が輪郭を撫でるその感覚を堪能していた。足で顔を触られるなんて屈辱でしかないだろうに、彼はそれすらもご褒美だと感じているようだ。これだけみると、ドMに思えるのに、そうじゃないのを知っているから、私は何処まで自分の虚勢がバレずに張れるか試しているのかもしれない。


「いい子ね、舐めなさい」


 そういうと、ファルクスは待ちわびたかのように私の足に顔を近づける。そして、土踏まずを舐めるように舌を這わす。くすぐったいようなむず痒い感覚に襲われながらも我慢をする。あくまでご褒美をあげるだけ、でも、その先を望んでしまっている自分もいる。主導権を握り続けたいのなら、理性は手放してはいけない。それは暗黙の了解だ。
 ファルクスは、私の足の指を一本ずつ丁寧に舐めていく。その動きがゆっくりな分、私は足を這いずる舌の感覚を鮮明に感じることになってしまった。ねっとりとした舌が足の裏を這っていく感覚に、背筋がゾクリと震える。息が上がっていくのが分かるけれど、それを彼に悟られるわけにはいかない。


「気持ちいいですか? スティーリア様」
「これは、貴方へのご褒美なのよ? 私が気持ちよくなっても仕方がないじゃない」
「そうですか……なら、気持ちよくなって。そして、俺を強請って――」
「ひぃあっ!」


 彼は、私の親指と人差し指の間を強く舐め上げる。それだけで声が裏返ってしまう。だが、ファルクスはそれでも止めようとせず、続けて舌を這わせた。足の指が弱いなんて自分でも知らなかったが、こうされると気持ちが良いのは確かだった。足の指を舐められただけで、こんなに息を乱しているなんて知られたくないのに……でも、私の口からは聞いたこともない声ばかり漏れてしまうし、我慢することができない。


(触られていないのに、奥が疼く……)


 お腹のあたりがキュンとして、寂しくて、早く欲しいと言わんばかりに訴えてくる。それを無視して、私は息を整えようとした。だが、ファルクスはそんな時間すら与えてくれないらしい。今度は、足の裏を舐めながら舌で器用に指を這いずり回される。それに快楽を見出してしまった私の身体は正直に反応を示してしまい、股に熱が集まるのが分かる。


「ふぁる……やめてっ」
「ご褒美をくれるといったのは、スティーリア様ですよ。俺は、それ相応の成果をあげた。違いますか?」
「ちがわないっ、けどっ、あああっ!?」


 足を舐めていたはずの舌は、太ももに上がってき、濡れた私のそこが外気に触れる。ファルクスの息がそこにかかるだけで、私の身体は過敏に反応を示した。彼は太ももを噛みつき、強く吸い上げる。きっと、跡が残っていることだろう。それは何個も残っているに違いない。彼が、私を独占した証が……


「スティーリア様? こんなになってまでまだ我慢するのですか?」
「やだ……ちがうっ……」
「舐めますね」


 この駄犬が、待て、なんていう言葉を聞くはずもなく、私の下半身は彼に飲み込まれる。じゅるじゅるとはしたない音をたてながら吸うファルクスに私は声を我慢することすらできないでいた。足を舐められるだけでも快楽を得られたというのに、今度は自分の一番弱いところを吸われている。こんな状況に私が耐えられるわけもないが、それを見越してかファルクスは段々と舌の動きを激しくしていった。


「ふぁあああっ!?」


 頭が真っ白になる。息が苦しくなり、足が震えて力が入らないのにファルクスはそこから口を離そうとしない。私は、快楽を逃がす術が分からず、はしたなく声を上げた。もう駄目だ。我慢できない……
 するとファルクスは私のナカに指を入れ始める。やめて欲しいのに、そこは喜んで受け入れてしまい、すぐにぐちゃぐちゃと水音を響かせる。彼の指は容赦なく、私の中を攻め立てる。軽くイってしまいそうになりながらも必死で耐えていると、急に刺激が止まった。いやな予感がすると思いながら顔を上げるとファルクスの夜色の瞳と目があった。


「スティーリア様」
「な、なに、ふぁる……ふぁるくす」
「入れていいですか?」
「へ?」


 一瞬何を言われたのか分からなかった。ただ、彼は本気らしく、私の入り口に彼のものを押し当てている。興奮しているのか、少し息が荒くなっていて、息遣いが聞こえる。ダメだと否定しても今の状態では説得力なんて皆無に等しいだろう。だって……私はもう欲しくて仕方がなくなっているのだから。私が許可を出すまで挿入するつもりはないのか彼は動かずに待っているようだった。この間は本番までしなかった。でも今日はご褒美で、彼はその先を所望しているらしい。
 珍しく、待てをしているその姿は愛らしかった。すぐに挿入したくてたまらないだろうに、必死に我慢して。


(可愛い……)


 加虐心がくすぶられ、私は自分に主導権が戻ってきたと錯覚する。


「ダメよ」
「何故ですか、スティーリア様」
「もう少し待てないの? ファルクス」


 少し腰を動かしてみれば、ファルクスの先が私の中に入る。ファルクスは今すぐにその腰を動かしたいと、苦痛に悶える。珍しいその表情をずっと見ていたかった。今主導権を握っているのは私。そんな優越感、支配感がたまらなかった。でも、そう思っていたのは私だけだった。これは、本当に勘違い――


「スティーリア様」
「何? ファルクス」
「スティーリア様は、俺にご褒美をくれると言いました」
「ええ、いったわね」
「これは、そのご褒美ですよね」
「え、ええ……それが何?」
「……スティーリア様は誤解しているようですが、俺は『待て』の出来るお利口な犬じゃないです。貴方がよく言う『駄犬』ですね」
「え……っ!?」


 そういったかと思うと、ファルクスは私の腰を掴み一気に中を突き上げた。突然の刺激に頭が真っ白になったが、私はすぐに状況を把握しようと彼に訴えかけた。だが、私の意見など聞いてはくれないらしい。先程よりも激しく揺さぶってくるファルクスに私は太刀打ちができないでいた。
 気持ちいい……それしか考えられなくなり、私を突くファルクスはそんな私を見て満足げに微笑むのだ。獣のように、ひたすら絶頂をむかえようと彼は容赦なく私の中を穿つ。私はもう彼の良いように鳴かされる人形のようになってしまう。


「あっ、やっ、だめっ!」
「ダメじゃないでしょう? スティーリア様」
「いやぁああっ!」


 奥に押し付けられるそれにビクビクと身体が震えてしまう。駄目だといったのに、ぐりぐりと押し付けてくるものだから私の頭は真っ白になっていくばかりだ。
 これが初めてなのに、容赦無いファルクスに私は頭がおかしくなってしまいそうだった。


「スティーリア様」
「あっ、あっ、ふぁるくす……!」


 名前を呼ばれ、素直に答えると彼は嬉しそうに笑う。その顔が可愛いだなんて言ったら怒られるだろうか。私が優位だったのに……いつの間にか逆転されているこの状態に少し悔しくなった。けれど、彼に支配されているこの状況が今、たまらなく気持ちがいい。私がドMに成り下がったようで、彼の犬に成り下がったようで屈辱的なのに、彼の容赦のない荒々しい性交は、私の被虐心を煽った。


「ふぁるくすっ、もっと」
「……っ!?」
「んぁああっ!?」


 もう我慢できなかった。理性なんて飛んでしまった私は腰を揺らし、彼のモノを締め付けて更なる快楽を享受した。ファルクスが熱いものを放つと私はそれだけで身体を震わせ達してしまう。すると彼は興奮したように再び、私に覆い被さると再び腰を激しく動かし始めたのだった。


「スティーリア様、どうして欲しいですか?」
「……もっと」
「もっと……何でしょう?」
「……して……」
「はい、仰せのままに」


 理性が飛んでしまった私は、その答えを口にする。恥ずかしくて死にたくなるけれど、それでも彼から与えられる快楽はたまらなくて。もっととねだる私にファルクスは再び動き出す。何度も何度も二人は絶頂を迎えては止まることをしなかった。もう無理だと悲鳴をあげても彼は止まってくれない。一度の射精が長く、ずっと私の中に居るからお腹は膨らんでいるというのに、それでも彼は止めようとはしなかった。
 私の頭も身体も快楽に支配されてしまったが、彼は最後まで理性を残していた。余裕な彼は私にリードをつけて引っ張る。


「スティーリア様、もっと、もっと、もっと! 俺を強請って! 俺を欲しいって言って下さい。俺ばっかりじゃ、悲しいじゃないですか」
「んんんっ、んっ、ふぁる、ふぁっるっ! ほしい、もっとちょうだいっ」
「どこに欲しいですか? スティーリア様」
「ここぉ……ふぁるくすので、いっぱいにしてぇっ」


 もう羞恥心なんて何処かに消えてしまった。ファルクスが私の中から取りだして消してしまった。
 私は、そう言って彼の腰に足を絡めておねだりする。そんな私に彼はニヤリと笑って私に額にキスをした。律儀に、彼は私の唇にはキスをしなかった。彼はまだ理性を保っているようだ。私は完全に彼の犬に成り下がっているというのに。雌犬みたいにまたを広げて、彼の種子を強請っている。そうして、それを合図に止まっていた腰が動きを再開し、中に熱いものが放たれる。


「ふぁああっ!」
「スティーリア様」


 最後の一滴まで、私に注ぎ込もうと、彼は腰を動かした。あまりの衝撃に、私はそのまま意識を飛ばしてしまった。ファルクスはそんな私を愛おしそうに撫でながら微笑んでいた。本当に、馬鹿みたいに幸せそうなかおをして。そんなかおをしてくれたのなら、ご褒美をあげたかいがあったな、なんて思いながら、私は彼の腕の中で瞳を閉じた。


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