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第3章

02 婚約破棄

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 いい話と、悪い話は交互にくるものらしい。
 三日も経たないうちに、悪い知らせ……最悪な出来事がふりかかった。


「殿下、今日は何のご用があって? わざわざ公爵家まできてくださらなくてもよかったのに」
「今皇宮は、魔獣対峙の準備で忙しい。そんなところに呼べないだろう。それに、お前はそういう軍事に関わる事を耳にしたくないと前にいっただろう」
「いいましたっけ? 覚えていてくださっていたなんて意外ですわ」
「はあ……こんなことを言うためだけにここに来たのではないのに」


 小言を、聞える声で言ったのなら、もう小言ではないだろう。
 今回は、一日前に連絡があった。だから、いきなりきたというわけではないのだが、それにしても、連絡があってから公爵家を訪れるまでの時間があまりにも早すぎた。貴族とは遅いもので、なかなか腰を上げない生き物なのである。それなのに、帝国の皇太子様は、わざわざ公爵家まで足を運んでくださった。こっちが向かうことだって出来るのに、それが礼儀というものではないかと私は思っていたのだけれど。
 話なら庭で……といったのだが、談話室で良いといわれ、お父様も同版でいいといわれた。もうこれはただ事じゃないし、覚悟を決めていたがそういうことなのだろう。


(ああ、やっぱり……)


 さっさと終わらせてくれれば良いものの、何故彼は話を引き延ばそうとするのだろうか。忙しいといったのは嘘か。それとも、メイベとこれから会うからわざわざうちによったのか。もう、どうでもいいことまで考えてしまう。そういう風に、頭の中を他事で埋めなければ、これからいわれるであろう言葉に耐えられないと思ったから。
 お父様は、なかなか言い出さない殿下に対し、苛立ちを感じているようで、指の腹で服を叩く音が後ろから聞える。因みにファルクスは、部屋の外で待機している。さすがに、こんな話は聞かせられない。


「殿下、忙しいのでしたら、早く話してくださらないかしら。こちらも、暇じゃないので」
「お前が暇じゃない? 何か用事でもあるのか?」
「殿下には関係無いことじゃなくて?」
「……」
「分かっているんです。何となくですが……なので、早く話してください。殿下は、彼女の元に向かわなければならないのではないですか?」


 私がそう言うと、殿下は目を見開いてから、グッと膝の上に置いてあった拳を握った。そして、いいにくそうに、視線を下に落とす。何故、そんな態度なのか。お父様ではないけれど腹が立ってきた。私はこんな人を好きだったのだろうかと、呆れるくらいには。


(本当に惨めよね……)


 記憶を取り戻してからは、どうしようもない恋だと思った。記憶を取り戻したときには既に、私には悪女のレッテルが貼られていて、取り返しのつかないくらい殿下の私への印象は最悪になっていて。それでも、数ヶ月の間で、公爵家の皆とは和解出来た。もとより、公爵家の皆は、私がただの思春期だと思っていたらしく、公爵家の一人娘として大切に扱ってくれていた。それでも、彼らにした仕打ちは、記憶が混在した今、申し訳なく思っている。だから、変わろうと努力した。そのかいもあって、今ではお父様とも普通に喋れているし、使用人の表情も明るくなった。
 ただ、この男はどうしようもなかったという話だ。
 ヒロインが現われてしまってからはもう、私に勝ち目はなかった。それでも、私が彼にしがみついたのは、断罪を恐れたから……
 やった罪は消えない。だからこそ、どうにか繕って攻略キャラのご機嫌を取ろうとした。最悪な乙女ゲームだからこそ、悪役の死は免れないと。
 そうして、ようやく決意が固まったのか、殿下は顔を上げ、固く結んだ口を開いた。


「スティーリア・レーツェル公爵令嬢……君との婚約を破棄させてくれ」
「殿下それはあまりにも――!」
「お父様、落ち着いてください」


 立ち上がって今にも殴りかかりそうなお父様を制止、私は感情を表に出さないように殿下と向き合う。彼も、覚悟を決めたんだと、喉を鳴らし、こちらを見てきたが、何故か彼の瞳には不安と申し訳ない、といった感情が見て取れて、私はとても不快な気持ちになった。まだ、未練があるようなその瞳を向けて、私にどんな感情を抱いて欲しいというのだろうか。馬鹿馬鹿しい。
 覚めた目で、見つめ返し、私は頭を下げる。


「やはり、聖女のことですか」
「ああ……」
「上で決まったことなら仕方がありませんね。聖女と結婚すれば、帝国も安泰でしょう」
「……」
「何ですか、殿下」
「怒らないのか」
「怒るとは」


 お父様の拳が震えていて、これ以上殿下が下手なことを言えば、お父様が殿下を殴って、それがきっかけで私達が罰せられるのではないかとヒヤヒヤしてしまう。今すぐ、お父様をこの場から遠ざけたかったのだが、後のことを考えると、全部聞いて、ここで全て断ち切った上で今後のことを考えたかった。だから、聞いて貰う必要があった。
 お父様は、私を見て、すまないといった感じに首を横に振った。お父様が罪悪感を感じる必要もないのに。そうお父様に思わせたこの男に怒りが湧いてきた。一番怒るべきは、私なのかも知れないのに……でも、この結末を予期していたからこそ、冷静に対応出来たのかも知れない。
 アングィス伯爵の言葉を思い出して、彼もこうなると分かっていて、ああ言ったのだろうと今理解した。遅かれ早かれというやつだ。


「怒りませんよ。何となくそうなると思っていましたので。それに、殿下は私のことなど、眼中になかったでしょう?」
「そんなことはない。君は……俺の婚約者として、よく働いてくれたと思っている」
「働いた覚えはありませんわ。ただ貴方の……皇太子妃になるために努力しただけのこと。でも、この努力も無駄になってしまいましたね」


 私は自虐を言って笑う。
 殿下はそれに笑うことも、動ずることもなかった。私の機嫌を伺っているのだろう。けれど、私はこの男の前で、感情を出すわけにはいかなかった。哀れまれたくないのもそうだけど、この男に同情や、申し訳なさを抱き、そんな目を向けられたくなかったから。
 スティーリアはここまで頑張ってきた。耐えてきた。私の努力……けれど、結末を知ってしまった身からして、どうしようもない足掻きをしていたと。願望は叶わないのだと。


「分かりました。その婚約破棄、受け入れます」
「スティーリア」
「お引き取りください。殿下。もう、今、この瞬間、私達は婚約破棄をしました。それが成立しているのですから、殿下との関係は終わったということです。貴方も、精々しているでしょう?」
「……」
「お引き取りください殿下。四大魔獣の討伐……お気を付けて。ご武運を」


 お父様と私は立ち上がる。殿下は待ってくれというように顔を上げるが、私達は黙って部屋を出た。お父様が、再度殿下に釘を刺したことで、殿下は渋々部屋を出て帰って行った。行き先は、男爵領じゃないところを見ると、皇宮に戻るらしい。皇宮に、メイベがいる可能性もあるが……もうどうでもいい。


「スティーリア、すまなかった。私がもっと見ていれば……」
「お父様が謝ることありませんわ。聖女様には……その、勝てないですから」
「そんなこと! そんなことない、スティーリア。よく、よく頑張ったな」


と、お父様は私を抱きしめてくれる。抱きしめられたことで、それまで塞き止めていたものがあふれ出し、私の瞳から、大粒の涙があふれ出す。

 本当は悲しかった。
 もしかしたらって、殿下と結ばれるかも知れないって……妃教育は、私の人生は、努力は何だったんだろうって。全部、全部無駄に思えてきて。でも、それをお父様だけでも肯定してくれて、ただ今はそれが嬉しかった。それでも、あふれ出した悲しみや、やるせなさはすぐには消えてくれなかった。しばらくの間、お父様に抱き付いて、年甲斐もなく私は泣きじゃくった。


「落ち着いたか、スティーリア」
「ええ、ありがとうございます。お父様……その、すみません。色々サポートもしてくださっていたのに」
「気にするな。残念だったが……それに、腹立たしいことではあるが。スティーリア、お前はもう好きに生きていいんだ。皇太子妃になりたいという気持ちもあるかも知れないが、もし、あの皇太子に未練がないのであれば、お前には自由に生きて欲しい。身分など気にするな。お前が選んだ奴なら、私は認めよう。好きに生きろ、スティーリア」


と、お父様は温かい言葉を私に掛けてくれた。その言葉が嬉しくて、再度私はお父様に抱き付いた。私を受け入れてくれるお父様にありがとうという気持ちでいっぱいになって。そうしてお父様を見送り、私はふと後ろを振返った。そこには、私の護衛がいて、ただ黙ってそこに立ち尽くしている。


「ふぁ、ファルクス、いつからそこに……?」
「ずっとです。スティーリア様が婚約破棄をされ、殿下が出ていき、スティーリア様が泣き止むまで、ずっと」
「……」


 淡々といファルクスに気味悪さを感じつつも、それまで黙ってことの顛末を見ていたファルクスに怒りを覚えた。けれど、今それをぶつけてもただの八つ当たりになってしまうと私は堪えた。ファルクスのことだ、いつものこと、そう言い聞かせて、私はファルクスを睨み付ける。彼の瞳は動じなかった。


「それで、何? 婚約破棄されて、泣いている私を哀れに思ったわけ? 盗み聞きなんて趣味が悪い」
「いえ。話し掛けようと思ったのですが、タイミングを見失い…………哀れになんて思っていません。寧ろ――」


 ファルクスは口元を覆って何かを呟いた。けれど、それが聞えず私が首を傾げれば、一歩大きく踏み出し、距離をつめてきた。私よりも何十㎝と背が高い男がそこにいたら、誰でも警戒するものだ。ファルクスとの距離は一mほどなのに、それに私は腰が引けて後ずさりしてしまう。


「何……よ」
「皇太子は、本当に見る目がないと思っただけです。いくら、聖女が現われたからといい、こんな素敵な女性を手放すようなことを……俺だったら、一生手放さないのに」
「ふぁ、ファルクス」


 触れるなと、命令したかったが喉が締ったように喋ることが出来なかった。彼の伸びてきた手は、私の銀色の髪をすくい上げ、彼は自分の口元へ私の髪を寄せた。そうして、ファルクスは私を読めない表情で見る。私は理解不能なこの状況に動くことが出来ず、立ち尽くすしか出来ない。けれど、彼の魔性の瞳に吸い込まれそうになり、口が自然と開いていく。


「スティーリア様、俺は貴方に婚約を申し込みたい。貴方を一生大切にすると誓います。あんな男のように、貴方を悲しませたりしない」




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