不遇令嬢は発情皇子に溺愛される ~私は世界一不幸な女の子だったはずなんですが!?~

兎束作哉

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番外編SS

どきどきっ!!女子会◇

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「シェリー様久しぶりです」
「久しぶり、アドニス。元気そうで、何よりだわ」


 いつも呼んでもらってばかりだから、と、今回は私から、シェリー様にお茶会をしましょうと誘った。
 シェリー様も、シェリー様で色々あっただろうし、誘うのは躊躇われたけれど。ロイさんとあのあとどうなったとか。しかし、たまには二人でゆっくりしたいという気持ちもあったので、今回こうして彼女を家に招いたのだ。

 そして、私が選んだ茶葉を使って、紅茶をいれた。勿論、茶葉にも、カップにも毒は塗られていない。なんだか、あの時のことを思い出して、少し怖くなるけれど、あれも一つの経験だったと流せるようになった。死人が出かけて、一つの経験になったって、言い方は、あれかもだけど。
 シェリー様は、スッとカップに口をつけて静かに飲むと「美味しいわ」と顔に笑顔を咲かせる。飲む姿も、カップをソーサーにおくその最後の瞬間までも美しくて、思わずうっとりとした溜息が出てしまうほどだった。本当にシェリー様はお美しくて、私の永遠の目標だ。彼女みたいな色気は一生出せる気はしないけれど。ううん、経験の差……なのかも知れない。
 そんな風に、シェリー様のことをじっと見ていれば、見すぎよ、と言わんばかりに苦笑される。私は思わず、頭を下げた。


「そんな熱い視線送らなくても……照れちゃうわ」
「す、すみませんっ」
「別に怒ってないわ。本当に、アドニスって面白いわね」
「面白いって……私、全然面白いこと言えませんし」
「そういうことじゃないのよ。まあ、そういう所ね。面白いっていうのは」


と、くすっと笑う。私には、よく分からないが。まあ、でも褒められてるんだろうと思っておこうか。

 それにしても、とシェリー様は続ける。


「ロイとのこと気にしてくれて、私を呼んでくれたんでしょ?」
「は、はい……その、大丈夫でしたか」
「ええ、誤解も解けて。ロイったら、酷いのよ? 初めから裏切ってませんでした、とか、信じてくれていなかったんですかって。でも、しっかり謝罪の言葉は貰ったし、その……」


と、もじっとシェリー様は口ごもる。顔がポッと赤くなったのを見て私は、なるほどなあ、と納得する。いつもは、もう少し胸元の開いたドレスを着ているけれど、今日は首まで隠れて、露出低めのドレスを着ている。濃いピンク色のドレスも似合うシェリー様は、その布の下に、見せられないほど多くのキスマークを咲かせているんだろう。さすがは、ロイさん、抜け目ない。しっかりと、独占欲を出してきている。

 ともあれ、二人とも誤解が解けて(シェリー様が一方的に勘違いしていたって言う方が正しいのかもだけど)、元通りの関係になったみたいだしよかった。私がほっと胸をなで下ろしていれば、シェリー様は思い出したように「そうだ」と声を上げる。


「キールのことなんだけどね」
「キール……の」
「うん。ああ、もう大丈夫よ。とっくに国外に追放されてるし、その国の規律の厳しい修道院に入れられたみたいだから。まあ、それも、一ついい報告として、私、一度あの子が収監されているとき会いに行ったの。でもね、矢っ張り全然反省していなくて、キャロル様とライラ殿下の許しも得て、一発ねバシンッて頬を叩いてやったのよ」


 そういって、シェリー様は平手打ちの真似をする。スッキリした、という顔をした彼女は本当に憑き物が落ちたみたいに輝いて見えた。
 シェリー様も、私もキールには散々引っかき回されて、迷惑していたけれど、こうして嵐が去った今、私達二人にはもう何の障害もなくて。平穏がやっと訪れたのだと実感した。


「ああ、そうだ。アドニス。キャロル様との夜の生活は上手くいっている?」
「よ、夜の生活……ですか」


 飲んでいたお茶が危うく出るところだった。私は、咳き込んで生理的な涙を目に浮べながら、シェリー様は見る。何故か彼女は、得意げに胸をはっていた。ただでさえ大きい胸なのに、張ったら張り裂けそうだ。


「この間ね、とっても経験のある人に聞いたのよ。たまには、積極的にならないと飽きられちゃうって」
「そ、そうなんですか」


 それは嫌だなあ、なんて思いながらも、キャロル様が私に飽きる事なんてある? と何処かで思う自分がいる。自分に自信があるわけでもないけれど、キャロル様に、好き、可愛い、愛してる、って言われるたび、浮かれて気が大きくなってしまっているのかも知れない。 
 でも確かに、キャロル様はいつも私をリードしてくれていて、私からは何もしていないけれど。


(あ、飽きられたくない!)


 その気持ちが強くなって、私はシェリー様に助言をと申し出た。何でこんな話しになったかは、置いておいて、シェリー様がまたいらぬ知恵をつけたのではないかと思いながらも、私は、彼女に聞く。


「ど、どうすれば良いんですか」
「ええっとね、ちょっと、そのえっち……な、下着を着けて、誘ってみるとか」


 言葉にするのはまだ恥ずかしいようで、シェリー様はあれだけ意気揚々と語っていたけれど、いきなり小さくなってそう呟いた。
 エッチな下着、というパワーワードに私もわなわなと唇を震わせる。
 一度として、そんな下着……というか、人に見せるための下着を着たことがなかったからだ。抵抗があるわけじゃないけど、似合わないし、やる気満々みたいで嫌だなと思ったんだけど、そもそも、そういうための下着の話をしている。
 私は再度シェリー様を見る。彼女は、顔を赤らめながらも「やる価値はあるわよ」と親指を立てた。
 助言は貰ったけれど、どんな下着が良いのとか、一人で買いに行くのは心細いので、私はシェリー様に頼み込んでついてきて貰うことにした。シェリー様も、親友の下着選びは私がしなくちゃ、とまた変なスイッチが入ってしまったのか、お店に入った途端あれや、これやと、私に試着してといってきて、それはもう大変だった。でも、こんな友達がいるって凄く楽しくて、憧れだったから、本当に有意義な時間を過ごせたと思う。一応、下着もちゃんと買えたし。


「……すぅ……はー……よし」


 夜。今夜は、キャロル様が侯爵邸に泊まりに来てくれた為、難なくことは進み、キャロル様が待っている部屋の前で私は深呼吸をした。キャロル様には先に部屋で待っていて欲しいと伝えた。こっちも、色々心の準備というものがある。


(うう……でも、矢っ張り恥ずかしい)


 分厚いカーディガンで下着を隠しているが、廊下を歩くとき誰かに出くわすんじゃ……という不安もあって、じっとしていられなかった。そして、こんな恥ずかしい下着を
(って自分も納得してかったんだけど)今から、キャロル様に見せに行くかと思うと、沸騰してしまいそうになる。痴女だって思われたらどうしようっていう気持ちも半分あって複雑だ。
 トントン、と優しく扉をノックすれば、中から「はい」とキャロル様の優しい声が聞え、扉が開かれる。過剰に身体が反応して、肩が大きく上下する。


「アドニス?」
「あ、あの……えっと、キャロル様、あの、お部屋に入ってもよろしいでしょうか」
「うん? いいよ。僕も君を待っていたし……」


と、キャロル様は言いつつ、スッとその視線が、私の身体へと落とされる。


「どうしたの? いつもより厚着で。風邪でもひいたの?」
「いいい、いえ! これは、ちがくて……えっと、ととりあえず、部屋に入らせて下さい。見られたら不味いので」
「ん?」


 状況が理解できていないキャロル様の背中を押して、私は部屋に無理矢理入り込む。それから、ぜーはーと息を切らし、仄暗い部屋で、キャロル様を見上げた。月明かりに照らされ、彼の金髪は、いつもより白く輝いていた。けれど、時々星が瞬くようにキラリと黄金に光るのだから、目が離せなくなる。


「アドニス」
「は、はいっ!」


 名前を呼ばれて、ビクリッと大袈裟に反応してしまう。キャロル様は、少し不思議そうな顔をしてから微笑んでくれる。それがまた格好良くて、心臓が高鳴る。キャロル様は、ベッドの上に座ると手招きをして、私を呼ぶ。
 私はそれに吸い寄せられるように近づき、隣へ腰掛けた。キャロル様の手が伸びてきて、頬に触れる。私はその手に自分の手を重ねて、キャロル様を見た。


「それで、どうしたの? アドニス。君らしくないよ」
「えっと、それが、えっと」
「大丈夫。ゆっくり話してごらん?」


と、キャロル様に同情の目を向けられる。


(いえ、そんな深刻な問題じゃないんです!)


 なんて、口に出せず、私はどう切り出せば良いか、分からなかった。頭の中で、シェリー様の「女は度胸よ! 積極的に!」という言葉が再生され、私はバッと立ち上がる。もう、どうにでもなれって半分諦めて、私はカーディガンを脱ぎ捨てた。
 ピンクのリボンがあしらわれ、極度に布面積の小さいえっちな下着。


「きゃ、キャロル様ッ! ど、どうですか。私、えっちですか」
「あ、アドニス!?」


(キャ――――ッ!? 私、何言ってるの!?)


 頭が回らなくなって考えに考えた結果でた言葉は、何とも貴族のご令嬢らしからぬ言葉だった。キャロル様は、驚いて口を開けたまま硬直している。ひかれちゃったかな……なんて、私が思っていれば、「くっ……」と、キャロル様が声を漏らす。


「アドニス……っ」
「きゃっ」


 ドンッと、いきなり両手首を捕まれて、ベッドへと押し倒され、次から次へと起こる事態についていけない私は、ただただ混乱していた。キャロル様の顔がどんどん近づいてきて、キスされるんだと気づいて私はギュッと目を閉じる。


「ふぁっ……あっ……んっ」


 唇が重なって、舌が絡まる。それに合わせてキャロル様の指先が私の身体の上を這う。キャロル様の身体が密着していて、お互いの体温が混ざり合う。身体に力が入らなくて、されるがままに、服の中に手が入ってきて、下着越しに胸を揉まれる。それだけで、もう何も考えられなくなってしまう。


「見られたら不味いって……ハッ、このことだったんだね」
「きゃろる……」
「うん、キャロルだよ。君だけの、アドニスだけの……でも、まさか、君がカーディガンの下にこんなえっちな下着を着ているなんて思いもしなかったよ」
「……引きましたか?」
「全然。寧ろ、凄く興奮してる」


と、キャロル様は嬉しそうに私の頬を撫でる。手が、熱かった。


「確かに、ねっ? こんな姿、誰にも見せたくないよ。こんなアドニスを見て良いのも、アドニスのえっちな姿を見て良いのも、僕だけ。ずっと、これからも僕だけだから」


 キャロル様は興奮気味にそういうと、また私の首筋に顔を埋めて、ちゅうっと強く吸う。


「んっ、やっ……」
「可愛い。凄く、可愛い」
「あんっ」


 耳元で囁かれて、変な声が出てしまう。キャロル様は、そのまま耳にもちゅっと口づけを落として、舐める。ピチャッピチュッという音が脳に直接響いてくるようで、ゾクゾクする。身体の奥がジンジン疼いてきて、無意識に足を擦り合わせてしまう。
 キャロル様は、私の下着の中へと手を侵入させて割れ目に指を這わせる。
 凄く興奮しているっていうのが、息づかいから感じられたし、これは作戦成功なのでは? と、私は嬉しくて思わずフフッと笑みを零してしまう。


「アドニス、どうしたの? 急に笑って」
「いいえ、キャロル……さ、キャロルが、私に興奮してくれているんだって思って、嬉しくなって」
「そんな、今更だよ――でも、今日の君は特別にえっちで可愛いよ」


と、サラリと私の髪を撫でるキャロル様。

 こんなことをしなくても、きっと愛してくれるんだろうけど、こうやってたまには刺激していかないといつ飽きられちゃうか分からないし。


(そうならないように、頑張らなきゃ!)


 私は、そう胸に誓って、キャロル様からの愛撫でに必死にしがみついて、答えたのだった。



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