婚約破棄を言い渡された悪役令嬢は酔った勢いで年下騎士と一夜を共にする

兎束作哉

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番外編SS

ファーストキスの相手は?

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※第三章終了直後のロブロイとシェリーになります。



「シェリー様、今日はキスの日らしいんですよ」
「げほっごほっ……ろ、ロイ、いきなり如何したの?」


 飲んでいたカクテルが変なところに入り、むせ込みながら私は護衛騎士であり恋人のロブロイ・グランドスラムことロイを見上げた。  
 彼は私の反応に満足そうに微笑んでから話を続ける。全く悪気も、何故私がむせ込んでいるのかも分かっていないようなその態度に、私は少しだけムッとしてしまう。

 恋人になって早数ヶ月経つわけで、キスより先に酔っていたとはいえ既に初体験も終わらせ何度も一夜を共にしているので、こんな事で動揺していてはいけないのだが。
 ちなみに今いる場所は帝国内にあるバーで、周りには他にお客さんはいないしマスターと私たちだけしかいない。それもマスターは私達の邪魔をしないようにと、グラスを黙って磨いている。


「まあ、この文化はこの帝国だけなので世界的には違う日なんですけど」


と、ロイは付け足しながら私の方を見た。

 ワインレッドの瞳はいつもよりもずっと熱っぽくて、私は思わずドキリとする。まるで、獲物を狙う獣のような目だと思ったからだ。 
 そんな風にじっと見つめられると照れてしまうというか……いや、別に嫌とかではないのだけれど。でも何だろう、胸の奥の方がそわそわしてきて落ち着かない気分になる。
 彼がそんな目で見つめてくるときは大抵、私を求めているというサインなのである。
 そしてふと思い出したようにロイは口を開いた。


「そういえば、シェリー様のファーストキスっていつでしたか?」
「ふぁ、ファーストキス!?」


 またむせた。しかも今度は先程よりも激しく咳き込んでしまう。
 まさかロイの方からそういう話題を出してくるとは思わなかったので余計に驚いたのだ。
 今までそういった類の話をしたことが無かったわけではないけれど、そんなド直球に聞かれてしまうとどう答えれば良いのか分からなくなってしまう。
 そもそも、そんなこと聞いて如何するのだろうか?
 私は、ロイを見ながら返答を考えるフリをしてどうにか話題を変えようと必死に思考を巡らせた。


(ファーストキスも何も、全てロイが初めてなのに!)


 なんて言えればいいのだけど、流石にそれは恥ずかしくて言えない。
 前世ですら、恋人すらおろか男友達だっていなかったわけだし、女友達ともそういう話をしなかったため本当に全てが初めてなのだ。
 それに、もし仮に私がそういう事を言ったとしても信じてもらえないだろう。だって、この世界の私は悪役令嬢に分類される公爵家の養子のシェリー・アクダクト。面食いだとか、男を何十人と食ってそうだとか噂されたことだってあった。でも、全てがでっち上げの嘘である。
 だって、そういう経験も恋人もいなかった喪女だったわけだし……
 しかし、見栄をはって「いつだったかしら」なんて言う嘘をつくのは憚られた。だって、好きな人にキスにしろ、初めてをあげるにしろ女の子にとってはとても大事な事だと思うから。
 ロイより年上だし、そういう大人の余裕とか魅力とかあった方が良いのかなとか思うけれど、嘘ついてロイを傷つけるのもまた違うと思う。
 それに、軽い女だと思われそうだからここは正直に話した方が良いと思う。だけど……


(恥ずかしい、無理無理ッ……! ていうか、何で私がそんなことわざわざ言わないといけないのよ!)


 自分で自分のことを話すというのは意外と難しいもので、羞恥心が邪魔して上手く言葉が出てこなかった。
 すると、そんな私を見てロイは少しだけ眉根を寄せた。
 これは怒っている時の顔ではなく、何か言いたいことがある時に見せる表情だ。


「そ、そういうロイはいつなのよ」


 私は慌ててロイの言葉を遮るように質問をした。このまま彼のペースに乗せられるとまずい気がしたのである。
 彼は私の問いに答える代わりに、カウンターの上にあった私の手をぎゅっと握った。そしてそのまま、私を見つめながらゆっくりと口を開く。しかし、どことなく口角が上がっている気がして、私はぎょっと目をむく。


「いつだと思いますか?」


と、ロイは意地悪そうに笑った。


(こ、この子私を試してるの!?)


 ロイをちらりと見ると、やはり口元は弧を描いている。きっと私の反応で楽しんでいるに違いない。そんなロイに対してムキになってしまう自分がいて、更に顔の温度が上がった。
 そんな私の様子を満足そうに見つめながらロイは続ける。
 私を見つめるその目は、先程よりもずっと熱を帯びていて、彼の視線は私の唇に落とされる。
 けど、これがもし……ロイのファーストキスの相手が私じゃなかったらと考えるだけで、胸の奥がきゅーっとなって苦しくなった。
 私以外の誰かとキスをしているロイの姿を想像するだけでも嫌で嫌でしょうがない。ロイは私のことを好きだと言ってくれるし、私も同じ気持ちだけれど、不安になるものはしょうがなかった。


「私じゃないの……?」


 そう、いつの間にか私の口からはそんな言葉がぽろりと漏れていた。
 しまったと思った時にはもう遅くて、ロイと目が合う。そしてロイは握っていない方の手で私の頬に手を当て、ゆっくりと私の唇の方に指を這わせた。その瞬間、私は思わずびくりと肩を震わせる。


「冗談ですよ。意地悪しすぎましたね」
「や、やっぱり私を試したのね!」


 私は恥ずかしさを隠すように顔を背けようとしたが、それを阻止するかのようにロイの手が顎を掴み、強制的に彼の方を向かされる。
 ロイの瞳には情欲の炎が灯っていて、私はごくり、と唾を飲み込んだ。ロイの瞳から、逃れられない。


「俺のファーストキスの相手はシェリー様ですよ。これからも、この先も……俺がキスしたいのは、欲しいのはシェリー様だけです」


 ロイはそう言って優しく微笑んだ。そして、私の頭を撫でてからそっと引き寄せる。
 ちゅ、というリップ音が聞こえたかと思うとすぐにロイは離れていって、今度は額にキスを落とした。
 ロイの吐息がくすぐったくて身を捩らせると、ロイは悪戯っぽく笑う。
 そしてまたロイの綺麗な手が私の手の上に重ねられ、今度はしっかりと握り込まれた。まるで恋人繋ぎのように絡められた手に私はドキドキしながら、ロイの方を見る。


「シェリー様は?」


と、彼は首を傾げながら尋ねた。

 答えなんて分かりきっているはずだろうに、ロイは私の口からどうしても聞きたいらしい。自分はいったんだから、教えて下さいとでもいうように。

 やはり、ずるいし卑怯だ。策士と言うべきか……

 だけどこういうところも含めて全部好きになってしまったわけだし、そんな彼に惚れているのも事実なので仕方ない。  
 私がたじたじと答えを言うのをためらっていると、ロイは私の耳元に口を近づけ、小さな声で囁いた。


「ここじゃ、言えませんか?」
「え、いや……えっ」
「ベッドの上でなら、答えを聞かせてくれる?」
「ふぇっ……!?」


 予想外の言葉に驚いて、変な声が出た。そして、みるみると顔に熱が集まっていくのを感じる。
 しかし、ロイは相変わらず楽しげにこちらを見つめてくるばかりで、どうにも逃げ場が無い。こんな風にからかってくるロイは本当に意地悪だと思う。


「無言は、肯定と取って良いですよね?」
「ちょ、ちょっと待ってロイっ!」


 私は抗議の声を上げたが、抵抗するまもなくロイに抱き上げられ、会計も早々にホテルへと連れていかれ、部屋に入るなりベッドへ押し倒された。
 ロイの唇が私の首筋に触れ、その度に身体が震える。ロイの胸板は厚くてたくましく、私の力では到底抜け出せそうもない。だけど、その反面とても安心感があって、このまま身を任せてしまいたいという気にもなった。


(私、意外と流されやすいタイプなのかしら……)


 ロイはそんな私を見てくすりと笑いながら、どんどん服を脱がせていった。
 そして、下着姿になったところでようやく動きを止め、じっと私のことを見下ろす。


「そういえば、シェリー様の初体験はいつでしたか?」
「は、はつたい……ちょっと、待ってよ!ファーストキスはいつだったかとかそういう質問より、ハードル高くなってる気がするんだけど……」


と、私は恥ずかしさを隠すように慌てて言う。

 すると、ロイは少し困ったような表情を浮かべながら私の髪を撫でた。
 その手つきはいつもよりもずっと優しいもので、私の心を落ち着かせようとしてくれているのだと分かる。
 それが嬉しくて、全てを委ねそうになるがハッと我に返る。


(ま、また流されるところだったわ!)


 いや、もう既に流されているも同然なのだが、これ以上はいけないと自分を律する。
 色々あって、欲深くなったし素直に欲しいものを言うようになったロイだけど、これはあまりにも度が過ぎているような……いや、嬉しくないわけでもないこともないんだけど。


「こ、答えなきゃダメなの?」
「……いえ、言いたくないなら大丈夫です」
「……」
「まあ、わかりきっていることなので……それにきっとファーストキスは、シェリー様が酔って俺にキスしてきたあの夜でしょうし………」


 そう、ロイはフッと笑って言う。最後はボソボソっと言ったため聞き取れなかったがやっぱり、ロイにはお見通しのようだ。
 ロイのファーストキスの相手は私で、私のファーストキスの相手はロイだ。つまり、お互いが初めての相手ということになる。
 必然的に、初体験も互いに……
 そこまで考えて私は両手で顔を覆った。なんだか、恥ずかしすぎるのだ。


「今更何を照れているんですか? もっとすごいことをしているでしょう?」
「そ、それとこれとは話が別じゃない……!」


 そう反論してみたが、確かにロイの言う通りである。
 だけど、やはり恥ずかしいものは恥ずかしい。
 私がそう顔を覆いながらもごもごと口ごもっていると、ロイは私の手首を掴んで私の顔の上の手を強制的に退かせた。手首を捕まれては顔を隠すことも出来ない。
 掴んでいる手もぎりっと力が入っているように思え、少しだけ背筋に冷たいものが走る。


「今日はシェリー様からキスをして下さい」
「な、なんで!?」
「……キスの日だからです」
「理由になってなくない?」
「俺からしたら、いつもと同じじゃないですか……それに、俺はシェリー様からキスして欲しいです」


 そう私が言うと、ロイはぺたんと耳を垂れさせるようにダメですか?と呟く。
 その姿はまるで捨てられた子犬のようで、私はうっ……と言葉を詰まらせた。そんな風に言われてしまえば、私が拒否できるはずもなく、一回だけねと言ってしまう。
 すると、先ほどの表情は嘘のようにロイはぱぁと明るい笑顔になり、掴んでいた手を離した。


「……目、閉じてよ」
「何でですか?」


 きょとんとした顔で聞き返すロイに私は呆れる。どうして、そんな事も分からないのかしらこの男は。


(そんな目で見つめられながらキスなんて出来ない、ハードルが高すぎる!) 


 心の中でそう文句を言いつつ、私はぐいっとロイの首に腕を回して引き寄せ、唇が触れるか触れないかの所でとめる。
 寸止めを喰らったロイは少しだけムッと口をあげる。


「ほら、目閉じる」
「…………分かりました」


 ロイはしぶしぶと言った様子で目を閉じた。
 そして、私はロイの唇に自分の唇を重ねる。
 いつもは、ロイの方からしてくれることが多いので、自分からするのはやはりちょっと恥ずかしい。
 唇を重ね、もう良いだろうと離そうとしたとき、ロイが私の後頭部に手を当てた。そして、そのままグッと力を入れてロイへと引き寄せられてしまった。
 驚いている間にもロイの舌がぬるりと侵入してくる。
 突然の深いキスに頭がくらりとする。


(や、やっぱりこうなるじゃん―――――ッ)


 ロイは満足するまで私の口を貪ると、ゆっくりと離れて、ニヤリと笑みを浮かべながら言った。
 その瞳は熱っぽく、ギラついているように見える。
 ああ、スイッチが入ってしまったんだなと思う。こうなったロイを止める術はない。


「続き、良いですか……?」
「ダメって言っても、絶対聞かないじゃん……」


 私の言葉にロイはくすりと笑い、再び私を押し倒した。
 結局その後、何度もロイに求められて、私の体力は限界を迎えた。
 そして翌日、案の定私は動けなくなってしまった。ロイは甲斐甲斐しく世話をしてくれたけど、終始満足そうな笑みを浮べていて、まだまだ余裕があるといった感じだった。


「なんで、そんな体力あるのよ……」
「悪魔と人間のクォーターだからですかね? 体力には自信あるので」
「……わ、私じゃ受け止めきれない」


 そう嘆いた私の言葉にロイは苦笑いを浮かべた。


「これでもセーブしてる方なんですよ?」
「何処が!?」


 思わず声を荒げてしまう。あれ以上激しいとか想像するだけで恐ろしいのだが……
 すると、ロイはくすりと笑って私の頬を撫でながら言った。
 その表情はとても優しくて、愛おしいものを見るような視線だ。
 ロイのこういう表情を見ると、ドキッとしてしまう。最近は私に対して意地悪な事ばかり言ってくるので、こんな風に甘い雰囲気になるのに慣れていないのだ。
 恥ずかしくて、私はつい顔を逸らす。
 すると、ロイはクスクスと笑って、私の首筋に顔を埋めた。


「また、シェリー様からキスして下さいよ」
「……調子のりすぎ」
「乗らせてくれたのはシェリー様ですが?」


 そう言いながら、ロイは首筋にキスを落とす。
 従順な犬かと思っていたけど、もしかしたら言うことを聞かない駄犬かも知れない……と私は思いつつ、それでも彼なりにセーブし私のことを尊重して、気遣ってくれているのだろうと察し私は彼の頭を撫でてあげた。すると、彼は嬉しそうに頭をすり寄せてくる。
 こう見ると矢っ張り、年下というか甘えたいという思いが彼の中にあるのだと私は思った。


「とき、どき……してあげるから」
「何をですか?」
「だから、その……き、キスを……」


 恥ずかしさに顔を真っ赤にしてそう言うと、ロイは驚いたように目を見開いたあと、ふわりと優しい笑顔を見せた。
 それはまるで花が咲くかのような綺麗な微笑みで、私は胸がきゅんとなる。


(……やっぱり、ずるい)


 ロイは、分かりました。と再び言うと私の頬に触れるような優しいキスをしたのであった。



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