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第4章 飼い慣らして嫉妬
10 二人で幸せを画いていこう◇
しおりを挟むてっきり、ロイは同じ気持ちだと思っていた。
「……ダメだなあ、私」
結局、ロイを引き止めてあの言葉を聞いてから三日は経ってしまった。その間、私達はまた一言も言葉を交さなかったし、顔も合わせることはなかった。お互いに頭を冷やせ的な感じで、私も会わないようにはしていたんだけど……距離が出来れば出来るほど、お互いの気持ちがズレていくような気がして、また話し合わないといけないんじゃないかって思えてくる。でも、勇気が無い。あっちにも、譲れないものがあるだろうし……
(価値感の違い……)
ロイが子供を欲しくない理由はあれだけなのだろうか。咄嗟にいわれて、言葉を選ぶ余裕がなかっただけかも知れないし、まだ他にも理由があるのかも知れないと思った。でも、話し合わないことには何も変わらないと。
「はあ……」
自室に籠もって、自問自答を繰り返す。
お父様に話せば、養子でもかまわらないといっていたけれど、養子の問題ってかなり複雑だし、何より私が、というかシェリー・アクダクトが養子だから、本当に公爵家の血を継ぐ人間がいなくなっていくんじゃと思うと、何だか申し訳なくも思う。
ミモザや他のメイド達に心配されたけれど、これはロイと私の問題だし、とまた一人で抱え込んでしまっている。相談できれば良いんだろうけれど、内容がないよう名だけに相談しづらい。それに、もし、これでロイにヘイトが集まってしまったらって考えたら、そっちの方が辛いから。
どうしたものかなあ。
価値感覚の違いは仕方なく思う。でも、彼が、悪魔の血が云々と言うことを話題に出さなかったと思うと、子供が差別されることを恐れて子供は……と言ったわけではないと分かった。だからこそ、彼の発言が全てな気がする。
『子供を愛せない』
生れればきっと愛せると、思うんだけど、私は母性、ロイは父性みたいなのが生れて、上手くやっていけると思っているんだけど、ロイは断言してしまっている。最近、他のことに夢中になっていたから、彼の中に私以外の何かがあると思ったのに、ロイはロイのままだったというわけだ。
少し見えた希望もあっさり打ち砕かれてしまって、私は本当にどうしたものかと頭を悩ます。
もう一度、話し合うしかない。そう分かっているんだけど。
「ううん、ここでぐだぐだしていても仕方がないわ! 話をつけに行きましょう!」
善は急げ。思い立ったら即行動よ! と、私は自分を奮い立たせて、ベッドから飛び起きた。部屋から勢いよく出れば、ミモザがそこにいて、ドアに彼女の顔がぶつかってしまい、慌てて謝ったけれど、彼女は「元気になって良かったです」なんて、優しい言葉をかけてくれた。申し訳ない気持ちが膨らんでいくと同時に、私を思ってくれている人がいるという安心感と幸せを噛み締めながら、私は公爵邸の中を走った。宿舎にもいない、訓練場にもいない、温室にもいない、となると――
「ロイ!」
「シェリー様?」
見晴らしの良い丘の上。そこに、ロイはいた。
本当にここが好きなんだと感心するぐらい、高確率でロイはここにいる。ロイは、振っていた剣を下ろして、私の方を向く。何処か気まずそうな雰囲気をかもし出しながらも、私の方へ駆け寄って、頭を下げる。
「どうしたんですか。用があれば、呼んで下されば良かったのに」
「ううん、私が話したいと思ったから。私とロイの問題だし、他の人は関係無いでしょ?」
と、私が言えば、何の話をされるか分かったのか、ロイは「それは……」と一気に顔を暗くした。随分と分かりやすくなったなあ、なんて思いつつ私は、もう一度聞く。
「私は、子供が欲しい。ロイとの子供が欲しいの。勿論、私の一方的な思いで決められないし、押しつけたくない。お父様は、できないのなら養子をとれば良いと言って下さった。だから、ロイの本当の気持ちが知りたいの。教えてくれない?」
「俺は……欲しくないです」
「理由」
私が問い詰めれば、ロイは観念したように手を挙げた。よほどいいたくないのか、目が泳いでしまった。
それから、ぽつりと零す。
「剣舞大会、あの時、俺は始めてシェリー様以外で夢中になれました。あの時、俺の知らない俺を知った気がして、俺はシェリー様以外に夢中になれるんだと思った。けれど、全てを辿ればシェリー様に行き着いた。俺は、俺にはシェリー様以外いらないんです。だから、子供はいらない。シェリー様しか俺は愛せない、愛せる自信が無い。それに、シェリー様の愛は俺が独り占めしたいって……わがままだって分かってるんです。けど、俺以外にシェリー様が愛を向けるって考えると、幾ら自分の子供であっても嫉妬するし、許せないと思うんです。だから、そんな思いをするくらいなら、子供はいらないと」
ごめんなさい。
と、ロイは消えるようにいった。
ロイの気持ちはよく分かった。何となく察していたからこそ、驚きもしなかったし、ああ、そうなのかと納得が出来た。
確かにロイの私への執着心は私がよく知っている。私が一身に受けているものだからこそ、分かる。彼が私以外愛せないんじゃないかって。だからこそ、ロイの言葉は理解できた。我儘であっても。
「でも、生れてみなきゃ分からないじゃない」
「そう……ですけど。でも、俺、愛せなかったら、父親失格じゃないですか」
「……っ」
私はその言葉を受けて、彼がそこまで考えていると思っていなかったため、酷く驚いた。父親になるかも知れないって言う自覚はあるのかと。
愛せないといったけれど、しっかり子供の事を考えているんだって。その上で、愛せなかったら子供が可哀相だって理解している。
ならば、彼はもしかして……
「子供の事、怖い?」
「こわ……くはないです。愛せないと、可愛そうだと思いまして」
「多分、ロイ……それは、父親になる覚悟が。それについて少し恐れを抱いているんじゃない? 子供を愛せるかっていう恐怖というか、不安というか。それと、私への愛が混ざっていない?」
「……確かに、そうかもしれません」
と、ロイは認めると、顔を上げた。
私だって不安だ。前世の教育の体制と、この世界の教育の体制は違う。だからこそ、二人で育てていくという感じじゃなくて、メイド達の手を借りながら立派な貴族に育てていかないといけない、という責任が伴ってくる。まあ、子供を育てるって簡単なことじゃないし、何よりも不安がつきものだ。
ロイは、それと私への愛を混合させてしまっているのでは無いかと思った。
「ロイが私の事愛してくれるのは嬉しいし、私もロイを愛しているわ。だからこそ、ロイと私の間に生れた子には、私とロイの二人の愛をあげたいの。貴方が私にくれた愛を。勿論、ロイへの愛はずっと同じ量を、今よりもあげるわ。私が恋愛対象として愛しているのは貴方だけだもの」
「シェリー様」
「だから、ロイ。私は、貴方との子供を産みたい。夫婦になって、子供も出来て。おじいちゃんとおばあちゃんになるまでずっと一緒にいたい。それじゃ、ダメ?」
脅し文句か、口説き文句か。
ロイは私を見つめながら固まってしまった。
そして、少ししてから、澄んだワインレッドの瞳を私に向けた。真剣な眼差し、光を帯びた瞳に、私は思わず息をのむ。
「貴方が望むのなら、俺は、シェリー様の願いを叶えます。シェリー様の望は俺が全て叶えてあげたい。俺にしか叶えられない望みなら尚更。それに……貴方との子供が出来たら、って想像しなかったわけじゃありません。ただ、貴方からの愛を奪われるのが怖かった。こんな俺でも、父親になれると思いますか」
「なれるわよ。私が保証する」
私がそういって笑えば、ロイはふわりと花が咲くように笑って私を抱きしめた。
「本当に、貴方には敵いません。俺は、貴方にずっと溺れている。すくわれるときも、貴方に救われて……シェリー様は、俺を酔わせて覚めさせてくれない」
「それは、お互い様よ」
私は、自らの唇を彼の唇に重ねる。彼は私を拒むこと無く、受け入れお互いの熱を交換するように舌を絡め合う。
そうして、暫くしてから唇を離せば、銀の糸が私達の間を繋いでいて、それがぷつりと切れてしまうのが寂しくて、私はもう一度彼にキスをした。
紆余曲折あってここまで来た。そして、ようやく本当の意味で心が通じ合って、幸せになれるんだと、私は愛しの彼を抱きしめた。私は、幸せだと、叫びたいくらい、ロイに愛されていると、私も愛しているよと自慢したいくらい幸せだった。
「そういえば、シェリー様」
「な、何? ひゃぁっ! ど、何処触ってるのよ」
「欲求不満だと仰っていませんでしたか? 俺が三週間もほったらかしにしてしまっていたから、俺が欲しくてたまらないんじゃないですか?」
と、ロイは幸せな雰囲気をぶち壊す……まではいかないけれど、幸せな雰囲気から、そういう甘い雰囲気に持っていこうと私の腰に手を伸ばしてきた。
「ちょ、ちょっと待って。今は、その……まだ昼間だし……その、あの……」
「大丈夫ですよ。俺も溜まっていますし」
「そ、そう言う問題じゃないの!」
「なら、どういう問題なんですか?」
「うっ……」
現金な人……と思いながら、ちゃっかり自分の身体も反応していることに気づいてしまい、もう後には引けないな、と私はもう一度ロイにぶつかるようなキスをした。
「ここじゃ嫌よ。私の部屋に連れて行きなさい」
「分かりました。お姫様」
そう言ってロイは私をお姫様抱っこすると、そのまま私の部屋に直行した。
「んっ……あっ……そこ……やっ」
「長いことしていないので、今日はゆっくりしますから」
「んんっ」
私の部屋のベッドに押し倒されれば、ロイは早速と言わんばかりに私の服を脱がせ始めた。
久々ということもあって、いつもより興奮している自分がいる。そして、思いが通じ合ったあとだからこそ、何というか今まで以上にロイを近くに感じるというか……
(久しぶりに恥ずかしいって思えてきちゃったわ……)
ロイも私も、何日ぶりかの行為だ。それも仕方が無いのかもしれない。ロイの手が、指先が、触れるたびに私はビクッと身体を震わせる。
そんな私を見て、ロイは嬉しそうな顔をしていた。
「随分と敏感になりましたね」
「そういうの、いちいち、いわなくてっ! いいから!」
「嬉しいって気持ち、伝わらないと寂しいので」
「だからって、やぁっ!」
と、話しながらも胸の先端を口に含んできて、片方の手でもう片方を弄ってくるものだから、余計に感じてしまって、声を抑えることが出来ない。
何時もの事だけれど、やっぱりこの感覚は慣れなくて、恥ずかしくて。でも、それだけじゃない感情もあって。
ロイの髪を撫でると、ロイは上目遣いに私を見つめてきて、その表情が可愛く見えてしまって、思わず顔が綻ぶ。
「余裕ですね。こっちにも集中して欲しいんですけど」
「え、ちょ、まっ……あぁっ! 急に……しない、でぇっ」
「無理です。シェリー様が悪いんですよ」
「んんっ」
そういって、ロイは更に強く吸ったり噛んだりしてくる。痛いはずなのに、何故かそれが快感になってしまっている私がいて。
ロイは満足げに微笑むと、今度は下の方へと手を伸ばす。
そこは、既に下着の意味を成していない程濡れていて、ロイは少しだけ意地悪な笑みを浮かべていた。そして、ゆっくりと中へ侵入していく。久々の感覚に、思わず息をのむ。
「ちょっと、ネチっこい」
「久しぶりなのでって、さっき言いましたよね?」
「で、でも」
やたらな前戯に、私は抗議の声を上げる。
しかし、ロイは私の言葉を無視して愛液の溢れるそこに舌を入れてきた。
「ひゃああぁっ!? や、なにして、やめ……汚いから、だめだってば……いっ、つも、いってぇ、や、らぁ……ふぁ」
「いつも、嫌々いいますけど。これが、一番好きですよね?」
分かってるんですから、といわんばかりに彼は集中的に攻めてくる。確かに、私はこれが好きで。だけど、好きなんだけど……あまりにも恥ずかしい体勢すぎて!
「ふぁっ……や、そこでしゃべらないで」
「好きですよね?」
「す、すきぃ……だから、も、やめ……イっちゃう、からぁ……」
「なら、良いじゃないですか」
そう言うと、彼は再び舌を這わせていく。その度に水音が響き渡り、それがさらに羞恥心を煽る。
言葉通り、丁寧にゆっくりやるものだから、腰が浮いて動いて仕方がない。早く欲しいって思うのに、彼は全然先に進んでくれない。焦らして、私を楽しんでいるようだった。
「ロイ、もぉっ」
「何ですか? ちゃんと言ってくれないと分かりません」
「ひ、酷い! いじわる!」
「何とでも。でも、いわないとこのままですよ?」
と、ロイは再び私の中に指を入れて掻き回す。
彼の長くて太い指が動くたびに、頭が真っ白になるような快楽が押し寄せて来て、私は必死にロイにしがみつく。
「俺が欲しかったらいつでも、言って下さいね。ちゃんと、その口で」
「んんっ……もぅ……いじわる……」
「ほら、いって」
「……て」
「聞こえない」
「……て、ほしい……ロイの……ちょーだい、ロイのが欲しい! ロイの熱くて、かたいの、ほしいのっ」
「よく出来ました」
ロイはそう言って笑うと、指を抜いて自身を私の中に埋め込んでいく。最初は久しぶりすぎて、異物感があったけれど、すぐに慣れてしまって、私は甘い声を上げた。
「あっ……んんっ……や、おっきく……しないで……」
「それは無理なお願いですね」
そう言って、ロイは私の首筋に吸い付いてくる。跡が残るくらいに強く吸われて、それすら感じてしまう。
「んんっ……や、も……おかしくなる……」
「なってください。もっと、乱れた貴方が見たい」
「んっ……あっ……そこ、きもちいい……んんっ」
ロイは私の弱いところを重点的についてきて、一気に絶頂まで上り詰める。もうすぐで達するというところで、ロイは動きを止めてしまった。
なんで止めるのよ、と思いながらロイを睨みつければ、ロイはとても楽しそうな顔をしていて。私の耳元に唇を寄せると、そっと囁いた。
―――まだダメです
「ど、どうして!」
「もう少し我慢してください。一緒に、ね?」
「む、むり! やだ、このままじゃつらいのぉ!」
「駄目です」
「やだぁ! おねがい! お願いだからぁ!」
私は泣きじゃくりながら懇願する。そんな私を見て、ロイは困ったように笑っていた。
「じゃあ、俺にしっかりしがみついてッ!」
「ッ!?」
ロイはそういうと勢い良く最奥を突いてきた。あまりに強い衝撃に耐えきれずに、私は呆気なく果ててしまって、ロイもその締め付けによって私の中で熱いものを放った。
「俺の、シェリー様のここに一杯出してあげましたからね。子供、早く欲しいですね」
「ぁ……あぅ……」
母音しか出てこなくなった私とは違って、ロイはまだ体力があるというような感じで満面の笑みを浮べる。そうして、ロイはうっとりと、私のお腹を撫でて、幸せに包まれたような顔をして私の額にキスを落とした。
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