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第9章  氷の女王

101  氷の女王Ⅱ

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 目はどちらともお互いに人を殺す目をしており、どちらかがやられるまでやるつもりだ。


「これは思っていたよりも凄いな。普通の学生では、まず、出来ない芸当だ。お互いにまだ、手の内を全て明かしていない」


「え⁉ あんなに凄いのにですか!」


「ああ。しっかり見ておけよ。あれくらいのレベルでなければ、例え、魔術師、錬金術師とはいえ、お前たちはすぐに死んでしまうだろうな」


「ええ、先生、厳しぃいい……」


「ははは、でも、それが現実だ。学生のうちは勉強だ。何事にも挑戦しろよ!」


「はーい」


 生徒たちは嫌々と返事をする。





 デミトロフとエミリーの戦いは、どちらとも神経を研ぎ澄まし、一振り、一振り、かわし、受け止めながら戦っている。


「意外とやりますね、ジョン」


「そりゃどうも。お前こそ剣一本で俺の攻撃を軽々と受け止めやがって、その上、至近距離の射撃はかわすだけでやっとなのに……」


「そうですか。ですが、ここで私はあなたを倒させていただきます」


 エミリーの目つきが変わる。


 何かが来る。


 そう、デミトロフは悟った。


 ――――ちっ、やはりここまでか……。仕方ない。ここは一度、退却するか。


 デミトロフは、後ろに飛びエミリーから距離を取る。


「ジョン。それは私から逃げるという事でいいですね?」


「ああ、逃げも一つの手段だ!」


「いい答えです。でも、逃しません‼」


「だと、思うだろ?」


 デミトロフは、服の懐から手榴弾に近いものを取り出した。


「なぁ!」


「じゃあーな」


 そう言って、地面に叩きつける。


 爆発して、光が演習場内に放たれ、視界を塞ぐ。


「くっ……」


 ――――やりますね。閃光弾ですか……。


 ――――流石に馬鹿ではないという事ですね……。
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