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第6章 咎人の罪
077 咎人の罪Ⅶ
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「痛い……」
二葉は、頭を押さえながらしょんぼりする。
「当たり前だ。生きている人間が痛みを感じないわけがないだろ! 生きている限り痛みはつきものだ!」
「ユーヤみたいな屁理屈を言うんだね。マーキュリーは……」
「あいつと同じにするな。ああ、もう! それにしてもいつまでこんな所にいるつもりだ!」
「合図があるまで……。さっきも一花に言った」
ちらっと、未だに苛々している一花を見て、二葉は平常心でいる様な態度をしている。
だが、その内心は自分も行動したのは事実だ。
――――遅い……。もうそろそろ始まってもいいはずなのに……。
――――なんだか、嫌な予感がする……。
二葉はそう感じた。
それを見ていたマーキュリーは、二葉を見ながら裕也達のいる教会を睨みつけた。
――――裕也、早めに終わらせて来い。
その目の瞳の奥には一体何が映っているのだろうか。
アルブレヒト教会神の聖域――――
裕也は鎖に繋がれたまま大人しく祭壇の上で待っていた。
だが、九時を過ぎてもマーロスと総司の姿が見えない。
「おい、マーロス殿は一体何をしているのだ。君、何か聞いていないのかね?」
立ち合いに来た軍人の中の一人が三久に訊いた。
「あ、はい。もうすぐ来るとおっしゃっていたのですが……」
三久は困った顔をしながら二人を待ち続けるが、一向に来る気配が無い。
すると、扉が開き、茶色のマントを着て、フードをかぶった人間が部屋の中へと入ってきた。
深くフードをかぶっており、その人物が一体誰なのか、認識できない。
――――誰?
三久は目を凝らしながら一体誰なのかと疑う。
「すまない。少し遅れました。皆さま、大変お待たせしました。さて、儀式の方を始めましょうか。軍人の皆様は中央に集まってもらえますでしょうか?」
フードをかぶった人物・声はマーロスっぽい人物がグルである軍人を中央の祭壇へと呼び寄せた。
「皆さん、ここ一列に並んでください。今から儀式を行う前の準備をいたします」
「教主殿、一体今から何をするつもりなのですか?」
「それはですねぇ……」
二葉は、頭を押さえながらしょんぼりする。
「当たり前だ。生きている人間が痛みを感じないわけがないだろ! 生きている限り痛みはつきものだ!」
「ユーヤみたいな屁理屈を言うんだね。マーキュリーは……」
「あいつと同じにするな。ああ、もう! それにしてもいつまでこんな所にいるつもりだ!」
「合図があるまで……。さっきも一花に言った」
ちらっと、未だに苛々している一花を見て、二葉は平常心でいる様な態度をしている。
だが、その内心は自分も行動したのは事実だ。
――――遅い……。もうそろそろ始まってもいいはずなのに……。
――――なんだか、嫌な予感がする……。
二葉はそう感じた。
それを見ていたマーキュリーは、二葉を見ながら裕也達のいる教会を睨みつけた。
――――裕也、早めに終わらせて来い。
その目の瞳の奥には一体何が映っているのだろうか。
アルブレヒト教会神の聖域――――
裕也は鎖に繋がれたまま大人しく祭壇の上で待っていた。
だが、九時を過ぎてもマーロスと総司の姿が見えない。
「おい、マーロス殿は一体何をしているのだ。君、何か聞いていないのかね?」
立ち合いに来た軍人の中の一人が三久に訊いた。
「あ、はい。もうすぐ来るとおっしゃっていたのですが……」
三久は困った顔をしながら二人を待ち続けるが、一向に来る気配が無い。
すると、扉が開き、茶色のマントを着て、フードをかぶった人間が部屋の中へと入ってきた。
深くフードをかぶっており、その人物が一体誰なのか、認識できない。
――――誰?
三久は目を凝らしながら一体誰なのかと疑う。
「すまない。少し遅れました。皆さま、大変お待たせしました。さて、儀式の方を始めましょうか。軍人の皆様は中央に集まってもらえますでしょうか?」
フードをかぶった人物・声はマーロスっぽい人物がグルである軍人を中央の祭壇へと呼び寄せた。
「皆さん、ここ一列に並んでください。今から儀式を行う前の準備をいたします」
「教主殿、一体今から何をするつもりなのですか?」
「それはですねぇ……」
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