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第2章  三つ子の奴隷

017  三つ子の奴隷Ⅳ

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 首と手足首に付けられた奴隷の鎖を解除し、三人は恐る恐る檻の中から外へと出てきた。


 そして、奴隷の紋章を一人ずつ消してもらい、俺の元に来るまで十五分程度、時間がかかった。


「…………」


 俺は三つ子の長女と目が合い、何も言わずに目線を逸らされてしまう。


「それではあなた様のご意向に応じまして、全ての事を行いました。それではこれにて我々の契約は終わりです。後はご自由にどうぞ」


 と、頭を下げて、奴隷商人は彼女たちの後ろへと下がっていく。


「ほら、このマントでも一時的に来ていろ! 俺もお前たちと同じ日本人だ。さあ、ついて来い」


 三人にそれぞれ黒のマントを一枚ずつ渡し、そのままテントを出る。三つ子は受け取ったマントを纏って俺の後ろをついてくる。


 さて、まず、最初に女性の衣服の店でも探すか。


 近くの衣類店を街の女性に訊くと、若い女性に人気のある店へと入っていく。


 さすがにあんな汚い服で俺の周りにいられても困るのは明らかだ。


 それに色々と訊きたいこともある。


「さあ、好きな服を選んでもいいぞ。決まったら呼んでくれ。俺は店の隅に置いてある椅子で待っているから……」


 そう言って、店員に椅子を借りるとそのまま目をつぶり、居眠りを始める。


 彼女たちは俺の言われた通りに服を選び始める。


 女子の買い物は大体一、二時間といったところか……。





 うとうとと眠り始めてから三十分後――――


「あの……起きてください! すみません!」


 体が揺さぶられているのが分かる。


 何だぁ? 誰だよ、俺を起こすのは……。


 重たい目蓋をゆっくりと開けると、そこにはさっきまで汚い奴隷服を着ていた三つ子ではなく、それぞれ違った服の可愛らしい服を着た三つ子が目の前に立っていた。


「あ、ああ。精算ね……。すみません、お会計をお願いします」


 レジで会計を済ませる。


 服は合計で十万Gらしい。


 まあ、それくらいの値段はすると覚悟はしていたからあまり損など思っていない。


 金を払った後、店の外に出てそのまま違う店へと向かい、歩き始める。


「すみません。今からどこへ行くのですか?」
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