アレイスター・テイル

第３章 失われた魔法と無力の魔導師

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　肩の力を抜くと、

「訊きたいことってなんだ？　できる限りなら話してやる」

「できる限り？　何言ってるの？」

　碧が目を細める。それから眉を寄せて、和哉をじろじろと見つめる。

　明かりがようやく明るくなると、彼女の姿がはっきりと見えた。やはり、身長は紗耶香よりも高く、鈴鹿よりも低い。

　しかし、あの魔法を操っていたのは、間違いなくこの水瀬碧という少女だ。だが、彼女の正体はそれ以上まだ分からない。情報量がまだ少なすぎるのだ。この話はあとで真彩から訊き出せばいい。

「だけどこの世界に魔法を知る者がいるということは、まさか他のギルドの魔導師がいるとはねぇ……。もしかして、あんたがそうだったりするの？」

　どうやらこの街で何か探し物をしているに違いない。碧は拍子抜けた様子でどんどん話した。

　和哉は溜息をついて、

「……そうだったりとは、一体何のことだ……」