アレイスター・テイル

第３章 失われた魔法と無力の魔導師

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　そして、目の前に人影があった。和哉や宗司だけではなく他の二人も気が付く。

　女の子の姿だった。

　少し暗くて見えづらいが、身長とその体型から考えると和哉たちと同じくらいの歳。そして、千両箱の上で座りながら焼きそばを食べている。

　そんな雰囲気の中で緊張感が無さすぎる少女が不気味であり、和哉は構える。

「なるほどね。その中にあれがいるの……」

　声が若い。だが、こういった言い癖は嫌という程聞き覚えがある。彼らと同じだ。欲しいもの、成し遂げるものになる時、人を見下す。

　髪は金髪ロングのポニーテール。服は黒一色の半袖のスカート姿。そして、黒一色の服に赤いラインが入っている。足には黒い靴。

　どこかで葬式でもやっていたのかと思うくらいの格好だった。

　少女は和哉たちを確認すると、最後の焼きそばを食べ終えた。

　ゴミは袋に入れて、その場に放り捨てる。指を一回鳴らした。