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第3章  失われた魔法と無力の魔導師

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「一ノ瀬君、何をしているの?」

「うわっ!」

 後ろから誰かに声を掛けられた。和哉は背筋が凍って、綺麗に直立する。

 真彩は「はぁ……」と溜息をついて、額に手を当てた。

「うぉあ……赤舞。どうしてここにいるんだ?」

 驚いた和哉は振り返って尻もちをつく。

「そこを歩いていたら二人の姿が見えたからね。何をしているんだろうと思って……」


 鈴鹿は笑顔を見せて、和哉の肩を軽く叩く。

 ————こいつ、球に神出鬼没して来るからな。全く、気配が読み取れなかった……。

「それでお二人は何を話していたのかなぁ? 白雪さんに怪しいことしてないよね?」

 ニヤニヤしながら面白そうに和哉をつついてくる鈴鹿」
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